日焼け止めでシミ・シワは防げる?

日焼け止めでシミ・シワは防げる?
読了目安 3〜5分最終更新日 2026.11.06
答え効く

シワは防げます。毎日塗った人は、肌の老化の進みが24%少なくなりました。

根拠

オーストラリアの大人903人を追った比較試験で、日焼け止めを毎日塗った人は、塗りたいときだけ塗った人より、手の甲の肌の老化の進みが24%少なくなりました [1]。ブラジルの女性の1年間の比較試験でも、額や口元のシワの増え方が30〜50%小さくなりました [2]。シミも小さくなる結果ですが、比べた研究が2件と少なく、根拠の確かさは低めです。研究の数が少ないためです。

この答えの範囲

調べたのは、手の甲の細かいシワと、顔のシワ・シミです。皮膚がんは別の話で、ここでは扱いません。

じゃあ、どうする?

毎日の習慣にする価値があります。ブラジルの試験は、SPF60を1日2回、1年間塗る使い方でした [2]。肝斑などシミの治療中の人は、皮膚科で日焼け止めの使い方も相談してください。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。中程度
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。8 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 83 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン3240いちばん信頼できる研究の種類
研究の量10.920研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 82.9 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 83 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 2 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

日焼け止めとは

日焼け止めは、紫外線を吸収したり跳ね返したりして、肌を守るために塗るものです。光による肌の老化(光老化)の対策では、日焼け止めなどによる予防が今も最善の方法だと、総説はまとめています [3]。なお、SPFやPAの表示は防ぐ紫外線の種類と強さの目安とされていますが、これは一般的な説明で、この記事の研究で確かめたものではありません。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

毎日塗ると肌の老化は防げる?

答えの中心は、クイーンズランド医学研究所など、オーストラリアの研究チームが2013年に発表したランダム化比較試験です [1]。ランダム化比較試験とは、くじ引きのように参加者を2つの群に分け、結果を比べる方法です。

研究の種類ランダム化比較試験(4.5年間)
対象オーストラリアの55歳未満の大人903人
比べたもの日焼け止めを毎日塗る群と、塗りたいときだけ塗る群
結果毎日塗る群は、肌の老化の進みが24%少なかった
試験の結果毎日塗った人は、塗りたいときだけ塗った人より、4.5年間の肌の老化の進みが24%少なくなりました [1]。

測ったのは顔ではなく手の甲の肌のきめ(細かいシワ)で、どちらの群か知らない評価者が1992年から1996年の変化を比べました。

顔のシワでも同じ向きの結果が出ています。ブラジルの30〜65歳の女性を2つの群に分けた1年間の試験では、SPF60の日焼け止めを毎日塗った人は、いつものスキンケアを続けた人より、額のシワ・口元のシワ・たるみによるシワの増え方が30〜50%小さくなりました [2]。この試験の筆頭著者は企業の研究部門の所属です。

比較試験をまとめた系統的レビューでも、光老化を調べた2件はどちらも日焼け止めの群で老化が少ない結果でした [4]。この2件には、上のオーストラリアの試験が含まれていると考えられるため、独立した2本の裏づけとは数えません。

シミは防げる?

シミも、同じ向きの結果です。ブラジルの試験では、シミが大きくなる程度が、シワとあわせて30〜50%小さくなりました [2]。肝斑のある53人の古い試験では、美白の塗り薬と一緒に日焼け止めを使った人の96.2%が改善し、日焼け止め成分のない基剤を使った人は80.7%でした [5]。

肝斑の試験肝斑のある53人を、日焼け止めを使う群と基剤を使う群に分けて比べました。

古い報告で、要旨に統計の検定結果は書かれていません。

シミで比べた研究は2件と少なく、根拠の確かさは低めです。研究の数が少ないためです。

よく言われていることは本当?

  • 毎日塗るとシワ・たるみなど肌の老化を防げる効きます。 手の甲の細かいシワでも顔のシワでも、毎日塗った群で進みが小さい結果でした [1] [2]。
  • 紫外線でできるシミを防げる・悪化を防ぐ効きますが、根拠の確かさは低めです。 比べた研究は2件と少なく、肝斑の試験は古い報告です [2] [5]。
  • 皮膚がんを防ぐこの記事の範囲外です。 毎日塗る試験では有棘細胞がんが約40%少なく、基底細胞がんははっきり減りませんでした。メラノーマは研究の種類によって結果がばらばらです [6] [7]。
  • 曇りの日や室内でも塗ったほうがよい研究が見つかりません。 曇りの日や室内で塗る人と塗らない人を比べ、シミ・シワの差を見た研究はありませんでした。
  • 今あるシミ・シワが薄くなる研究が足りません。 比べる群のない1年間の前後比較(32人)があるだけで、効果の判定には使えません。企業の研究部門による研究です [8]。
  • SPFが高いほどよく効く・2〜3時間ごとに塗り直す研究が見つかりません。 SPFの違いや塗り直しの回数で、シミ・シワを比べた研究はありませんでした。

