難消化性デキストリンで食後の血糖値は上がりにくい?

難消化性デキストリンで食後の血糖値は上がりにくい?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え効く

上がりにくくなります。食後の血糖の上がり方が、飲み物で約20%、食べ物に混ぜて約10%小さくなります。

根拠

健康な大人のランダム化比較試験37件のまとめで、でんぷん質の食べ物の食後血糖の上がり方は、6 gを飲み物でとると約20%、食べ物に混ぜると約10%小さくなりました [1]。脂肪の多い食事と一緒にとると、食後の中性脂肪の上がり方もおさえられます [2]。中性脂肪については、根拠の確かさは低めです。健康な大人13人の小さな試験1件だけで、製造会社の研究者によるためです。

この答えの範囲

健康な大人の食後血糖の話です。主なメタ解析は2007年までの試験が対象で、古めです。昼食と一緒に10 gまたは20 gをとった試験 (主な目的は食欲) では、血糖や食欲に関する血液の指標に、腸のホルモンの一つを除いて差が出ませんでした。糖尿病の予防は調べられていません。

じゃあ、どうする?

ごはん・めん・パンなどの食事と一緒に、飲み物に溶かすか食べ物に混ぜてとるのが、研究の条件に近い使い方です。差が大きく出たのは飲み物でした。一度に50 gをとるとおならが増えた報告もあるので、量は製品の表示を守ってください [3]。糖尿病の治療中や血糖値を指摘された人は、医師に相談を。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。中程度
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。6 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。一部で結果が異なる
判定の内訳を見る(スコア 82 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量15.220研究件数と参加人数
一致度17.325結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度05信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 82.5 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 82 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 2 本・RCT のメタ解析 1 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

難消化性デキストリンとは

難消化性デキストリンは、でんぷんから作る水溶性の食物繊維です。小腸で消化されにくく、糖の吸収をゆるやかにするとされ、特定保健用食品や機能性表示食品の成分として使われています。飲み物に溶かす粉末のほか、食品に混ぜたものがあります。注意点は、一度に多くとるとおなかが張りやすいことです。ここまでは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、Livesey らの研究チームが2009年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、同じ疑問を調べた複数の試験の結果を、統計でまとめる方法です。健康な大人のランダム化比較試験37件が集められました。

研究の種類健康な大人のランダム化比較試験37件のメタ解析
対象健康な大人
比べたもの10 g以下の難消化性デキストリンを含む飲み物・食べ物と、含まないもの
結果でんぷん質の食べ物の食後血糖の上がり方が、飲み物で約20%、食べ物に混ぜて約10%小さくなった
まとめて分析した結果ごはん・めん・パンなどの食後血糖の上がり方は、6 gを飲み物でとると約20%、食べ物に混ぜると約10%小さくなりました [1]。

どちらのとり方でも、差ははっきりしていました。

このメタ解析が対象にしたのは2007年までの試験で、古い点に注意してください [1]。新しい試験で確かめたものとして、シンガポールの健康な大人78人が1日40 gを8週間とった試験があります。ふだんの生活での24時間の血糖の状態が良くなり、とくに夕食後の上がり方の改善が大きくなりました [4]。ただし、これは飲み物や食べ物に混ぜる量より、ずっと多い量です。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

アイオワ州立大学などの研究チームが2018年に発表した試験では、大人41人が昼食と一緒に、食物繊維10 gまたは20 g分の難消化性デキストリン入りの飲み物をとりました。この試験の主な目的は食欲への影響でした。食後150分(約2時間半)の血糖や食欲に関する血液の指標は、腸のホルモンの一つ (GIP) を除いて差がありませんでした。GIPだけ、20 gで低くなっています [5]。血糖の値そのものが差なしだったかは、要旨からは分かりません。

差がほとんど出なかった試験大人41人のクロスオーバー試験(昼食と一緒に10 gまたは20 g)

血糖や食欲に関する血液の指標は、GIPを除いて、飲まない場合と差がありませんでした。

「飲み物で約20%小さくなる」と「昼食と一緒の10 gまたは20 gで差なし」は、食事の中身・量・測り方が違う別の試験の結果です。メタ解析はでんぷん質の食べ物が中心で、この試験は昼食全体を調べています。どちらも本当の結果ですが、後者は血糖そのものを主に調べた試験ではないため、食事によって差が小さくなるのかは断定できません。

よく言われていることは本当?

