顔のたるみは何で改善する?

顔のたるみは何で改善する?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え方法で根拠の強さが違う

ハイフは、施術後に見た目が良くなった報告が多くあります。レチノールはシワに効きます。

根拠

  • ハイフ(良くなった報告が多い): 90日後に見た目が良くなった人の割合は0.77(13件・477人のメタ解析)です [1]。根拠の確かさは低めです。比べる相手のいない施術前後の研究が中心で、研究の作りに弱さがあるためです。
  • レチノール・日焼け止め(効く): 測ったのはシワ [2] と、肌の老化の進み方 [3] で、たるみそのものではありません。
  • 顔の筋トレ(研究が足りない): 12件・321人の系統的レビューは、効果を確信できる根拠はまだ無いと結論しています [4]。

この答えの範囲

ハイフは、たるみが軽度〜中等度の成人(主に女性)の研究です。ほかの方法は、シワや肌の老化の進み方を測った研究です。

じゃあ、どうする?

見た目の引き締めを期待して施術を受けるなら、ハイフが研究のいちばん多い選択肢です。たるみが強い人やBMIが30を超える人は結果が下がる報告があるので、医師に相談を [5]。シワが気になるなら、レチノールが選べます。日焼け止めは、今以上の肌の老化を防ぐ方法です。筋トレは、試すなら無理のない範囲で。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。14 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 64 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン2440いちばん信頼できる研究の種類
研究の量16.720研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度05信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 75.7 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、観察研究 6 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

顔のたるみとは

顔のたるみは、年齢や紫外線の影響などで皮膚のハリが落ち、頬やフェイスラインが下がって見える状態です。ここでは主に、次の4つを比べます。日焼け止めと美容鍼は、後の「よく言われていることは本当?」で扱います。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

  • ハイフ: 超音波で皮膚の深い層を温める、美容クリニックの施術
  • レチノール: シワやハリ向けに使われる、ビタミンAの仲間
  • コラーゲンのサプリ: 肌の弾力に良いとされる
  • 顔の筋トレ: 表情筋を動かす運動

どれも「引き締まる」「リフトアップする」とうたわれますが、研究で測っているものは方法ごとに違います。注意点は、ハイフで赤み・腫れ・内出血が出ることがあること [6]、レチノールで赤みや皮むけが出ることがあることです [7]。

ハイフ(施術後に見た目が良くなった人は多い)

答えの中心は、中国の山東大学などの研究チームが2023年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の研究の結果をまとめて、全体の傾向を調べる方法です。顔の若返り・引き締めを目的にしたハイフの研究13件、477人が集められました。

研究の種類ハイフの研究を集めたメタ解析
対象顔の若返り・引き締めのためにハイフを受けた人(13件・477人)
比べたもの施術前と施術後
結果総合美容改善尺度(GAIS)で見た目が良くなった人の割合は、90日後0.77、180日後0.69
まとめて分析した結果施術から90日後に、見た目が良くなったと評価された人の割合は0.77でした [1]。

180日後は0.69で、少し下がっています。

1回の施術を調べた16件のレビューでは、評価者の判定で改善した人は90日後に92%でしたが、本人の評価では90日後42%、360日後53%でした [5]。本人の実感は、評価者よりも控えめです。

効果の大きさを示す研究もあります。45件の臨床研究を整理した系統的レビューでは、顔の下半分・首・目の周りのたるみが18%〜30%改善していました [8]。額とこめかみに当てた40人では、90日後に眉の高さが施術前より平均2.16mm上がりました [9]。ただし、これらは多くが施術前との比較で、ハイフと何もしない場合の比較は、今回調べた範囲では見つかっていません。統合できた2件はラジオ波との比較で、首のたるみの改善に差はありませんでした [10]。

コラーゲンのサプリ

コラーゲンのサプリの研究は、別の記事 コラーゲンを飲むと肌にいい? で、くわしく調べています。

顔の筋トレ(研究が足りない)

30〜70歳の女性321人を対象にした12件の系統的レビューでは、頬やフェイスラインなど一部の部位で見た目の改善が報告されましたが、効果があると確信できる根拠はまだ無いと結論されています [4]。

よく言われていることは本当?

