[1]ビタミンCを肌に塗る方法の系統的レビュー
- 発表年
- 2023年
- 研究機関
- ポルトガル・ポルト大学
- 掲載誌
- Journal of cosmetic dermatology
- 研究の種類
- システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
- 対象
- 139人
- 結果の向き
- 良い方向
肝斑や光老化のある139人の試験をまとめると、ビタミンCを塗った肌は色の測定で明るくなった。

肝斑には効きます。比較試験のまとめで、効くという結果が出ています。
主な研究対象は肝斑(かんぱん)です。
シミ全般ではなく、肝斑や日焼け後の黒ずみの予防として使うのが、研究の条件に近い使い方です。目に見える変化には長く使い続ける必要があります [1]。肝斑が気になるときは、皮膚科で相談できます。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 11.5 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 86.5 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・RCT のメタ解析 1 本・観察研究 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
ビタミンC美容液は、アスコルビン酸やその誘導体を配合した、肌に塗る化粧品です。シミを薄くする、メラニンの生成を抑える、シワを目立たなくするとされています。純粋なビタミンCのほか、肌になじみやすく安定させた誘導体があり、効き目は誘導体の種類・基剤・pH・届け方で変わるとされます [4]。注意点は、研究の多くが肝斑や光老化の人を対象にしていて、一般的なシミとは限らないことです。
答えの中心は、ポルト大学などの研究チームが2023年に発表した系統的レビューです [1]。系統的レビューとは、決めた手順で関連する研究を集め、結果を整理する方法です。ランダム化比較試験が集められました。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験をまとめた系統的レビュー |
|---|---|
| 対象 | 肝斑や光老化のある人(139人) |
| 比べたもの | ビタミンCを塗った肌と、塗っていない肌・偽薬 |
| 結果 | 色の客観的な測定で、ビタミンCを塗った肌が有意に明るくなった |
目に見える変化には、長く使い続ける必要があるかもしれないと著者は述べています。
試験の規模は小さく、大きな研究での確認はまだです。肝斑の治療全般を調べた2023年の系統的レビューも、塗るビタミンCの効き目は確立しておらず、より大きな研究が必要だとしています [5]。「効く」という向きはそろっていますが、強い効果が証明されたわけではありません。
日光でできた老人性のシミ(日光黒子)では、結果が違いました。東南アジア系の女性50人が、5%アスコルビルグルコサミン(ビタミンC誘導体)とコウジ酸などを配合した化粧品を1日2回、2〜3か月塗った2002年の予備的な研究では、効き目は見られませんでした [2]。
配合化粧品を2〜3か月塗っても、シミは薄くなりませんでした。
また、ハイドロキノンと顔の半分ずつで比べた肝斑の女性16人の試験では、本人の評価はハイドロキノンの側が良く(93%対62.5%)、色の機械測定では差がありませんでした。副作用はビタミンCの側が少なく、6.2%対68.7%でした [9]。同じ肝斑でも、見た目の評価と機械測定で結果が分かれることがあります。ハイドロキノンについてはハイドロキノンでシミや色素沈着は薄くなる?で扱っています。
健康な741人(比較試験31件)をまとめた2019年の解析では、ビタミンCを塗った肌は、紫外線を浴びたあとの黒ずみが基剤より少なく、濃度が高いほど効果が大きくなりました。10%では強い効果でした [3]。一方、できた黒ずみが薄れていく時期には、上乗せの効果がありませんでした。著者は、ビタミンCを「できたものを薄くする」より「できるのを防ぐ」成分と位置づけています。これは健康な人に日焼けの黒ずみを作った実験で、すでにあるシミの試験ではありません。
研究で使われた条件は、肝斑のピーリング治療に併用した5%のクリームを毎日塗る方法 [7]、肝斑の女性が16週間、毎日日焼け止めを使いながら5%のクリームを夜に塗る方法 [9]などです。市販の美容液とは、濃度・種類・使い方が異なります。研究は肝斑や光老化の人が中心で、塗る期間は数週間から数か月でした。副作用はハイドロキノンより少ない結果でしたが [9]、刺激を感じる人もいます。持病や服薬がある人、肝斑の診断がついていない人は、皮膚科の医師や薬剤師に確認してください。
肝斑・日焼けの黒ずみ・老人性のシミで結果が違うので、自分のシミの種類を確かめてから使いましょう。
肝斑には効き、日焼けの黒ずみは防ぎますが、老人性のシミは効果が確かめられていません。
シミの種類によって結果が違うので、自分のシミが肝斑かどうかを先に知ることが大切です。
使うなら日焼け止めと一緒に、数か月は続けて様子を見ましょう。
肝斑には効きます。日光でできた老人性のシミは、試験で効き目が見られませんでした [[12077522]]。日焼けの黒ずみは、できたものを薄くするより、できるのを防ぐ働きが中心です [[30881584]]。
肝斑の女性16人の試験では、本人の評価はハイドロキノンの側が良く、色の機械測定では差がありませんでした。副作用はビタミンCの側が少なくなりました [[15304189]]。
試験は12週間や16週間のものがありました [[12771472]] [[15304189]]。目に見える変化には、長く使い続ける必要があるとされています [[37128827]]。何週間で薄くなるかは、研究からは言えません。
研究では確かめられていません。肝斑の試験では、毎日日焼け止めを併用していました [[15304189]]。
肝斑や光老化のある139人の試験をまとめると、ビタミンCを塗った肌は色の測定で明るくなった。
日光黒子のある女性50人に配合化粧品を2〜3か月塗ったが、効き目は見られなかった。
健康な741人の試験31件をまとめると、紫外線のあとの黒ずみが基剤より少なかった。
44件の研究で、ビタミンCは色素の悩みや光老化を一貫して改善していた。
塗るビタミンCの効き目はまだ確立しておらず、より大きな研究が必要だとした。
肝斑の女性29人で、ビタミンCの側が12週間後に水だけの側より改善した。
各群74人で、クリームを併用した群の81.1%が点数のはっきりした低下を示した。
塗るビタミンCは、効き目の順位でハイドロキノンより上に並んだ。
肝斑の女性16人で、本人の評価はハイドロキノンが良く、機械測定では差がなかった。
19人が顔の片側に美容液を3か月塗ると、基剤の側より小ジワなどが改善した。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。