L-テアニンは睡眠に効く?

L-テアニンは睡眠に効く?
読了目安 5〜7分最終更新日 2026.11.06
答え効く

効きます。睡眠の質の総合点が小さく良くなり、日中の支障も少し軽くなります。

根拠

年齢や健康状態を問わず集めた19件・897人のメタ解析で、テアニンをとった人は睡眠の質の総合点がプラセボより良くなりました(標準化平均差0.43、小さな改善)[1]。睡眠不足による日中の支障も少し軽くなっています(0.33)[1]。寝つきは差がごく小さく(0.15)、根拠の確かさは低めです。結果の幅の下端がほぼ0のためです [1]。

この答えの範囲

テアニン単独の研究は少なく、他の成分との組み合わせも含む結果です。

じゃあ、どうする?

試すなら、研究で使われた毎日200〜450mgが目安です [2]。寝つきを大きく早める期待はせず、睡眠の質と日中の支障を少し整える補助と考えましょう。薬を飲んでいる人や妊娠中の人は、先に医師か薬剤師に確認を。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。中程度
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。9 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。一部で結果が異なる
判定の内訳を見る(スコア 83 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量10.620研究件数と参加人数
一致度17.125結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 82.7 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 83 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 2 本・RCT のメタ解析 1 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

L-テアニンとは

L-テアニンは、お茶の葉に多く含まれるアミノ酸の一種で、お茶のうま味のもとになる成分です。リラックスや睡眠の助けになるとされ、粉末・カプセル・錠剤のサプリメントのほか、機能性表示食品や飲料に配合されます。テアニンだけのものと、ほかの成分を組み合わせたものがあり、医薬品ではありません。注意点は、薬を飲んでいる人や妊娠中・授乳中の人は先に医師か薬剤師に相談すること、夜にカフェインを含むお茶や飲料でとると寝つきに影響する可能性があることです。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、オーストラリアのキャンベラ大学などの研究チームが2025年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の研究の結果をまとめて、全体としてどのような違いがあるかを調べる方法です。ランダム化比較試験(くじ引きで分けて比べる試験)19件・897人の情報が整理されました。

研究の種類ランダム化比較試験を集めたメタ解析2024年9月までの研究を検索(19件・897人)
対象年齢・健康状態を限定せずに研究を収集
比べたものテアニンを含む介入 / プラセボ(偽薬)
結果睡眠の質の総合点が改善(標準化平均差 0.43)
まとめて分析した結果睡眠の質の総合点に、小さな改善が見られました [1]。

テアニン単独で同じ変化が起きるかは、研究がまだ少なく、確かめきれていません。

標準化平均差とは、異なるアンケートの結果をそろえて比べる数値です。0.43は「大きく良くなる」ではなく、小さな改善にあたります。睡眠の質は12件の研究が統合され、信頼区間(本当の値がありそうな範囲)は0.04〜0.83でした。下端がほぼ0に近く、効果の大きさには幅があります [1]。睡眠不足による日中の支障は9件で0.33と小さな改善、寝つくまでの時間は10件で0.15とごく小さな差でした [1]。これらはいずれもアンケートで答える主観の点数で、睡眠時間や深さを機器で測った結果ではありません。

テアニン単独の13件(550人)を集めた2026年の系統的レビューは、結果を統合する解析はしていませんが、毎日200〜450mgで大人の睡眠を支える可能性があると結論しています [2]。対象の試験の多くは先のメタ解析と重なっているため、独立した確認とは言えません。

よく言われていることは本当?

睡眠以外の話も、研究で確かめられているかを並べました。

  • 睡眠の質が良くなる確かめられています。 小さな改善です [1]。
  • 寝つきが良くなる改善はありますが、差はごく小さく、根拠の確かさは低めです [1]。
  • すっきり目覚める睡眠不足による日中の支障は少し軽くなりました。 起きたときの疲労感そのものを測った結果ではありません [1]。
  • ストレスや緊張がやわらぐ31件・1168人のメタ解析で、一時的なストレスはやや減りました(標準化平均差0.31)。 ただし、研究の作りに弱さがある(バイアスのリスクが高い)試験の影響が大きく、根拠の確かさは低めです。不安への効果は一貫していません [3]。
  • 集中力が高まる健康な大人が1回200mgをテストの30〜60分前にとると、選んで反応する速さが改善しました(0.51)。 とった直後の短い時間の結果です [3]。
  • 月経前のイライラなど PMS をやわらげるテアニンで調べた研究は見つかっていません。
  • カフェインの興奮を抑える結果は分かれ、根拠は弱めです。 健康な大人48人の試験では、カフェインによる血圧の上昇は打ち消しましたが、そわそわ感は変わりませんでした [4]。レスリング選手12人の試験では、カフェインだけのときより不安が低く、脈の速まりも92%から17%に減りました [5]。どちらも小さな試験です。
  • 血圧を下げる血圧の高い人で下がるかを調べた人の試験は見つかっていません。 14人の試験で、計算などの課題による一時的な血圧の上昇を、上がりやすい人で抑えた報告があるだけです [6]。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

2025年の試験では、トレーニングをしている健康な男性17人が、テアニンなどを含む寝る前の飲み物とプラセボを比べました。機器で測る指標と本人の評価のどちらにも差は見られませんでした [7]。複数の成分を混ぜた飲み物の試験なので、テアニン単独の結果とは区別が必要です。睡眠に問題のある大人64人がテアニンとハーブの組み合わせを6週間とった試験でも、睡眠の質の点数はプラセボと差がありませんでした [8]。一方、クルミペプチドとの組み合わせを8週間とった睡眠に悩む大人では、プラセボと比べて睡眠時間と睡眠の質の点数が改善しました [9]。

