[1]日焼け止めの毎日使用が肌の老化に与える影響を調べた試験
- 発表年
- 2013年
- 研究機関
- オーストラリア・クイーンズランド医学研究所
- 掲載誌
- Annals of internal medicine
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- 903人
- 結果の向き
- 良い方向
55歳未満の大人903人で、毎日塗った群は塗りたいときだけ塗った群より、肌の老化の進みが24%少なかった。

シワは防げます。毎日塗った人は、肌の老化の進みが24%少なくなりました。
調べたのは、手の甲の細かいシワと、顔のシワ・シミです。皮膚がんは別の話で、ここでは扱いません。
毎日の習慣にする価値があります。ブラジルの試験は、SPF60を1日2回、1年間塗る使い方でした [2]。肝斑などシミの治療中の人は、皮膚科で日焼け止めの使い方も相談してください。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 32 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 10.9 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 82.9 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 83 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 2 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
日焼け止めは、紫外線を吸収したり跳ね返したりして、肌を守るために塗るものです。光による肌の老化(光老化)の対策では、日焼け止めなどによる予防が今も最善の方法だと、総説はまとめています [3]。なお、SPFやPAの表示は防ぐ紫外線の種類と強さの目安とされていますが、これは一般的な説明で、この記事の研究で確かめたものではありません。
答えの中心は、クイーンズランド医学研究所など、オーストラリアの研究チームが2013年に発表したランダム化比較試験です [1]。ランダム化比較試験とは、くじ引きのように参加者を2つの群に分け、結果を比べる方法です。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験(4.5年間) |
|---|---|
| 対象 | オーストラリアの55歳未満の大人903人 |
| 比べたもの | 日焼け止めを毎日塗る群と、塗りたいときだけ塗る群 |
| 結果 | 毎日塗る群は、肌の老化の進みが24%少なかった |
測ったのは顔ではなく手の甲の肌のきめ(細かいシワ)で、どちらの群か知らない評価者が1992年から1996年の変化を比べました。
顔のシワでも同じ向きの結果が出ています。ブラジルの30〜65歳の女性を2つの群に分けた1年間の試験では、SPF60の日焼け止めを毎日塗った人は、いつものスキンケアを続けた人より、額のシワ・口元のシワ・たるみによるシワの増え方が30〜50%小さくなりました [2]。この試験の筆頭著者は企業の研究部門の所属です。
比較試験をまとめた系統的レビューでも、光老化を調べた2件はどちらも日焼け止めの群で老化が少ない結果でした [4]。この2件には、上のオーストラリアの試験が含まれていると考えられるため、独立した2本の裏づけとは数えません。
シミも、同じ向きの結果です。ブラジルの試験では、シミが大きくなる程度が、シワとあわせて30〜50%小さくなりました [2]。肝斑のある53人の古い試験では、美白の塗り薬と一緒に日焼け止めを使った人の96.2%が改善し、日焼け止め成分のない基剤を使った人は80.7%でした [5]。
古い報告で、要旨に統計の検定結果は書かれていません。
シミで比べた研究は2件と少なく、根拠の確かさは低めです。研究の数が少ないためです。
ブラジルの試験の使い方は、SPF60を1日2回、1年間でした [2]。結果は「塗り続けた人たちの差」で、短期間で見た目が変わる話ではありません。肌に合わないと感じたら使用をやめ、肝斑などの治療中の人や持病・服薬のある人は、皮膚科の医師や薬剤師に確認してください。
顔を調べた研究は、ブラジルの試験も、比べる群のない前後比較も、企業の研究部門の所属者が書いています。ただし、オーストラリアの試験は大学系の研究機関によるものです。
日焼け止めを毎日塗ると、肌の老化とシワの進みは小さくなります。
シミも同じ向きですが、研究は少なく、今あるシミ・シワを消す話ではありません。
研究で差が出たのは毎日塗り続けた人たちなので、毎日の習慣にするところから始めましょう。
オーストラリアの試験は「毎日塗る群」と「塗りたいときだけ塗る群」の比較です。週に何回なら十分かを比べた研究は見つかっていません。
曇りの日や室内で塗る人と塗らない人を比べて、シミ・シワの差を見た研究は見つかっていません。研究では確かめられていません。
SPFの違いでシミ・シワを比べた研究は見つかっていません。研究で確かめられているのは、毎日塗り続けることです。
55歳未満の大人903人で、毎日塗った群は塗りたいときだけ塗った群より、肌の老化の進みが24%少なかった。
ブラジルの30〜65歳の女性で、SPF60を毎日塗った人は、シワの増え方が30〜50%小さかった。
治療の選択肢が増えても、紫外線対策による予防が今も最善の方法だとまとめている。
光老化を調べた2件の研究は、どちらも日焼け止めの群で老化が少なかった。
肝斑の53人で、塗り薬と一緒に日焼け止めを使った人の96.2%が改善し、基剤の人は80.7%だった。古い報告。
試験後8年の追跡で、毎日塗った人は有棘細胞がんが約40%少なく、基底細胞がんははっきり減らなかった。
28件のメタ解析で、観察研究の根拠は弱く結果がばらばらだった。
32人が1年間毎日塗り、肌のきめやくすみが塗る前より40〜52%改善した。比べる群はない。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。