[1]太りぎみの閉経後女性の体重と体組成に対する、食事と運動の単独・組み合わせの効果
- 発表年
- 2012年
- 研究機関
- アメリカ・フレッド・ハッチンソンがん研究センター
- 掲載誌
- Obesity (Silver Spring, Md.)
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- 439人
- 結果の向き
- 良い方向
閉経後女性439人を12か月追い、食事と運動の組み合わせで体重が平均10.8%減った。

落とせます。食事と運動を組み合わせると、体重も体脂肪も減ります。
研究の中心は太りぎみの閉経後女性です。閉経の移行期だけを調べた研究は3件と少なめです。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 16.1 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 91.1 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 3 本・RCT のメタ解析 3 本。 この上限により、強度を A から B に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
更年期太りは、閉経の前後に体重やお腹まわりが増えやすくなることを指す呼び名です。お腹まわりに脂肪がつきやすくなるのが特徴です。医学的な病名ではなく、食事や運動、睡眠などの生活も重なって起こります。
答えの中心は、アメリカのフレッド・ハッチンソンがん研究センターなどの研究チームが2012年に発表したランダム化比較試験です [1]。ランダム化比較試験とは、参加者をくじ引きでグループに分けて結果を比べる方法です。運動習慣のない、太りぎみの閉経後女性439人が対象でした。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験 (12か月) |
|---|---|
| 対象 | 太りぎみの閉経後女性 (439人) |
| 比べたもの | 食事だけ、運動だけ、食事と運動の組み合わせ、生活を変えない |
| 結果 | 食事と運動の組み合わせで体重が平均10.8%減った |
生活を変えなかったグループは0.8%の減少で、差はありませんでした。
食事は体重10%以上の減量を目標にした低脂肪のカロリー制限食で、運動は週5日・45分の中強度の有酸素運動でした。グループ別の体重の減少は次のとおりです [1]。
運動だけの減りが小さいのが目立ちます。体重を減らす主役は食事で、運動を足すと減りが大きくなる、という並びです。
オランダのユトレヒト大学医療センターなどの研究チームが2019年に発表した試験では、太りぎみの閉経後女性が、食事だけ・運動と食事・何もしないの3グループに分けられました。運動は週4時間でした。16週間後にMRIで測ると、運動と食事のグループは何もしないグループよりお腹の皮下脂肪が16.0%、内臓脂肪が14.6%減っていました [2]。食事だけでも皮下脂肪が12.5%、内臓脂肪が12.0%減っています。
運動の効果は、体重と脂肪で見え方が違います。
運動は体重計の数字より、脂肪とウエストに出やすいと言えます。
筋トレ単独は、体脂肪を落とす目的では差がはっきりしません。ブラジルのメトロポリタン・サントス大学などの研究チームが2023年に発表した、閉経後女性のランダム化比較試験12件・452人のまとめでは、16週間までの筋トレで体脂肪量は平均3.15減る傾向でしたが、はっきりした差とは言えませんでした。お腹まわりとBMIにも差はありませんでした [8]。研究の質は低〜非常に低いと評価されています。
一方で、筋力や体力は筋トレではっきり良くなりました [9]。筋肉量も、筋トレと組み合わせの運動で増える効果が大きくなっています [4]。筋トレは「脂肪を落とす運動」ではなく、「筋肉と筋力を守る運動」として加える位置づけです。
筋トレで体脂肪量が減り、筋肉量が増えました。閉経前と閉経後で差はありませんでした [10]。
この研究は、閉経後に絞らず健康な女性全般を集めたまとめです。閉経後の試験だけを集めた上のまとめとは、対象の集め方が違います。
