[1]健康な大人の筋トレが体脂肪に与える効果のメタ解析
- 発表年
- 2022年
- 研究機関
- オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学
- 掲載誌
- Sports medicine (Auckland, N.Z.)
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 研究54件を統合
- 結果の向き
- 良い方向
筋トレで体脂肪率が平均1.46ポイント、体脂肪の量が0.55kg低下し、内臓脂肪も減った。

体脂肪は減ります。体重は、はっきりとは減りません。
運動しない場合と比べた、大人の体脂肪の話です。
体重計の数字より、体脂肪率やウエストで変化を見ましょう。食事の見直しと組み合わせると、減り方が最も大きくなりました [2]。有酸素運動との使い分けは HIITは普通の有酸素運動より脂肪が落ちる? も参考になります。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 19.2 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 20.2 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 2 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 91.4 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・RCT のメタ解析 4 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を A から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
筋トレは、おもりや自分の体重を使って筋肉に負荷をかける運動です。スクワット、腕立て伏せ、ダンベルを使った運動などがあります。筋肉を増やし、体の脂肪を減らす効果があるとされます。「痩せる」には体重が減ることと体脂肪が減ることの2つの意味があり、研究では分けて測られています。
答えの中心は、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学などの研究チームが2022年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算する方法です。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 健康な大人 |
| 比べたもの | 全身の筋トレを4週間以上行う群と、運動しない群 |
| 結果 | 筋トレ群は体脂肪率が平均1.46ポイント、体脂肪の量が0.55kg低下し、内臓脂肪も減った |
男女で効果の差はありませんでした [1]。
見た目に劇的な差が出る大きさではありませんが、運動しない人と比べて確かに下がりました。
太り気味・肥満の人を集めた別のメタ解析でも、筋トレだけで体脂肪率が1.6ポイント、体脂肪が1.0kg減りました [2]。食事制限と組み合わせると体脂肪率が3.8ポイント、体脂肪が5.3kg減り、効果が最も大きくなりました。筋トレだけの群では、筋肉などの除脂肪量が0.8kg増えました。
一方、体重そのものは別です。84件の試験を比べたネットワークメタ解析では、有酸素運動などは体重を減らしましたが、筋トレは体重がはっきりとは減りませんでした [3]。筋トレだけの群では脂肪が1.0kg減る一方で除脂肪量が0.8kg増えていたため [2]、その分が打ち消し合っている可能性があります。体重計が動かなくても、体脂肪は減っています。
上がりますが、大きくはありません。18件のメタ解析では、筋トレをした人は安静時の消費エネルギーが1日平均96.17kcal多くなりました [4]。ただし研究の方法はばらばらで、偏りのリスクが高いと著者は述べています。高齢男性33人の試験では、安静時の代謝は1日36kcal増えたものの、日常の活動で使うエネルギーが減り、1日全体の消費は増えませんでした [5]。詳しくは 筋トレで代謝は上がる? をご覧ください。
閉経後の女性だけを集めたメタ解析では、筋トレで脂肪の量が3.15kg減る傾向でしたが、はっきりした差とはいえませんでした [7]。対象が12件・452人と小さく、最長16週間の試験が中心で、確実性は低いと評価されています。一方、週3回・15週間の指導つきの筋トレを行った閉経後の女性65人の試験では、予定の回数をおおむね守れた人で、おなかの皮下脂肪と内臓脂肪がはっきり減りました [9]。ただしこの解析は回数を守れた人だけが対象なので、効果が大きめに出ている可能性があります。
脂肪の量は減る傾向でしたが、はっきりした差とはいえませんでした。
研究の多くは、4週間以上の全身の筋トレを、運動しない人と比べたものです [1]。先ほどの閉経後の女性の試験は、指導者がつき、週3回・15週間でした [9]。自己流で短期間の場合に同じ結果になるとは限りません。持病や痛みがある人、運動に慣れていない人は、始める前に医師や運動の指導者に確認してください。
体脂肪率やウエストも測ると、変化に気づきやすくなります。
筋トレは体脂肪を減らしますが、体重はあまり減りません。
太り気味の人では、食事の見直しと組み合わせたときに効果が最も大きくなりました。
まず体脂肪率かウエストを測ってから、全身の筋トレを続けてみましょう。
中心の解析は、4週間以上の筋トレを集めたものです [[34536199]]。何週間で何kg減るかは、研究から言えません。
順番による体脂肪の差を調べた解析は、この調査では確かめられていません。
研究では確かめられていません。全身の筋トレで内臓脂肪が減った報告 [[34536199]] と、おなかの皮下脂肪が減った報告 [[38031812]] はあります。
筋トレで体脂肪率が平均1.46ポイント、体脂肪の量が0.55kg低下し、内臓脂肪も減った。
筋トレだけで体脂肪率が1.6ポイント減り、食事制限と組み合わせると3.8ポイント減った。
筋トレは体脂肪や腹囲を減らしたが、体重ははっきりとは減らなかった。
筋トレをした人は安静時の消費エネルギーが1日平均96.17kcal多かった。
安静時の代謝は1日36kcal増えたが、1日全体の消費エネルギーは増えなかった。
10週間以上では有酸素運動のほうが体脂肪の量が1.06kg多く減ったが、体脂肪率に差はなかった。
脂肪の量は減る傾向だったが、はっきりした差とはいえなかった。
2型糖尿病と肥満がある人(ランダム化比較試験23件)のメタ解析で、有酸素運動は筋トレより体脂肪率が0.34ポイント高くなり、筋肉などの除脂肪量も0.86kg保たれにくかった
週に2回以上きちんと続けた人は、おなかの皮下脂肪と内臓脂肪がはっきり減った。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。