02注意点

ブラジルの試験の使い方は、SPF60を1日2回、1年間でした [2]。結果は「塗り続けた人たちの差」で、短期間で見た目が変わる話ではありません。肌に合わないと感じたら使用をやめ、肝斑などの治療中の人や持病・服薬のある人は、皮膚科の医師や薬剤師に確認してください。

企業の研究が多い点に注意

顔を調べた研究は、ブラジルの試験も、比べる群のない前後比較も、企業の研究部門の所属者が書いています。ただし、オーストラリアの試験は大学系の研究機関によるものです。

03まとめ

日焼け止めを毎日塗ると、肌の老化とシワの進みは小さくなります。
シミも同じ向きですが、研究は少なく、今あるシミ・シワを消す話ではありません。
研究で差が出たのは毎日塗り続けた人たちなので、毎日の習慣にするところから始めましょう。

04よくある質問

Q毎日塗らないと意味がありませんか?

オーストラリアの試験は「毎日塗る群」と「塗りたいときだけ塗る群」の比較です。週に何回なら十分かを比べた研究は見つかっていません。

Q曇りの日や室内でも塗るべきですか?

曇りの日や室内で塗る人と塗らない人を比べて、シミ・シワの差を見た研究は見つかっていません。研究では確かめられていません。

QSPFが高いほどシワを防げますか?

SPFの違いでシミ・シワを比べた研究は見つかっていません。研究で確かめられているのは、毎日塗り続けることです。

05参照した論文

判定に使った主な論文(8本)

[1]日焼け止めの毎日使用が肌の老化に与える影響を調べた試験

発表年
2013年
研究機関
オーストラリア・クイーンズランド医学研究所
掲載誌
Annals of internal medicine
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
903人
結果の向き
良い方向

55歳未満の大人903人で、毎日塗った群は塗りたいときだけ塗った群より、肌の老化の進みが24%少なかった。

[2]1年間の日焼け止め使用が顔の老化のサインに与える影響を調べた試験

発表年
2023年
研究機関
フランス・企業の研究部門
掲載誌
Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology : JEADV
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
290人
結果の向き
良い方向

ブラジルの30〜65歳の女性で、SPF60を毎日塗った人は、シワの増え方が30〜50%小さかった。

[3]光老化のしくみと治療をまとめた総説

発表年
2015年
研究機関
オーストラリア・ロイヤルメルボルン病院
掲載誌
Photodermatology, photoimmunology & photomedicine
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

治療の選択肢が増えても、紫外線対策による予防が今も最善の方法だとまとめている。

[4]日焼け対策の予防効果をまとめた系統的レビュー

発表年
2021年
研究機関
ドイツ・ドレスデン工科大学
掲載誌
Current problems in dermatology
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

光老化を調べた2件の研究は、どちらも日焼け止めの群で老化が少なかった。

[5]広い範囲の紫外線を防ぐ日焼け止めを肝斑の治療で試した研究

発表年
1983年
研究機関
Vázquez Mほかの研究チーム
掲載誌
Cutis
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
53人
結果の向き
良い方向

肝斑の53人で、塗り薬と一緒に日焼け止めを使った人の96.2%が改善し、基剤の人は80.7%だった。古い報告。

[6]日焼け止めの継続使用による有棘細胞がんの長期予防

発表年
2006年
研究機関
オーストラリア・クイーンズランド大学
掲載誌
Cancer epidemiology, biomarkers & prevention : a publication of the American Association for Cancer Research, cosponsored by the American Society of Preventive Oncology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
結果が割れている

試験後8年の追跡で、毎日塗った人は有棘細胞がんが約40%少なく、基底細胞がんははっきり減らなかった。

[7]日焼け止めとメラノーマの関係を調べる難しさ

発表年
2019年
研究機関
ノルウェー・オスロ大学
掲載誌
International journal of cancer
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
21,069人
結果の向き
結果が割れている

28件のメタ解析で、観察研究の根拠は弱く結果がばらばらだった。

[8]顔に日焼け止めを1年間毎日塗ったときの光老化の変化を調べた研究

発表年
2016年
研究機関
アメリカ・企業の研究部門
掲載誌
Dermatologic surgery : official publication for American Society for Dermatologic Surgery [et al.]
研究の種類
コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

32人が1年間毎日塗り、肌のきめやくすみが塗る前より40〜52%改善した。比べる群はない。

ほかに参考にした論文(10本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。