PRP注射は何に効く?ニキビ跡・目の下・小じわで差がある

PRP注射は何に効く?ニキビ跡・目の下・小じわで差がある
読了目安 5〜7分最終更新日 2026.11.06
答え効く方法と効かない方法がある

マイクロニードルやレーザーと併用すると、ニキビ跡に効きます。目の下は満足度が上がり、小じわは研究が割れています。

根拠

  • 効く: ニキビ跡。マイクロニードルにPRPを足すと、50%を超える改善のオッズが足さない場合の2.97倍でした(472人)[1]。ランダム化試験56件のまとめでも、PRPとの組み合わせは上位でした [2]。
  • 効く: 目の下。受けた人の満足度が、対照より高くなりました [3]。くまへの効果は中くらいです [4]。
  • 効く: 肌のハリ。皮膚の厚さと弾力は、改善の報告が多くなりました [5]。
  • 研究が割れている: 小じわ・顔全体の若返り。総説は確かな結論を出せないとしました [6]。

この答えの範囲

顔に美容目的で受ける PRP 注射の話です。ニキビ跡は、へこみ型で中等度以上の人の研究です。

じゃあ、どうする?

ニキビ跡なら、マイクロニードルやレーザーとの組み合わせが研究で支持されています。PRPだけの注射は順位が低いので、何と組み合わせるかを確認しましょう。目の下はピーリングや脂肪注入より効果が低い試験があります。成長因子(bFGF)を混ぜる施術は学会の指針が行わないことを弱く推奨しているので、内容を医師に確認してください。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。高い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。17 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 94 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量19.120研究件数と参加人数
一致度19.925結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 94 点を、エビデンス強度 A の範囲(75〜100 点)に収めて、スコアは 94 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 5 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

PRP注射とは

PRP(多血小板血漿)注射は、自分の血液から血小板を濃くした液を取り出し、皮膚に注射する美容医療の施術です。肌のハリや小じわ、目の下のくま、ニキビ跡を改善するとされ、顔に注射する方法のほか、マイクロニードルやレーザーと組み合わせる方法があります。自分の血液を材料にするのが特徴です。注意点は、赤み・腫れ・内出血が出ることがある点と、成長因子(bFGF)を混ぜる施術には学会が慎重な見方を示している点です。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

ニキビ跡: マイクロニードルやレーザーに足すと効く

答えの中心は、中国の陝西中医薬大学附属病院などが2026年に発表したネットワークメタ解析です [2]。ネットワークメタ解析とは、直接比べていない治療同士も含めて順位をつける方法です。マイクロニードルは、細い針で肌に小さな穴をあける施術です。

研究の種類ニキビ跡のランダム化試験を集めたネットワークメタ解析
対象中等度〜重度のへこんだニキビ跡のある人(56件・1488人)
比べたものレーザー・マイクロニードル・PRPなど34種類の治療
結果炭酸ガスレーザー+PRPと、マイクロニードル+PRPが、はっきり改善した人の割合で上位
ネットワークメタ解析の結果PRPをレーザーやマイクロニードルに足した組み合わせが、はっきり改善した人の割合で上位でした。

組み合わせた治療は、たいてい単独の治療より良い結果でした [2]。

マイクロニードルに絞ったメタ解析でも、472人(ランダム化試験4件と、非ランダム化の試験10件)をまとめた結果、PRPを足すと、50%を超える改善が得られるオッズは、足さない場合の2.97倍でした [1]。

何が違う? PRPだけの注射と、併用

併用のほうが上位です。傷あとのランダム化試験13件のまとめでは、PRPだけの治療の反応率は23%で、レーザーやマイクロニードルだけと同じくらいでした。レーザーやマイクロニードルに足すと、効果がかなり上乗せされました [7]。

満足度が低めだった解析ニキビ跡の研究13件・495人のネットワークメタ解析

満足度の順位では、PRPだけの注射は最下位で、マイクロニードル+PRPもマイクロニードルだけよりわずかに低い順位でした [8]。

目の下・目のまわり: 満足度は高く、くまは中くらい

目のまわりの研究19件・455人の系統的レビューでは、ランダム化試験3件のメタ解析で、PRPを受けた人の満足度が生理食塩水などの対照より高くなりました。対象の95%は女性で、追跡は平均3か月でした [3]。くまへの効果は中くらいで、しわ・きめの客観的な改善は割れていました [4]。

ほかの施術と比べた試験には、PRPの効果が低い結果がありました。

  • ケミカルピーリング(42人): 「良い改善」はピーリング47.6%に対し、PRPは4.8% [9]
  • 脂肪注入(30人): PRPは改善・満足度とも低く、53.3%は効果がなかった [10]
  • バイオフィラー(42人): 色素沈着・医師の評価・満足度とも、バイオフィラーのほうが良かった [11]

ハリ・きめ: 厚さと弾力は改善の報告が多い

PRPかPRF(PRPに近い血液の製剤)を単独で使った研究20件・514人のレビューで、改善が報告された研究は、皮膚の厚さで80%、弾力で75%、きめで33%、潤いで0%でした。厚さと弾力を調べた研究は数件ずつです [5]。別の24件・480人のレビューは、顔のきめの根拠が最もそろっているとしました [12]。手の甲の女性18人のランダム化試験では、生理食塩水と差がありませんでした [13]。

