[1]運動と安静時の消費エネルギーのメタ解析
- 発表年
- 2020年
- 研究機関
- オーストラリア・ボンド大学
- 掲載誌
- Journal of sports sciences
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 研究18件を統合
- 結果の向き
- 良い方向
筋トレをした人は運動しない人より安静時代謝が高く、有酸素運動では差がはっきりしませんでした。

はい。安静時代謝は平均で1日約96kcal増えます。増え方は小さめです。
大人の話です。体重が減るかどうかは、別の話です。
筋肉を増やす目的なら、筋トレを続ける価値があります。代謝の増え方は小さいので、「代謝を上げて痩せる」より、体脂肪を減らし、減量中に筋肉を守る使い方が研究の結果に近いです。食事制限に筋トレを加えると、除脂肪量が減りにくく、体脂肪は多く減りました [5]。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 14.5 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 18 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 87.5 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 4 本・RCT のメタ解析 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
代謝は、体が生きるために使うエネルギーのことで、じっとしていても使われる分を基礎代謝といいます。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、一日の消費エネルギーの約60%が基礎代謝とされ、年齢とともに下がる主な理由は筋肉などの除脂肪量の低下とされています。このため、筋トレで筋肉が増えると基礎代謝が上がると言われています。筋トレには器具を使う方法と自分の体重を使う方法があり、この記事ではどちらが良いかは比べていません。
オーストラリアのボンド大学などの研究チームが2020年に発表したメタ解析が、答えの中心です [1]。メタ解析とは、複数の研究の結果をまとめて、全体としてどれだけ差があるかを調べる方法です。安静時代謝は、何もしていないときに使うエネルギーで、基礎代謝に近い値です。
| 研究の種類 | 運動の研究18件をまとめたメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 代謝に影響する病気のある人・65歳以上・妊娠中や授乳中・閉経後の女性を除いた大人 |
| 比べたもの | 筋トレをした人 / 運動をしない人 |
| 結果 | 筋トレをした人で安静時代謝が平均96.17kcal/日多い |
有酸素運動では、はっきりした差は見られませんでした。
95%信頼区間(本当の値が入る範囲)は45.17〜147.16kcal/日です。含まれた研究は方法がばらばらで、偏りのリスクが高いものが多いです。1日の消費エネルギー全体から見ると、小さな変化です。有酸素運動も平均では81.65kcal/日多い結果でしたが、ばらつきが大きく(95%信頼区間は-57.81〜221.10)、差があるとは言えませんでした。筋トレのほうが有酸素運動より上がる、という比較ではありません。
高齢者の試験では結果が分かれています。平均67歳の健康な男性33人で、週2回の筋トレを12週間続けた群は、運動しない群より安静時代謝が36kcal/日多く増えましたが、日常の活動で使うエネルギーが90kcal/日減り、1日の総消費量は増えませんでした [7]。
12週間で除脂肪量は1.2kg増えたものの、安静時代謝は変わりませんでした [4]。
若い人の試験でも、増えない結果がありました。14〜18歳の肥満・太りぎみの人304人を、有酸素運動・筋トレ・両方・運動なしに分けた22週間の試験では、どの運動群も除脂肪量は増えましたが、安静時代謝は食事指導だけの群と比べて増えませんでした [12]。
減量中の代謝は、結果が分かれます。高度肥満の人が12週間、超低カロリー食で減量した試験では、筋トレをしない群で安静時代謝が328.6kcal/日下がり、筋トレをした群ではっきりした低下はありませんでした [13]。人数がごく少なく、確かな結果とは言えません。閉経後の太りぎみ・肥満の女性の試験では、食事制限に筋トレを加えても、下がり方は食事制限だけと変わりませんでした [14]。
運動の強さや量を急に上げると、けがや体調不良につながることがあります。持病や服薬中の人は、始める前に医師に確認してください。
高齢者や肥満の人の結果を、年齢や体格の違う人にそのまま当てはめないでください。
はい。筋トレで安静時代謝は平均で1日約96kcal増えますが、その量は小さめです。
年齢や食事の条件で変わり、増えなかった試験もあります。
代謝よりも、体脂肪を減らし、筋肉を増やして守る目的で続けるのが、研究に近い使い方です。
筋トレだけでは体重は減らないというメタ解析があります [[38031812]]。体脂肪は、運動しない人より平均1.0kg多く減りました [[35191588]]。代謝が増えたことが体脂肪の減少の理由かどうかは、研究では分かっていません。
平均では上がります。運動の研究18件のメタ解析で、筋トレをした人は運動しない人より安静時代謝が平均96kcal/日多くなりました [[32397898]]。ただし、高齢者や食事制限中の試験には、増えなかった結果もあります。
あります。除脂肪量が減りにくく、体脂肪は多く減りました。体重の減り方は変わりませんでした [[40909191]]。
筋トレをした人は運動しない人より安静時代謝が高く、有酸素運動では差がはっきりしませんでした。
筋トレだけで除脂肪量が増え、体脂肪も減りました。
筋トレをした群で安静時代謝が大きく増えました。
除脂肪量は増えましたが、安静時代謝は変わりませんでした。
食事制限に筋トレを加えると、除脂肪量が減りにくく、体脂肪は多く減りました。
高齢者のランダム化試験のメタ解析で、少なめの量の筋トレでも除脂肪量が増えました。
安静時代謝は増えましたが、日常の活動で使うエネルギーが減り、総消費量は増えませんでした。
筋トレは体脂肪を減らしましたが、体重は減らしませんでした。
筋トレを一度した後、安静時代謝は強度が高いほど大きく増え、数十時間で元に戻りました。
全身の筋トレの後、安静時代謝は24・48・72時間後に筋トレ前より高くなりました。
筋トレに慣れた男性では、強い筋トレの後も安静時代謝ははっきり増えませんでした。
肥満の若者304人で、筋トレなどを6か月続けても安静時代謝は食事指導だけの群と比べて増えなかった。
筋トレをしない群は安静時代謝が下がり、筋トレをした群ではっきりした低下はありませんでした。
食事制限に筋トレを加えても、エネルギー消費の下がり方は変わりませんでした。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。