肌のくすみは何で改善する?

肌のくすみは何で改善する?
読了目安 6〜8分最終更新日 2026.11.06
答え効く

レチノイドの塗り薬が、まだらな色素沈着や黄ぐすみを改善します。

根拠

くすみそのものを測った研究は少なく、色素沈着・黄ぐすみ・明るさで調べた研究から答えています。光老化の塗り薬を比べたRCT23件・3905人の解析で、色素沈着にはトレチノインとレチノールが優れていました [1]。ビタミンCは、紫外線による色素沈着を防ぎましたが、できた色を薄くする効果は見られませんでした [2]。根拠の確かさは低めです。くすみそのものを測った研究が少ないためです。

この答えの範囲

日光による肌の老化がある大人の、色素沈着・黄ぐすみ・明るさの話です。

じゃあ、どうする?

すでにある黄ぐすみや色むらには、レチノイドが研究で支持されています。トレチノインは医薬品なので、皮膚科で相談を。これから紫外線を浴びる肌には、色素沈着を防ぐ使い方でビタミンCが研究の条件に近いです。保湿だけで明るくなる、という研究は見つかっていません。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。中程度
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。9 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 84 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量18.220研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度05信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 93.2 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 2 本。 この上限により、強度を A から B に下げました。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

肌のくすみとは

くすみは、肌全体が暗く見える、黄みがかる、透明感がない、といった見た目を指す言葉です。紫外線による色素沈着や、加齢による肌の色の変化が関わるとされています。医学の研究では「くすみ」という言葉が使われることは少なく、色素沈着・黄ぐすみ・明るさに置き換えて測られます。ここは言葉の説明で、研究で確かめたものではありません。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

くすみとシミ・色むらの違い

シミは、はっきりした境目のある色の濃い部分です。色むらは、色の濃い部分と薄い部分がまだらになった状態です。くすみは、境目がなく顔全体の明るさが落ちた状態を指して使われます。研究はシミや色むらを測ったものが多いため、この記事の答えは、くすみそのものではなく、くすみに近い色素沈着・黄ぐすみ・明るさの結果です。

答えの中心は、中国の中山大学などの研究チームが2025年に発表したネットワークメタ解析です [1]。ネットワークメタ解析とは、直接比べていない塗り薬どうしも、共通の比較対象を通して並べて比べる方法です。日光による顔の老化に使う塗り薬を比べた、RCT23件・3905人がまとめられました。

研究の種類顔の光老化に使う塗り薬を比べたネットワークメタ解析
対象日光による肌の老化がある大人(RCT23件・3905人)
比べたものレチノイド、グリコール酸などの塗り薬
結果色素沈着にはトレチノインとレチノールが優れていた
まとめて分析した結果レチノイドの塗り薬は、色素沈着の改善で優れていました [1]。

グリコール酸は肌のざらつきを減らしましたが、色素沈着で優れていたのはレチノイドでした。

インドネシア大学などの研究チームが2022年に発表した系統的レビューでは、トレチノインの塗り薬のRCT7件すべてで、まだらな色素沈着・黄ぐすみ・シミなどの見た目が改善していました [3]。トレチノインの濃度は0.025%から5%、使った期間は3か月から24か月でした。改善は使い始めて1か月という早い時期から報告され、24か月後まで続いた研究もあります。

塗り薬ごとの結果

  • レチノイド: 効きます。光老化がある人の色素沈着と黄ぐすみが改善しました [1] [3]。
  • ビタミンC: 紫外線による色素沈着を防ぎます。できた色を薄くする効果は見られませんでした [2]。
  • ナイアシンアミド: 肌が明るくなり、黄ぐすみが減りました。ただし研究は2件です [4] [5]。

ビタミンCは、防ぐ効果と薄くする効果が違う

ビタミンCのRCT31件・741人のメタ解析は、18〜50歳の健康な男女が対象です。弱い紫外線を4日間当てた肌で、ビタミンCの塗り薬と基剤(有効成分なし)を比べると、色素沈着は濃度に応じて減りました [2]。つまり、紫外線で色がつくのを防ぐ効果です。一方、できた色を薄くする効果は、この解析では見られませんでした。

