洗顔は1日何回がいい?

洗顔は1日何回がいい?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.02
答え効かない

洗顔の回数を変えても、ニキビの数に差は出ません。1日2回までで足ります。

根拠

ニキビのある男性を、1日1回・2回・4回の洗顔グループに分けて6週間比べた比較試験では、終了時にグループ間でニキビの差はありませんでした [1]。洗顔の回数や洗顔料とニキビの研究14件をまとめた系統的レビューも、質の高い研究が少なく確かな推奨は作りにくいと結論しています [2]。根拠の確かさは低めです。回数を直接比べた比較試験が1件だけのためです。

この答えの範囲

軽い〜中くらいのニキビがある男性の話です。女性、乾燥肌、メイクをする人、ニキビ以外の肌トラブルは、この試験では調べていません。

じゃあ、どうする?

朝と夜の1日2回までにして、洗顔料を使う回数を増やさないのが、研究に最も近い使い方です。洗ったあとの保湿は 保湿すると肌荒れしにくくなる? も参考になります。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。6 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 60 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン3040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量220研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ310最新の研究が何年以内か
精度05信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 60 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 60 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本。 この上限により、強度を B から C に下げました。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

洗顔の回数とは

洗顔の回数は、顔を洗顔料で洗う回数のことです。朝晩の2回が基本とされ、洗いすぎは肌を乾燥させるとも言われます。ニキビがある人は特に回数が気になりやすいテーマです。これは一般に言われていることで、研究で確かめたものではありません。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、ハーバード大学などの研究チームが2006年に発表したランダム化比較試験です [1]。ランダム化比較試験とは、参加者をくじ引きのように別々のグループに分けて結果を比べる方法です。軽い〜中くらいのニキビがある男性が、まず2週間マイルドな洗顔料で1日2回洗い、その後1日1回・2回・4回のグループに分かれて6週間洗いました。

研究の種類ランダム化比較試験
対象軽い〜中くらいのニキビがある男性
比べたもの洗顔の回数 (1日1回・2回・4回)
結果終了時にグループ間でニキビの差はなかった
試験の結果終了時点で、洗顔の回数によるニキビの差は統計的に見られませんでした [1]。

1日2回のグループでは開始時より黒ニキビと、炎症のないニキビ (白ニキビ・黒ニキビ) の合計が減り、1日1回のグループでは赤いニキビが増えていました。

読み方に注意が必要です。「グループ間の差」と「各グループの中での変化」は別の話です。回数ごとの差がはっきりしなかった以上、2回のグループでニキビが減ったことを、2回洗えば減る証拠とは読めません。著者は1日2回をわずかに支持していますが、確かめられたのは差が出なかったところまでです。

ほかの研究でも、確かな結論は出ていません

洗顔の回数や洗顔料とニキビの研究14件 (671人) をまとめた2018年の系統的レビューは、質の高い研究が少なく、確かな推奨は作りにくいとしています [2]。2005年の系統的レビューも、洗顔がニキビに効くとも効かないとも言える証拠は驚くほど少ないと報告しました [3]。

証拠が少ないと結論した系統的レビュー洗顔の回数や洗顔料とニキビの研究14件 (671人)

質の高い研究が少なく、確かな推奨は作りにくいという結論でした。

よく言われていることは本当?

  • 洗顔は朝晩の1日2回が基本ニキビでは、2回までで問題は見つかっていません。 ただ、2回が最適だと確かめた研究はありません。洗顔料を1日2回以上使う人に酒さが多いという観察研究もあります (下の節)。1日1回・2回・4回の差はありませんでした [1]
  • ニキビを防ぐには少なくとも1日1回は洗う必要がある研究では確かめられていません。 1日1回のグループは赤いニキビが増えましたが、グループ間の差は有意ではありませんでした [1]
  • 洗顔料の使いすぎは赤み・肌トラブルのもと酒さ (赤ら顔) とは関連しています。 中国の観察研究2件で、洗顔料を1日2回以上使う人に酒さが多く、オッズ比は1.70と2.131でした [4] [5]。原因かどうかは分かりません
  • 洗いすぎると乾燥し、肌のバリア機能が下がる腕を洗った実験では、バリア機能の指標である水分の蒸発が増えました。 健康な15人で、洗うたびに増え、繰り返し洗うとさらに増えました [6]。肌の水分量には有意な変化がありませんでした。顔の研究ではなく、人数も少ない実験です
  • 洗いすぎると肌が皮脂を出しすぎる (インナードライ)研究が見つかっていません。 洗顔の回数と皮脂量の戻りを比べたヒトの研究は、今回の検索では見つかりませんでした
  • 朝の洗顔は水 (ぬるま湯) だけでよい研究が見つかっていません。 朝の洗顔料あり・なしを比べた研究は、今回の検索では見つかりませんでした