差がなかった試験トレーニングをしている健康な男性 17人

複数成分を含む飲み物を比較。テアニン単独の試験とは区別します。

02注意点

研究で使われた量や期間は一定ではなく、対象者や一緒にとる成分も違います。200〜450mgという量は研究の条件で、誰にでも適した量を示すものではありません [2]。長くとり続けた場合の安全性や薬との飲み合わせは、今回確認した研究からはわかりません。持病・服薬がある人、妊娠中・授乳中の人は、医師・薬剤師に確認してください。

研究の対象と、自分の条件を分けて考える

健康な成人の結果を、持病・服薬のある人や子どもへそのまま当てはめないでください。

03まとめ

睡眠の質と日中の支障には、テアニンで小さな改善が見られます。
ストレスや集中力の話は、睡眠とは別の結果です。寝つきへの効果はごく小さく、お茶や抹茶では確かめられていません。
試すなら研究の量の範囲で。寝室の環境も整えたいなら寝室を暗くすると眠りは良くなる?も参考になります。

04よくある質問

Q寝つきは早くなりますか?

アンケートで答える寝つくまでの時間は、プラセボよりわずかに短くなりました(標準化平均差0.15)。差はごく小さく、根拠の確かさは低めです。結果の幅(0.01〜0.29)の下端がほぼ0のためで、実感できるかどうかは研究からはわかりません [[40056718]]。

Qお茶や抹茶でも同じ効果がありますか?

確かめられていません。抹茶を4週間とった試験では、脳波で測った睡眠時間や寝つきに差が出ませんでした。テアニンは50.3mgとサプリの研究より少なく、カフェインも含みます [[39275223]]。

Q何mgを、いつ飲めば良いですか?

テアニン単独のレビューでは、毎日200〜450mgで睡眠を支える可能性があるとまとめられていました。ただし最適な量やとる時間帯は、研究では確かめられていません [[41176609]]。

Q不安障害など持病があっても効きますか?

全般性不安障害の46人の試験では、不眠の重さにプラセボとの差がありませんでした(睡眠への満足度の項目は改善)。持病がある場合の効果は十分に確かめられていないため、医師に相談してください [[30580081]]。

05参照した論文

判定に使った主な論文(9本)

[1]テアニンの睡眠への効果を調べたランダム化比較試験のメタ解析

発表年
2025年
研究機関
オーストラリア・キャンベラ大学
掲載誌
Sleep medicine reviews
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究12件を統合
結果の向き
良い方向

19件・897人を集めた解析で、睡眠の質の総合点がプラセボより改善した(標準化平均差0.43)。

[2]テアニン単独の睡眠への効果を調べた系統的レビュー

発表年
2026年
研究機関
イギリス・企業の研究部門
掲載誌
Nutritional neuroscience
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

テアニン単独の試験13件(550人)を集め、毎日200〜450mgで大人の睡眠を支える可能性があると結論した。

[3]テアニンが認知機能と気分に与える影響を調べた31件の試験のメタ解析

発表年
2026年
研究機関
フランス・エクス・マルセイユ大学
掲載誌
Molecular psychiatry
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,168人
結果の向き
良い方向

31件・1168人の解析で、一時的なストレスはやや減り(標準化平均差0.31)、1回200mgで反応の速さが改善した(0.51)。

[4]テアニンとカフェインが気分と血圧に与える影響

発表年
2008年
研究機関
イギリス・ブリストル大学
掲載誌
Psychopharmacology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
48人
結果の向き
結果が割れている

健康な大人48人で、テアニンはカフェインによる血圧の上昇を打ち消したが、そわそわ感は変えなかった。

[5]カフェインとテアニンの併用が運動選手の不安と体力に与える影響

発表年
2025年
研究機関
イラン・シラーズ大学
掲載誌
Journal of the International Society of Sports Nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
12人
結果の向き
良い方向

レスリング選手12人で、カフェインにテアニンを足すと、カフェインだけのときより不安が低く、脈の速まりも92%から17%に減った。

[6]テアニンが課題による血圧上昇に与える影響

発表年
2012年
研究機関
日本・静岡県立大学
掲載誌
Journal of physiological anthropology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
14人
結果の向き
良い方向

14人の試験で、テアニンは計算などの課題による血圧の上昇を、上がりやすい人で抑えた。

[7]テアニンなどを含む寝る前の飲み物が睡眠に与える影響

発表年
2025年
研究機関
オーストラリア・オーストラリアカトリック大学
掲載誌
International journal of sport nutrition and exercise metabolism
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
17人
結果の向き
差なし

トレーニングをしている健康な男性17人で、客観的・主観的な睡眠の指標にプラセボとの差はなかった。

[8]睡眠に問題がある人への配合サプリのランダム化比較試験

発表年
2024年
研究機関
コロンビア・ロス・アンデス大学
掲載誌
Scientific reports
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
差なし

睡眠に問題のある大人64人がテアニンとハーブの組み合わせを6週間とった試験で、睡眠の質の点数はプラセボと差がなかった

[9]クルミペプチドとテアニンの組み合わせが睡眠に与える影響

発表年
2026年
研究機関
中国・西北農林科技大学
掲載誌
Food & function
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

睡眠に悩む大人が8週間とった試験で、プラセボと比べて睡眠時間と睡眠の質の点数が改善した。

ほかに参考にした論文(16本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。