[1]日本人女性でナイアシンアミド入り保湿クリームを調べた試験
- 発表年
- 2002年
- 研究機関
- 日本・企業の研究部門
- 掲載誌
- The British journal of dermatology
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- —
- 結果の向き
- 良い方向
日本人女性の2つの試験で、5%または2%を4週間使うと基剤だけよりシミが減り、肌の明るさが増した。

2%からシミに効き、4〜5%で小じわにも効きます。
顔に塗る保湿剤や化粧品の試験の話です。2%のシミの試験は日焼け止めと併用で、配合成分を加えた製品の試験は数えていません。
選ぶときの条件は次のとおりです。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 34 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 8.3 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 3 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 70.3 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 70 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 3 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
ナイアシンアミドは、ビタミンB3の一種で、化粧品や医薬部外品に配合される成分です。シミや小じわ、皮脂のテカリなどに働くとされ、美容液・保湿剤・クリームなどの形があります。水に溶けやすく、ほかの成分と組み合わせた製品が多いのが特徴です。注意点は、肌が敏感な人は赤みやヒリつきが出ることがある点です。
答えの中心は、アメリカの企業の研究チームが2005年に発表したランダム化比較試験です [2]。ランダム化比較試験とは、くじ引きで割り当てて効果を比べる方法です。光老化 (日光による肌の老化) のある白人女性50人が、顔の片側に5%のナイアシンアミド、もう片側に基剤 (ナイアシンアミドを入れない土台のクリーム) だけを、毎日朝晩、12週間塗りました。
| 研究の種類 | 顔の左右で比べた二重盲検のランダム化比較試験 |
|---|---|
| 対象 | 光老化の兆候がある白人女性50人 |
| 比べたもの | 5%ナイアシンアミド入りの保湿剤と、基剤だけ |
| 結果 | 5%の側で、シミ・小じわ・赤み・黄ぐすみが減った |
効果の大きさを示す数値は、要旨には書かれていません。
シミが濃度に応じて薄くなったという報告も1件あります [6]。ただし使った濃度と人数が要旨に書かれていないため、何%から差が出るかは、この報告からは読み取れません。シミの2%と5%の試験 [1] と、5%の50人の試験 [2] は、どちらも企業の研究者による試験です。結果は同じ向きにそろっていますが、その点は念頭に置いて読んでください。
しくみとして調べられているのは、色素の粒 (メラノソーム) が表皮の細胞へ受け渡されるのを抑える働きです [1] [6]。ただし、これが試験でシミが減った理由だと確かめられたわけではありません。
50人の試験は、顔に毎日朝晩の2回塗りました [2]。朝と夜の違い、塗る量、ほかの成分との組み合わせ方を比べた試験は、今回集めた研究にはありません。
肝斑 (顔に左右対称にできるシミ) の27人で、4%のナイアシンアミドと4%のハイドロキノンを8週間比べた試験では、色の測定値に差はありませんでした [8]。基剤との比較ではないため、「効かない」という結果ではありません。
日本人と白人で、皮脂への効き方が異なりました。
刺激は、研究の範囲では少なめでした。4%の試験では、30人のうち1人が軽い刺激で途中でやめました [3]。5%の試験では、肌にはよく耐えられたと報告されています [7]。ただし濃度ごとに刺激を比べた試験はなく、敏感肌の人や肌荒れ中の人は、少量から試すと安心です。持病や服薬がある人、肌の状態に不安がある人は、皮膚科の医師や薬剤師に確認してください。
数日で判断せず、研究と同じくらいの期間は様子を見ましょう。
シミと小じわで効果が確かめられているのは、2%から5%までの範囲です。
シミや小じわが目的なら、その範囲の濃度を8〜12週間続けて見るのが、研究の条件に近い使い方です。
5%を超える高い濃度は、効くとも効かないとも言えない段階なので、濃さだけで選ばないようにしましょう。
同じとは言えません。4%のナイアシンアミドに2%のN-アセチルグルコサミンを加えた保湿剤は、基剤よりシミの面積を減らした試験があります [[19845667]]。ただし配合品の結果なので、ナイアシンアミドだけの効果とは分けて考える必要があります。
試験では4週間でシミの減少が見られ、小じわは8〜12週間で評価されています [[12100180]] [[19017042]]。やめると元に戻るという報告もあるので、続けることが前提です [[15946237]]。
2%の試験では結果が割れており、皮脂への効果は確かとは言えません [[16766489]]。シミや小じわのほうが、試験の結果はそろっています。
日本人女性の2つの試験で、5%または2%を4週間使うと基剤だけよりシミが減り、肌の明るさが増した。
光老化のある白人女性50人で、5%を12週間塗った側は基剤の側よりシミ・小じわ・赤み・黄ぐすみが減った。
目元にシワのある日本人女性30人で、4%を8週間塗った側は64%で中等度以上の改善があった。
2%で、日本人では皮脂の分泌の速さが下がり、白人では皮脂の量は減ったが分泌の速さは下がらなかった。
台湾人の顔の左右比較で、4%を塗った側は8週で毛穴と色むら、12週でシワの数が減った。
顔の片側に塗る試験で、シミは濃度に応じて薄くなったが、やめると元に戻る変化だった。
40〜60歳の白人女性50人の12週間の試験で、5%入りの保湿剤は保湿剤だけよりシミ・小じわ・きめ・赤みを改善した。
肝斑の27人で、4%同士を8週間比べると色の測定値に統計的な差はなかった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。