プランクにはどんな効果がある?(体幹・腰痛)

プランクにはどんな効果がある?(体幹・腰痛)
読了目安 5〜7分最終更新日 2026.11.01
答え効く

効きます。慢性腰痛の痛みを軽くし、バランスやジャンプの力も上げます。

根拠

慢性腰痛の成人7,705人(比較試験57件)をまとめた解析で、体幹トレーニングをした人は対照より痛みが軽くなり、効果の大きさは中くらいでした [1]。コクランレビューも、深い体幹の筋肉を使う運動で、最小限の対応より長期でも痛みが平均12.97点低かったと報告しています [2]。根拠の確かさは低めです。まとめた研究の質を、コクランレビューが低〜中程度と評価しているためです。

この答えの範囲

プランクだけを調べた研究はほとんどなく、結果はピラティスなどを含む体幹トレーニング全般のものです。対象は原因のはっきりしない慢性腰痛で、急な腰痛では効果が示されていません。

じゃあ、どうする?

腰痛が長引いているなら、プランクを含む体幹トレーニングを試す価値があります。ただしほかの運動より優れてはいなかったので、続けやすさで選んで構いません。ヨガやピラティスでも痛みの改善が示されています [3]。お腹やせが目的なら、お腹の筋トレだけでは脂肪は減りません。痛みが強まるときは、医師や理学療法士に相談を。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。14 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 64 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量19.720研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 99.7 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 3 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を A から C に下げました。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

プランクとは

プランクは、うつぶせの姿勢から肘とつま先で体を支え、頭からかかとまで一直線に保つ運動です。お腹や背中の筋肉を使うとされ、器具がいらないのが特徴です。注意点は、腰に痛みがあるときに無理をしないことです。ここまでは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

プランクだけの研究は少ない

プランクだけを調べた研究はほとんどありません。研究の中心は、プランクを含む「体幹トレーニング」全般です。ピラティス、体幹安定化運動(お腹の深い筋肉から動かす運動)、体幹の筋力トレーニングなどが含まれます。この記事の結果は、プランクそのものではなく、この体幹トレーニング全般の結果です。

慢性腰痛の痛みは軽くなる

答えの中心は、中国民用航空飛行大学などの研究チームが2025年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の比較試験の結果を統計でまとめる方法です。

研究の種類比較試験のメタ解析
対象原因のはっきりしない慢性腰痛の成人(57件・7,705人)
比べたもの体幹トレーニング(ピラティス・体幹安定化・体幹の筋力トレーニング)と対照
結果3種類とも、対照より痛みが軽くなった
メタ解析の結果体幹トレーニングをした人は、対照より痛みが軽くなりました。効果の大きさは中くらいです(標準化平均差0.70)。

3種類のあいだに統計的な差はありませんでした [1]。

オーストラリアのシドニー大学などによる2016年のコクランレビュー(29件・2,431人)でも、お腹の深い筋肉を使う運動は、最小限の対応より長期でも痛みが平均12.97点低くなりました [2]。75件・5,254人を比べた2023年の解析では、体幹・安定化運動は何もしない場合より、腰痛による生活のしにくさが改善しました [3]。

根拠の確かさは低めです。コクランレビューが、まとめた研究の質を低〜中程度と評価しているためです。

ほかの運動と比べると

ほかの運動より優れてはいません。コクランレビューでは、体幹の運動はほかの運動より優れていませんでした [2]。中国の上海体育大学などの2012年の解析(5件・414人)では、一般的な運動より短期では痛みが平均1.29点低くなりましたが、6か月・12か月では差がありませんでした [4]。ヨガやピラティスなどでも痛みの改善が示されています [3]。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

急な腰痛(ぎっくり腰など)では、結果が違います。カナダのアルバータ大学などの2016年のコクランレビュー(3件・197人)では、体幹の運動はほかの治療や運動より痛みや生活のしにくさを改善しませんでした [5]。急な腰痛の運動療法をまとめた21件・2,685人のレビューのレビューでも、体幹安定化運動はほかの運動療法と比べて大きな差がありませんでした [6]。

差がなかった研究急な腰痛の人 197人(3件の試験)

体幹の運動は、ほかの治療や運動より痛みも生活のしにくさも改善しませんでした。

発症から数週間の亜急性の腰痛については、体幹安定化運動を使ってよいとする国際的な専門家の合意があります [7]。

体幹が鍛えられ、体が安定するのは本当?

