[1]水ですすぐ・水を飲むと朝の口臭はどう変わるか
- 発表年
- 2016年
- 研究機関
- オランダ・アムステルダム大学
- 掲載誌
- International journal of dental hygiene
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- 50人
- 結果の向き
- 良い方向
50人で、水でのすすぎも飲水も、においの成分が約60%減りました。

朝の口臭には、水で口をすすぐか飲むことが効きます。舌の汚れには、舌みがきが効きます。
口の中が原因の口臭の話です。口臭の80〜90%は口の中が原因です [7]。水は50人の朝の口臭で、舌みがきは17〜80歳の人を含むRCT5件で確かめた結果です。試験は1〜4週間の短期が中心です。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 30 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 6.3 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 6 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 67.3 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本。 この上限により、強度を B から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
研究では、歯科医がにおいを嗅いで付ける「判定スコア」と、機械で測る「硫黄ガス」の量で口臭を測ります。
朝の口臭に効く水の研究は、下の「水を飲む・口をすすぐ」にまとめています。舌の汚れについての答えの中心は、台湾の国立成功大学などの研究チームが2013年に発表したメタ解析です [2]。メタ解析とは、複数の試験の結果を一つにまとめて分析する方法です。歯みがきだけの場合と、歯みがきに舌の掃除を足した場合を比べたRCT(くじ引きのように分けて比べる試験)5件が集められました。
| 研究の種類 | RCT5件のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 17〜80歳の男性188人・女性63人を含む |
| 比べたもの | 歯みがきだけ、歯みがき+舌の掃除 |
| 結果 | 舌の掃除を足すと舌苔が減った(効果の大きさ0.922) |
2025年の系統的レビューでも、4件すべてで舌みがきのあとに舌苔が減っていました [11]。
よく見る6つの話を、研究で確かめました。
口臭対策として「効果的」と言われている方法を、エビデンスの有無と一緒に並べます。根拠の確かさは「確かめられています」「研究が足りません」「結果が割れています」「まだ確かめていません」のどれかで書きます。
どう言われているか: 口が乾くと口臭が強くなるので、水をこまめに飲む、口をすすぐのがよい、と言われています。
研究で分かっていること: 朝の口臭を調べた50人の試験で、水15mlで30秒すすいでも、水200mlを30秒で飲んでも、においの成分のメチルメルカプタンが約60%減りました。すすぐのと飲むのとで差はありませんでした [1]。ただし前後を比べただけで、何もしない群はありません。こまめに飲み続けた効果は、分かっていません。
根拠の確かさ: 朝の口臭については、確かめられています。ただし根拠の確かさは低めです。試験が1件で、何もしない群と比べていないためです。
どう言われているか: 舌の白い汚れ(舌苔)が口臭のもとなので、舌ブラシなどで取るとよい、と言われています。
研究で分かっていること: 歯みがきに舌の掃除を足すと舌苔が減ることは、上のメタ解析で確かめられています。口臭そのものは測り方で分かれます。機械で測る硫黄ガスは減りましたが(効果の大きさ0.745)[2]、歯科医の判定スコアは平均0.20点低いだけで、2件・46人と少なく、研究の質は非常に低いとされています [4]。効果は続けることが前提で、1か月続けた100人の試験では口臭の測定値が下がり、やめると再び上がりました [8]。
根拠の確かさ: 舌の汚れを減らすことは、確かめられています。口臭そのものを減らすかは、研究が足りません。
どう言われているか: 殺菌成分の入った洗口液ですすぐと、口臭が消える、と言われています。
研究で分かっていること: 二酸化塩素入りの洗口液は、プラセボ(成分の入っていない液)と比べて、判定スコアが使った翌日に0.82点、1週間後に0.24点低くなりました(7件・234人のメタ解析)[3]。一方、コクランのレビューでは、クロルヘキシジン(殺菌成分)と亜鉛入りの液はプラセボと差がありませんでした(1件・44人)[4]。ハーブや精油などの方法26件の系統的レビューも、結果はばらばらで、はっきり減らす成分はありませんでした [13]。
根拠の確かさ: 研究の質が低い〜非常に低いとされ、試験の多くが1〜4週間の短期のため、研究が足りません。
どう言われているか: ガムやタブレットで、一時的に口臭を消せる、と言われています。
研究で分かっていること: 成分入りのガムは口臭を減らす可能性があるとされましたが、砂糖入りのガムで硫黄ガスが減ったのは5分間だけでした(10件の系統的レビュー)[12]。からし種の成分と亜鉛入りのガムでは、噛んだ直後に89%減り、3時間後には24%減でした [14]。ユーカリ入りと成分なしのガムの差は、はっきりしませんでした(1件・65人)[4]。タブレットは、このページでは根拠を確かめていません。
