口臭サプリ(乳酸菌)は口臭に効く?

口臭サプリ(乳酸菌)は口臭に効く?
読了目安 5〜7分最終更新日 2026.11.03
答え効く

口臭には効きます。舌苔は乳酸菌では減りません。

根拠

対照と比べた試験をまとめた解析のうち、10件をまとめた2025年の解析 [1] と、7件をまとめた2022年の解析 [2] は、口臭の数値が下がると報告しています。一方、4件・283人をまとめた解析では差が出ませんでした [3]。これらは中身が重なっている可能性があり、研究数は足し合わせていません。根拠の確かさは低めです。試験が小さく、結果のばらつきが大きいためです。

この答えの範囲

口臭が気になる成人の話です。商品や菌ごとの違いは分かりません。舌苔は、乳酸菌では減らず、舌みがきで減りました [4]。

じゃあ、どうする?

試すなら、舌みがきと組み合わせるのが研究に近い使い方です。80人を調べた試験では、においの検査が良くなったのは組み合わせたグループだけでした [4]。研究では4週間前後の使用で測っています。続けても変わらないときは、歯科で原因を調べてもらうのが近道です。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。11 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。一部で結果が異なる
判定の内訳を見る(スコア 64 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量13.420研究件数と参加人数
一致度13.925結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 82.3 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 4 本・RCT のメタ解析 5 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

口臭サプリ(乳酸菌)とは

乳酸菌のサプリは、口や腸に住む菌の仲間を、タブレットやトローチ、ガムなどで摂るものです。口の中の菌のバランスを整えて、息のにおいを減らすとされています。注意点は、菌の種類や形で結果が違うことです。ここは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、中国の蘇州大学附属第三病院などの研究チームが2025年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、似た試験の結果を集めて、数字でまとめ直す方法です。乳酸菌などを使わない対照(プラセボなど)と比べた試験が集められました。

研究の種類プロバイオティクスの口臭への効果と安全性を調べたメタ解析
対象口臭のある人(10件の研究)
比べたもの乳酸菌などのプロバイオティクスと、対照(プラセボなど)
結果息の硫黄化合物(VSC)が、対照より少なかった(標準化平均差 -1.01)
まとめて分析した結果10件の研究をまとめると、乳酸菌などを使った人は、息の硫黄化合物が対照より少なくなりました [1]。

人がにおいをかぐ検査でも、改善した人が多くなっています。

マイナスの数字は、乳酸菌のほうが数値が低いことを表します。この解析は、歯科のふだんの治療と組み合わせたほうが、乳酸菌だけより効果が出やすい可能性にも触れています。研究の数が少なく、結果にばらつきがあります。

2022年のメタ解析(7件のRCT)も同じ向きです。使い始めて4週間以内では、人がにおいをかぐ検査の点数がプラセボより下がりました。4週間を超える期間でも、この点数の差は残りました [2]。体と歯ぐきが健康な成人を調べた2025年の系統的レビューでは、6件・360人のうち5件で、息の硫黄化合物が減っていました。重い副作用の報告はありませんでした [5]。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

4件・283人をまとめた解析では、効果に統計的な差は出ませんでした [3]。二重盲検の試験8件を調べたレビューも、はっきりした効果は確かめられなかったと結論しています。偏りの少ない試験は2件だけでした [6]。違いが出る理由として、集めた試験や測り方(機械か、人がにおいをかぐか)の違いが考えられます。これらの解析は中身が重なっている可能性があり、研究の数を足し合わせることはできません。

差がなかった試験健康な成人52人が、乳酸菌入りのガムを4週間かんだ試験

息の硫黄化合物の量は、プラセボのガムと差がありませんでした [7]。

乳酸菌だけで足りる? 舌みがきとの組み合わせ

オタゴ大学(ニュージーランド)の研究チームが2026年に発表した試験では、80人を4つのグループに分けました。何もしない・乳酸菌・舌みがき・舌みがきと乳酸菌の組み合わせです。4週間後、息の硫黄化合物は乳酸菌だけのグループでも減りました。ただし、人がにおいをかぐ検査が良くなったのは、舌みがきと組み合わせたグループだけでした [4]。組み合わせのグループがいちばん効果が大きく、長く続きました。

