[1]ニキビ跡へのマイクロニードルとPRPの併用効果のメタ解析
- 発表年
- 2021年
- 研究機関
- 中国・中国科学院大学附属華美病院
- 掲載誌
- Frontiers in medicine
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 472人
- 結果の向き
- 良い方向
472人の解析で、PRPを足すと50%を超える改善のオッズが2.97倍だった。

マイクロニードルやレーザーと併用すると、ニキビ跡に効きます。目の下は満足度が上がり、小じわは研究が割れています。
顔に美容目的で受ける PRP 注射の話です。ニキビ跡は、へこみ型で中等度以上の人の研究です。
ニキビ跡なら、マイクロニードルやレーザーとの組み合わせが研究で支持されています。PRPだけの注射は順位が低いので、何と組み合わせるかを確認しましょう。目の下はピーリングや脂肪注入より効果が低い試験があります。成長因子(bFGF)を混ぜる施術は学会の指針が行わないことを弱く推奨しているので、内容を医師に確認してください。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 19.1 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 19.9 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 94 点を、エビデンス強度 A の範囲(75〜100 点)に収めて、スコアは 94 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 5 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
PRP(多血小板血漿)注射は、自分の血液から血小板を濃くした液を取り出し、皮膚に注射する美容医療の施術です。肌のハリや小じわ、目の下のくま、ニキビ跡を改善するとされ、顔に注射する方法のほか、マイクロニードルやレーザーと組み合わせる方法があります。自分の血液を材料にするのが特徴です。注意点は、赤み・腫れ・内出血が出ることがある点と、成長因子(bFGF)を混ぜる施術には学会が慎重な見方を示している点です。
答えの中心は、中国の陝西中医薬大学附属病院などが2026年に発表したネットワークメタ解析です [2]。ネットワークメタ解析とは、直接比べていない治療同士も含めて順位をつける方法です。マイクロニードルは、細い針で肌に小さな穴をあける施術です。
| 研究の種類 | ニキビ跡のランダム化試験を集めたネットワークメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 中等度〜重度のへこんだニキビ跡のある人(56件・1488人) |
| 比べたもの | レーザー・マイクロニードル・PRPなど34種類の治療 |
| 結果 | 炭酸ガスレーザー+PRPと、マイクロニードル+PRPが、はっきり改善した人の割合で上位 |
組み合わせた治療は、たいてい単独の治療より良い結果でした [2]。
マイクロニードルに絞ったメタ解析でも、472人(ランダム化試験4件と、非ランダム化の試験10件)をまとめた結果、PRPを足すと、50%を超える改善が得られるオッズは、足さない場合の2.97倍でした [1]。
併用のほうが上位です。傷あとのランダム化試験13件のまとめでは、PRPだけの治療の反応率は23%で、レーザーやマイクロニードルだけと同じくらいでした。レーザーやマイクロニードルに足すと、効果がかなり上乗せされました [7]。
満足度の順位では、PRPだけの注射は最下位で、マイクロニードル+PRPもマイクロニードルだけよりわずかに低い順位でした [8]。
目のまわりの研究19件・455人の系統的レビューでは、ランダム化試験3件のメタ解析で、PRPを受けた人の満足度が生理食塩水などの対照より高くなりました。対象の95%は女性で、追跡は平均3か月でした [3]。くまへの効果は中くらいで、しわ・きめの客観的な改善は割れていました [4]。
ほかの施術と比べた試験には、PRPの効果が低い結果がありました。
PRPかPRF(PRPに近い血液の製剤)を単独で使った研究20件・514人のレビューで、改善が報告された研究は、皮膚の厚さで80%、弾力で75%、きめで33%、潤いで0%でした。厚さと弾力を調べた研究は数件ずつです [5]。別の24件・480人のレビューは、顔のきめの根拠が最もそろっているとしました [12]。手の甲の女性18人のランダム化試験では、生理食塩水と差がありませんでした [13]。
「改善した」という報告は多い一方、医師の評価では差がわずかで、確かな結論を出せる根拠までは足りていません。
重い副作用は、20件・514人のレビューのどの研究でも報告されていません [5]。一方、頬に注射した19人の試験では、赤み18人・腫れ16人・内出血14人が報告されましたが、研究は試験の薬剤とは関連しないとしています [15]。
成長因子(bFGF)を混ぜる施術は、日本美容外科学会の会報に載った美容医療診療指針(2020年)が「行わないことを弱く推奨する」としています。注入した部分の硬結(しこり)や膨隆の報告が多いためです。PRPにbFGFを混ぜた施術は、比較のない報告(2005人)では合併症は少ないとされましたが [17]、ランダム化試験やメタ解析は見つかりませんでした。持病や服薬中の人は、医師に確認してください。
学会の指針は、bFGFを混ぜたPRPを「行わないことを弱く推奨」しています。
PRP注射は、マイクロニードルやレーザーと組み合わせたニキビ跡に、いちばん強い根拠があります。
目の下は満足度が上がり、ハリは皮膚の厚さと弾力で改善の報告が多く、小じわは研究が割れています。
悩みと組み合わせる施術を、医師に確認してから決めましょう。
ニキビ跡では、PRPだけの注射は満足度の順位で最下位でした [[38316648]]。研究で効果が示されているのは、マイクロニードルやレーザーに足す使い方です。
研究では分かっていません。目のまわりの研究の追跡は平均3か月(1〜6か月)でした [[33433716]]。
目の下のくまの42人の試験では、PRPを受けた人の痛みは42.8%、内出血は28.6%でした。比べたバイオフィラーの痛み14.3%・内出血4.76%より多い結果です [[39585259]]。重い副作用は、顔の若返りの20件のレビューのどの研究でも報告されていません [[40167104]]。
472人の解析で、PRPを足すと50%を超える改善のオッズが2.97倍だった。
ニキビ跡のRCT56件・1488人の解析で、PRPとの組み合わせが上位だった。
19件・455人のレビューで、PRPを受けた人の満足度が対照より高かった。
26件のレビューで、満足度は高く、くまへの効果は中くらいだった。
20件・514人のレビューで、皮膚の厚さと弾力の改善が多く、重い副作用はなかった。
13本の系統的レビューをまとめ、確かな結論を出せる根拠はないとした。
RCT13件の解析で、PRPだけの反応率は23%。レーザー等に足すと上乗せがあった。
13件・495人の解析で、PRPだけの注射は満足度の順位が最下位だった。
42人のRCTで、PRPはピーリングより効果が低かった。
30人のRCTで、PRPは脂肪注入より改善・満足度とも低かった。
42人のRCTで、バイオフィラーのほうがPRPより良かった。
24件・480人のレビューで、医師の評価ではわずかな改善。きめの根拠が最もそろっていた。
女性18人のRCTで、PRPは生理食塩水と差がなかった。
顔の若返りの研究12件のうち11件で改善が報告されたが、評価の多くは主観的だった。
19人のRCTで、皮膚科医の評価では生理食塩水と差がなかった。
80人のRCTで、PRPを足すとしわ・きめ・弾力が改善し、目の下のくぼみも小さくなった。
2005人の比較のない報告で、合併症は少ないとされた。
ニキビ跡のRCT68件・4480人のネットワークメタ解析で、ニキビ跡の重さのスコア(ECCA)を最も下げたのはレーザー+PRPの組み合わせだった
9件の解析で、PRPを足すと改善の程度・満足度が良く、かさぶたの期間が短かった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。