[1]オイルプリングが口の健康に役立つかを調べたメタ解析
- 発表年
- 2022年
- 研究機関
- 台湾・台北慈済病院
- 掲載誌
- Healthcare (Basel, Switzerland)
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 研究9件を統合
- 結果の向き
- 差なし
オイルプリングのRCT9件をまとめ、歯垢の指数は対照と差がなかった。

減りません。口臭は、歯周炎の人の小さな試験で減りました。
大人と10代で、毎日の歯みがきに加えてオイルプリングをした場合の話です。口臭は、歯周炎の30人の試験の結果です。
歯垢を減らしたいなら、オイルプリングより歯みがきとフロス・歯間ブラシの時間を増やすほうが確実です。続けたい人は、歯みがきの代わりにせず、そのあとに足してください。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 11.3 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 13.5 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 2 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 76.8 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 2 本・RCT のメタ解析 2 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
オイルプリングは、ごま油やココナッツオイルなどの食用油を口に含み、10〜20分ほどすすぐ習慣です。インドの伝統医学(アーユルヴェーダ)に由来し、口の中をきれいにするとされています。歯みがきの代わりではなく、歯みがきに足す形で調べた研究がほとんどです。注意点は、油を飲み込まないことです。
答えの中心は、台湾の台北慈済病院などの研究チームが2022年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、同じテーマの試験を集めて結果を合算する方法です。オイルプリングのRCT(くじ引きで分けて比べる試験)9件がまとめられました。
| 研究の種類 | RCT9件のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 口の健康を調べた試験の参加者 |
| 比べたもの | オイルプリングと、水などの対照 |
| 結果 | 歯垢の指数に差なし(平均差 -0.10) |
歯ぐきの指数も同じで、平均差は -0.05 でした [1]。
歯肉炎の人を対象にした別のメタ解析(RCT41件のうち、オイルプリングの結果)も、歯垢の指数に統計的な差はありませんでした [2]。RCT5件の系統的レビューでは、3件の研究で、殺菌のうがい薬と比べても差がありませんでした [4]。
ココナッツオイルのRCT4件(182人)の系統的レビューは、歯垢の指数の低下を報告しています [5]。2025年のオーストリアのインスブルック医科大学の試験では、ごま油が蒸留水より歯垢を減らしました [6]。ただ、差は小さい結果です。歯周炎の30人の小さな試験でも、ココナッツオイルは偽薬より歯垢の指数を下げました [3]。
試験の終了時の歯垢の減少率の中央値は、ごま油18.98%、蒸留水10.49%でした [6]。
この試験でも、歯ぐきの指数には差がありませんでした。人数の少ない試験の結果は、9件をまとめたメタ解析のほうが偶然に左右されにくいため、答えの中心はメタ解析に置いています。
殺菌のうがい薬(クロルヘキシジン)との比較では、25件・1184人のメタ解析で、歯垢を減らす力はクロルヘキシジンのほうが強い結果でした(標準化平均差 0.33)[7]。
口臭の試験は、結果が割れています。
偽薬と比べて減ったのは、歯周炎の30人の試験の1本です。口臭が気になる人は、舌や歯ぐきの手入れを含めた対策も合わせて見てください。詳しくは 口臭に効く対策は? にまとめています。
研究で使われた油は、ごま油とココナッツオイルが中心で、毎日15分前後すすぐ試験が多くあります [6]。歯ぐきの出血が続く、歯がぐらつくなどの症状がある人は、油うがいで様子を見ず、歯科医師に相談してください。誤って油を飲み込む、むせるといったことが起きやすい人も、医師や歯科医師に確認してから試してください。うがい薬の考え方は マウスウォッシュで歯みがきの代わりになるって本当? も参考になります。
研究は、歯みがきに足す形が中心です。歯周病の予防の土台は [歯周病を防ぐには何が効く?](/evidence/periodontitis-prevention-self-care) にあるセルフケアです。
オイルプリングで、歯垢は減りません。
口臭は、歯周炎の30人の試験で減っていますが、試験は1本です。
歯みがきとフロスを土台にして、足したい人だけが続けましょう。
歯垢について、2種類を比べて差を示した確かな結果はありません。メタ解析は、油の種類を分けずにまとめて、対照と差がないと報告しています [[36292438]]。
デトックスを確かめた研究は見つかっていません。痰が出る理由を調べた試験も、今回の資料にはありません。
研究の多くは、歯みがきを続けたうえで足す形です。代わりにできるかを確かめたものではありません。電動歯ブラシの話は [電動歯ブラシは手みがきより歯にいい?](/evidence/electric-toothbrush) にあります。
ごま油が歯垢を減らした試験は、毎朝15分すすぐ形で、数週間続けたものです [[39786483]]。口臭が減った試験は1か月です [[42057009]]。
オイルプリングのRCT9件をまとめ、歯垢の指数は対照と差がなかった。
歯肉炎の人のRCT41件をまとめ、オイルプリングの歯垢の指数は対照と差がなかった。
歯周炎の30人で、ココナッツオイルは偽薬より息の硫黄のにおい成分が減った。
RCT5件(160人)の系統的レビューで、3件の研究では歯垢の指数にオイルプリングと対照の差が無かった
ココナッツオイルのオイルプリングのRCT4件(182人)の系統的レビューで、歯垢の指数の低下に有意な差が見られた。後のメタ解析に含まれる時期の研究
40人が毎朝15分すすぎ、ごま油は蒸留水より歯垢が減った。
RCT25件・1184人をまとめ、歯垢の低下はクロルヘキシジンのほうが強かった。
4日間歯みがきをしない試験で、ココナッツオイルのオイルプリングはクロルヘキシジンと同じくらい歯垢の再付着を抑えた
10代の小さな試験(各グループ10人)で、ごま油のオイルプリングは口臭と口臭の原因菌について、殺菌のうがい薬クロルヘキシジンと同じくらい効いた
妊婦30人で、米ぬか油・ごま油のオイルプリングとクロルヘキシジンのあいだで、口臭の減り方に差は無かった
口臭の代替療法の系統的レビュー(26件)で、どの成分にもはっきりした効果は確かめられなかった(オイルプリング単独の結果は要旨に無い)
判定「効かない」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。