目の周りのくすみは改善できる?

目の周りのくすみは改善できる?
読了目安 5〜7分最終更新日 2026.11.06
答え効く方法がある

色素のクマは、施術で薄くなり、目元用の化粧品でも少し軽くなります。睡眠の質とクマの有無に関連は見られません。

根拠

  • 効く(施術): レーザー、ピーリング、PRP注射などで改善が報告されています。39件をまとめた系統的レビューが中心ですが、質の高い研究は少なめです [1]。
  • 効く(塗るケア): 目元用の化粧品を8週間塗った58人の試験で、塗らなかった側よりクマが10段階中0.59段階軽くなりました [2]。
  • 関連はない(睡眠): クマのある人とない人で普段の睡眠の質に差はありませんでした [3]。徹夜で一時的に濃く見えた実験はあります [4]。根拠の確かさは低めです。10人の実験と、1本の比較研究だけのためです。

この答えの範囲

色素が原因のクマの話です。

じゃあ、どうする?

色素が原因のクマなら、軽い場合は目元用の化粧品から、はっきり気になる場合は皮膚科で施術を相談するのが、研究の範囲での使い分けです。タイプは見た目で決めず、皮膚科で診てもらってから選ぶと無駄がありません。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。中程度
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。10 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 84 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量15.820研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度05信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 90.8 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 2 本・RCT のメタ解析 1 本・観察研究 2 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

目の周りのくすみ(クマ)とは

目の周りのくすみは、目の下や周りが暗く見える状態で、一般に「クマ」と呼ばれます。茶色く見える色素沈着(茶クマ)、青黒く見える血管の透け(青クマ)、くぼみやたるみの影(黒クマ)など、原因でタイプが分かれるとされています。対策には美容皮膚科の施術と目元用の化粧品があり、この記事で紹介する研究の多くは茶クマが対象です。注意点は、見た目だけでタイプを決めにくいことと、施術には副作用があることです。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、アメリカのカリフォルニア大学アーバイン校などの研究チームが2021年に発表した系統的レビューです [1]。系統的レビューとは、決めた手順で研究を集めて整理する方法です。目の周りの色素沈着の治療を調べた39件の研究が集められました。

研究の種類目の周りの色素沈着の治療を調べた系統的レビュー
対象目の周りの色素沈着(クマ)の治療を調べた39件の研究
比べたものレーザー、ケミカルピーリング、PRP注射、塗り薬など
結果多くの治療で改善が報告された(質の高い研究は少ない)
系統的レビューの結果レーザー、ピーリング、PRP注射、塗り薬などで、目の周りの色素沈着が改善したと報告されています [1]。

ただし、著者らは質の高い研究が少ないと述べています。

効果の大きさを共通の数値にまとめた解析はなく、「何割薄くなる」とは言えません。このレビューが効果的な治療として挙げたのは、レーザー、塗り薬、フィラー、ケミカルピーリング、炭酸ガス注入(カルボキシセラピー)、PRP注射、眼瞼形成術(まぶたの手術)などです [1]。

よく言われていることは本当?

  • 施術で薄くなる研究で確かめられています。 レーザーやピーリングなどで改善が報告されています [1]。ただし質の高い研究は少なめです。
  • 美白成分入りのアイクリームで薄くなる少しは本当です。 20人の試験では、美白成分のジェルを塗ったグループでメラニンの量が塗る前より減り、成分を含まないジェルでは変わりませんでした [5]。ただ差は小さく、目元用の化粧品を塗った58人の試験で、塗らなかった側との差は10段階の写真スケールで0.59段階でした [2]。
  • 睡眠不足でクマができる、しっかり寝ると改善する半分本当です。 10人を5時間眠った翌日から31時間起き続けたあとに撮影した実験では、目の下のクマが濃く見えました [4]。一方、クマのある人149人とない人154人の睡眠の質を比べた研究では、点数に差がありませんでした [3]。一晩の徹夜で一時的に濃く見えることはあっても、普段の睡眠の質とクマの有無には関連が見られていません。根拠の確かさは低めです。10人の実験と、1本の比較研究だけのためです。しっかり寝ると改善することを確かめた研究は、見つかっていません。睡眠全般の整え方は睡眠の質を高める方法は?で比べています。
  • マッサージや温めで血行を良くすると青クマが改善する調べた範囲では、臨床研究が見つかっていません。
  • 目をこすらない、メイクをやさしく落とす色素沈着を防げるかを比べた研究は、見つかっていません。
  • 保湿ケア保湿だけの効果を分けた研究は、見つかっていません。
  • 塩分を控えてむくみを減らす目元への効果を調べた臨床研究は、見つかっていません。
  • コンシーラーや下地で隠す隠す方法で、薄くする効果を比べた研究の対象になっていません。