  • ハイフでリフトアップできる施術前より良くなった報告は多いですが、何もしない人との比較は見つかっていません [1]。
  • コラーゲンでハリが戻る測っているのは肌の弾力で、たるみそのものではありません。 研究は コラーゲンを飲むと肌にいい? にまとめています。
  • 表情筋トレやマッサージで引き締まる研究が足りません。 運動する群9人を含む18人の比較では、5か所のうち差が出たのは1か所だけでした [11]。
  • レチノールでたるみが改善するシワや色むらには効きます。 23件・3905人のネットワークメタ解析で確かめられています [2]。たるみ(ゆるみ)の改善は、トレチノインを塗った1991年の251人の試験などで報告されただけです [7] [12]。
  • 日焼け止めでたるみを防げる肌の老化は防げますが、今あるたるみを戻す話ではありません。 903人の試験で、毎日塗った人は気が向いたときだけ塗る人より、4.5年間の肌の老化が24%少なくなりました [3]。
  • 美容鍼でたるみが引き上がる眉間のシワには効きますが、たるみは測られていません。 72人の試験で、6週間の鍼の後に眉間のシワが減った人は63%でした [13]。90人の試験では顔の見た目の自己評価が良くなりました [14]。
  • 血行・睡眠・ストレスを整えれば防げる研究が見つかっていません。 PubMed で検索しても、たるみを調べた試験は見つかりませんでした。

02注意点

ハイフの研究は、たるみが軽度〜中等度の成人、主に女性が対象です。たるみが強い人やBMIが30を超える人では、良い結果が減ると報告されています [5]。赤み・腫れ・内出血は多くが軽度〜中等度で、痛みの平均スコアは4.85でした [6]。トレチノインを塗ると、赤み・皮むけ・ひりつきが出ることがあります [7]。持病や服薬がある人は、施術やサプリの前に医師や薬剤師へ確認してください。

測ったものと、自分の条件を分けて考える

どの研究も、シワ・弾力・見た目の評価を測ったもので、「たるみが取れた」ことを直接示したものではありません。

03まとめ

ハイフは、施術後に見た目が良くなった報告が多くあります。レチノールはシワに効きます。
たるみそのものを測った研究は少ないので、期待は「見た目が少し整う」くらいに置くと外れにくいです。
施術やサプリは、たるみの程度や持病・服薬を伝えて、医師や薬剤師に相談してから決めましょう。

04よくある質問

Qハイフとラジオ波(RF)はどちらが良いですか?

首のたるみがある20人を比べたランダム化試験でも、2件を統合した解析でも、差はありませんでした。ハイフのほうが施術中の痛みが強かったという報告があります [[28902019]]。

Qコラーゲンを飲めばたるみは改善しますか?

研究が測ったのは肌の弾力で、たるみの見た目ではありません。コラーゲンの研究は、別の記事「コラーゲンを飲むと肌にいい?」で調べています。

Q顔の筋トレは意味がありますか?

一部の部位で見た目が良くなったという報告はありますが、研究が足りず、まだ分かりません。50〜60歳の女性30人の試験では、8週間休むと見た目の改善が失われました [[39166599]]。

Qハイフの効果はいつまで続きますか?

額とこめかみに当てた40人では、180日後に35人(87.5%)で評価者が眉の持ち上がりを認めました [[39034504]]。いずれも施術前との比較で、1年以上の長さは確かめられていません。

05参照した論文

判定に使った主な論文(15本)

[1]顔の若返り・引き締めのハイフ施術の効果と満足度を調べたメタ解析

発表年
2023年
研究機関
中国・山東大学
掲載誌
Aesthetic plastic surgery
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
477人
結果の向き
良い方向

ハイフの研究13件・477人。施術90日後に見た目が良くなった人の割合は0.77、180日後は0.69でした。

[2]顔の光老化に塗る成分を比べたネットワークメタ解析

発表年
2025年
研究機関
中国・中山大学
掲載誌
Scientific reports
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
3,905人
結果の向き
良い方向

ランダム化試験23件・3905人。レチノールなどの塗り薬が、細かいシワをはっきり改善しました。

[3]日焼け止めの毎日使用が肌の老化に与える影響を調べた試験

発表年
2013年
研究機関
オーストラリア・クイーンズランド医学研究所
掲載誌
Annals of internal medicine
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
903人
結果の向き
良い方向