小じわ・顔全体の若返り: 研究が割れている

  • 12件のレビュー: 11件で改善を報告。ただし評価の多くは主観的 [14]
  • 24件・480人のレビュー: 医師の評価でわずかに改善、たいてい50%未満 [12]
  • 20件・514人のレビュー: しわの改善を報告したのは、研究の40%だけ [5]
  • 系統的レビュー13本の総説: 確かな結論を出せる根拠はない [6]

「改善した」という報告は多い一方、医師の評価では差がわずかで、確かな結論を出せる根拠までは足りていません。

副作用: 重い報告はないが、赤み・腫れ・内出血が出ることがある

重い副作用は、20件・514人のレビューのどの研究でも報告されていません [5]。一方、頬に注射した19人の試験では、赤み18人・腫れ16人・内出血14人が報告されましたが、研究は試験の薬剤とは関連しないとしています [15]。

よく言われていることは本当?

  • ハリ・きめが良くなる皮膚の厚さと弾力は、改善の報告が多くなっています。 潤いは改善しませんでした [5]。
  • 目の下のくま・くぼみが良くなるくまは中くらいの効果が報告されています [4]。 くぼみはレーザー併用の試験1件だけです [16]。
  • ニキビ跡が良くなる組み合わせたときに、確かめられています [2]。
  • 副作用は内出血・腫れくらいおおむね合っています。 重い副作用は報告されていません [5]。
  • 小じわ・若返り根拠は弱く、研究が割れています [6]。
  • 半年〜2年続く研究では分かっていません。 目のまわりの追跡は平均3か月でした [3]。
  • 毛穴が引き締まる毛穴を評価したメタ解析・ランダム化試験は、見つかりませんでした。

02注意点

成長因子(bFGF)を混ぜる施術は、日本美容外科学会の会報に載った美容医療診療指針(2020年)が「行わないことを弱く推奨する」としています。注入した部分の硬結(しこり)や膨隆の報告が多いためです。PRPにbFGFを混ぜた施術は、比較のない報告(2005人)では合併症は少ないとされましたが [17]、ランダム化試験やメタ解析は見つかりませんでした。持病や服薬中の人は、医師に確認してください。

成長因子を混ぜる施術は、内容を確認する

学会の指針は、bFGFを混ぜたPRPを「行わないことを弱く推奨」しています。

03まとめ

PRP注射は、マイクロニードルやレーザーと組み合わせたニキビ跡に、いちばん強い根拠があります。
目の下は満足度が上がり、ハリは皮膚の厚さと弾力で改善の報告が多く、小じわは研究が割れています。
悩みと組み合わせる施術を、医師に確認してから決めましょう。

04よくある質問

QPRPだけの注射でも、ニキビ跡に効きますか?

ニキビ跡では、PRPだけの注射は満足度の順位で最下位でした [[38316648]]。研究で効果が示されているのは、マイクロニードルやレーザーに足す使い方です。

Q効果はどのくらい続きますか?

研究では分かっていません。目のまわりの研究の追跡は平均3か月(1〜6か月)でした [[33433716]]。

QPRP注射は痛い? 内出血はどのくらい出ますか?

目の下のくまの42人の試験では、PRPを受けた人の痛みは42.8%、内出血は28.6%でした。比べたバイオフィラーの痛み14.3%・内出血4.76%より多い結果です [[39585259]]。重い副作用は、顔の若返りの20件のレビューのどの研究でも報告されていません [[40167104]]。

05参照した論文

判定に使った主な論文(19本)

[1]ニキビ跡へのマイクロニードルとPRPの併用効果のメタ解析

発表年
2021年
研究機関
中国・中国科学院大学附属華美病院
掲載誌
Frontiers in medicine
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
472人
結果の向き
良い方向

472人の解析で、PRPを足すと50%を超える改善のオッズが2.97倍だった。

[2]ニキビ跡へのレーザー・マイクロニードル・併用療法のネットワークメタ解析

発表年
2026年
研究機関
中国・陝西中医薬大学附属病院
掲載誌
Aesthetic plastic surgery
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,488人
結果の向き
良い方向

ニキビ跡のRCT56件・1488人の解析で、PRPとの組み合わせが上位だった。

[3]PRPによる目のまわりの若返りの系統的レビューとメタ解析

発表年
2021年
研究機関
アメリカ・ミーハリー医科大学
掲載誌
Archives of dermatological research
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
455人
結果の向き
良い方向

19件・455人のレビューで、PRPを受けた人の満足度が対照より高かった。

[4]目の周りの美容におけるPRPとPRFの系統的レビュー

発表年
2026年
研究機関
アメリカ・ウェイル・コーネル医科大学
掲載誌
Facial plastic surgery clinics of North America
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
研究26件を統合
結果の向き
結果が割れている

