サリチル酸ピーリングはニキビに効く?

サリチル酸ピーリングはニキビに効く?
読了目安 5〜7分最終更新日 2026.11.06
答え効く

効きます。ほかの治療に足すと、ニキビはさらに減ります。

根拠

ニキビ治療のRCT179件をまとめた2022年のネットワークメタ解析で、サリチル酸などのケミカルピーリングは、ニキビの総数の減り方がプラセボより平均39.70ポイント大きくなりました [1]。レーザーや光線治療に足した小さなRCTでも、足さない側よりニキビが減っています [2] [3]。根拠の確かさは低めです。サリチル酸だけをプラセボと比べた試験が見つかっておらず、足した試験も人数が少ないためです。

この答えの範囲

皮膚科などで受ける20〜30%のピーリングの話です。市販の洗顔料や化粧水など、毎日塗るサリチル酸は別です。

じゃあ、どうする?

試すなら、皮膚科で相談して受けるのが前提です。研究の多くは2週間おきの施術で、ほかの治療との併用でした。ヒリヒリや赤みは出やすいので、妊娠中や肌が敏感な人は事前に医師へ伝えましょう。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。16 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 64 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量15.620研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 95.6 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 5 本・RCT のメタ解析 1 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を B から C に下げました。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

サリチル酸ピーリングとは

サリチル酸ピーリングは、皮膚科や美容皮膚科で、20〜30%ほどのサリチル酸を顔に塗る施術です。古い角質をゆるめ、毛穴のつまりを取るとされ、白ニキビや黒ニキビによく使われます。サリチル酸マクロゴールや超分子サリチル酸と呼ばれる種類もあります。注意点は、施術後にヒリヒリや赤みが出ることです。ここまでは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、イギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドンなどの研究チームが2022年に発表したネットワークメタ解析です [1]。ネットワークメタ解析とは、直接比べていない治療どうしも、共通の比較対象を介して並べて比べる方法です。2020年までのニキビ治療のRCT179件が集められました。

研究の種類ニキビ治療のRCT179件のネットワークメタ解析
対象軽い〜中くらいのニキビのある人
比べたものサリチル酸やマンデル酸などのケミカルピーリング、プラセボ
結果ニキビの総数の減り方がプラセボより平均39.70ポイント大きい
まとめて分析した結果ケミカルピーリングは、ニキビの総数の減り方がプラセボより平均39.70ポイント大きくなりました [1]。

推定の幅は12.54〜66.78ポイントと広く、ピーリングの結果は特に不確かだと解析チームも書いています。

ここで注意が必要なのは、このピーリングの分類にサリチル酸だけでなくマンデル酸なども含まれることです。サリチル酸だけをプラセボと比べた試験は、見つかっていません。根拠の確かさは低めです。研究の作りに弱さがあるためです。

ほかの治療に足すと、さらに減る

サリチル酸ピーリングを足した試験は複数あります。多くは顔の片側だけに足す方法で、人数は少なめです。

  • 白・黒ニキビが密集した人で、炭酸ガスレーザーに30%の超分子サリチル酸を足した31人の試験では、白・黒ニキビが平均85.76%減りました。レーザーだけの側は62.32%でした [2]
  • 光線力学療法のあとに足した19人の試験では、ニキビの数がより大きく減りました [3]
  • 1927nmのレーザーに足した30人の試験でも、足した側のほうが、レーザーだけの側よりニキビの数や重症度スコアが大きく改善しました [4]
  • 医師が処方する、海外で使われる飲み薬のイソトレチノイン (日本では未承認) に足した試験もあります。29人の試験では、飲み薬だけの側より早く、大きく改善しました [5]。大人ニキビの58人の試験は、20%サリチル酸と10%マンデル酸のピーリングを足した組み合わせで、飲み薬だけの人より重症度スコアが大きく改善しました [6]

ほかの研究では、結果が異なる場合も

サリチル酸ピーリングが、いつも光治療に勝つわけではありません。軽い〜中くらいのニキビで30%のピーリングと光治療を比べた試験では、どちらも改善し、差はありませんでした [7]。10代の試験でも両方がニキビを減らし、膿をもったニキビだけは光治療のほうが減っています [8]。

差がなかった試験軽い〜中くらいのニキビの人で、30%サリチル酸ピーリングと光治療を比較

どちらも改善し、差はありませんでした。

よく言われていることは本当?

