ナイアシンアミドは何%から肌に効く?濃度と使い方

ナイアシンアミドは何%から肌に効く?濃度と使い方
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え2〜5%を選ぶ

2%からシミに効き、4〜5%で小じわにも効きます。

根拠

  • シミ: 日本人女性の2つの試験で、2%または5%を4週間使うと、基剤だけのときよりシミが減りました [1]。5%を12週間塗った50人の試験でも、シミが減りました [2]
  • 小じわ: 4%を8週間塗った日本人女性30人で、64%に中等度以上の改善がありました [3]
  • 皮脂: 2%の試験で結果が割れました [4]

根拠の確かさは中程度です。参加者が数十人の試験が中心で、シミの主な試験は企業の研究者によるものです。

この答えの範囲

顔に塗る保湿剤や化粧品の試験の話です。2%のシミの試験は日焼け止めと併用で、配合成分を加えた製品の試験は数えていません。

じゃあ、どうする?

選ぶときの条件は次のとおりです。

  • シミや小じわが目的なら、試験のある2〜5%の範囲から
  • 4週間で判断せず、8〜12週間は続けて見る
  • 赤みやヒリつきが出たら使うのをやめ、続くなら皮膚科へ
  • 5%を超える濃度は「効かない」ではなく、人で確かめた試験がまだ無いだけです

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。中程度
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。8 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 70 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン3440いちばん信頼できる研究の種類
研究の量8.320研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ310最新の研究が何年以内か
精度05信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 70.3 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 70 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 3 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

ナイアシンアミドとは

ナイアシンアミドは、ビタミンB3の一種で、化粧品や医薬部外品に配合される成分です。シミや小じわ、皮脂のテカリなどに働くとされ、美容液・保湿剤・クリームなどの形があります。水に溶けやすく、ほかの成分と組み合わせた製品が多いのが特徴です。注意点は、肌が敏感な人は赤みやヒリつきが出ることがある点です。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、アメリカの企業の研究チームが2005年に発表したランダム化比較試験です [2]。ランダム化比較試験とは、くじ引きで割り当てて効果を比べる方法です。光老化 (日光による肌の老化) のある白人女性50人が、顔の片側に5%のナイアシンアミド、もう片側に基剤 (ナイアシンアミドを入れない土台のクリーム) だけを、毎日朝晩、12週間塗りました。

研究の種類顔の左右で比べた二重盲検のランダム化比較試験
対象光老化の兆候がある白人女性50人
比べたもの5%ナイアシンアミド入りの保湿剤と、基剤だけ
結果5%の側で、シミ・小じわ・赤み・黄ぐすみが減った
試験の結果5%を12週間塗った側は、基剤の側よりシミが減り、小じわやシワも減りました [2]

効果の大きさを示す数値は、要旨には書かれていません。

濃度ごとに分かっていること

  • 2%: 日本人女性の試験で、4週間後に基剤だけよりシミが減りました。日焼けした120人が、基剤・日焼け止め・2%と日焼け止めの組み合わせのうち2つを使った試験で、日焼け止めと併用です [1]
  • 4%: 目元にシワのある日本人女性30人が8週間塗り、64%に中等度以上の改善がありました [3]。台湾人の顔の左右比較でも、4%を塗った側でシワの数が12週で減り、毛穴と色むらは8週で減りました [5]
  • 5%: シミは日本人女性18人の4週間の試験でも減りました [1]。上の50人の試験でも、シミと小じわが減りました [2]
  • 5%より高い濃度: 高濃度をうたう美容液を含め、5%を超える濃度を単独で基剤と比べた試験は見つかっていません

シミが濃度に応じて薄くなったという報告も1件あります [6]。ただし使った濃度と人数が要旨に書かれていないため、何%から差が出るかは、この報告からは読み取れません。シミの2%と5%の試験 [1] と、5%の50人の試験 [2] は、どちらも企業の研究者による試験です。結果は同じ向きにそろっていますが、その点は念頭に置いて読んでください。

なぜシミに効くと考えられている?

しくみとして調べられているのは、色素の粒 (メラノソーム) が表皮の細胞へ受け渡されるのを抑える働きです [1] [6]。ただし、これが試験でシミが減った理由だと確かめられたわけではありません。

試験での使い方

50人の試験は、顔に毎日朝晩の2回塗りました [2]。朝と夜の違い、塗る量、ほかの成分との組み合わせ方を比べた試験は、今回集めた研究にはありません。

よく言われていることは本当?

  • 2〜5%でシミに十分効く研究で確かめられています。 2%と5%の試験があります [1]
  • 5%以上でないと効かない研究では逆です。 2%の試験でも、4週間でシミが減りました [1]。ただし日焼け止めと併用した結果です
  • 4〜5%でシワが改善する研究で確かめられています [2] [3]
  • 濃度が高いほど効く根拠は弱いです。 用量に応じた変化の報告は1件で、濃度の比較は読み取れません [6]
  • 2%でも皮脂やテカリが減る研究では結果が割れています。 日本人100人の試験では皮脂の分泌の速さが下がり、白人30人の試験では肌表面の皮脂の量は減ったものの分泌の速さは下がりませんでした [4]
  • 5%を超える高濃度なら毛穴・皮脂・トーンにより効く研究が見つかっていません。 5%を超える濃度を単独で基剤と比べた試験が見つかっていません
  • 高濃度は赤みや刺激が出やすい研究が見つかっていません。 濃度ごとに刺激を比べた試験は無く、4〜5%の試験では刺激は少なめでした [3] [7]

