[1]炭酸ガスフラクショナルレーザーのメタ解析
- 発表年
- 2022年
- 研究機関
- 中国・台州中央病院
- 掲載誌
- Annals of palliative medicine
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 467人
- 結果の向き
- 良い方向
へこんだニキビ跡の467人(6件)で、ほかの方法より肌のなめらかさの評価が高かった。

へこんだニキビ跡には、レーザー、マイクロニードル、ピーリングが効きます。
顔のへこんだニキビ跡 (クレーター) の話です。茶色い色素沈着は塗り薬の研究が別にあります。赤みや、食べ物・化粧品によるケアは、研究がほとんどありません。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 16.7 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 96.7 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 2 本・観察研究 3 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「非常に低い」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を A から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
ニキビ跡は、ニキビの炎症が治ったあとに残る、へこみ(クレーター)や茶色い色素沈着、赤みのことです。皮膚科や美容皮膚科では、レーザー、細い針で皮膚に小さな傷をつけるマイクロニードル、薬剤で皮膚の表面を整えるケミカルピーリング、塗り薬などで治療します。注意点は、跡の種類によって合う方法が違うことと、研究の多くが治療どうしの比較で、何もしない場合との比較が少ないことです。
答えの中心は、エジプトのカイロ大学などの研究チームが2016年に発表したコクランの系統的レビューです [4]。系統的レビューとは、決めた手順で関連する研究を集め、結果を整理する方法です。18歳以上の大人789人のランダム化比較試験24件が集められました [4]。
| 研究の種類 | へこんだニキビ跡の治療を調べた系統的レビュー |
|---|---|
| 対象 | 18歳以上の大人(24件・789人) |
| 比べたもの | レーザー、マイクロニードル、ピーリングなど、治療どうしの比較が中心 |
| 結果 | プラセボと比べた研究はほとんど無く、どの治療も第一選択として支持できる質の高い根拠は無い |
1件の研究(64人)では、フラクショナルレーザーは従来型のレーザーより、本人が感じる跡の改善が多くなりました [4]。
「効く」という向きは各方法でそろっています。ただし、どれが一番かを決めるだけの質の高い比較は、まだ足りません。
このサイトの評価では、レーザーが「低い」、マイクロニードルとピーリングが「高い」になっています。しかし、これはレーザーの根拠のほうが弱いという意味ではありません。レーザーの評価にだけ、コクランの「根拠の確実性は非常に低い」という判定が反映されたためです [4]。マイクロニードルとピーリングは、その判定が評価に入っていません。実際には、10件の論文を集めた系統的レビューで、削るタイプのレーザーとマイクロニードルは、60%の論文で効果に差がありませんでした [11]。レーザーとピーリングを直接比べた38件の研究(皮膚の悩み全般)のまとめでも、ニキビやニキビ跡では効果に差は見られませんでした [12]。どの方法も、根拠の確かさは同じくらい限られていると読むのが正確です。
中等度〜重いニキビの67人の顔の半分ずつで比べた試験では、24週後のへこんだ跡の数が、アダパレンと過酸化ベンゾイルの合剤の側で平均9.5個、基剤の側で13.3個でした [7]。日本の患者126人の試験でも、炎症が治まったあとに塗り薬を続けた群では、へこんだ跡が悪化しませんでした [13]。ただし、過酸化ベンゾイルだけでも同じ結果だったため、レチノイドだけの効果とは言い切れません [13]。できてしまった深い跡を消す根拠ではありません。
茶色い色素沈着には、肌の色の濃い74人の二重盲検の試験で、タザロテン0.1%クリームが18週以内に基剤より色素沈着の濃さと広さを減らしました [14]。炎症のあとの色素沈着がある黒人54人の、トレチノイン0.1%クリーム40週の試験でも、基剤より薄くなりましたが、塗った24人中12人に皮膚炎が出ました [15]。トリファロテンは、主な評価(色素沈着の全体の重さ)の24週では基剤と差がありませんでしたが、別の色素沈着の指標では24週でも改善が大きくなりました [16]。レビューは、どの治療もしっかりした効果は示せていないとしています [17]。根拠の確かさは中程度です。レチノイド・ヒドロキシ酸・日焼け止めが、質の高い研究の数が最も多い方法でした [18]。
タザロテンの塗り薬とマイクロニードルを顔の左右で比べた試験では、6か月後の改善に差がありませんでした [19]。「施術のほうが必ず上」ではなく、塗り薬でも同じくらい改善した例です。
タザロテンのジェルとマイクロニードルで、6か月後の改善は同じくらいでした。
副作用と回復までの期間は、方法で違います。削るタイプのレーザーは、痛み・回復までの期間・長く残る色の変化のリスクを伴いました [5]。トレチノインの試験では、半数に皮膚炎が出ました [15]。ニキビが赤く腫れている間のマイクロニードルは悪化を招くことがあるため、受ける前に皮膚科の医師へ相談してください。持病や服薬がある人、妊娠中の人は、塗り薬も含めて医師や薬剤師に確認してください。
跡の種類と深さ、回復までの期間を踏まえて、皮膚科で決めましょう。
へこんだニキビ跡は、レーザー・マイクロニードル・ピーリングのどれでも改善が報告されています。
ただし根拠の確かさは低めで、方法どうしの優劣は研究で決まっていません。
まずは皮膚科で跡の種類を見てもらい、ニキビが続くなら塗り薬で新しい跡を防ぎましょう。
研究では決まっていません。削るタイプのレーザーとマイクロニードルは、60%の論文で効果に差がありませんでした [[36749436]]。回復までの期間や痛みも含めて、皮膚科で選んでください。
研究があるのはレチノイドの塗り薬です。タザロテンやトレチノインが基剤より色素沈着を薄くしましたが、皮膚炎が出ることもあります [[16475496]] [[8479462]]。
研究では確かめられていません。食事や化粧品でニキビ跡が変わるかを人で調べた試験は、見当たりませんでした。
へこんだニキビ跡の467人(6件)で、ほかの方法より肌のなめらかさの評価が高かった。
ランダム化比較試験12件(414人)で、ほかの治療より跡の客観的な改善が大きかった。
9件(566人)で、併用は単独より改善した人が多かった。
18歳以上の大人789人の試験24件を集めた。第一選択として支持できる質の高い根拠は無いと結論した。
59本の論文で、表面を削るレーザーが最も効果が高いとみられたが、痛みと回復までの期間を伴った。
ほかの治療と同じくらいの効果で、副作用が少なく回復が早い点が好まれていた。
67人の顔の半分ずつの比較で、24週後のへこんだ跡の数が合剤側で少なかった。
30件の研究をまとめ、有効な治療と結論した。
ランダム化比較試験9件で、単独でも併用でも一貫して効果があった。
11件(713人)で、効果はおおむね同じくらいだった。
10本の論文で、60%は効果に差が無かった。
38件の研究で、ニキビ跡の効果に差は無かった。
日本の患者126人で、塗り薬を続けた群はへこんだ跡が悪化しなかった。
74人で、18週以内に基剤より色素沈着の濃さと広さが減った。
黒人54人で、40週で基剤より薄くなった。半数に皮膚炎が出た。
主な評価の24週では基剤と差が無かった。
48件の研究で、どの治療もしっかりした効果は示せていなかった。
47件の研究で、レチノイド・ヒドロキシ酸・日焼け止めが質の高い研究の数が最も多かった。
顔の左右で比べ、6か月後の改善は同じくらいだった。
89件の研究で、フラクショナルレーザーと高周波が多くのタイプを大きく改善した。質の高いデータは不足している。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。