スクワットなどの筋トレで痩せる?

スクワットなどの筋トレで痩せる?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え効く

体脂肪は減ります。体重は、はっきりとは減りません。

根拠

健康な大人を対象にした比較試験のメタ解析で、筋トレをした人は運動しない人より体脂肪率が平均1.46ポイント、体脂肪の量が0.55kg低下し、内臓脂肪も減りました [1]。太り気味の人でも体脂肪率が1.6ポイント減り、食事制限と組み合わせると3.8ポイント減りました [2]。一方、体重そのものは筋トレだけでははっきり減りませんでした [3]。根拠の確かさは低めです。対象や条件によって結果にばらつきがあるためです。

この答えの範囲

運動しない場合と比べた、大人の体脂肪の話です。

じゃあ、どうする?

体重計の数字より、体脂肪率やウエストで変化を見ましょう。食事の見直しと組み合わせると、減り方が最も大きくなりました [2]。有酸素運動との使い分けは HIITは普通の有酸素運動より脂肪が落ちる? も参考になります。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。9 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 64 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量19.220研究件数と参加人数
一致度20.225結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度25信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 91.4 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・RCT のメタ解析 4 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を A から C に下げました。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

筋トレで痩せるとは

筋トレは、おもりや自分の体重を使って筋肉に負荷をかける運動です。スクワット、腕立て伏せ、ダンベルを使った運動などがあります。筋肉を増やし、体の脂肪を減らす効果があるとされます。「痩せる」には体重が減ることと体脂肪が減ることの2つの意味があり、研究では分けて測られています。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学などの研究チームが2022年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、同じテーマの試験の結果を集めて、まとめて計算する方法です。

研究の種類ランダム化比較試験のメタ解析
対象健康な大人
比べたもの全身の筋トレを4週間以上行う群と、運動しない群
結果筋トレ群は体脂肪率が平均1.46ポイント、体脂肪の量が0.55kg低下し、内臓脂肪も減った
まとめて分析した結果筋トレで、体脂肪率は平均1.46ポイント下がりました。

男女で効果の差はありませんでした [1]。

見た目に劇的な差が出る大きさではありませんが、運動しない人と比べて確かに下がりました。

太り気味の人や、体重の場合は?

太り気味・肥満の人を集めた別のメタ解析でも、筋トレだけで体脂肪率が1.6ポイント、体脂肪が1.0kg減りました [2]。食事制限と組み合わせると体脂肪率が3.8ポイント、体脂肪が5.3kg減り、効果が最も大きくなりました。筋トレだけの群では、筋肉などの除脂肪量が0.8kg増えました。

一方、体重そのものは別です。84件の試験を比べたネットワークメタ解析では、有酸素運動などは体重を減らしましたが、筋トレは体重がはっきりとは減りませんでした [3]。筋トレだけの群では脂肪が1.0kg減る一方で除脂肪量が0.8kg増えていたため [2]、その分が打ち消し合っている可能性があります。体重計が動かなくても、体脂肪は減っています。

筋トレで基礎代謝は上がる?

上がりますが、大きくはありません。18件のメタ解析では、筋トレをした人は安静時の消費エネルギーが1日平均96.17kcal多くなりました [4]。ただし研究の方法はばらばらで、偏りのリスクが高いと著者は述べています。高齢男性33人の試験では、安静時の代謝は1日36kcal増えたものの、日常の活動で使うエネルギーが減り、1日全体の消費は増えませんでした [5]。詳しくは 筋トレで代謝は上がる? をご覧ください。

よく言われていることは本当?

  • 筋トレで体脂肪が落ちる本当です。 運動しない人より体脂肪率が平均1.46ポイント下がりました [1]。
  • 筋肉が増えると基礎代謝が上がり、痩せやすくなる上がりますが、小さいです。 増えるのは1日平均96.17kcalで、活動量が減って打ち消された試験もあります [4] [5]。
  • 有酸素運動のほうが痩せる条件によります。 10週間以上続けた健康な大人では、有酸素運動のほうが体脂肪の量が1.06kg、体重が1.82kg多く減りましたが、体脂肪率に差はなく、除脂肪量は筋トレのほうが0.88kg多く保たれました [6]。運動の量をそろえた試験では、体脂肪の減り方に差はありませんでした。一方、閉経後の女性の解析 [7] や、2型糖尿病と肥満のある人の解析 [8] では、筋トレのほうが脂肪が減りました。
  • 筋トレをすると筋肉で体重が増えて太る脂肪の面では逆です。 体脂肪は減りました [1]。体重ははっきり減りませんが、増えるのは主に筋肉などの除脂肪量です [2]。
  • スクワットでお腹の脂肪が落ちる条件によります。 全身の筋トレで内臓脂肪は減りましたが [1]、太り気味の女性や体脂肪率40%以上の人では内臓脂肪への効果が見られませんでした [3]。スクワットだけで狙う研究は確かめられていません。
  • 下半身を鍛えると成長ホルモンが出て脂肪が燃える研究では確かめられていません。 体脂肪の減少そのものは上の結果のとおりです。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