26件のレビューで、満足度は高く、くまへの効果は中くらいだった。

[5]顔の若返りにおけるPRPとPRFの系統的レビュー

発表年
2025年
研究機関
アメリカ・ウェイル・コーネル医科大学
掲載誌
Annals of plastic surgery
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
514人
結果の向き
結果が割れている

20件・514人のレビューで、皮膚の厚さと弾力の改善が多く、重い副作用はなかった。

[6]顔の若返りに対するPRPの系統的レビューの総説

発表年
2024年
研究機関
イタリア・国立衛生研究所
掲載誌
Blood transfusion = Trasfusione del sangue
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
研究28件を統合
結果の向き
差なし

13本の系統的レビューをまとめ、確かな結論を出せる根拠はないとした。

[7]傷あとへのPRPのメタ解析

発表年
2022年
研究機関
イラン・イラン医科大学
掲載誌
Journal of tissue engineering and regenerative medicine
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究13件を統合
結果の向き
良い方向

RCT13件の解析で、PRPだけの反応率は23%。レーザー等に足すと上乗せがあった。

[8]ニキビ跡の治療法の効果を比べたネットワークメタ解析

発表年
2024年
研究機関
中国・陸軍軍医大学
掲載誌
Aesthetic plastic surgery
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
495人
結果の向き
結果が割れている

13件・495人の解析で、PRPだけの注射は満足度の順位が最下位だった。

[9]目の下のくまに対するPRPとケミカルピーリングの比較

発表年
2019年
研究機関
エジプト・保健省
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
42人
結果の向き
悪い方向

42人のRCTで、PRPはピーリングより効果が低かった。

[10]目の下のくまに対するPRPとナノファット脂肪注入の比較

発表年
2023年
研究機関
アメリカ・ケース・ウェスタン・リザーブ大学
掲載誌
Dermatologic surgery : official publication for American Society for Dermatologic Surgery [et al.]
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
30人
結果の向き
悪い方向

30人のRCTで、PRPは脂肪注入より改善・満足度とも低かった。

[11]目の周りの色素沈着に対するバイオフィラーとPRPの比較

発表年
2024年
研究機関
パキスタン・パク・エミレーツ軍病院
掲載誌
Journal of Ayub Medical College, Abbottabad : JAMC
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
42人
結果の向き
悪い方向

42人のRCTで、バイオフィラーのほうがPRPより良かった。

[12]肌の老化に対するPRPの安全性と有効性の系統的レビュー

発表年
2020年
研究機関
アメリカ・ノースウェスタン大学
掲載誌
Archives of dermatological research
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
480人
結果の向き
良い方向

24件・480人のレビューで、医師の評価ではわずかな改善。きめの根拠が最もそろっていた。

[13]手の甲の若返りに対するPRPのパイロットRCT

発表年
2024年
研究機関
Pincelli Tほかの研究チーム
掲載誌
Plastic and reconstructive surgery
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
18人
結果の向き
差なし

女性18人のRCTで、PRPは生理食塩水と差がなかった。

[14]系統的レビュー: 顔の若返りにおけるPRP注射の使用

発表年
2023年
研究機関
イタリア・ローマ・トルヴェルガータ大学
掲載誌
Plastic and reconstructive surgery
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
研究12件を統合
結果の向き
良い方向

顔の若返りの研究12件のうち11件で改善が報告されたが、評価の多くは主観的だった。

[15]光老化した顔の肌へのPRP注射のRCT

発表年
2018年
研究機関
アメリカ・ノースウェスタン大学
掲載誌
JAMA dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
19人
結果の向き
差なし

19人のRCTで、皮膚科医の評価では生理食塩水と差がなかった。

[16]目元の若返りにおける弱い炭酸ガスレーザーとPRPの併用

発表年
2025年
研究機関
中国・中日友好病院
掲載誌
Journal of investigative surgery : the official journal of the Academy of Surgical Research
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
80人
結果の向き
良い方向

80人のRCTで、PRPを足すとしわ・きめ・弾力が改善し、目の下のくぼみも小さくなった。

[17]PRPにbFGFを混ぜたしわ・くぼみ治療の報告

発表年
2015年
研究機関
日本・聖心美容クリニック
掲載誌
Plastic and reconstructive surgery
研究の種類
コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
対象
2,005人
結果の向き
差なし

2005人の比較のない報告で、合併症は少ないとされた。

Optimal treatment options for acne scars in patients with historic acne: a systematic review and network meta-analysis.

発表年
2025年
研究機関
中国・華中科技大学同済医学院附属武漢中心医院
掲載誌
PeerJ
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
4,480人
結果の向き
良い方向

ニキビ跡のRCT68件・4480人のネットワークメタ解析で、ニキビ跡の重さのスコア(ECCA)を最も下げたのはレーザー+PRPの組み合わせだった

ニキビ跡への炭酸ガスレーザーとPRP併用のメタ解析

発表年
2021年
研究機関
中国・吉林大学中日聯誼病院
掲載誌
Lasers in medical science
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究9件を統合
結果の向き
良い方向

9件の解析で、PRPを足すと改善の程度・満足度が良く、かさぶたの期間が短かった。

ほかに参考にした論文(13本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。