[1]テアニンの睡眠への効果を調べたランダム化比較試験のメタ解析
- 発表年
- 2025年
- 研究機関
- オーストラリア・キャンベラ大学
- 掲載誌
- Sleep medicine reviews
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 研究12件を統合
- 結果の向き
- 良い方向
19件・897人を集めた解析で、睡眠の質の総合点がプラセボより改善した(標準化平均差0.43)。

効きます。睡眠の質の総合点が小さく良くなり、日中の支障も少し軽くなります。
テアニン単独の研究は少なく、他の成分との組み合わせも含む結果です。
試すなら、研究で使われた毎日200〜450mgが目安です [2]。寝つきを大きく早める期待はせず、睡眠の質と日中の支障を少し整える補助と考えましょう。薬を飲んでいる人や妊娠中の人は、先に医師か薬剤師に確認を。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 10.6 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 17.1 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 82.7 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 83 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 2 本・RCT のメタ解析 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
L-テアニンは、お茶の葉に多く含まれるアミノ酸の一種で、お茶のうま味のもとになる成分です。リラックスや睡眠の助けになるとされ、粉末・カプセル・錠剤のサプリメントのほか、機能性表示食品や飲料に配合されます。テアニンだけのものと、ほかの成分を組み合わせたものがあり、医薬品ではありません。注意点は、薬を飲んでいる人や妊娠中・授乳中の人は先に医師か薬剤師に相談すること、夜にカフェインを含むお茶や飲料でとると寝つきに影響する可能性があることです。
答えの中心は、オーストラリアのキャンベラ大学などの研究チームが2025年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の研究の結果をまとめて、全体としてどのような違いがあるかを調べる方法です。ランダム化比較試験(くじ引きで分けて比べる試験)19件・897人の情報が整理されました。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験を集めたメタ解析2024年9月までの研究を検索(19件・897人) |
|---|---|
| 対象 | 年齢・健康状態を限定せずに研究を収集 |
| 比べたもの | テアニンを含む介入 / プラセボ(偽薬) |
| 結果 | 睡眠の質の総合点が改善(標準化平均差 0.43) |
テアニン単独で同じ変化が起きるかは、研究がまだ少なく、確かめきれていません。
標準化平均差とは、異なるアンケートの結果をそろえて比べる数値です。0.43は「大きく良くなる」ではなく、小さな改善にあたります。睡眠の質は12件の研究が統合され、信頼区間(本当の値がありそうな範囲)は0.04〜0.83でした。下端がほぼ0に近く、効果の大きさには幅があります [1]。睡眠不足による日中の支障は9件で0.33と小さな改善、寝つくまでの時間は10件で0.15とごく小さな差でした [1]。これらはいずれもアンケートで答える主観の点数で、睡眠時間や深さを機器で測った結果ではありません。
テアニン単独の13件(550人)を集めた2026年の系統的レビューは、結果を統合する解析はしていませんが、毎日200〜450mgで大人の睡眠を支える可能性があると結論しています [2]。対象の試験の多くは先のメタ解析と重なっているため、独立した確認とは言えません。
睡眠以外の話も、研究で確かめられているかを並べました。
2025年の試験では、トレーニングをしている健康な男性17人が、テアニンなどを含む寝る前の飲み物とプラセボを比べました。機器で測る指標と本人の評価のどちらにも差は見られませんでした [7]。複数の成分を混ぜた飲み物の試験なので、テアニン単独の結果とは区別が必要です。睡眠に問題のある大人64人がテアニンとハーブの組み合わせを6週間とった試験でも、睡眠の質の点数はプラセボと差がありませんでした [8]。一方、クルミペプチドとの組み合わせを8週間とった睡眠に悩む大人では、プラセボと比べて睡眠時間と睡眠の質の点数が改善しました [9]。
複数成分を含む飲み物を比較。テアニン単独の試験とは区別します。
研究で使われた量や期間は一定ではなく、対象者や一緒にとる成分も違います。200〜450mgという量は研究の条件で、誰にでも適した量を示すものではありません [2]。長くとり続けた場合の安全性や薬との飲み合わせは、今回確認した研究からはわかりません。持病・服薬がある人、妊娠中・授乳中の人は、医師・薬剤師に確認してください。
健康な成人の結果を、持病・服薬のある人や子どもへそのまま当てはめないでください。
睡眠の質と日中の支障には、テアニンで小さな改善が見られます。
ストレスや集中力の話は、睡眠とは別の結果です。寝つきへの効果はごく小さく、お茶や抹茶では確かめられていません。
試すなら研究の量の範囲で。寝室の環境も整えたいなら寝室を暗くすると眠りは良くなる?も参考になります。
アンケートで答える寝つくまでの時間は、プラセボよりわずかに短くなりました(標準化平均差0.15)。差はごく小さく、根拠の確かさは低めです。結果の幅(0.01〜0.29)の下端がほぼ0のためで、実感できるかどうかは研究からはわかりません [[40056718]]。
確かめられていません。抹茶を4週間とった試験では、脳波で測った睡眠時間や寝つきに差が出ませんでした。テアニンは50.3mgとサプリの研究より少なく、カフェインも含みます [[39275223]]。
テアニン単独のレビューでは、毎日200〜450mgで睡眠を支える可能性があるとまとめられていました。ただし最適な量やとる時間帯は、研究では確かめられていません [[41176609]]。
全般性不安障害の46人の試験では、不眠の重さにプラセボとの差がありませんでした(睡眠への満足度の項目は改善)。持病がある場合の効果は十分に確かめられていないため、医師に相談してください [[30580081]]。
19件・897人を集めた解析で、睡眠の質の総合点がプラセボより改善した(標準化平均差0.43)。
テアニン単独の試験13件(550人)を集め、毎日200〜450mgで大人の睡眠を支える可能性があると結論した。
31件・1168人の解析で、一時的なストレスはやや減り(標準化平均差0.31)、1回200mgで反応の速さが改善した(0.51)。
健康な大人48人で、テアニンはカフェインによる血圧の上昇を打ち消したが、そわそわ感は変えなかった。
レスリング選手12人で、カフェインにテアニンを足すと、カフェインだけのときより不安が低く、脈の速まりも92%から17%に減った。
14人の試験で、テアニンは計算などの課題による血圧の上昇を、上がりやすい人で抑えた。
トレーニングをしている健康な男性17人で、客観的・主観的な睡眠の指標にプラセボとの差はなかった。
睡眠に問題のある大人64人がテアニンとハーブの組み合わせを6週間とった試験で、睡眠の質の点数はプラセボと差がなかった
睡眠に悩む大人が8週間とった試験で、プラセボと比べて睡眠時間と睡眠の質の点数が改善した。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。