[1]睡眠サプリと睡眠の質の改善を調べたRCTのメタ解析
- 発表年
- 2025年
- 研究機関
- 中国・華南農業大学
- 掲載誌
- Nutrients
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 研究28件を統合
- 結果の向き
- 良い方向
睡眠のためのサプリのRCT28件で、睡眠の質のスコアが平均0.70点良くなった。

睡眠サプリ全体としては効きません。効くと確かめられた成分は、メラトニンとL-テアニンの2つだけで、改善は小さいです。
メラトニンは日本では食品のサプリとして売られていません。ここで調べたのは眠りへの効き目だけで、安全性は含みません。
試すなら、中身が分かる単独の成分から。日本で買える成分では、L-テアニンに睡眠の質の小さな改善を示したメタ解析があります [6]。眠れない状態が続くときは、サプリを足す前に医師に相談を。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 18 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 15 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 88 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 3 本・RCT のメタ解析 3 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
睡眠サプリは、眠りを助けるとされる成分を含む健康食品の総称です。アミノ酸(テアニン・グリシンなど)、ミネラル(マグネシウムなど)、ハーブ(バレリアン・カモミールなど)があり、複数を混ぜた配合品も多く売られています。成分ごとに結果が違うのが特徴です。注意点は、メラトニンが日本では医薬品の成分として扱われ、食品のサプリとしては売られていないことです。
答えの中心は、中国の華南農業大学などの研究チームが2025年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の比較試験の結果を合算して、全体の傾向を見る方法です。
| 研究の種類 | 睡眠のためのサプリを調べたRCTのメタ解析(28件) |
|---|---|
| 対象 | 眠りに問題がある人と健康な人 |
| 比べたもの | トリプトファン・ビタミンD・オメガ3・亜鉛・抗酸化物質などのサプリと、プラセボ(偽薬) |
| 結果 | 睡眠の質のスコア(PSQI、低いほど良い)が平均0.70点良くなった |
寝つくまでの時間と夜中に起きている時間も短くなりましたが、効果量は小さいものでした。
効かなかった成分と、効いた成分が、同じ平均の中に混ざっているためと考えられます。2022年に発表された別のメタ解析(RCT31件)でも、アミノ酸・メラトニン・ビタミンDでは睡眠の質のスコアが良くなりました [7]。ただしメラトニンとビタミンDは、研究ごとの結果のばらつきが大きいものでした。マグネシウムや亜鉛は、まとめられるデータが足りませんでした。
不眠のある人でハーブを調べると、差が出ませんでした。バレリアン・カモミール・カバなどを飲んだRCT14件のメタ解析では、13の評価項目のどれでもプラセボと差がありませんでした [2]。
13の評価項目のどれでも、ハーブとプラセボに差はありませんでした。
配合サプリの試験も同じでした。眠りに問題がある大人64人が6週間飲んだ試験では、自分で感じる睡眠も機器で測った睡眠も、プラセボより良くなりませんでした [3]。トレーニングをしている健康な男性17人の試験でも、差はありませんでした [4]。一方、若い男女16人の3日間の小さな試験では、寝つくまでの時間が平均24分短くなっています [8]。人数が少なく期間も短いため、全体の結論は変わりません。
研究で使われた条件はさまざまです。たとえば配合サプリの試験は、PSQIが5以上の大人に6週間飲んでもらう形でした [3]。睡眠の質のスコアはPSQIなどの質問票が中心で、本人の感じ方が結果に出ます。持病がある人、薬を飲んでいる人、妊娠中の人は、飲む前に医師か薬剤師に確認してください。海外のメラトニン製品の個人輸入も、先に医師へ相談しましょう。
「睡眠サプリ」と一括りにせず、何が入っているかで考えてください。
成分ごとに見ると、メラトニンとL-テアニンは効き、ハーブは効きません。
サプリ全体の平均では、差はわずかです。
試すなら単独の成分から。眠れない状態が続くなら、医師に相談しましょう。詳しい生活の整え方は 睡眠の質を高める方法は? にあります。
研究では、3日間から6週間の試験があり、何日で効くとは言えません [[36094342]] [[38580720]]。
不眠のある人のRCT14件のメタ解析では、プラセボと差がありませんでした [[25644982]]。カモミールは [カモミールティーは睡眠に効く?](/evidence/chamomile-sleep) で詳しく扱っています。
今回の配合品の試験では、64人と17人のどちらも差がありませんでした [[38580720]] [[39983739]]。配合品は、どの成分が効いたのかも分かりません。
別の記事で扱っています。[GABAは睡眠に効く?](/evidence/gaba-sleep) をご覧ください。
睡眠のためのサプリのRCT28件で、睡眠の質のスコアが平均0.70点良くなった。
不眠のある1602人 (RCT14件) で、バレリアン・カモミール・カバなどのハーブは、どの評価項目でもプラセボと差がなかった
眠りに問題がある大人64人で、配合サプリは睡眠がプラセボより良くならなかった。
健康な成人男性17人で、寝る前の飲料はプラセボと差がなかった。
不眠症の大人の研究22件で、徐放型メラトニンは寝つくまでの時間を平均6.30分短くした。
RCT12件で、睡眠の質のスコアがプラセボより良くなった。
RCT31件で、アミノ酸・メラトニン・ビタミンDで睡眠の質のスコアが良くなった。
若い男性9人・女性7人の配合サプリで、寝つくまでの時間が平均24分短くなった。
1683人(19件)で、寝つくまでの時間が平均7.06分短くなった。
慢性の不眠症のRCT24件で、大人では寝つくまでの時間が良くならなかった。
RCT154件で、メラトニンは全体として意味のある効果を示さなかった。
高齢者151人(RCT3件)で、寝つくまでの時間が平均17.36分短かった。
大人のRCT12件で、結果は研究ごとにそろわなかった。
系統的レビュー8本のまとめで、不眠の治療としての効果の根拠はなかった。
判定「効かない」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。