ビタミンCの解析健康な成人741人(RCT31件)

紫外線による色素沈着は防ぎましたが、できた色を薄くする効果は見られませんでした。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

肝斑や光老化の人を対象にした、ビタミンCを塗るRCT7件・139人のまとめでは、塗った部分の肌が客観的な測定で明るくなっていました [6]。上の解析と対象も測り方も違うため、矛盾ではありません。ただし、肌の水分量の改善は偽の塗り薬と同じでした。一方、東南アジア系の女性50人の日光によるシミでは、ビタミンC誘導体を含む配合品に効果が見られませんでした [7]。ビタミンCは、使う人や成分の形で結果が分かれます。

ナイアシンアミドは研究が少ない

ナイアシンアミドは、基剤より肌が明るくなり、黄ぐすみや色素沈着が減ったと報告されています。光老化のある白人女性50人の顔の左右比較で、5%を12週間塗ると、基剤側より黄ぐすみ・シミ・赤み・小じわが減りました [5]。日本人女性の試験でも、4週間で色素沈着が減りました [4]。ただし、この2件はどちらも企業の研究部門による研究です。根拠の確かさは低めです。研究の数が少ないためです。

塗り薬どうしを比べると

光老化のある女性120人で、レチノール0.2%配合クリームとトレチノイン0.025%クリームは、まだらな色素沈着などの改善に差がありませんでした。どちらも改善しています [8]。光老化のある女性48人の顔の左右比較では、改良型のレチノイドクリームが色むらと肌のトーンを改善し、レチノールより赤みが少なくなりました [9]。

よく言われていることは本当?

  • ビタミンCでメラニンを抑えて、くすみが取れる半分本当です。 紫外線による色素沈着を防ぎますが、できた色を薄くする効果は見られませんでした [2]。
  • ビタミンA(レチノール)で、くすみが取れる本当です。 光老化による色素沈着と黄ぐすみが改善しました [1] [3]。
  • ナイアシンアミドで肌が明るくなる本当です。 ただし研究は2件で、根拠の確かさは低めです [5]。
  • 保湿で、乾燥によるくすみが取れる研究が足りません。 保湿を主な評価にした比較研究が見つかっていません。ビタミンCのレビューでは、肌の水分量の改善は偽の塗り薬と同じでした [6]。
  • 角質ケアやピーリングで、くすみが取れる研究が足りません。 くすみや明るさを直接測った比較が見つかっていません。グリコール酸は肌のざらつきを減らしましたが、色素沈着で優れていたのはレチノイドです [1]。
  • 血行を良くすると、青くすみが取れる研究が足りません。 マッサージや炭酸パックで顔色を測った比較が見つかっていません。
  • 睡眠不足やストレスで、顔色がくすむ研究が足りません。 顔色やくすみを測った研究が見つかっていません。

02注意点

研究で使われたトレチノインは、濃度0.025%から5%、期間3か月から24か月と幅があります [3]。使い始めは、赤みや刺激が出ることがあります。光老化の研究が中心なので、ニキビ跡や肝斑にそのまま当てはまるとは限りません。妊娠中の人、妊娠を考えている人、持病や服薬中の人は、使う前に皮膚科の医師や薬剤師に確認してください。

くすみが長く続くときは、皮膚科へ

色が濃くなった部分は、シミや肝斑など別の状態のこともあるため、自己判断で強い成分を続けないでください。

03まとめ

くすみに近い色素沈着と黄ぐすみには、レチノイドの塗り薬が効きます。
ビタミンCは、できた色を薄くするのではなく、紫外線による色素沈着を防ぐ成分です。
保湿・血行・睡眠によるくすみは研究が足りず、まずは日焼けを防ぎながら、気になる色むらは皮膚科に相談しましょう。

04よくある質問

Qくすみとシミは同じものですか?

