[1]ニキビの治療法をRCT179件でくらべたネットワークメタ解析
- 発表年
- 2022年
- 研究機関
- イギリス・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン
- 掲載誌
- The British journal of dermatology
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 研究179件を統合
- 結果の向き
- 良い方向
ニキビ治療のRCT179件をまとめ、ケミカルピーリングの減り方がプラセボより平均39.70ポイント大きかった。

効きます。ほかの治療に足すと、ニキビはさらに減ります。
皮膚科などで受ける20〜30%のピーリングの話です。市販の洗顔料や化粧水など、毎日塗るサリチル酸は別です。
試すなら、皮膚科で相談して受けるのが前提です。研究の多くは2週間おきの施術で、ほかの治療との併用でした。ヒリヒリや赤みは出やすいので、妊娠中や肌が敏感な人は事前に医師へ伝えましょう。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 15.6 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 95.6 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 5 本・RCT のメタ解析 1 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を B から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
サリチル酸ピーリングは、皮膚科や美容皮膚科で、20〜30%ほどのサリチル酸を顔に塗る施術です。古い角質をゆるめ、毛穴のつまりを取るとされ、白ニキビや黒ニキビによく使われます。サリチル酸マクロゴールや超分子サリチル酸と呼ばれる種類もあります。注意点は、施術後にヒリヒリや赤みが出ることです。ここまでは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。
答えの中心は、イギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドンなどの研究チームが2022年に発表したネットワークメタ解析です [1]。ネットワークメタ解析とは、直接比べていない治療どうしも、共通の比較対象を介して並べて比べる方法です。2020年までのニキビ治療のRCT179件が集められました。
| 研究の種類 | ニキビ治療のRCT179件のネットワークメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 軽い〜中くらいのニキビのある人 |
| 比べたもの | サリチル酸やマンデル酸などのケミカルピーリング、プラセボ |
| 結果 | ニキビの総数の減り方がプラセボより平均39.70ポイント大きい |
推定の幅は12.54〜66.78ポイントと広く、ピーリングの結果は特に不確かだと解析チームも書いています。
ここで注意が必要なのは、このピーリングの分類にサリチル酸だけでなくマンデル酸なども含まれることです。サリチル酸だけをプラセボと比べた試験は、見つかっていません。根拠の確かさは低めです。研究の作りに弱さがあるためです。
サリチル酸ピーリングを足した試験は複数あります。多くは顔の片側だけに足す方法で、人数は少なめです。
サリチル酸ピーリングが、いつも光治療に勝つわけではありません。軽い〜中くらいのニキビで30%のピーリングと光治療を比べた試験では、どちらも改善し、差はありませんでした [7]。10代の試験でも両方がニキビを減らし、膿をもったニキビだけは光治療のほうが減っています [8]。
どちらも改善し、差はありませんでした。
グリコール酸、ジェスナー液、TCA、ピルビン酸などと比べたRCT12件 (387人) の系統的レビューでは、サリチル酸とほかのピーリングの効果は、多くの比較で差がありませんでした。グリコール酸との比は1.00です [14]。「どれかが飛び抜けて良い」わけではなく、同じくらい効く選択肢が複数あります。ただし研究の質は低く、レビュー自身も優劣の確かな結論は出せないとしています [14]。
白・黒ニキビに限ると、30%サリチル酸のほうがジェスナー液より改善した試験があります [15]。刺激の強さは試験で割れました。グリコール酸より副作用が少なかった試験がある一方 [12]、マンデル酸のほうが副作用が少なかった50人の試験もあります [13]。
研究の多くは、30%前後のサリチル酸を2週間おきに塗る施術でした。たとえば31人の試験は、2週間おきに6回の治療で12週目まで経過を見ています [2]。副作用について、さまざまな顔の肌トラブルで受けた人の記録では、軽いヒリヒリや赤みはよくあり、重い副作用はまれでした [16]。持病や妊娠の可能性がある人、飲み薬や塗り薬を使っている人は、施術の前に皮膚科の医師に確認してください。
足した試験が中心なので、ピーリングだけで同じだけ減るとは言えません。
サリチル酸ピーリングは、ニキビに効くという結果です。
ただし根拠の確かさは低めで、単独より、ほかの治療に足した試験が中心です。
受けるなら、皮膚科で自分のニキビの種類に合う方法を相談しましょう。
多くの比較で同じくらいです。グリコール酸などと比べたRCT12件の系統的レビューで、ほとんどの比較に差はありませんでした。ただし研究の質は低く、優劣の確かな結論は出せないとされています [[29705755]]。
根拠は弱いです。レーザーに足すとへこみのスコアが良くなった小さな試験がありますが、ピーリング単独は確かめられていません [[35791845]]。
軽いヒリヒリや赤みはよくあります。重い副作用はまれでした [[16394379]]。
同じとは言えません。この記事は皮膚科で受ける20〜30%のピーリングの話です。毎日塗る薬は、別の研究で調べられています [[32356369]]。
ニキビ治療のRCT179件をまとめ、ケミカルピーリングの減り方がプラセボより平均39.70ポイント大きかった。
31人の試験で、白・黒ニキビが平均85.76%減り、レーザーだけの側は62.32%だった。
19人の試験で、光線力学療法のあとにサリチル酸を足した側はニキビの数が大きく減った。
30人の試験で、ピーリングを足した側のニキビの数や重症度スコアが大きく改善した。
29人の試験で、飲み薬にピーリングを足した側は早く効き、重症度スコアが大きく改善した。
58人の試験で、飲み薬にピーリングを足すと重症度スコアが大きく改善した。
軽い〜中くらいのニキビで、30%サリチル酸ピーリングと光治療(PBBL)はどちらも改善し、差はなかった
10代のニキビで、10%サリチル酸ピーリングと光治療(青色LED+赤色レーザー)はどちらもニキビを減らしたが、膿をもったニキビは光治療のほうが減った
比較する群のない前後比較。30%の超分子サリチル酸を2週間おきに受けると、赤み・毛穴のスコア・皮脂の量・ニキビの重症度が治療前より下がった
へこんだニキビ跡で、炭酸ガスフラクショナルレーザーに30%の超分子サリチル酸を足した側は、レーザーだけの側よりニキビ跡のスコアが低く(良く)なり、本人の満足度も高かった
肌の色が濃い人のニキビ後などの色素沈着で、サリチル酸ピーリングをした側は、本人の評価では何もしない側より薄くなったが、写真を見た皮膚科医の評価では有意な差がなかった
30%グリコール酸と30%サリチル酸のピーリングは同じくらい効き、サリチル酸は効果が長続きし副作用が少なかった(上の系統的レビューに含まれる研究)
軽い〜中くらいのニキビで、30%サリチル酸ピーリングと45%マンデル酸ピーリングの効果に差はなかった。白・黒ニキビはサリチル酸、赤ニキビはマンデル酸がやや良く、副作用はマンデル酸のほうが少なかった
RCT12件387人で、サリチル酸とグリコール酸のピーリングの効果は同じだった。
白・黒ニキビは30%サリチル酸のほうがジェスナー液より改善した。赤ニキビは差がなかった(上の系統的レビューに含まれる研究)
いろいろな顔の肌の悩みでサリチル酸ピーリングを受けた人たちの安全性の記録(比較する群なし)。軽いヒリヒリ・赤みはよくあったが、重い副作用はまれだった
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。