更年期太りは運動と食事で落とせる?

更年期太りは運動と食事で落とせる?
読了目安 6〜8分最終更新日 2026.11.06
答え効く

落とせます。食事と運動を組み合わせると、体重も体脂肪も減ります。

根拠

太りぎみの閉経後女性439人のランダム化比較試験で、食事と運動を組み合わせたグループは12か月で体重が平均10.8%減りました。生活を変えなかったグループは0.8%の減少で、差はありませんでした [1]。食事だけは8.5%、運動だけは2.4%でした。別の試験では、16週間後にお腹の皮下脂肪が16.0%、内臓脂肪が14.6%減っています [2]。根拠の確かさは中程度です。

この答えの範囲

研究の中心は太りぎみの閉経後女性です。閉経の移行期だけを調べた研究は3件と少なめです。

じゃあ、どうする?

食事で摂るエネルギーを減らしながら、有酸素運動を続けるのが、研究で結果が出た組み合わせです。試験では週5日・45分の中くらいの強さの運動でした [1]。筋トレは脂肪より筋肉と筋力のために、週2回ほど加えるのがよいとされています [3]。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。中程度
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。14 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 84 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量16.120研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度05信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 91.1 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 3 本・RCT のメタ解析 3 本。 この上限により、強度を A から B に下げました。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

更年期太りとは

更年期太りは、閉経の前後に体重やお腹まわりが増えやすくなることを指す呼び名です。お腹まわりに脂肪がつきやすくなるのが特徴です。医学的な病名ではなく、食事や運動、睡眠などの生活も重なって起こります。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、アメリカのフレッド・ハッチンソンがん研究センターなどの研究チームが2012年に発表したランダム化比較試験です [1]。ランダム化比較試験とは、参加者をくじ引きでグループに分けて結果を比べる方法です。運動習慣のない、太りぎみの閉経後女性439人が対象でした。

研究の種類ランダム化比較試験 (12か月)
対象太りぎみの閉経後女性 (439人)
比べたもの食事だけ、運動だけ、食事と運動の組み合わせ、生活を変えない
結果食事と運動の組み合わせで体重が平均10.8%減った
試験の結果食事と運動を組み合わせたグループは、12か月で体重が平均10.8%減りました [1]。

生活を変えなかったグループは0.8%の減少で、差はありませんでした。

食事は体重10%以上の減量を目標にした低脂肪のカロリー制限食で、運動は週5日・45分の中強度の有酸素運動でした。グループ別の体重の減少は次のとおりです [1]。

  • 食事と運動の組み合わせ: 10.8%
  • 食事だけ: 8.5%
  • 運動だけ: 2.4%

運動だけの減りが小さいのが目立ちます。体重を減らす主役は食事で、運動を足すと減りが大きくなる、という並びです。

お腹の脂肪はどうなる?

オランダのユトレヒト大学医療センターなどの研究チームが2019年に発表した試験では、太りぎみの閉経後女性が、食事だけ・運動と食事・何もしないの3グループに分けられました。運動は週4時間でした。16週間後にMRIで測ると、運動と食事のグループは何もしないグループよりお腹の皮下脂肪が16.0%、内臓脂肪が14.6%減っていました [2]。食事だけでも皮下脂肪が12.5%、内臓脂肪が12.0%減っています。

運動だけだとどうなる?

運動の効果は、体重と脂肪で見え方が違います。

  • 閉経後女性5,697人のランダム化比較試験のまとめ (イランのカシャーン大学などが2023年に発表) では、運動をしたグループは体脂肪量・体脂肪率・お腹まわり・内臓脂肪が減りました [4]。脂肪を減らす効果は有酸素運動と、有酸素運動に筋トレを組み合わせたもので大きくなりました。
  • ウエストは、8週間を超える運動で平均2.61cm細くなりました [5]。
  • 中年女性のランダム化比較試験31件・2,202人のまとめでは、運動による体重の減りは平均0.57kgと小さく、有酸素運動だけでは体重は変わりませんでした [6]。
  • 短い全力運動をくり返すHIITは、体重・体脂肪・お腹の脂肪が減ったのは閉経前の女性だけで、閉経後でははっきりした効果が見られませんでした [7]。詳しくはHIITは普通の有酸素運動より脂肪が落ちる?にまとめています。

運動は体重計の数字より、脂肪とウエストに出やすいと言えます。

筋トレは脂肪を落とす?