55歳未満の903人で、日焼け止めを毎日塗った人は、気が向いたときだけ塗る人より4.5年間の肌の老化が24%少なかった。

[4]顔の筋トレやマッサージによる若返りを調べた系統的レビュー

発表年
2025年
研究機関
Seraj SSほかの研究チーム
掲載誌
Aesthetic surgery journal. Open forum
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
321人
結果の向き
結果が割れている

30〜70歳の女性321人・12件。一部の部位で改善の報告はありましたが、効果を確信できる根拠はまだ無いとされました。

[5]顔の引き締めに使うハイフの効果を調べた系統的レビュー

発表年
2023年
研究機関
オランダ・JC Kliniek
掲載誌
International journal of environmental research and public health
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
337人
結果の向き
良い方向

1回のハイフ施術の研究16件。評価者の判定で改善した人は90日後に92%、本人の評価では42%でした。

[6]ハイフ(MFU-V)の有効性と安全性を調べたメタ解析

発表年
2025年
研究機関
Amiri Mほかの研究チーム
掲載誌
Aesthetic surgery journal
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
411人
結果の向き
良い方向

ハイフの研究42件のメタ解析。評価者の判定では、411人を統合して89%に何らかの改善がありました。

[7]光老化のある人にトレチノインを塗った比較試験

発表年
1991年
研究機関
アメリカ・カリフォルニア大学アーバイン校
掲載誌
Archives of dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
251人
結果の向き
良い方向

光老化のある251人で、0.05%トレチノインを24週塗ると、何も入っていないクリームより細かいシワやたるみ(ゆるみ)が減った。

[8]ハイフによる肌の引き締めを調べた系統的レビュー

発表年
2025年
研究機関
Haykal Dほかの研究チーム
掲載誌
Aesthetic surgery journal
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
研究45件を統合
結果の向き
良い方向

臨床研究45件を整理し、顔の下半分・首・目の周りでたるみが18%〜30%良くなっていました。統合解析はありません。

[9]額とこめかみへのハイフで眉の高さがどう変わるかを調べた研究

発表年
2024年
研究機関
中国・南京医科大学
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
対象
40人
結果の向き
良い方向

軽度〜中等度の眉の下垂がある42人。90日後に眉の高さが施術前より平均2.16mm上がりました。

[10]たるみに対するハイフ施術の系統的レビューとメタ解析

発表年
2025年
研究機関
ブラジル・サンパウロ大学
掲載誌
Lasers in medical science
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
—
結果の向き
差なし

ハイフの研究12件のレビュー。統合できたラジオ波との比較2件では、首のたるみの改善に差はありませんでした。

[11]顔の運動による若返りを調べた対照群のある研究

発表年
2013年
研究機関
ベルギー・ゲント大学
掲載誌
Folia phoniatrica et logopaedica : official organ of the International Association of Logopedics and Phoniatrics (IALP)
研究の種類
コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
対象
18人
結果の向き
差なし

18人の比較研究。5か所のうち、運動しない群との差が出たのは1か所だけでした。

[12]顔の光老化にトレチノインを塗った比較試験

発表年
1994年
研究機関
オーストラリア・ロイヤル・ノースショア病院
掲載誌
The Australasian journal of dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

トレチノイン62人と何も入っていないクリーム63人に分け、毎晩24週。シワや色むらとともに、たるみ(ゆるみ)が改善した。

[13]美容鍼が眉間のシワに与える影響を調べた試験

発表年
2025年
研究機関
イラン・マシュハド医科大学
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
72人
結果の向き
良い方向

30〜59歳の女性72人で、鍼を6週受けた人の63%は眉間のシワが減り、何もしない人より多かった。

[14]鍼とツボへの電気刺激が顔の見た目の自己評価に与える影響を調べた試験

発表年
2026年
研究機関
中国・成都中医薬大学
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
90人
結果の向き
良い方向

90人の試験で、鍼とツボへの電気刺激の群は、偽の刺激の群より顔の見た目の自己評価がはっきり良くなった。

顔と首の若返りに使うハイフの安全性と効果のメタ解析

発表年
2020年
研究機関
イラン・テヘラン医科大学
掲載誌
Lasers in medical science
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
477人
結果の向き
良い方向

研究17件・477人を統合。評価者による客観的な改善度は5点満点で平均2.74点、本人の満足度は2.68点で、中程度でした。

ほかに参考にした論文(17本)

判定「良い関連がある」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。