サウナに入ると心臓や血管にいい?

サウナに入ると心臓や血管にいい?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え良い関連がある

サウナを週4〜7回使う人は、心臓・血管の病気で亡くなることが少ない、という関連があります。

根拠

フィンランドの観察研究2件・合計4003人で、サウナが週4〜7回の人は週1回の人より、心臓突然死 (ハザード比0.37) や心血管病による死亡 (ハザード比0.23) が少ない関連が見られました [1] [2]。一方、温める習慣を続けたRCT20件のまとめでは、血管の指標に差は出ていません [3]。根拠の確かさは低めです。この関連は観察研究だけで、同じ地域の集団の研究が中心だからです。

この答えの範囲

中高年のフィンランドの人たちの話です。

じゃあ、どうする?

サウナは、心臓や血管を守る方法として確かめられたものではありません。入るなら、体調のよい日に、水分をとって無理のない時間で。心臓病や高血圧で治療中の人は、医師に相談してからにしましょう。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。8 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 64 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン2040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量12.220研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ610最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 68.2 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、観察研究 2 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

サウナとは

サウナは、高温の部屋に入って体を温める入浴法です。心臓や血管、血圧によいとされ、フィンランド式の乾いたサウナなどがあります。研究では、フィンランドの人たちを対象にしたものが多いのが特徴です。注意点は、入っている間は心拍数が上がることで、持病のある人は医師への確認が欠かせません。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、フィンランドの東フィンランド大学の研究チームが2015年に発表したコホート研究です [1]。コホート研究とは、たくさんの人を長く追いかけ、習慣の違いと病気の起こりやすさを比べる方法です。東フィンランドに住む42〜60歳の男性2315人を約20.7年追跡しました。

研究の種類フィンランドで行われたコホート研究 (観察研究) 2件
対象中高年の男性2315人と、男女1688人 (53〜74歳)
比べたものサウナが週4〜7回の人と、週1回の人
結果週4〜7回の人で、心臓突然死と心血管病による死亡が少なかった
観察研究の結果サウナが週4〜7回の人は、週1回の人より心臓突然死が少ない関連がありました (ハザード比0.37) [1]。

男女1688人を15.0年追った研究でも、心血管病による死亡が少ない関連が見られました (ハザード比0.23) [2]。

ハザード比は、1より小さいほど、その出来事が起こりにくかったことを示す数字です。どちらの研究も、心血管病の危険因子をそろえて比べています。ただし、サウナが週2〜3回の人では、差ははっきりしませんでした [2]。

体力や生活の違いは影響している?

同じフィンランドの男性の集団を追った別の研究 (2277人・26.1年) では、サウナが週3〜7回の人は週2回以下の人より心血管病による死亡が少なく、体力が高くサウナも多い人で最も少なくなりました [4]。サウナをよく使う人は、もともと体力が高いなど、生活の違いがある可能性があります。観察研究では、この違いを完全には取り除けません。

よく言われていることは本当?

  • 心臓病や突然死のリスクを下げる・長生きにつながる関連はあります。 フィンランドの観察研究で、サウナが週3〜7回の人は、すべての原因による死亡も少ない関連が見られました (ハザード比0.86) [5]。ただしRCTは無く、サウナが原因かどうかは分かりません。
  • 血圧を下げる効きません。 温める習慣を2〜15週続けたRCT20件のまとめでは、収縮期血圧は平均2.46mmHg下がりましたが、はっきりした差とは言えず、効果は確認されていません [3]。体全体を温める方法に限ると4.11mmHg下がっていましたが、研究ごとのばらつきが大きく、著者は慎重に解釈すべきとしています [3]。
  • 血管が広がって血流が良くなる・血管がしなやかになる効きません。 同じRCT20件のまとめで、血管の広がりやすさ (FMD) や動脈の硬さ (脈波伝播速度) に、はっきりした差はありませんでした [3]。

なぜ心臓や血管によいと考えられている?

総説では、血管の広がりやすさの改善、動脈の硬さの低下、自律神経の調整、血圧の低下などが、しくみとして考えられています。ただし、これは仮説の段階です [6]。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

週4回のフィンランド式サウナを8週間続けた試験では、血管の指標も血圧も良くなりませんでした。観察研究で見えた関連と、試験で測った血圧・血管の変化は、別の問いです。試験は期間が数週間と短く、観察研究は十数年の追跡で、死亡という別の結果を見ています [7]。

差がなかった試験安定した冠動脈の病気がある41人 (平均62歳)