ほかの研究では、結果が異なる場合も

肝斑 (顔に左右対称にできるシミ) の27人で、4%のナイアシンアミドと4%のハイドロキノンを8週間比べた試験では、色の測定値に差はありませんでした [8]。基剤との比較ではないため、「効かない」という結果ではありません。

皮脂の試験2%を使った日本人100人と白人30人の2つの試験

日本人と白人で、皮脂への効き方が異なりました。

02注意点

刺激は、研究の範囲では少なめでした。4%の試験では、30人のうち1人が軽い刺激で途中でやめました [3]。5%の試験では、肌にはよく耐えられたと報告されています [7]。ただし濃度ごとに刺激を比べた試験はなく、敏感肌の人や肌荒れ中の人は、少量から試すと安心です。持病や服薬がある人、肌の状態に不安がある人は、皮膚科の医師や薬剤師に確認してください。

試験の期間は4〜12週間

数日で判断せず、研究と同じくらいの期間は様子を見ましょう。

03まとめ

シミと小じわで効果が確かめられているのは、2%から5%までの範囲です。
シミや小じわが目的なら、その範囲の濃度を8〜12週間続けて見るのが、研究の条件に近い使い方です。
5%を超える高い濃度は、効くとも効かないとも言えない段階なので、濃さだけで選ばないようにしましょう。

04よくある質問

Qほかの成分と組み合わせた製品でも、同じ結果になりますか?

同じとは言えません。4%のナイアシンアミドに2%のN-アセチルグルコサミンを加えた保湿剤は、基剤よりシミの面積を減らした試験があります [[19845667]]。ただし配合品の結果なので、ナイアシンアミドだけの効果とは分けて考える必要があります。

Qどのくらい続ければ変化が分かりますか?

試験では4週間でシミの減少が見られ、小じわは8〜12週間で評価されています [[12100180]] [[19017042]]。やめると元に戻るという報告もあるので、続けることが前提です [[15946237]]。

Q皮脂やテカリを抑えたいときも2%でよいですか?

2%の試験では結果が割れており、皮脂への効果は確かとは言えません [[16766489]]。シミや小じわのほうが、試験の結果はそろっています。

05参照した論文

判定に使った主な論文(8本)

[1]日本人女性でナイアシンアミド入り保湿クリームを調べた試験

発表年
2002年
研究機関
日本・企業の研究部門
掲載誌
The British journal of dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

日本人女性の2つの試験で、5%または2%を4週間使うと基剤だけよりシミが減り、肌の明るさが増した。

[2]ナイアシンアミドの光老化したシワへの効果

発表年
2005年
研究機関
アメリカ・企業の研究部門
掲載誌
Dermatologic surgery : official publication for American Society for Dermatologic Surgery [et al.]
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
50人
結果の向き
良い方向

光老化のある白人女性50人で、5%を12週間塗った側は基剤の側よりシミ・小じわ・赤み・黄ぐすみが減った。

[3]日本人女性の目元のシワに対するナイアシンアミド配合化粧品

発表年
2008年
研究機関
日本・近畿大学
掲載誌
The Journal of dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
30人
結果の向き
良い方向

目元にシワのある日本人女性30人で、4%を8週間塗った側は64%で中等度以上の改善があった。

[4]2%ナイアシンアミドが顔の皮脂の分泌に与える影響

発表年
2006年
研究機関
アメリカ・ウェイクフォレスト大学
掲載誌
Journal of cosmetic and laser therapy : official publication of the European Society for Laser Dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
結果が割れている

2%で、日本人では皮脂の分泌の速さが下がり、白人では皮脂の量は減ったが分泌の速さは下がらなかった。

[5]ナイアシンアミド単独とカイネチン併用のシワへの試験

発表年
2007年
研究機関
台湾・台湾大学病院
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

台湾人の顔の左右比較で、4%を塗った側は8週で毛穴と色むら、12週でシワの数が減った。

[6]ナイアシンアミドによるメラノソーム移行の抑制は元に戻る変化か

発表年
2005年
研究機関
アメリカ・シンシナティ大学
掲載誌
Experimental dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

顔の片側に塗る試験で、シミは濃度に応じて薄くなったが、やめると元に戻る変化だった。

[7]ナイアシンアミドが老化した顔の黄ぐすみ・シワ・赤み・シミを減らすか調べた試験

発表年
2004年
研究機関
アメリカ・企業の研究部門
掲載誌
International journal of cosmetic science
研究の種類
その他の研究上のどれにも当てはまらない研究。
対象
50人
結果の向き
良い方向

40〜60歳の白人女性50人の12週間の試験で、5%入りの保湿剤は保湿剤だけよりシミ・小じわ・きめ・赤みを改善した。

[8]肝斑に対するナイアシンアミド4%とハイドロキノン4%の比較試験

発表年
2011年
研究機関
メキシコ・サン・ルイス・ポトシ自治大学
掲載誌
Dermatology research and practice
研究の種類
その他の研究上のどれにも当てはまらない研究。
対象
27人
結果の向き
差なし

肝斑の27人で、4%同士を8週間比べると色の測定値に統計的な差はなかった。

ほかに参考にした論文(6本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。