健康な人では、バランスやジャンプに効きます。スペインのグラナダ大学などの2023年の解析(21件)では、4週間以上の体幹トレーニングでバランス(効果量1.17)と垂直跳び(効果量0.69)が改善しました。投げる・打つ速さには有意な差がありませんでした [8]。60歳以上の健康な高齢者でも、前に手を伸ばすバランステストが改善しています(標準化平均差0.82)[9]。

しくみの手がかりとして、10人の筋電図の実験では、プランクは軽〜中くらいの重さのスクワットや肩のプレスより、腹直筋がよく働きました [10]。

よく言われていることは本当?

  • 体幹が鍛えられ、体が安定する効きます。 バランスとジャンプで改善が確認されています [8]。
  • 腰痛の予防・改善に良い慢性腰痛の改善には効きます。 根拠の確かさは低めです。急な腰痛では効果が示されておらず、再発を防げるかはまだはっきりしていません [1] [5]。
  • お腹が引き締まる・お腹やせ効きません。 運動習慣のない24人が6週間腹筋運動をしても、お腹の脂肪・腹囲・体脂肪率は変わりませんでした [11]。肥満の手術を待つ21人の8週間の体幹安定化運動でも、体脂肪などは改善しませんでした [12]。
  • 姿勢が良くなる研究が足りません。 健康な人で体幹トレーニングによる姿勢の変化を比べた研究は、見つかっていません。
  • スポーツのパフォーマンスが上がる条件によります。 ジャンプは上がりましたが、投げる・打つ速さは変わらず [8]、体幹だけを狙った運動の上乗せは小さいとする24件のレビューもあります [13]。
  • 一日一分・30秒でも毎日続ければ効く研究が足りません。 プランクの時間や頻度を比べた研究は見つかっていません。

お腹の脂肪は、なぜ減らない?

答えは小さな試験3本が中心で、根拠の確かさは低めです。重りを使う腹筋運動をランニングに組み合わせた16人の試験では、胴まわりの脂肪が697g多く減りました。ただし体全体の脂肪の減り方は同程度で、プランクの研究でもありません [14]。お腹だけを動かしても、お腹の脂肪だけが減るとは言えません。

02注意点

研究の対象は、18〜65歳で12週以上続く原因のはっきりしない腰痛の成人です [1]。しびれや足に力が入らない症状がある人、腰痛が急に強まった人は、運動の前に医師に相談してください。持病や妊娠中の人も、医師や理学療法士に確認してください。

痛みが増すなら中止する

やり方や量は人によって合うものが違うので、痛みが強まるときは無理をせず専門家に相談してください。

03まとめ

プランクを含む体幹トレーニングは、慢性腰痛の痛みを軽くし、バランスやジャンプの力も上げます。
当てはまるのは慢性腰痛で、急な腰痛やお腹の脂肪には効果が示されていません。
腰痛が長引くなら、続けやすい運動の一つとして取り入れましょう。

04よくある質問

Qプランクは毎日やったほうがいい?

頻度を比べた研究は見つかっていません。メタ解析は、体幹トレーニング全般の結果です。筋肉痛が強いときは休むなど、体の様子に合わせてください。

Q一日一分でも効きますか?

プランクの時間を比べた研究は見つかっておらず、短時間で効くかは確かめられていません。

Q腰痛があるときにプランクをしてもいい?

慢性腰痛の人では痛みが軽くなりました [[41178988]]。急な腰痛では効果が示されていません [[26863390]]。痛みが増すなら中止し、医師に相談してください。

Qプランクで腹筋は割れますか?

お腹の脂肪が減るかを調べた試験では、お腹の筋トレだけで脂肪は減りませんでした [[21804427]]。腹筋が割れて見えるかは、研究では確かめられていません。

05参照した論文

判定に使った主な論文(14本)

[1]ピラティス・体幹安定化・体幹筋トレのメタ解析

発表年
2025年
研究機関
中国・中国民用航空飛行大学
掲載誌
Frontiers in physiology
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
7,705人
結果の向き
良い方向

慢性腰痛の成人7,705人(RCT57件)で、体幹トレーニングは対照より痛みを軽くした。効果の大きさは中くらい。

[2]慢性腰痛に対するモーターコントロール運動のコクラン・レビュー

発表年
2016年
研究機関
オーストラリア・シドニー大学
掲載誌
The Cochrane database of systematic reviews
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
2,431人
結果の向き
良い方向

