[1]光老化にタザロテン0.1%クリームを塗った比較試験
- 発表年
- 2005年
- 研究機関
- アメリカ・ミシガン大学医療センター
- 掲載誌
- Journal of the American Academy of Dermatology
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- 568人
- 結果の向き
- 良い方向
顔の光老化がある568人が、タザロテンか有効成分なしのクリームを24週間塗った。毛穴の大きさの見た目などが改善した。

レチノイドの塗り薬は、毛穴の目立ちに効きます。
塗り薬の結果は、光老化がある人の試験です。
毛穴の開きが気になるなら、レチノイドの塗り薬が研究に最も近い選択肢です。皮膚科で相談すると、ピーリングやボトックスも含めて肌に合う方法を選べます。ナイアシンアミドは皮脂が気になる人向けで、くわしくはナイアシンアミドの記事へ。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 34 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 11.7 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 3 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 73.7 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 3 本。 この上限により、強度を A から C に下げました。 根拠の研究が、この疑問の対象とは違う人たちのものだけなので、強度は B を上限にしています。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
毛穴の開きは、毛穴の入り口が大きく見える状態です。黒ずみは、毛穴に詰まった皮脂や角質の汚れが黒く見えるものです。対策には、塗り薬、洗顔、ピーリング、皮膚科の施術などがあります。ここでは、比較試験などの研究がある方法を分けて紹介します。この節は一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。
答えの中心は、アメリカのミシガン大学医療センターなどの研究チームが2005年に発表した、タザロテンクリームの試験です [1]。有効成分の入っていないクリームと比べる、ランダム化比較試験です。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験(2重盲検) |
|---|---|
| 対象 | 中等度以上の小じわか、まだらなシミがある顔の光老化(紫外線などで起こる肌の老化)の人(568人) |
| 比べたもの | タザロテン0.1%クリームと、有効成分なしのクリーム(毎日24週間) |
| 結果 | 毛穴の大きさの見た目が、有効成分なしより改善した |
別の563人の試験でも、毛穴の大きさが良くなった人が、有効成分なしより多い結果でした [2]。
トレチノイン0.05%クリームの試験(62人と63人)でも、毛穴などが良くなったと本人が感じました [3]。向きは3本の試験でそろっています。ただし、どの試験も毛穴の悩みで集めた人ではなく、毛穴は評価項目の1つです。改善の大きさの数値も要旨にありません。だから、根拠の確かさは低めです。
研究で毛穴を調べた塗り物は、次のとおりです。
レチノールの量や使い方はレチノールの記事で扱っています。
皮脂と毛穴で結果が分かれています。日本人100人の試験では、ナイアシンアミド2%の保湿剤で、2週と4週で皮脂の出る量が少なくなりました [6]。台湾の52人の試験では、ナイアシンアミド4%を顔の片側に塗ると、8週目に機器で数えた毛穴の数が減りました [7]。一方、72人の試験では、ナイアシンアミド入りの保湿クリームを4週間使っても、写真で見た毛穴は何も塗らない側と差がありませんでした [8]。
グリコール酸40%のピーリングを2週おきに5回受けた側は、偽のピーリングの側より、ニキビの病変が減り、特に黒ずみや白い角栓などの炎症のない病変で効果が大きくなりました。ただし対象は中等度のニキビがある26人で、黒ずみだけが悩みの人の研究ではありません [9]。
肌の浅い層にボトックスを打つ施術で、皮脂の量と毛穴の大きさが改善しました。比較試験5本と前向きコホート研究5本、合わせて153人のメタ解析の結果です [4]。毛穴の開きと皮脂の多い20人の試験では、片方の頬にボトックス、もう片方に生理食塩水を注射し、1か月後にボトックス側のほうが大きく改善しました [10]。
根拠の確かさは中程度ですが、研究の半分は比較試験ではなく、どの項目も結論に必要な情報量に届いていません。質の高い研究がさらに必要です。32人の試験では、効きやすかったのは顔が脂っぽい人でした [11]。
「研究が足りません」は、効かないという意味ではなく、確かめた試験がまだないという意味です。
タザロテンの試験は、毎日24週間、顔に塗る条件でした [1]。研究の対象は光老化の人で、毛穴だけが悩みの人に同じ結果が出るかは分かっていません。レチノイドやピーリング、ボトックスは医療や専門的な施術に近いものです。タザロテンの試験の副作用は、主に軽い〜中等度の肌の刺激でした [1]。ボトックスの注射では、赤み・内出血・むくみが主な副作用として報告されています [11]。妊娠中や授乳中の人、持病や服薬中の人、肌の状態に不安がある人は、皮膚科の医師や薬剤師に確認してください。
毛穴だけが悩みの人で確かめた試験ではないので、結果は目安として読んでください。
毛穴の開きには、レチノイドの塗り薬が効くという結果が3本の試験でそろっています。
根拠の確かさは低めで、洗顔・毛穴パック・保湿・ビタミンCは研究が足りません。
気になるときは、皮膚科で塗り薬や施術を相談するのが近道です。
研究では確かめられていません。毛穴パックや酵素洗顔で、毛穴や黒ずみを測った対照付きの人の試験は見つかっていません。効かないと分かったわけではなく、確かめた研究がまだありません。
研究が足りず、まだ分かりません。ビタミンCの化粧品を毛穴で調べた比較試験は、集めた論文にありませんでした。レチノイドは、有効成分なしと比べた試験で改善が確かめられています [[12437455]]。
20人の試験では、4か月後もボトックス側の改善が保たれ、効果は平均4か月ほど続くとされています [[31865815]]。ただし20人の小さな試験で、4か月はその平均です。
顔の光老化がある568人が、タザロテンか有効成分なしのクリームを24週間塗った。毛穴の大きさの見た目などが改善した。
顔の光老化がある563人で、タザロテンを24週間塗ると、毛穴の大きさが良くなった人が有効成分なしより多かった。
トレチノイン0.05%クリームを24週間塗った人は、毛穴などが良くなったと本人が感じた。
研究10件・153人のメタ解析で、皮脂の量や毛穴の大きさなどが改善したが、結論に必要な情報量には達していなかった。
光老化のある女性120人で、レチノール0.2%配合クリームとトレチノイン0.025%を比べ、どちらも毛穴が改善し差はなかった。
日本人100人が、ナイアシンアミド2%の保湿剤か有効成分なしの保湿剤を4週間塗り、2週と4週で皮脂の出る量が少なかった。
台湾の52人で、ナイアシンアミド4%を顔の片側に塗ると、8週目に毛穴の数が減った。
肌の老化のサインがある女性72人で、ナイアシンアミド入り保湿クリームを4週間使っても、写真で見た毛穴は何も塗らない側と差がなかった。
中等度のニキビがある26人で、40%グリコール酸のピーリングをした側は、炎症のない病変で効果が大きかった。
毛穴の開きと皮脂の多い20人で、1か月後の皮脂と毛穴のスコアはボトックス側でより大きく改善した。
頬の毛穴が目立つ32人で、どちらの側も毛穴の体積が減った。ボトックスが効きやすかったのは顔が脂っぽい人だった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。