[1]ピラティス・体幹安定化・体幹筋トレのメタ解析
- 発表年
- 2025年
- 研究機関
- 中国・中国民用航空飛行大学
- 掲載誌
- Frontiers in physiology
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 7,705人
- 結果の向き
- 良い方向
慢性腰痛の成人7,705人(RCT57件)で、体幹トレーニングは対照より痛みを軽くした。効果の大きさは中くらい。

効きます。慢性腰痛の痛みを軽くし、バランスやジャンプの力も上げます。
プランクだけを調べた研究はほとんどなく、結果はピラティスなどを含む体幹トレーニング全般のものです。対象は原因のはっきりしない慢性腰痛で、急な腰痛では効果が示されていません。
腰痛が長引いているなら、プランクを含む体幹トレーニングを試す価値があります。ただしほかの運動より優れてはいなかったので、続けやすさで選んで構いません。ヨガやピラティスでも痛みの改善が示されています [3]。お腹やせが目的なら、お腹の筋トレだけでは脂肪は減りません。痛みが強まるときは、医師や理学療法士に相談を。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 19.7 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 99.7 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 3 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を A から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
プランクは、うつぶせの姿勢から肘とつま先で体を支え、頭からかかとまで一直線に保つ運動です。お腹や背中の筋肉を使うとされ、器具がいらないのが特徴です。注意点は、腰に痛みがあるときに無理をしないことです。ここまでは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。
プランクだけを調べた研究はほとんどありません。研究の中心は、プランクを含む「体幹トレーニング」全般です。ピラティス、体幹安定化運動(お腹の深い筋肉から動かす運動)、体幹の筋力トレーニングなどが含まれます。この記事の結果は、プランクそのものではなく、この体幹トレーニング全般の結果です。
答えの中心は、中国民用航空飛行大学などの研究チームが2025年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の比較試験の結果を統計でまとめる方法です。
| 研究の種類 | 比較試験のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 原因のはっきりしない慢性腰痛の成人(57件・7,705人) |
| 比べたもの | 体幹トレーニング(ピラティス・体幹安定化・体幹の筋力トレーニング)と対照 |
| 結果 | 3種類とも、対照より痛みが軽くなった |
3種類のあいだに統計的な差はありませんでした [1]。
オーストラリアのシドニー大学などによる2016年のコクランレビュー(29件・2,431人)でも、お腹の深い筋肉を使う運動は、最小限の対応より長期でも痛みが平均12.97点低くなりました [2]。75件・5,254人を比べた2023年の解析では、体幹・安定化運動は何もしない場合より、腰痛による生活のしにくさが改善しました [3]。
根拠の確かさは低めです。コクランレビューが、まとめた研究の質を低〜中程度と評価しているためです。
ほかの運動より優れてはいません。コクランレビューでは、体幹の運動はほかの運動より優れていませんでした [2]。中国の上海体育大学などの2012年の解析(5件・414人)では、一般的な運動より短期では痛みが平均1.29点低くなりましたが、6か月・12か月では差がありませんでした [4]。ヨガやピラティスなどでも痛みの改善が示されています [3]。
急な腰痛(ぎっくり腰など)では、結果が違います。カナダのアルバータ大学などの2016年のコクランレビュー(3件・197人)では、体幹の運動はほかの治療や運動より痛みや生活のしにくさを改善しませんでした [5]。急な腰痛の運動療法をまとめた21件・2,685人のレビューのレビューでも、体幹安定化運動はほかの運動療法と比べて大きな差がありませんでした [6]。
体幹の運動は、ほかの治療や運動より痛みも生活のしにくさも改善しませんでした。
発症から数週間の亜急性の腰痛については、体幹安定化運動を使ってよいとする国際的な専門家の合意があります [7]。
健康な人では、バランスやジャンプに効きます。スペインのグラナダ大学などの2023年の解析(21件)では、4週間以上の体幹トレーニングでバランス(効果量1.17)と垂直跳び(効果量0.69)が改善しました。投げる・打つ速さには有意な差がありませんでした [8]。60歳以上の健康な高齢者でも、前に手を伸ばすバランステストが改善しています(標準化平均差0.82)[9]。
しくみの手がかりとして、10人の筋電図の実験では、プランクは軽〜中くらいの重さのスクワットや肩のプレスより、腹直筋がよく働きました [10]。
答えは小さな試験3本が中心で、根拠の確かさは低めです。重りを使う腹筋運動をランニングに組み合わせた16人の試験では、胴まわりの脂肪が697g多く減りました。ただし体全体の脂肪の減り方は同程度で、プランクの研究でもありません [14]。お腹だけを動かしても、お腹の脂肪だけが減るとは言えません。
研究の対象は、18〜65歳で12週以上続く原因のはっきりしない腰痛の成人です [1]。しびれや足に力が入らない症状がある人、腰痛が急に強まった人は、運動の前に医師に相談してください。持病や妊娠中の人も、医師や理学療法士に確認してください。
やり方や量は人によって合うものが違うので、痛みが強まるときは無理をせず専門家に相談してください。
プランクを含む体幹トレーニングは、慢性腰痛の痛みを軽くし、バランスやジャンプの力も上げます。
当てはまるのは慢性腰痛で、急な腰痛やお腹の脂肪には効果が示されていません。
腰痛が長引くなら、続けやすい運動の一つとして取り入れましょう。
頻度を比べた研究は見つかっていません。メタ解析は、体幹トレーニング全般の結果です。筋肉痛が強いときは休むなど、体の様子に合わせてください。
プランクの時間を比べた研究は見つかっておらず、短時間で効くかは確かめられていません。
慢性腰痛の人では痛みが軽くなりました [[41178988]]。急な腰痛では効果が示されていません [[26863390]]。痛みが増すなら中止し、医師に相談してください。
お腹の脂肪が減るかを調べた試験では、お腹の筋トレだけで脂肪は減りませんでした [[21804427]]。腹筋が割れて見えるかは、研究では確かめられていません。
慢性腰痛の成人7,705人(RCT57件)で、体幹トレーニングは対照より痛みを軽くした。効果の大きさは中くらい。
慢性腰痛でRCT29件・2,431人。最小限の対応より長期でも痛みが平均12.97点低かった。
RCT75件・5,254人。体幹・安定化運動は何もしない場合より生活のしにくさが改善した。
RCT5件・414人。体幹安定化運動は短期では痛みが平均1.29点低く、6か月・12か月では差がなかった。
急な腰痛の人197人(RCT3件)で、ほかの治療や運動より痛みも生活のしにくさも改善しなかった。
急な腰痛の2,685人(21件)で、安定化運動はほかの運動療法と大きな差がなかった。
体幹安定化・モーターコントロール運動は、亜急性の腰痛に使ってよいとされた。
健康な人の21件で、バランス(効果量1.17)と垂直跳び(効果量0.69)が改善。投げる・打つ速さには差がなかった。
60歳以上の健康な高齢者の11件で、前に手を伸ばすバランステストが改善した(標準化平均差0.82)。
10人の筋電図の実験で、プランクはスクワットや肩のプレスより腹直筋がよく働いた。
運動習慣のない24人の試験で、6週間の腹筋運動はお腹の脂肪・腹囲・体脂肪率を減らさなかった。
21人の試験で、8週間の体幹安定化運動は体力や生活の質を改善したが、体組成は改善しなかった。
24件のレビューで、体幹だけを狙ったトレーニングの運動能力への上乗せは小さかった。
太りぎみの男性16人で、胴まわりの脂肪が697g多く減ったが、体全体の脂肪の減り方は同程度だった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。