根拠の確かさ: 効果は短時間のものが多く、コクランのレビューでも研究の質が非常に低いとされており、研究が足りません。
どう言われているか: 歯みがきに加えて、フロスや歯間ブラシで歯の間の汚れを取ると、口臭が減る、と言われています。
研究で分かっていること: 口臭を測った比較試験は小さい2件だけで、結果が割れています。双子51組の試験では、フロスを2週間足しても硫黄ガスの減り方に差はありませんでした [5]。19人の試験では、舌みがきにフロスを足すと硫黄ガスは減りましたが、においの判定は良くなりませんでした [6]。フロスをする人は口臭が少ないという調査もありますが、原因と結果は分かりません [15]。フロスと歯間ブラシの違いは 歯間ブラシとフロス、効果が高いのはどっち? で比べています。
根拠の確かさ: 結果が割れています。口臭を測った試験が2件と少なく、結果がそろわないためです。
どう言われているか: 口呼吸で口が乾くと口臭が強くなるので、鼻で息をする、口を潤すのがよい、と言われています。
研究で分かっていること: 口呼吸を直す方法や、口の乾燥(ドライマウス)を和らげる方法で、口臭が減るかは、このページでは確かめていません。水をこまめに飲み続けた効果は、分かっていません。
根拠の確かさ: まだ確かめていません。
どう言われているか: ヨーグルトなどの乳酸菌で口臭が減る、緑茶などの飲み物や食べ物で口臭が消える、と言われています。
研究で分かっていること: 乳酸菌の研究は、口臭サプリ(乳酸菌)は口臭に効く? にまとめています。緑茶など、ほかの食べ物や飲み物は、このページでは根拠を確かめていません。
根拠の確かさ: 乳酸菌は、結果が割れています。ほかの食べ物と飲み物は、まだ確かめていません。
どう言われているか: 歯周病が原因の口臭は、歯科での歯周病の治療で良くなる、と言われています。
研究で分かっていること: 歯周病・歯肉炎の口臭がある人を調べた試験では、舌の掃除でも口臭は減りました。歯周炎の人では歯周病の治療の効果が大きく、歯肉炎の人では舌の掃除の効果が大きかったと報告されています [9]。
根拠の確かさ: 歯周病の治療で口臭が減るかを調べた試験は、ここでは1件だけで、研究が足りません。
並べた対策の試験は、多くが1〜4週間の短期です。歯科学生75人が21日間使った試験では、洗口液の種類で口臭の変化に差はなく、クロルヘキシジン(殺菌成分)とプラセボの液を使った群で歯の着色が増えています [16]。歯周病が気になる人は、歯周病用の歯みがき粉は効く? も参考になります。服薬中の人や、においが長く続く人は、歯科医や医師、薬剤師に相談してください。
歯周病など口の中の別の原因や、口の外の原因があるかもしれないため、歯科での確認が役立ちます。
朝の口臭には、水で口をすすぐか飲むことが効きます。舌の汚れには、舌みがきが効きます。
洗口液・ガム・フロス・乳酸菌は、試してもよいが根拠は弱い方法です。続けやすいものを、水と舌みがきに足す形です。
気になる口臭が続くときは、歯科で原因を確かめましょう。
やり方は、舌をX字に磨く方法を教わった30人が、自己流の人より2週間後のにおいの判定スコアが低くなりました [[30970113]]。期間は、研究から「何日」とは言えません。続ける前提で考えてください。
水で口をすすぐか、水を飲むと、においの成分のメチルメルカプタンが約60%減りました(50人)[[26081039]]。歯みがきに舌クリーナーを足した期間は、足さない期間より朝の口臭が少なくなりました(19人)[[16899098]]。
逆効果だと確かめた研究は、このページの研究にはありません。市販の洗口液8種類を1回ずつ比べた試験では、アルコールなしの塩化亜鉛の洗口液がすぐに口臭を抑えましたが、1回だけの比較です [[31664298]]。
50人で、水でのすすぎも飲水も、においの成分が約60%減りました。
歯みがきだけと、舌の掃除を足した場合を比べたRCT5件。舌の掃除で舌苔が減りました。
RCT7件・234人。プラセボより1週間後の判定スコアが平均0.24点低くなりました。
44件・1809人をまとめた。舌の掃除はにおいの判定が平均0.20点低く、質は非常に低い。
双子51組で、フロスを足しても硫黄ガスの減り方に差はありませんでした。
歯みがきに舌クリーナーを足した期間は、足さない期間より朝の口臭が少なく、舌の掃除が朝の口臭対策として最も重要な手入れだった(19人)
口臭の80〜90%は口の中が原因で、10〜20%は口の外の原因です。
100人で、舌みがきの群は1か月後に測定値が下がり、やめると再び上がりました。
歯周炎の人では歯周病の治療、歯肉炎の人では舌の掃除の効果が大きくなりました。
(どれくらいの人にあるかの研究)13件の調査をまとめると、思春期以降の人の31.8%に口臭があった
研究4件のすべてで、舌みがきのあとに舌苔が減っていました。
10件のまとめ。成分入りのガムは口臭を減らせる可能性があるとされました。
精油・ハーブ・オイルプリングなど口臭対策26件の系統的レビュー。結果はばらばらで、はっきり口臭を減らす成分はなかった。
噛んだ直後は硫黄ガスが89%減り、3時間後は24%減にとどまりました。
896人の調査で、定期的にフロスをする人は口臭がある割合が低い関連がありました。
75人で、洗口液の種類で口臭の変化に差はなく、歯の着色が増えた群がありました。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。