  • ニキビ (白・黒・赤) を減らす効きます。 ただし根拠の確かさは低めで、赤ニキビだけを分けた確かな結果はありません [1]
  • 毛穴の詰まりをとる白・黒ニキビの減少は、RCTで確かめられています [2]。 毛穴の大きさは、比べる群のない前後比較だけで、研究では確かめられていません [9]
  • ニキビ跡を薄くする根拠は弱いです。 レーザーに足すと、へこみのスコアが良くなった小さなRCTが2件あります [4] [10]。ピーリングだけの色素沈着は、10人の試験で本人は薄くなったと感じましたが、皮膚科医の評価では差がはっきりしませんでした [11]
  • ほかのピーリングより刺激が少ない一概には言えません。 次の節のとおり、試験によって結果が割れています [12] [13]
  • 皮脂を抑えてテカリが減る研究が見つかっていません。 皮脂の量が下がったのは比べる群のない前後比較だけです [9]
  • くすみが取れる・小じわが目立たなくなるニキビのない人での研究が見つかっていません

ほかのピーリングと比べると

グリコール酸、ジェスナー液、TCA、ピルビン酸などと比べたRCT12件 (387人) の系統的レビューでは、サリチル酸とほかのピーリングの効果は、多くの比較で差がありませんでした。グリコール酸との比は1.00です [14]。「どれかが飛び抜けて良い」わけではなく、同じくらい効く選択肢が複数あります。ただし研究の質は低く、レビュー自身も優劣の確かな結論は出せないとしています [14]。

白・黒ニキビに限ると、30%サリチル酸のほうがジェスナー液より改善した試験があります [15]。刺激の強さは試験で割れました。グリコール酸より副作用が少なかった試験がある一方 [12]、マンデル酸のほうが副作用が少なかった50人の試験もあります [13]。

02注意点

研究の多くは、30%前後のサリチル酸を2週間おきに塗る施術でした。たとえば31人の試験は、2週間おきに6回の治療で12週目まで経過を見ています [2]。副作用について、さまざまな顔の肌トラブルで受けた人の記録では、軽いヒリヒリや赤みはよくあり、重い副作用はまれでした [16]。持病や妊娠の可能性がある人、飲み薬や塗り薬を使っている人は、施術の前に皮膚科の医師に確認してください。

単独の効果は、まだ確かめきれていません

足した試験が中心なので、ピーリングだけで同じだけ減るとは言えません。

03まとめ

サリチル酸ピーリングは、ニキビに効くという結果です。
ただし根拠の確かさは低めで、単独より、ほかの治療に足した試験が中心です。
受けるなら、皮膚科で自分のニキビの種類に合う方法を相談しましょう。

04よくある質問

Qほかのピーリングより効きますか?

多くの比較で同じくらいです。グリコール酸などと比べたRCT12件の系統的レビューで、ほとんどの比較に差はありませんでした。ただし研究の質は低く、優劣の確かな結論は出せないとされています [[29705755]]。

Qニキビ跡にも効きますか?

根拠は弱いです。レーザーに足すとへこみのスコアが良くなった小さな試験がありますが、ピーリング単独は確かめられていません [[35791845]]。

Q副作用はありますか?

軽いヒリヒリや赤みはよくあります。重い副作用はまれでした [[16394379]]。

Q市販のサリチル酸洗顔でも同じですか?

同じとは言えません。この記事は皮膚科で受ける20〜30%のピーリングの話です。毎日塗る薬は、別の研究で調べられています [[32356369]]。

05参照した論文

判定に使った主な論文(16本)

[1]ニキビの治療法をRCT179件でくらべたネットワークメタ解析

発表年
2022年
研究機関
イギリス・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン
掲載誌
The British journal of dermatology
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究179件を統合
結果の向き
良い方向

ニキビ治療のRCT179件をまとめ、ケミカルピーリングの減り方がプラセボより平均39.70ポイント大きかった。

[2]炭酸ガスレーザーと超分子サリチル酸の併用を調べた試験

発表年
2023年
研究機関
中国・西安交通大学第二附属医院
掲載誌
Lasers in surgery and medicine
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
31人
結果の向き
良い方向

31人の試験で、白・黒ニキビが平均85.76%減り、レーザーだけの側は62.32%だった。

[3]光線力学療法のあとのサリチル酸ピーリングを調べた試験

発表年
2025年
研究機関
中国・同済大学上海皮膚病医院
掲載誌
Clinical and experimental dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
19人
結果の向き
良い方向

19人の試験で、光線力学療法のあとにサリチル酸を足した側はニキビの数が大きく減った。

[4]1927nmレーザーと30%サリチル酸の併用を調べた試験

発表年
2023年
研究機関
中国・西安交通大学第二附属医院
掲載誌
Lasers in surgery and medicine
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
30人
結果の向き
良い方向

30人の試験で、ピーリングを足した側のニキビの数や重症度スコアが大きく改善した。

[5]イソトレチノインにサリチル酸ピーリングを足す効果を調べた試験

発表年
2022年
研究機関
中国・西安交通大学
掲載誌
International journal of dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
29人
結果の向き
良い方向

29人の試験で、飲み薬にピーリングを足した側は早く効き、重症度スコアが大きく改善した。

[6]大人のニキビにイソトレチノインとピーリングを併用した試験

発表年
2022年
研究機関
インド・IMS・SUM病院
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
58人
結果の向き
良い方向

58人の試験で、飲み薬にピーリングを足すと重症度スコアが大きく改善した。

[7]Comparison of salicylic acid 30% peel and pneumatic broadband light in the treatment of mild to moderately severe facial acne vulgaris.

