ビタミンCを飲むとシミは薄くなる?

ビタミンCを飲むとシミは薄くなる?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え効く

肝斑は薄くなります。ビタミンCを含む配合サプリの試験の結果です。

根拠

肝斑のある女性60人が、プロシアニジンとビタミンA・C・Eを合わせたサプリかプラセボを8週間飲み、サプリ側でほおの色素が薄くなりました [1]。ただし、ビタミンC単独で飲んでシミを測った試験は見つかっていません。根拠の確かさは低めです。試験が1件だけで、人数も少ないためです。

この答えの範囲

ビタミンCを含む配合サプリと、肝斑の話です。

じゃあ、どうする?

飲むビタミンCに、シミ対策の主役を任せるのは待ちましょう。研究の裏づけが厚いのは、塗るビタミンCのほうです [2]。肝斑が疑われるときは、自己判断せず皮膚科で相談を。紫外線対策は、飲む塗るにかかわらず続けましょう。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。7 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 64 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン3040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量6.420研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ310最新の研究が何年以内か
精度05信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 64.4 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本。 この上限により、強度を B から C に下げました。 根拠の研究が、この疑問の対象とは違う人たちのものだけなので、強度は B を上限にしています。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

ビタミンCとは

ビタミンCは、アスコルビン酸とも呼ばれる水溶性のビタミンです。抗酸化作用やコラーゲンづくりの助けがあるとされ、サプリや飲料、美容液などの形で使われます。シミにはメラニンづくりを抑えるとして知られますが、飲んで効くかどうかは、塗る場合とは別に確かめる必要があります。肝斑(かんぱん)は、ほお骨のあたりに左右対称に出やすい、薄茶色のシミの一種です。ここは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、フィリピンの熱帯医学研究所などの研究チームが2009年に発表したランダム化比較試験です [1]。ランダム化比較試験とは、くじ引きで飲む人とプラセボ(偽薬)の人に分けて比べる方法です。

研究の種類ランダム化比較試験(二重盲検)
対象表皮型の肝斑がある成人女性60人(最後まで参加したのは56人)
比べたものプロシアニジンとビタミンA・C・Eの配合サプリと、プラセボ
結果8週間でほおの色素の濃さが下がり、安全で効果があったと報告された
試験の結果配合サプリを8週間飲んだ肝斑の女性で、ほおの色素が薄くなりました [1]。

ただし、ビタミンC以外の成分も入っているため、ビタミンC単独の効果は分かりません。

この結果は、ビタミンCを含む配合サプリが肝斑に効く、という範囲で読むのが正確です。人数が少なく、対象はフィリピンの女性だけです。ビタミンCだけを飲む試験は、今回の検索では見つかっていません。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

フランスの企業の研究部門が1997年に発表した試験では、健康な20人がビタミンCを含む抗酸化サプリを8週間飲み、日光に当たらなくても肌のメラニン量が増えました [3]。プラセボとの比較はなく、薄くなる話とは逆向きの結果です。

メラニンが増えた試験健康な20人が、ビタミンCを含む抗酸化サプリを8週間飲んだ試験です。

プラセボ群がないため、サプリのせいかは判断できません。

塗るビタミンCとの違い

塗るビタミンCは、研究の量がまるで違います。7件の試験をまとめた系統的レビュー(複数の研究を集めて調べ直す方法)では、139人の肌で、色素の測定で明らかに明るくなりました [2]。肝斑の治療14種類を比べたネットワークメタ解析(複数の治療を一度に比べる統計の方法)でも、塗るビタミンCは、レーザーや光治療などに次ぐ効果の順位でした [4]。飲む側の根拠は、これに比べると小さな試験1件です。

よく言われていることは本当?

  • 飲むとメラニンを抑えて、シミやそばかすが薄くなる配合サプリでは薄くなりました。 ビタミンC単独の試験は見つかっていません [1]。根拠の確かさは低めです。
  • 肝斑にも効く配合サプリでは効きました。 ただし、肝斑の治療174件をまとめた系統的レビューで、飲む治療として強く勧められているのはトラネキサム酸です [5]。くわしくは トラネキサム酸はシミや肝斑に効く? を参照してください。
  • ビタミンC配合の美容液や化粧品を塗るとシミが薄くなる効きます。 研究7件・139人の系統的レビューで、肌が明るくなりました [2]。
  • 紫外線・日焼けのダメージから肌を守る条件によります。 毎日500mgを8週間飲むと肌のビタミンCは増えましたが、紫外線を浴びたときの赤みは変わりませんでした [6]。ビタミンEと一緒に飲んだ試験では、赤くなるのに必要な紫外線の量が増えました [7]。ただし、小規模な試験が中心です。
  • コラーゲンを作るのを助け、肌のハリが出てシワが減る研究が足りません。 ビタミンC単独を飲んでシワを測った比較試験は見つかっていません。コラーゲンについては コラーゲンを飲むと肌にいい? を参照してください。
  • 水溶性で体にためられないので、こまめにたくさん飲むほどよい研究が足りません。 飲む量や回数とシミの関係を調べた研究は見つかっていません [6]。