79°Cのサウナに20〜30分ずつ、週4回を8週間続けても、血圧や血管の指標は対照群と差がありませんでした。

運動のあとにサウナに入る方法では、47人の試験で、運動だけの人より8週間後の収縮期血圧が8.0mmHg低くなりました [8]。これは1本の小さな試験の結果です。

02注意点

研究の対象は、中高年のフィンランドの人たちです。日本人を対象にした研究は見つかっていません。サウナの使い方もフィンランド式の乾いたサウナが中心で、日本の施設で一般的な使い方と同じとは限りません。高血圧や心臓病で治療中の人、持病や服薬のある人は、入る前に医師や薬剤師に確認してください。

観察研究の結果を、サウナの効果と読まない

週4〜7回の人で心臓・血管の病気が少なかったのは関連で、サウナが原因とは確かめられていません。

03まとめ

サウナをよく使う人で心臓・血管の病気が少ない関連はありますが、根拠の確かさは低めです。
日本人のデータはなく、体力や生活の違いの影響も分けられていません。
サウナは楽しみとして、無理のない範囲で。治療中の人は医師に相談してから入りましょう。

04よくある質問

Q毎日入ったほうがいいですか?

研究で調べられたのは、週4〜7回の人と週1回の人の比較です。毎日入ると心臓によい、とは確かめられていません。持病のある人は医師に相談してください。

Q日本人にも当てはまりますか?

今回集めた研究はフィンランドの人たちの結果で、日本の人で同じになるかは確かめられていません。

Q運動のあとにサウナに入ると血圧が下がりますか?

47人の試験で、運動だけの人より収縮期血圧が8.0mmHg低くなりました [[35785965]]。1本の小さな試験なので、ほかの研究での確認が必要です。

05参照した論文

判定に使った主な論文(8本)

[1]サウナ入浴と、心血管病・全死亡による死亡との関連

発表年
2015年
研究機関
フィンランド・東フィンランド大学
掲載誌
JAMA internal medicine
研究の種類
コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
対象
2,315人
結果の向き
良い方向

42〜60歳の男性2315人を約20.7年追跡。サウナが週4〜7回の人は心臓突然死が少なかった。

[2]サウナ入浴と心血管病による死亡の少なさとの関連 (男女の研究)

発表年
2018年
研究機関
フィンランド・東フィンランド大学
掲載誌
BMC medicine
研究の種類
コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
対象
1,688人
結果の向き
良い方向

男女1688人を15.0年追跡。サウナが週4〜7回の人は心血管病による死亡が少なかった。

[3]温める習慣が心血管の危険因子と血管に与える影響のRCTのメタ解析

発表年
2025年
研究機関
アメリカ・ブリガム・アンド・ウィメンズ病院
掲載誌
American journal of preventive cardiology
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究20件を統合
結果の向き
差なし

RCT20件で、収縮期血圧は平均2.46mmHg下がったが差は明確でなく、FMDなども差がなかった。

[4]サウナ入浴と体力を合わせた、死亡リスクとの関連

発表年
2018年
研究機関
イギリス・ブリストル大学
掲載誌
Annals of medicine
研究の種類
コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
対象
2,277人
結果の向き
良い方向

男性2277人を26.1年追跡。体力が高くサウナも多い人で心血管病による死亡が最も少なかった。

[5]炎症・サウナ入浴と全死亡の関連

発表年
2022年
研究機関
イギリス・ブリストル大学
掲載誌
European journal of epidemiology
研究の種類
コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
対象
2,575人
結果の向き
良い方向

サウナが週3〜7回の人は、週2回以下の人よりすべての原因による死亡が少なかった。

[6]サウナ入浴の心血管などへの健康効果の総説

発表年
2018年
研究機関
フィンランド・ユヴァスキュラ大学
掲載誌
Mayo Clinic proceedings
研究の種類
その他の研究上のどれにも当てはまらない研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

血管の広がりやすさや血圧への作用などが、しくみとして考えられている (仮説の段階)。

[7]冠動脈疾患のある人のフィンランド式サウナと血管の健康のRCT

発表年
2023年
研究機関
カナダ・モントリオール心臓研究所
掲載誌
Journal of applied physiology (Bethesda, Md. : 1985)
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
41人
結果の向き
差なし

41人が週4回のサウナを8週間続けても、血圧や血管の指標は良くならなかった。

[8]運動とサウナ入浴を組み合わせた心血管機能への効果のRCT

発表年
2022年
研究機関
フィンランド・ユヴァスキュラ大学
掲載誌
American journal of physiology. Regulatory, integrative and comparative physiology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
47人
結果の向き
良い方向

47人で、運動後のサウナの人は運動だけの人より8週間後の収縮期血圧が8.0mmHg低かった。

ほかに参考にした論文(7本)

判定「良い関連がある」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。