閉経後の女性だけを集めたメタ解析では、筋トレで脂肪の量が3.15kg減る傾向でしたが、はっきりした差とはいえませんでした [7]。対象が12件・452人と小さく、最長16週間の試験が中心で、確実性は低いと評価されています。一方、週3回・15週間の指導つきの筋トレを行った閉経後の女性65人の試験では、予定の回数をおおむね守れた人で、おなかの皮下脂肪と内臓脂肪がはっきり減りました [9]。ただしこの解析は回数を守れた人だけが対象なので、効果が大きめに出ている可能性があります。

差がはっきりしなかった解析閉経後の女性 452人(12件の試験)

脂肪の量は減る傾向でしたが、はっきりした差とはいえませんでした。

02注意点

研究の多くは、4週間以上の全身の筋トレを、運動しない人と比べたものです [1]。先ほどの閉経後の女性の試験は、指導者がつき、週3回・15週間でした [9]。自己流で短期間の場合に同じ結果になるとは限りません。持病や痛みがある人、運動に慣れていない人は、始める前に医師や運動の指導者に確認してください。

体重計だけで判断しない

体脂肪率やウエストも測ると、変化に気づきやすくなります。

03まとめ

筋トレは体脂肪を減らしますが、体重はあまり減りません。
太り気味の人では、食事の見直しと組み合わせたときに効果が最も大きくなりました。
まず体脂肪率かウエストを測ってから、全身の筋トレを続けてみましょう。

04よくある質問

Q筋トレは何週間続ければ効果が出ますか?

中心の解析は、4週間以上の筋トレを集めたものです [[34536199]]。何週間で何kg減るかは、研究から言えません。

Q筋トレと有酸素運動は、どちらを先にすると脂肪が燃えやすいですか?

順番による体脂肪の差を調べた解析は、この調査では確かめられていません。

Q毎日スクワットをすれば、お腹だけ細くなりますか?

研究では確かめられていません。全身の筋トレで内臓脂肪が減った報告 [[34536199]] と、おなかの皮下脂肪が減った報告 [[38031812]] はあります。

05参照した論文

判定に使った主な論文(9本)

[1]健康な大人の筋トレが体脂肪に与える効果のメタ解析

発表年
2022年
研究機関
オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学
掲載誌
Sports medicine (Auckland, N.Z.)
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究54件を統合
結果の向き
良い方向

筋トレで体脂肪率が平均1.46ポイント、体脂肪の量が0.55kg低下し、内臓脂肪も減った。

[2]太りぎみ・肥満の人の筋トレが体組成に与える効果

発表年
2022年
研究機関
オーストラリア・エディス・コーワン大学
掲載誌
Obesity reviews : an official journal of the International Association for the Study of Obesity
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
4,184人
結果の向き
良い方向

筋トレだけで体脂肪率が1.6ポイント減り、食事制限と組み合わせると3.8ポイント減った。

[3]運動の種類ごとの内臓脂肪への効果を比べたネットワークメタ解析

発表年
2024年
研究機関
中国・清華大学
掲載誌
Obesity reviews : an official journal of the International Association for the Study of Obesity
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
4,836人
結果の向き
良い方向

筋トレは体脂肪や腹囲を減らしたが、体重ははっきりとは減らなかった。

[4]運動と安静時の消費エネルギーのメタ解析

発表年
2020年
研究機関
オーストラリア・ボンド大学
掲載誌
Journal of sports sciences
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究18件を統合
結果の向き
良い方向

筋トレをした人は安静時の消費エネルギーが1日平均96.17kcal多かった。

[5]高齢男性の筋トレと高たんぱく食が24時間の消費エネルギーに与える影響

発表年
2022年
研究機関
イギリス・コヴェントリー大学
掲載誌
Physiological reports
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
33人
結果の向き
良い方向

安静時の代謝は1日36kcal増えたが、1日全体の消費エネルギーは増えなかった。

[6]筋トレと有酸素運動の体脂肪の減り方を比べたメタ解析

発表年
2025年
研究機関
アメリカ・サウスフロリダ大学
掲載誌
Journal of the International Society of Sports Nutrition
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,564人
結果の向き
良い方向

10週間以上では有酸素運動のほうが体脂肪の量が1.06kg多く減ったが、体脂肪率に差はなかった。

[7]閉経後女性に対する筋トレの効果の系統的レビュー

発表年
2023年
研究機関
ブラジル・メトロポリタン・サントス大学
掲載誌
Menopause (New York, N.Y.)
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
452人
結果の向き
差なし

脂肪の量は減る傾向だったが、はっきりした差とはいえなかった。

[8]Comparative Effectiveness of Aerobic Exercise versus Resistance Training on Cardiometabolic Health in Patients with Diabesity: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials.

発表年
2026年
研究機関
インド・Al-Mhanna SBほかの研究チーム
掲載誌
Journal of sports science & medicine
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,184人
結果の向き
悪い方向

2型糖尿病と肥満がある人(ランダム化比較試験23件)のメタ解析で、有酸素運動は筋トレより体脂肪率が0.34ポイント高くなり、筋肉などの除脂肪量も0.86kg保たれにくかった

[9]閉経後の女性の筋トレがおなかの脂肪に与える効果

発表年
2023年
研究機関
スウェーデン・リンショーピング大学
掲載誌
Maturitas
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
65人
結果の向き
良い方向

週に2回以上きちんと続けた人は、おなかの皮下脂肪と内臓脂肪がはっきり減った。

ほかに参考にした論文(16本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。