発表年
2017年
研究機関
タイ・Thuangtong Rほかの研究チーム
掲載誌
Cutis
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
差なし

軽い〜中くらいのニキビで、30%サリチル酸ピーリングと光治療(PBBL)はどちらも改善し、差はなかった

[8]Clinical comparison of salicylic acid peel and LED-Laser phototherapy for the treatment of Acne vulgaris in teenagers.

発表年
2017年
研究機関
ブラジル・Alba MNほかの研究チーム
掲載誌
Journal of cosmetic and laser therapy : official publication of the European Society for Laser Dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
結果が割れている

10代のニキビで、10%サリチル酸ピーリングと光治療(青色LED+赤色レーザー)はどちらもニキビを減らしたが、膿をもったニキビは光治療のほうが減った

[9]Evaluation of 30% supramolecular salicylic acid followed by 1565-nm non-ablative fractional laser on facial acne and subsequent enlarged pores.

発表年
2023年
研究機関
中国・Han Qほかの研究チーム
掲載誌
Lasers in medical science
研究の種類
コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

比較する群のない前後比較。30%の超分子サリチル酸を2週間おきに受けると、赤み・毛穴のスコア・皮脂の量・ニキビの重症度が治療前より下がった

[10]Combination treatment with 30% salicylic acid and fractional CO2 laser for acne scars: A 20-week prospective, randomized, split-face study.

発表年
2022年
研究機関
中国・Zhang YJほかの研究チーム
掲載誌
Dermatologic therapy
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

へこんだニキビ跡で、炭酸ガスフラクショナルレーザーに30%の超分子サリチル酸を足した側は、レーザーだけの側よりニキビ跡のスコアが低く(良く)なり、本人の満足度も高かった

[11]Effectiveness, safety, and effect on quality of life of topical salicylic acid peels for treatment of postinflammatory hyperpigmentation in dark skin.

発表年
2009年
研究機関
アメリカ・Joshi SSほかの研究チーム
掲載誌
Dermatologic surgery : official publication for American Society for Dermatologic Surgery [et al.]
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
10人
結果の向き
結果が割れている

肌の色が濃い人のニキビ後などの色素沈着で、サリチル酸ピーリングをした側は、本人の評価では何もしない側より薄くなったが、写真を見た皮膚科医の評価では有意な差がなかった

[12]Comparison of alpha- and beta-hydroxy acid chemical peels in the treatment of mild to moderately severe facial acne vulgaris.

発表年
2008年
研究機関
アメリカ・Kessler Eほかの研究チーム
掲載誌
Dermatologic surgery : official publication for American Society for Dermatologic Surgery [et al.]
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
差なし

30%グリコール酸と30%サリチル酸のピーリングは同じくらい効き、サリチル酸は効果が長続きし副作用が少なかった(上の系統的レビューに含まれる研究)

[13]Comparative study of efficacy and safety of 45% mandelic acid versus 30% salicylic acid peels in mild-to-moderate acne vulgaris.

発表年
2020年
研究機関
インド・Dayal Sほかの研究チーム
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
50人
結果の向き
差なし

軽い〜中くらいのニキビで、30%サリチル酸ピーリングと45%マンデル酸ピーリングの効果に差はなかった。白・黒ニキビはサリチル酸、赤ニキビはマンデル酸がやや良く、副作用はマンデル酸のほうが少なかった

[14]ニキビへのケミカルピーリングのRCTの系統的レビュー

発表年
2018年
研究機関
中国・四川大学華西病院
掲載誌
BMJ open
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

RCT12件387人で、サリチル酸とグリコール酸のピーリングの効果は同じだった。

[15]Salicylic acid peels versus Jessner's solution for acne vulgaris: a comparative study.

発表年
2013年
研究機関
韓国・Bae BGほかの研究チーム
掲載誌
Dermatologic surgery : official publication for American Society for Dermatologic Surgery [et al.]
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

白・黒ニキビは30%サリチル酸のほうがジェスナー液より改善した。赤ニキビは差がなかった(上の系統的レビューに含まれる研究)

[16]Tolerance and safety of superficial chemical peeling with salicylic acid in various facial dermatoses.

発表年
2005年
研究機関
パキスタン・Bari AUほかの研究チーム
掲載誌
Indian journal of dermatology, venereology and leprology
研究の種類
コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
対象
—
結果の向き
悪い方向

いろいろな顔の肌の悩みでサリチル酸ピーリングを受けた人たちの安全性の記録(比較する群なし)。軽いヒリヒリ・赤みはよくあったが、重い副作用はまれだった

ほかに参考にした論文(7本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。