  • 食事と一緒にとると、食後の血糖値の上昇がおだやかになる効きます。 メタ解析で、飲み物で約20%、食べ物に混ぜて約10%小さくなりました [1]。差が出なかった試験もあります [5]。
  • 続けて飲むと血糖値が下がり、糖尿病の予防になる条件によります。 ランダム化比較試験13件・952人のメタ解析で、空腹時の血糖値は平均0.15 mmol/L下がりましたが、効果がゼロの境目すれすれのわずかな差でした。HbA1cは平均0.18%下がったものの、はっきりした差ではありませんでした。太っている人や糖尿病の人のほうが効果が大きい傾向でした [6]。糖尿病の予防を直接調べた研究は見つかっていません。
  • 脂肪の吸収を抑え、食後の中性脂肪の上昇をおだやかにする効きます。 健康な大人13人が脂肪の多い食事と一緒に5 gまたは10 gをとると、食後の中性脂肪の上がり方がおさえられました [2]。根拠の確かさは低めです。試験が1件だけで、人数が少なく、筆頭著者が製造会社の研究所の所属のためです。

おなかの調子を整える働きとダイエットは、食後血糖とは別の疑問です。この記事では扱いません。

02注意点

研究で使われた量は、試験ごとに違います。メタ解析は10 g以下、中性脂肪の試験は5 gまたは10 g、シンガポールの試験は1日40 gでした。副作用では、タピオカ由来の難消化性デキストリン50 gを一度にとった試験で、おならが増えたと報告されています [3]。糖尿病の治療中の人、血糖値を指摘された人、持病や服薬がある人は、医師や薬剤師に確認してください。

食事と一緒にとった条件の研究です

食後に別のタイミングでとったときの効果は、ここで紹介した研究では確かめられていません。

03まとめ

難消化性デキストリンは、食事と一緒にとると食後の血糖の上がり方を小さくします。
小さくなる幅は、飲み物のほうが食べ物に混ぜるより大きく、昼食と一緒にとって差が出なかった試験もあります。
使うなら、食事と一緒に、製品の表示の量で。腸内環境の話は食物繊維で腸内環境(腸内細菌)は良くなる?も参考になります。

04よくある質問

Q食後に飲んでも血糖値は上がりにくくなりますか?

研究では確かめられていません。ここで紹介した試験はどれも、食事と一緒にとった条件です。

Q飲み続けると糖尿病の予防になりますか?

予防としての効果は、研究では確かめられていません。空腹時の血糖値の下がり方はわずかで、HbA1cははっきり下がっていません [[41787416]]。

Q中性脂肪も本当に下がりますか?

食後の中性脂肪の上がり方がおさえられた試験があります。ただし、健康な大人13人の1件だけで、根拠の確かさは低めです [[17385061]]。

05参照した論文

判定に使った主な論文(6本)

[1]難消化性マルトデキストリンで食後血糖の上がり方を下げる方法のメタ解析

発表年
2009年
研究機関
イギリス・インディペンデント・ニュートリション・ロジック
掲載誌
The American journal of clinical nutrition
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究37件を統合
結果の向き
良い方向

健康な大人のランダム化比較試験37件のまとめ。6 gで飲み物は約20%、食べ物に混ぜると約10%小さくなった。

[2]難消化性マルトデキストリンが食後の中性脂肪の上昇を抑える効果

発表年
2007年
研究機関
日本・企業の研究部門
掲載誌
European journal of nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
13人
結果の向き
良い方向

13人が脂肪の多い食事と一緒に5 gまたは10 gをとると、食後の中性脂肪の上がり方がおさえられた。

[3]タピオカ由来の難消化性マルトデキストリンによる血糖とインスリンの反応の低下

発表年
2020年
研究機関
タイ・チュラロンコン大学
掲載誌
Journal of nutritional science
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

50 gそのものはブドウ糖より血糖をほとんど上げなかったが、一度に50 gとるとおならが増えた。

[4]可溶性食物繊維の補給が血糖の反応を改善するかを調べた試験

発表年
2025年
研究機関
シンガポール・シンガポール科学技術研究庁
掲載誌
European journal of nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
78人
結果の向き
良い方向

健康な大人78人が1日40 gを8週間とると、24時間の血糖の状態が良くなった。

[5]可溶性食物繊維デキストリンが食後の食欲とその後の食事量に与える影響

発表年
2018年
研究機関
アメリカ・アイオワ州立大学
掲載誌
Nutrition (Burbank, Los Angeles County, Calif.)
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
41人
結果の向き
差なし

41人が昼食と一緒に10 gまたは20 gをとっても、血糖に関する血液の指標は飲まない場合と差がなかった。

[6]難消化性デキストリンが血糖の指標に与える影響のメタ解析

発表年
2026年
研究機関
中国・山東省農業科学院
掲載誌
Nutrition journal
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
952人
結果の向き
結果が割れている

13件・952人で空腹時の血糖値は平均0.15 mmol/L下がった。HbA1cははっきりした差ではなかった。

ほかに参考にした論文(11本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。