慢性腰痛でRCT29件・2,431人。最小限の対応より長期でも痛みが平均12.97点低かった。

[3]慢性腰痛への運動療法のネットワークメタ解析

発表年
2023年
研究機関
中国・吉首大学
掲載誌
Frontiers in public health
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
5,254人
結果の向き
良い方向

RCT75件・5,254人。体幹・安定化運動は何もしない場合より生活のしにくさが改善した。

[4]慢性腰痛への体幹安定化運動と一般的な運動の比較

発表年
2012年
研究機関
中国・上海体育大学
掲載誌
PloS one
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
414人
結果の向き
結果が割れている

RCT5件・414人。体幹安定化運動は短期では痛みが平均1.29点低く、6か月・12か月では差がなかった。

[5]急な腰痛へのモーターコントロール運動(コクランレビュー)

発表年
2016年
研究機関
カナダ・アルバータ大学
掲載誌
The Cochrane database of systematic reviews
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
197人
結果の向き
差なし

急な腰痛の人197人(RCT3件)で、ほかの治療や運動より痛みも生活のしにくさも改善しなかった。

[6]急な腰痛への運動療法の、系統的レビューのレビュー

発表年
2020年
研究機関
スウェーデン・スコーネ地域医療センター
掲載誌
Systematic reviews
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
2,685人
結果の向き
差なし

急な腰痛の2,685人(21件)で、安定化運動はほかの運動療法と大きな差がなかった。

[7]急性・亜急性腰痛の理学療法の系統的レビューと専門家合意

発表年
2024年
研究機関
中国・温州医科大学
掲載誌
Clinical rehabilitation
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

体幹安定化・モーターコントロール運動は、亜急性の腰痛に使ってよいとされた。

[8]体幹トレーニングと運動能力の系統的レビューとメタ解析

発表年
2023年
研究機関
スペイン・グラナダ大学
掲載誌
Biology of sport
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究21件を統合
結果の向き
良い方向

健康な人の21件で、バランス(効果量1.17)と垂直跳び(効果量0.69)が改善。投げる・打つ速さには差がなかった。

[9]高齢者のバランスへの体幹トレーニングの効果

発表年
2025年
研究機関
中国・江西理工大学
掲載誌
Frontiers in public health
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究11件を統合
結果の向き
良い方向

60歳以上の健康な高齢者の11件で、前に手を伸ばすバランステストが改善した(標準化平均差0.82)。

[10]体幹の運動と筋力トレーニングの筋電図の比較

発表年
2011年
研究機関
イギリス・サルフォード大学
掲載誌
Journal of strength and conditioning research
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

10人の筋電図の実験で、プランクはスクワットや肩のプレスより腹直筋がよく働いた。

[11]腹筋運動がお腹の脂肪に与える効果

発表年
2011年
研究機関
アメリカ・南イリノイ大学エドワーズビル校
掲載誌
Journal of strength and conditioning research
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
24人
結果の向き
差なし

運動習慣のない24人の試験で、6週間の腹筋運動はお腹の脂肪・腹囲・体脂肪率を減らさなかった。

[12]肥満の手術を待つ人への体幹安定化運動の効果

発表年
2021年
研究機関
トルコ・イスタンブール大学
掲載誌
Complementary therapies in clinical practice
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
21人
結果の向き
差なし

21人の試験で、8週間の体幹安定化運動は体力や生活の質を改善したが、体組成は改善しなかった。

[13]体幹だけを狙う運動と組み合わせの運動が運動能力に与える効果

発表年
2012年
研究機関
アメリカ・シンシナティ小児病院医療センター
掲載誌
Sports medicine (Auckland, N.Z.)
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
研究24件を統合
結果の向き
結果が割れている

24件のレビューで、体幹だけを狙ったトレーニングの運動能力への上乗せは小さかった。

[14]お腹の運動でその部分の脂肪が減るかを調べた試験

発表年
2023年
研究機関
ノルウェー・モルデ大学
掲載誌
Physiological reports
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
16人
結果の向き
良い方向

太りぎみの男性16人で、胴まわりの脂肪が697g多く減ったが、体全体の脂肪の減り方は同程度だった。

ほかに参考にした論文(12本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。