02注意点

中心の試験の対象は、表皮型の肝斑がある成人女性で、8週間の使用でした [1]。副作用は、この試験では安全と報告されています。ただし、人数が少なく、長く飲み続けた場合や、ほかの種類のシミは調べられていません。持病や服薬がある人、妊娠中の人は、サプリを始める前に医師や薬剤師に確認してください。

肝斑かどうかは、自分では見分けにくい

濃いシミが気になるときは、サプリを試す前に皮膚科で種類を確かめてもらいましょう。

03まとめ

ビタミンCを含む配合サプリで肝斑が薄くなった試験はありますが、1件だけで、ビタミンC単独の効果は分かっていません。
当てはまるのは、肝斑がある成人女性の話です。日光によるシミは、飲んでも同じとは言えません。
シミ対策の中心には、研究の裏づけが厚い塗るビタミンCと紫外線対策を置きましょう。

04よくある質問

QビタミンCだけを飲んでも意味はありませんか?

ビタミンC単独で飲んでシミを測った試験は見つかっておらず、研究では確かめられていません。意味がないと決まったわけではなく、分かっていない状態です。

Qどのくらい飲めば薄くなりますか?

研究では確かめられていません。中心の試験は配合サプリを8週間飲んだもので、ビタミンCの量とシミの関係を調べた研究は見つかっていません [[19659873]]。

Q飲むのと塗るのは、どちらを選べばよいですか?

シミを測った研究は、塗るビタミンCのほうが多く、7件の試験をまとめた系統的レビューがあります [[37128827]]。飲む場合は、補助として考えるのが研究の範囲に合います。

05参照した論文

判定に使った主な論文(7本)

[1]肝斑のフィリピン人女性にプロシアニジンとビタミンA・C・Eを飲ませた比較試験

発表年
2009年
研究機関
フィリピン・熱帯医学研究所
掲載誌
International journal of dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
56人
結果の向き
良い方向

肝斑の女性60人が、配合サプリかプラセボを8週間飲んだ。サプリ側でほおの色素が薄くなった。

[2]ビタミンCを肌に塗る方法の系統的レビュー

発表年
2023年
研究機関
ポルトガル・ポルト大学
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
139人
結果の向き
良い方向

研究7件・139人で、ビタミンCを塗った肌は、色素の測定で明らかに明るくなった。

[3]抗酸化サプリで肌の色素が増えるかを調べた臨床試験

発表年
1997年
研究機関
フランス・企業の研究部門
掲載誌
Biochemistry and molecular biology international
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
20人
結果の向き
悪い方向

健康な20人が抗酸化サプリを飲むと、肌のメラニン量が増えた。プラセボ群はない。

[4]肝斑の治療14種類を比べたネットワークメタ解析

発表年
2021年
研究機関
中国・首都医科大学附属北京友誼病院
掲載誌
Frontiers in medicine
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

RCT59件で、塗るビタミンCは効果の順位で、レーザーや光治療などに次ぐ位置だった。

[5]肝斑の塗り薬と飲み薬を調べた系統的レビュー

発表年
2023年
研究機関
インド・レディ・ハーディング医科大学
掲載誌
Indian dermatology online journal
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

肝斑の治療を調べた174件のまとめで、飲む治療として強く勧められたのはトラネキサム酸だった。

[6]飲むビタミンCが紫外線による肌の反応に与える影響

発表年
2002年
研究機関
イギリス・リバプール大学
掲載誌
Free radical biology & medicine
研究の種類
その他の研究上のどれにも当てはまらない研究。
対象
12人
結果の向き
差なし

健康な12人がビタミンCを毎日500mg、8週間飲むと、肌のビタミンCは増えたが赤みは変わらなかった。

[7]ビタミンEとCが紫外線による肌の炎症に与える影響を調べた試験

発表年
1998年
研究機関
ドイツ・ゲーテ大学
掲載誌
Free radical biology & medicine
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
結果が割れている

ビタミンC・Eを一緒に50日飲むと、赤くなるのに必要な紫外線の量が増えた。単独では変わらなかった。

ほかに参考にした論文(9本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。