筋トレ単独は、体脂肪を落とす目的では差がはっきりしません。ブラジルのメトロポリタン・サントス大学などの研究チームが2023年に発表した、閉経後女性のランダム化比較試験12件・452人のまとめでは、16週間までの筋トレで体脂肪量は平均3.15減る傾向でしたが、はっきりした差とは言えませんでした。お腹まわりとBMIにも差はありませんでした [8]。研究の質は低〜非常に低いと評価されています。

一方で、筋力や体力は筋トレではっきり良くなりました [9]。筋肉量も、筋トレと組み合わせの運動で増える効果が大きくなっています [4]。筋トレは「脂肪を落とす運動」ではなく、「筋肉と筋力を守る運動」として加える位置づけです。

結果が異なった研究健康な女性4,019人 (66.2%が閉経後) の126件のまとめ

筋トレで体脂肪量が減り、筋肉量が増えました。閉経前と閉経後で差はありませんでした [10]。

この研究は、閉経後に絞らず健康な女性全般を集めたまとめです。閉経後の試験だけを集めた上のまとめとは、対象の集め方が違います。

よく言われていることは本当?

  • 食事と運動を組み合わせれば、体重やお腹の脂肪は落とせる本当です。 12か月で体重が平均10.8%減り、お腹の脂肪も減りました [1] [2]。
  • 有酸素運動を続けると、内臓脂肪やお腹まわりが減る脂肪とウエストには効きますが、体重の減りは小さめです。 内臓脂肪とお腹まわりが減る一方、中年女性では体重の減りは平均0.57kgでした [4] [6]。
  • 筋トレで筋肉を保つと代謝が上がり、痩せやすくなる体脂肪を落とす目的では、差がはっきりしません。 筋肉と筋力は増えます [8] [9]。安静時の消費エネルギーは筋トレで1日平均96.17kcal増えたというまとめがありますが、閉経後の女性は対象から外されていました [11]。詳しくは筋トレで代謝は上がる?にあります。
  • たんぱく質をしっかりとれば、更年期太りの対策になる研究はありますが、この記事では確かめていません。 ダイエット中の使い方はダイエット中にプロテインを飲む意味はある?で扱っています。
  • 大豆イソフラボン (エクオール) で女性ホルモンを補うと、更年期太りを防げるこの記事では確かめていません。
  • 睡眠を整えると痩せやすい更年期の女性で、睡眠の改善が体重・体脂肪を減らしたかを調べた研究は、今回の検索では見つかりませんでした。

更年期でも、若い頃と同じように減らせる?

オーストラリアのクイーンズランド大学の研究チームが2020年に発表した、食事による減量プログラムのまとめ (7本の論文・791人) では、体重の減り方に閉経前と閉経後の差はありませんでした [12]。閉経の移行期を調べた研究は3件と少ないものの、そのうち質の高いランダム化比較試験1件では、運動と食事の組み合わせが、この時期にふつう起こる体脂肪の増加を抑えました [13]。

02注意点

減量には落とし穴もあります。韓国の研究チームが2007年に発表した試験では、閉経前の44〜50歳の女性373人が食事の見直しと運動の指導を54か月続け、体重は0.4kg減りました。何もしないグループは2.6kg増えています。ただし、指導を受けたグループは股関節の骨密度の減り方が大きくなりました [14]。減量中は、カルシウムなどの栄養が不足しないように気をつけてください。持病や服薬のある人、運動を急に増やす人は、医師や薬剤師に確認してください。

食事を減らしすぎない

骨や筋肉に必要な栄養まで削らないよう、不安があるときは医師や管理栄養士に相談してください。

03まとめ

更年期太りは、食事と運動を組み合わせると体重も体脂肪も減ります。
運動だけでは体重の減りは小さいので、体重を落としたいときは食事の見直しが中心になります。
筋トレは脂肪より筋肉と筋力のために加え、骨や筋肉の栄養は減らさないようにしましょう。

04よくある質問

Q運動だけで更年期太りは解消できますか?