洗顔料を使う回数と酒さ

2020年の中国の研究では、大学の健康診断で酒さの310人と健康な3,129人を比べ、洗顔料を1日2回以上使う人は酒さと関連していました [4]。酒さの患者1,245人と肌が健康な1,538人を比べた別の研究では、洗顔料を週1〜3回使う人は酒さが少ないことと関連し、1日2回以上の人は多いことと関連していました [5]。どちらも観察研究で、洗顔料の回数が酒さの原因だとは言えません。赤みが出やすい人が、洗顔を増やしている可能性も残ります。

02注意点

回数を直接比べた比較試験は、男性のニキビを調べた1件だけです。根拠の確かさは低めです。女性や、メイクを落とす夜の洗顔については、回数を比べた結果がありません。腕の実験では、石けんで繰り返し洗うと赤みも増えていました [6]。ニキビや赤みが続く人、薬を塗っている人は、皮膚科の医師や薬剤師に相談してください。

回数を増やしても、ニキビの数は変わらなかった

洗顔料で洗う回数を増やすより、洗う回数を2回までにして、保湿もあわせて続けましょう。

03まとめ

ニキビの数は、洗顔が1日1回でも2回でも4回でも、終了時に差がありませんでした。
この結果は軽い〜中くらいのニキビがある男性の1件の試験なので、自分の肌の状態を見ながら当てはめてください。
洗顔は朝晩の2回までにして、ニキビの薬を使っている人は アゼライン酸はニキビに効く? も読んでみてください。

04よくある質問

Q洗顔を1日4回してもいいですか?

ニキビの数は、1日4回のグループも1回・2回と差がありませんでした [[17014635]]。ただし、洗顔料を1日2回以上使う人に酒さが多いという観察研究があります [[32128599]]。回数を増やすメリットは、研究では見つかっていません。

Q朝は水だけで洗うのでもいいですか?

研究では確かめられていません。朝の洗顔料あり・なしを比べた研究は、今回の検索では見つかりませんでした。

Q洗いすぎるとインナードライになりますか?

研究では確かめられていません。洗顔の回数と皮脂量の戻りを比べたヒトの研究は、見つかりませんでした。腕を洗った15人の実験では、洗うたびに水分の蒸発が増えました [[18199943]]。

05参照した論文

判定に使った主な論文(6本)

[1]洗顔の回数がニキビに与える影響を調べた単盲検ランダム化比較試験

発表年
2006年
研究機関
アメリカ・ハーバード大学
掲載誌
Pediatric dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
差なし

ニキビのある男性を洗顔の回数ごとに分けて6週間比べ、終了時にグループ間の差はなかった。

[2]ニキビの洗顔と洗顔料に関する臨床研究の系統的レビュー

発表年
2018年
研究機関
アメリカ・ニューヨーク大学
掲載誌
The Journal of dermatological treatment
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
671人
結果の向き
差なし

洗顔の回数や洗顔料とニキビの研究14件 (671人) をまとめ、確かな推奨は作りにくいと結論した。

[3]ニキビの俗説 (食事・洗顔・日光) の根拠を調べた系統的レビュー

発表年
2005年
研究機関
オーストラリア・ニューカッスル大学
掲載誌
Family practice
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
—
結果の向き
差なし

洗顔がニキビに効くとも効かないとも言える証拠は驚くほど少なかった。

[4]中国の大学生3,439人のスキンケア習慣と酒さの横断研究

発表年
2020年
研究機関
中国・中南大学
掲載誌
Acta dermato-venereologica
研究の種類
症例対照研究ある病気の人とそうでない人で、過去の生活習慣などを比べる研究。
対象
—
結果の向き
悪い方向

洗顔料を一日に2回以上使う若者は、酒さと関連していた (調整オッズ比1.70)。

[5]スキンケア習慣と酒さの関連を調べた多施設の症例対照研究

発表年
2020年
研究機関
中国・中南大学
掲載誌
PloS one
研究の種類
症例対照研究ある病気の人とそうでない人で、過去の生活習慣などを比べる研究。
対象
—
結果の向き
悪い方向

洗顔料を一日に二回以上使う人は酒さと関連し、週1〜3回の人では酒さが少なかった。

[6]洗い方と乾かし方が肌のバリア機能に与える影響

発表年
2008年
研究機関
イギリス・サウサンプトン大学
掲載誌
Journal of wound, ostomy, and continence nursing : official publication of The Wound, Ostomy and Continence Nurses Society
研究の種類
コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
対象
15人
結果の向き
悪い方向

健康な15人の前腕で、洗うたびに水分の蒸発が増え、繰り返し洗うとさらに増えた。

判定「効かない」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。