同じではありません。シミは境目のある色の濃い部分、くすみは顔全体の明るさが落ちた状態を指して使われます。研究はシミや色むらを測ったものが多く、くすみそのものを測った研究は少なめです。

QビタミンCを塗ると、できたくすみが薄くなりますか?

紫外線による色素沈着を防ぐ効果は、RCT31件のまとめで見られました [[30881584]]。できた色を薄くする効果は、この解析では見られませんでした。肝斑や光老化の人では、塗った部分が明るくなったという7件のまとめもあります [[37128827]]。

Q睡眠不足で顔色がくすむのは本当ですか?

研究では確かめられていません。睡眠不足と顔色やくすみを測った研究が見つかっていません。

Qナイアシンアミドは効きますか?

基剤より肌が明るくなり、黄ぐすみが減ったという結果が2件あります [[12100180]] [[16029679]]。どちらも企業の研究部門による研究で、研究の数が少ないため、根拠の確かさは低めです。

05参照した論文

判定に使った主な論文(9本)

[1]顔の光老化に塗る成分を比べたネットワークメタ解析

発表年
2025年
研究機関
中国・中山大学
掲載誌
Scientific reports
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
3,905人
結果の向き
良い方向

光老化の塗り薬を比べたRCT23件・3905人の解析で、色素沈着にはトレチノインとレチノールが優れていた。

[2]ビタミンCを塗ったときの紫外線による色素沈着のメタ解析

発表年
2019年
研究機関
De Dormael Rほかの研究チーム
掲載誌
The Journal of clinical and aesthetic dermatology
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
741人
結果の向き
良い方向

健康な成人741人のRCT31件で、ビタミンCは紫外線による色素沈着を濃度に応じて減らした。

[3]光老化にトレチノインを塗る効果を調べた系統的レビュー

発表年
2022年
研究機関
インドネシア・インドネシア大学
掲載誌
International journal of women's dermatology
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
研究7件を統合
結果の向き
良い方向

トレチノインの塗り薬のRCT7件すべてで、まだらな色素沈着や黄ぐすみなどが改善していた。

[4]日本人女性でナイアシンアミド入り保湿クリームを調べた試験

発表年
2002年
研究機関
日本・企業の研究部門
掲載誌
The British journal of dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

日本人女性の試験で、ナイアシンアミドを塗ると4週間で基剤だけより色素沈着が減った。

[5]ナイアシンアミドの光老化したシワへの効果

発表年
2005年
研究機関
アメリカ・企業の研究部門
掲載誌
Dermatologic surgery : official publication for American Society for Dermatologic Surgery [et al.]
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
50人
結果の向き
良い方向

光老化のある白人女性50人の顔の左右比較で、12週間後に黄ぐすみ・シミ・赤みが減った。

[6]ビタミンCを肌に塗る方法の系統的レビュー

発表年
2023年
研究機関
ポルトガル・ポルト大学
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
139人
結果の向き
良い方向

肝斑や光老化の人を対象にビタミンCを塗るRCT7件・139人で、塗った部分の肌が明るくなっていた。

[7]老人性のシミに美白化粧品が効くかを調べた予備的な試験

発表年
2002年
研究機関
ベルギー・リエージュ大学病院
掲載誌
Dermatology (Basel, Switzerland)
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
50人
結果の向き
差なし

東南アジア系の女性50人の日光によるシミでは、配合品に効果が見られなかった。

[8]光老化でレチノールとトレチノインを比べた試験

発表年
2015年
研究機関
フランス・企業の研究部門
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
120人
結果の向き
差なし

光老化のある女性120人で、レチノールとトレチノインに改善の差がなかった。

[9]改良型レチノイドクリームをレチノールやトレチノインと比べた試験

発表年
2017年
研究機関
アメリカ・マクダニエル抗老化研究所
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
48人
結果の向き
良い方向

光老化のある女性48人の顔の左右比較で、色むらと肌のトーンが改善した。

ほかに参考にした論文(7本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。