体重の減りは小さめです。閉経後女性439人の試験で、運動だけのグループは12か月で体重が2.4%減りました。食事だけは8.5%、組み合わせは10.8%でした [[21494229]]。ただしウエストや内臓脂肪は運動で減ります [[37388207]]。

Qウォーキングはどのくらいすればいいですか?

閉経して間もない女性の運動の試験28件をまとめた系統的レビューは、1日30分の中くらいの速さの歩行と、週2回の筋トレを勧めています [[15456348]]。体重を減らす試験では、週5日・45分の運動が使われました [[21494229]]。

Q閉経後は、閉経前より痩せにくいですか?

食事による減量プログラムでは、体重の減り方に閉経前と閉経後の差はありませんでした (7本の論文・791人) [[33350666]]。

Q筋トレだけでお腹の脂肪は落ちますか?

閉経後女性の試験のまとめでは、お腹まわりやBMIに差はありませんでした [[36283059]]。筋トレは筋肉と筋力を増やす目的で、有酸素運動や食事と組み合わせるのが現実的です。

05参照した論文

判定に使った主な論文(17本)

[1]太りぎみの閉経後女性の体重と体組成に対する、食事と運動の単独・組み合わせの効果

発表年
2012年
研究機関
アメリカ・フレッド・ハッチンソンがん研究センター
掲載誌
Obesity (Silver Spring, Md.)
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
439人
結果の向き
良い方向

閉経後女性439人を12か月追い、食事と運動の組み合わせで体重が平均10.8%減った。

[2]閉経後女性のお腹の脂肪に対する、運動を伴う・伴わない食事の効果

発表年
2019年
研究機関
オランダ・ユトレヒト大学医療センター
掲載誌
BMC public health
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

閉経後の太りぎみの女性で、16週間後にお腹の皮下脂肪が16.0%、内臓脂肪が14.6%減った。

[3]閉経して間もない女性のための運動: ランダム化比較試験の系統的レビュー

発表年
2004年
研究機関
フィンランド・UKK健康増進研究所
掲載誌
Sports medicine (Auckland, N.Z.)
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
2,646人
結果の向き
良い方向

28件の試験から、1日30分の歩行と週2回の筋トレを勧めている。

[4]閉経後女性の体組成に対する運動トレーニングの効果

発表年
2023年
研究機関
イラン・カシャーン大学
掲載誌
Frontiers in endocrinology
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
5,697人
結果の向き
良い方向

閉経後女性5,697人のまとめで、運動により体脂肪とお腹まわりが減り、筋肉量が増えた。

[5]閉経後女性のメタボ危険因子に対する運動トレーニングの効果

発表年
2023年
研究機関
イギリス・スウォンジー大学
掲載誌
Clinical nutrition (Edinburgh, Scotland)
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
2,132人
結果の向き
良い方向

閉経後女性のまとめで、運動によりウエストが平均2.61cm細くなった。

[6]中年女性の肥満と血圧を下げるのに効果的な運動の種類

発表年
2021年
研究機関
韓国・スンチョンヒャン大学
掲載誌
Biological research for nursing
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
2,202人
結果の向き
結果が割れている

中年女性31件・2,202人のまとめで、運動による体重の減りは平均0.57kgだった。

[7]閉経前後の女性の体組成に対するHIITの効果

発表年
2020年
研究機関
フランス・クレルモン・オーヴェルニュ大学
掲載誌
Experimental physiology
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
959人
結果の向き
差なし