施術: レーザー・光治療

スペインのラ・フェ大学・工科病院などの研究チームが2024年に発表した、14件のレビューがあります [6]。結果が最も良かったのは、光治療(IPL)やルビーレーザーを美白剤と組み合わせた方法です。Nd:YAG・アレキサンドライト・ダイオードの各レーザーは、効果が最も低いとされています。

施術: 注射・炭酸ガス注入

中国の中国医学科学院 形成外科病院などの研究チームが2025年に発表した試験では、目の周りの色素沈着がある120人が、ヒアルロン酸ナトリウムにビタミンC・トラネキサム酸・グルタチオンを加えた注射を受けました [7]。受けたグループは明るさが改善し、対照グループには大きな変化がありませんでした。

エジプトのアレクサンドリア大学などの研究チームが2022年に発表した試験では、目の下にクマがある80人が毎週・6週間、炭酸ガスを皮膚の下に注入するカルボキシセラピーを受けました [8]。流量が毎分30mLでも60mLでも、クマははっきり改善しました。

塗るケア

目元用の化粧品を顔の片側だけに塗った58人の試験では、8週間後にクマが塗る前より平均0.74段階、塗らなかった側より0.59段階軽くなりました [2]。「消える」ではなく「少し軽くなる」という大きさで、化粧品会社の研究者による研究です。124人の女性の二重盲検試験でも、亜鉛と銅のジェルを使ったグループはプラセボよりクマが改善しました [9]。ただし対象は光老化のある女性で、クマに悩む人の研究ではなく、化粧品会社の研究です。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

アメリカのウェイル・コーネル医科大学などの研究チームが2026年に発表した、PRP(自分の血液から作る成分)注射の26件のレビューでは、満足度は高い一方、色素沈着への効果は中程度でした [10]。PRP注射そのものは、PRP注射は何に効く?ニキビ跡・目の下・小じわで差があるで部位ごとに比べています。

効果が中程度だった研究PRP注射を調べた26件の系統的レビュー

満足度は高いものの、色素沈着への効果は中程度でした。

02注意点

副作用は研究によって違います。先に紹介したカルボキシセラピーの80人の試験では、毎分60mLのほうが毎分30mLより副作用が多く見られました [8]。施術の研究は短期間の評価が中心で、長期の安全性は分かっていません。注射や施術を受けるときは、持病や服薬、妊娠の有無を医師に伝えてください。

自分のクマのタイプを分けて考える

研究の多くは色素が原因のクマが対象で、くぼみによる影や血管が透けるタイプにはそのまま当てはまりません。

03まとめ

色素が原因のクマは、施術でも塗るケアでも改善が報告されています。
睡眠の質とクマの有無に関連は見られず、塗るケアの差も小さいため、期待は「少し軽くなる」を目安にします。
自分のクマのタイプは見た目では分かりにくいため、皮膚科で診てもらってから方法を選びましょう。

04よくある質問

Qアイクリームでクマは消えますか?

消えるとは言えません。58人の試験では、塗らなかった側との差は10段階中0.59段階でした。試験はどれも小規模で、化粧品会社の研究が含まれます。

Qたっぷり寝ればクマは消えますか?

確かめた研究は見つかっていません。クマのある人とない人で睡眠の質に差はなく、睡眠だけでクマができるとは言えませんでした [[31663247]]。

Qどの施術がいちばん効きますか?

