[1]肝斑の配合クリームに飲み薬を足す効果のRCTメタ解析
- 発表年
- 2024年
- 研究機関
- ブラジル・ピアウイ連邦大学
- 掲載誌
- Clinical and experimental dermatology
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 490人
- 結果の向き
- 良い方向
肝斑の人490人(RCT4件)で、飲み薬を足すとクリームだけより肝斑スコアが平均3.10点多く下がった。

肝斑には、飲み薬のトラネキサム酸が効きます。配合クリームに足すと、肝斑スコアが平均3.10点多く下がります。
肝斑の飲み薬の話です。飲み薬も、やめたあとの再発が課題です。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 16.5 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 96.5 点を、エビデンス強度 A の範囲(75〜100 点)に収めて、スコアは 96 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 3 本・観察研究 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
トラネキサム酸は、出血を抑える働きのある成分で、もともとは止血などに使う医薬品です。シミが薄くなる、肌荒れを防ぐとされ、飲み薬(医療機関の処方薬と市販薬)、塗り薬、医療機関で行う注射、美容液などの形があります。肝斑は、頬骨のあたりに左右対称に出やすい薄茶色のシミです。血管の異常も関わるとされ、トラネキサム酸はその部分に働く治療として有望とされています [5]。注意点は、血栓のある人や血栓ができやすい人は、飲む前に医師か薬剤師に相談することです。
答えの中心は、ブラジルのピアウイ連邦大学などの研究チームが2024年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の比較試験の結果を統計でまとめる方法です。ここで集められたのは、肝斑のある人490人・4件のランダム化比較試験(RCT)です。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験のメタ解析(4件) |
|---|---|
| 対象 | 肝斑のある人(490人) |
| 比べたもの | 配合クリームに飲み薬を足した群と、クリームだけの群 |
| 結果 | 飲み薬を足した群で肝斑スコアが平均3.10点多く下がり、再発も少なかった |
28件の試験を集めた別の解析も、12週の時点で飲み薬の改善が大きいとしています [2]。
効き始めも早めです。投与方法を比べた解析では、飲み薬は偽薬と比べて4週の時点で差が出ており、塗り薬や注射より早い結果でした [6]。
1本ずつの試験でも同じ向きです。中等症〜重症の肝斑の人44人が飲み薬または偽薬を3か月飲んだ試験では、肝斑スコアの低下は飲み薬の群が49%、偽薬の群が18%でした [7]。この試験は、主にヒスパニック系の女性を対象にした1施設のものです。
注射・マイクロニードル・飲み薬・塗り薬を比べたRCT17件の解析では、効果は皮内注射とマイクロニードルが最も高く、次いで飲み薬、塗り薬の順でした [18]。60人・8週の比較でも、肝斑スコアの低下はハイドロキノン系の塗り薬が30%、飲み薬が25%、トラネキサム酸の塗り薬が5%でした [19]。
配合クリームに飲み薬を足しても、差が出なかった試験があります [20]。やめたあとの再発も課題です。上の44人の試験では、やめて3か月後の低下は飲み薬の群が26%、偽薬の群が19%に縮まりました [7]。やめると、差が小さくなる点に注意が必要です。
肝斑スコアの低下は、クリームだけの群と有意な差がありませんでした [20]。
副作用は、59件のネットワークメタ解析で飲み薬の17.6%でした [21]。22件・1280人の解析では、胃腸の不快感・肌の刺激・月経不順などが挙げられています [22]。試験の多くは3か月前後の使用です。効果がはっきりしないまま、自己判断で飲み続けるのは避けましょう。持病や服薬がある人、使えない理由(禁忌)がある人は、必ず医師や薬剤師に確認してください [4]。
量・期間・再発への備えは、肝斑かどうかの診断を受けたうえで決めるのが安全です。
肝斑には、飲み薬のトラネキサム酸が効くという結果が、複数の解析でそろっています。
美容液や、肝斑以外のシミへの効果は、研究では確かめられていません。
使うなら皮膚科で、量・期間・やめたあとの再発まで相談してから始めましょう。
飲み薬は4週の時点で偽薬との差が出た解析があります [[38059683]]。多くの試験は、12週で改善を評価しています [[38283017]]。
再発が課題です。44人の試験では、やめて3か月後の低下は飲み薬の群が26%、偽薬の群が19%でした [[28987494]]。
ほかの治療だけと比べた解析では、有意な差が出ていません [[38283017]]。偽薬より良かった試験もあり、結果は割れています。
解析では、毎日750mg(250mgを毎日3回)を12週が最適と推定されました [[36332095]]。市販薬も処方薬も、用法・用量や医師の指示を守ってください。長く飲んだ場合の安全性と効果は、まだ研究が必要とされています [[31802394]]。
肝斑の人490人(RCT4件)で、飲み薬を足すとクリームだけより肝斑スコアが平均3.10点多く下がった。
RCT28件の解析で、飲み薬は12週の時点で肝斑スコアの改善が大きく、塗り薬は差が出なかった。
RCT6件・599人の解析で、最適な量は毎日750mg(250mgを毎日3回)を12週と推定された。
174件の系統的レビューで、飲み薬は使えない理由がなければ強く推奨された。
肝斑には血管の異常が関わるとされ、トラネキサム酸はその要素に働く治療として有望とされた。
飲み薬は偽薬と比べて4週から差が出て、塗り薬・注射より効き始めが早かった。
44人で、3か月後の肝斑スコアの低下は飲み薬群49%、偽薬群18%。やめて3か月後は26%と19%だった。
23人の顔の左右比較で、基剤と差がなく、塗った側に赤みが出た。
30人の偽薬との比較で、美容液をイオン導入で3か月使うと、肝斑スコアの改善と肌の明るさが偽薬より有意に良かった。
RCT14件の解析で、注射と飲み薬は日焼け止めだけより色素沈着が起こりにくかった。
9件・196人の研究で、ほぼすべてが、飲み薬・塗り薬・注射のどれでもシミが早く薄くなるとした。
日本人女性32人で、飲んでも飲まなくても、レーザー後の色素沈着の起こりやすさに差がなかった。
18人で、美容液を塗った側は偽薬側より4週から赤いニキビが少なかった。
70人で、ふつうの治療に飲み薬を足すと、赤み・乾燥・生活の質のスコアが良くなった。
ニキビや酒さによる顔の赤みがある56人で、光治療に3%のトラネキサム酸を塗るのを足すと、光治療だけより赤みのスコアが低かった。
ニキビのあとの赤みが続く33人で、光治療にトラネキサム酸の注射を足しても、生理食塩水を足した側と有意な差がなかった。
113件の系統的レビューで、飲み薬は有望とされたが、長期の安全性と効果は研究が必要とされた。
RCT17件で、効果は皮内注射とマイクロニードルが最も高く、次いで飲み薬、塗り薬の順だった。
60人・8週で、低下はハイドロキノン系30%、飲み薬25%、トラネキサム酸の塗り薬5%だった。
63人で、飲み薬を8週足してもクリームだけと有意な差がなかった。
RCT59件の解析で、飲み薬は推奨される方法の一つで、副作用の割合は17.6%だった。
RCT22件・1280人で肝斑スコアが下がり、飲み薬の低下が最大。副作用は胃腸の不快感・肌の刺激など。
試験24件のメタ解析で、飲み薬・塗り薬・注射をまとめると、12週で肝斑スコアが平均1.10点多く下がりました。塗り薬や注射だけでは上乗せがはっきりしませんでした。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。