女性のHIITの研究38件・959人のまとめで、閉経後の女性でははっきりした効果が見られなかった。

[8]閉経後女性に対する筋トレの効果の系統的レビュー

発表年
2023年
研究機関
ブラジル・メトロポリタン・サントス大学
掲載誌
Menopause (New York, N.Y.)
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
452人
結果の向き
差なし

閉経後女性12件・452人のまとめで、筋トレによる体脂肪量の差ははっきりしなかった。

[9]健康な閉経後女性に対する筋トレの効果

発表年
2024年
研究機関
スペイン・UCAM ムルシア・カトリック大学
掲載誌
Climacteric : the journal of the International Menopause Society
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究12件を統合
結果の向き
結果が割れている

筋トレで体力や筋力ははっきり良くなったが、体組成への効果ははっきりしなかった。

[10]筋トレが筋力と体組成に与える影響: 遅すぎることはない

発表年
2026年
研究機関
ドイツ・IST応用科学大学
掲載誌
Journal of science and medicine in sport
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
4,019人
結果の向き
良い方向

女性4,019人・126件のまとめで、筋トレにより体脂肪量が減り筋肉量が増えた。

[11]運動と安静時の消費エネルギーのメタ解析

発表年
2020年
研究機関
オーストラリア・ボンド大学
掲載誌
Journal of sports sciences
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究18件を統合
結果の向き
良い方向

筋トレで安静時の消費エネルギーが1日平均96.17kcal増えた。閉経後の女性は対象外。

[12]減量プログラムでの体重の減り方の、閉経前後の比較

発表年
2020年
研究機関
オーストラリア・クイーンズランド大学
掲載誌
Menopause (New York, N.Y.)
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
791人
結果の向き
差なし

7本の論文・791人のまとめで、体重の減り方に閉経前と閉経後で差はなかった。

[13]閉経の移行期の体重変化を狙った生活習慣の介入

発表年
2014年
研究機関
カナダ・オタワ大学
掲載誌
Journal of obesity
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
研究3件を統合
結果の向き
良い方向

移行期の研究は3件で、質の高い1件では運動と食事の組み合わせが体脂肪の増加を抑えた。

[14]閉経の移行期の体重管理が骨密度に与える影響

発表年
2007年
研究機関
韓国・仁済大学
掲載誌
The Journal of clinical endocrinology and metabolism
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
373人
結果の向き
良い方向

373人を54か月追い、指導を受けたグループは体重が0.4kg減ったが、股関節の骨密度の減りが大きかった。

Health benefits of weight reduction in postmenopausal women: a systematic review.

発表年
2006年
研究機関
イギリス・Brown TJほかの研究チーム
掲載誌
The journal of the British Menopause Society
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
研究4件を統合
結果の向き
良い方向

太りぎみの閉経後女性への生活習慣の介入を調べた系統的レビューで、介入したグループの体重は6〜12か月で1.5〜9kg減っていた

Preventing Obesity in Midlife Women: A Systematic Review for the Women's Preventive Services Initiative.

発表年
2022年
研究機関
アメリカ・Cantor AGほかの研究チーム
掲載誌
Annals of internal medicine
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
51,638人
結果の向き
良い方向

肥満ではない40〜60歳の女性を対象にした7件のRCTのまとめで、食事と運動の個別指導(カウンセリング)は4件のRCTで体重の増え方を対照より0.87〜2.5kg抑えた。一方、運動だけの2件では差がなかった

Effects of combined dietary intervention and physical-cognitive exercise on cognitive function and cardiometabolic health of postmenopausal women with obesity: a randomized controlled trial.

発表年
2024年
研究機関
タイ・Keawtep Pほかの研究チーム
掲載誌
The international journal of behavioral nutrition and physical activity
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
92人
結果の向き
良い方向

肥満のある閉経後女性92人で、食事(週2日の断続的断食)・運動・その組み合わせのどのグループも、何もしないグループより体重・BMI・体脂肪量が改善した

ほかに参考にした論文(2本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。