オーストラリアのクイーンズランド大学の研究チームが2020年に発表した、食事による減量プログラムのまとめ (7本の論文・791人) では、体重の減り方に閉経前と閉経後の差はありませんでした [12]。閉経の移行期を調べた研究は3件と少ないものの、そのうち質の高いランダム化比較試験1件では、運動と食事の組み合わせが、この時期にふつう起こる体脂肪の増加を抑えました [13]。
減量には落とし穴もあります。韓国の研究チームが2007年に発表した試験では、閉経前の44〜50歳の女性373人が食事の見直しと運動の指導を54か月続け、体重は0.4kg減りました。何もしないグループは2.6kg増えています。ただし、指導を受けたグループは股関節の骨密度の減り方が大きくなりました [14]。減量中は、カルシウムなどの栄養が不足しないように気をつけてください。持病や服薬のある人、運動を急に増やす人は、医師や薬剤師に確認してください。
骨や筋肉に必要な栄養まで削らないよう、不安があるときは医師や管理栄養士に相談してください。
更年期太りは、食事と運動を組み合わせると体重も体脂肪も減ります。
運動だけでは体重の減りは小さいので、体重を落としたいときは食事の見直しが中心になります。
筋トレは脂肪より筋肉と筋力のために加え、骨や筋肉の栄養は減らさないようにしましょう。
体重の減りは小さめです。閉経後女性439人の試験で、運動だけのグループは12か月で体重が2.4%減りました。食事だけは8.5%、組み合わせは10.8%でした [[21494229]]。ただしウエストや内臓脂肪は運動で減ります [[37388207]]。
閉経して間もない女性の運動の試験28件をまとめた系統的レビューは、1日30分の中くらいの速さの歩行と、週2回の筋トレを勧めています [[15456348]]。体重を減らす試験では、週5日・45分の運動が使われました [[21494229]]。
食事による減量プログラムでは、体重の減り方に閉経前と閉経後の差はありませんでした (7本の論文・791人) [[33350666]]。
閉経後女性の試験のまとめでは、お腹まわりやBMIに差はありませんでした [[36283059]]。筋トレは筋肉と筋力を増やす目的で、有酸素運動や食事と組み合わせるのが現実的です。
閉経後女性439人を12か月追い、食事と運動の組み合わせで体重が平均10.8%減った。
閉経後の太りぎみの女性で、16週間後にお腹の皮下脂肪が16.0%、内臓脂肪が14.6%減った。
28件の試験から、1日30分の歩行と週2回の筋トレを勧めている。
閉経後女性5,697人のまとめで、運動により体脂肪とお腹まわりが減り、筋肉量が増えた。
閉経後女性のまとめで、運動によりウエストが平均2.61cm細くなった。
中年女性31件・2,202人のまとめで、運動による体重の減りは平均0.57kgだった。
女性のHIITの研究38件・959人のまとめで、閉経後の女性でははっきりした効果が見られなかった。
閉経後女性12件・452人のまとめで、筋トレによる体脂肪量の差ははっきりしなかった。
筋トレで体力や筋力ははっきり良くなったが、体組成への効果ははっきりしなかった。
女性4,019人・126件のまとめで、筋トレにより体脂肪量が減り筋肉量が増えた。
筋トレで安静時の消費エネルギーが1日平均96.17kcal増えた。閉経後の女性は対象外。
7本の論文・791人のまとめで、体重の減り方に閉経前と閉経後で差はなかった。
移行期の研究は3件で、質の高い1件では運動と食事の組み合わせが体脂肪の増加を抑えた。
373人を54か月追い、指導を受けたグループは体重が0.4kg減ったが、股関節の骨密度の減りが大きかった。
太りぎみの閉経後女性への生活習慣の介入を調べた系統的レビューで、介入したグループの体重は6〜12か月で1.5〜9kg減っていた
肥満ではない40〜60歳の女性を対象にした7件のRCTのまとめで、食事と運動の個別指導(カウンセリング)は4件のRCTで体重の増え方を対照より0.87〜2.5kg抑えた。一方、運動だけの2件では差がなかった
肥満のある閉経後女性92人で、食事(週2日の断続的断食)・運動・その組み合わせのどのグループも、何もしないグループより体重・BMI・体脂肪量が改善した
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。