今ある研究では決められません。光治療(IPL)やルビーレーザーと美白剤の組み合わせで結果が良かったと報告されていますが、施術ごとの質の高い比較は少ない状況です。

Q自分のクマのタイプは、見た目で分かりますか?

研究では、原因を色素・構造・血管・混合に分けて治療を考えています。自己判断の見分け方が正しいかどうかは、研究では確かめられていません。皮膚科で相談してください。

05参照した論文

判定に使った主な論文(10本)

[1]目の周りの色素沈着の治療に関する系統的レビュー

発表年
2021年
研究機関
アメリカ・カリフォルニア大学アーバイン校
掲載誌
Dermatologic surgery : official publication for American Society for Dermatologic Surgery [et al.]
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
研究39件を統合
結果の向き
良い方向

39件の研究をまとめ、レーザー・ピーリング・PRP注射・塗り薬などで改善が報告された。質の高い研究は少ない。

[2]目の下のクマの写真評価スケールと化粧品の効果を調べた試験

発表年
2021年
研究機関
イギリス・企業の研究部門
掲載誌
International journal of cosmetic science
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
58人
結果の向き
良い方向

58人の試験で、8週間後にクマが塗らなかった側より平均0.59段階軽くなった。化粧品会社の研究。

[3]睡眠の質が目の周りのクマに与える影響を調べた症例対照研究

発表年
2020年
研究機関
ブラジル・ポルトアレグレ臨床病院
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
症例対照研究ある病気の人とそうでない人で、過去の生活習慣などを比べる研究。
対象
303人
結果の向き
差なし

クマのある149人とない154人を比べ、睡眠の質の点数に差はなかった。

[4]睡眠不足が顔の見た目に与える影響

発表年
2013年
研究機関
スウェーデン・カロリンスカ研究所
掲載誌
Sleep
研究の種類
その他の研究上のどれにも当てはまらない研究。
対象
10人
結果の向き
良い方向

10人を撮影した実験で、徹夜のあとの顔は目の下のクマが濃く見えると評価された。

[5]微細な針を併用した美白成分ジェルによる目の下のクマの治療

発表年
2021年
研究機関
中国・中国医科大学附属第一病院
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
20人
結果の向き
良い方向

20人の試験で、美白成分のジェルを塗ったグループはメラニンの量が塗る前より減った。

[6]光やレーザー機器による目の周りの色素沈着の治療

発表年
2024年
研究機関
スペイン・ラ・フェ大学・工科病院
掲載誌
Archivos de la Sociedad Espanola de Oftalmologia
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
研究14件を統合
結果の向き
良い方向

14件の研究をまとめ、IPLやルビーレーザーを美白剤と組み合わせた方法が最も良かった。

[7]色素性のクマに対する成分入りヒアルロン酸注射の有効性と安全性

発表年
2025年
研究機関
中国・中国医学科学院 形成外科病院
掲載誌
The Journal of dermatological treatment
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
120人
結果の向き
良い方向

120人の試験で、成分入りの注射を受けたグループは目の周りの明るさが改善した。

[8]目の下のクマに対するカルボキシセラピーの2種類の流量の比較

発表年
2022年
研究機関
エジプト・アレクサンドリア大学
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
80人
結果の向き
良い方向

80人の試験で、どちらの流量でもクマが改善し、60mLのほうが副作用が多かった。

[9]亜鉛と銅の複合体を用いた光老化へのプラセボ対照試験

発表年
2012年
研究機関
アメリカ・企業の研究部門
掲載誌
Journal of drugs in dermatology : JDD
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
124人
結果の向き
良い方向

124人の試験で、ジェルを使ったグループは目の下のクマがプラセボより改善した。

[10]目の周りの美容におけるPRPとPRFの系統的レビュー

発表年
2026年
研究機関
アメリカ・ウェイル・コーネル医科大学
掲載誌
Facial plastic surgery clinics of North America
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
研究26件を統合
結果の向き
良い方向

26件のレビューで、満足度は高かったが、色素沈着への効果は中程度だった。

ほかに参考にした論文(13本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。