効いた試験と、効かなかった試験

どんな人で、どんな条件のときに差が出たのかを分けると、次のとおりです。

  • 差が出た: 歯肉炎や初期の歯周炎がある成人80人が、Weissella cibaria CMU という菌のタブレットを8週間なめた試験。息の硫黄化合物がプラセボより大きく減りました [8]
  • 差が出た: 息の硫黄化合物が多い成人80人(最後まで参加したのは70人)が、乳酸菌2種のサプリを12週間とった試験。プラセボより息の硫黄化合物が減りました。ただし、悪い菌の量は変わらず、筆頭著者の所属は乳酸菌の製品をつくる企業の研究センターです [9]
  • 差がなかった: 口臭と診断された人ではない健康な成人52人が、ガムを4週間かんだ試験 [7]

よく言われていることは本当?

  • 乳酸菌のタブレットやサプリで口臭が減る口臭には効きます。 ただし根拠の確かさは低めです [1] [3]
  • 乳酸菌が口の中の菌のバランスを整えて、においの元の菌を減らす研究によって結果が違います。 歯周病菌の量も改善した試験がある一方 [8]、悪い菌の量は変わらなかった試験もあります [9]
  • 乳酸菌で舌苔が減り、口臭が出にくくなるほぼウソです。 舌苔が減ったのは舌みがきをしたグループで、乳酸菌だけのグループでは減りませんでした [4]。7件のRCTをまとめた解析でも、舌苔の量に差はありませんでした [2]
  • 飲んだ・なめた直後から息がさわやかになる研究が足りません。 息をさわやかにする錠剤の試験で、比べ役に使われた市販の乳酸菌製品2つは、使ってから2時間まで息の硫黄化合物が始める前と変わりませんでした [10]
  • 腸内環境を整えると口臭が減る研究が足りません。 原因がわからない口臭の162人を振り返った観察研究が1本あり、ビフィズス菌の製剤を2か月とったあとに口臭が改善した人が多くいました。ただし比べる相手のいない研究で、効果とは言えません [11]

02注意点

乳酸菌のサプリで、重い副作用の報告はありませんでした [5]。ただし、試験の対象は成人が中心で、使った菌・量・期間は試験ごとに違います。口臭は、舌苔や歯周病、胃腸の状態などが原因になることもあります。長く続く口臭や歯ぐきの出血があるときは、歯科で原因を調べてもらってください。持病や服薬中の人は、医師や薬剤師に確認してください。

乳酸菌だけで、口臭の原因を取り除けるわけではありません

舌みがきなど、原因に合わせたケアと組み合わせた試験で、においの検査でも改善が出ました [4]。

03まとめ

口臭には、乳酸菌が効くという研究が多くあります。
舌苔は乳酸菌では減らず、舌みがきと組み合わせたときに、においの検査でも改善が出ました。
試すなら舌みがきと組み合わせ、口臭の対策全体は口臭に効く対策は?で確かめてください。

04よくある質問

Qどのくらい続ければ効果が出ますか?

多くの試験は4週間前後で測っています。8週間や12週間の試験もあります [[41782083]] [[40512445]]。何日で効くかは、研究から言えません。

Qどの菌がいちばん効きますか?

研究からは、どの菌がいちばん効くかは言えません。菌の種類・量・形がばらばらで、差がなかった試験もあります [[35536439]]。

Q舌みがきだけでも口臭は減りますか?

80人の試験では、舌みがきをしたグループでも息の硫黄化合物が減り、舌苔も減りました [[41604763]]。口臭の対策全体は[口臭に効く対策は?](/evidence/bad-breath-remedies)にまとめています。

05参照した論文

判定に使った主な論文(11本)

[1]プロバイオティクスの口臭への効果と安全性を調べたメタ解析

発表年
2025年
研究機関
中国・蘇州大学附属第三病院
掲載誌
Journal of breath research
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究10件を統合
結果の向き
良い方向

10件の研究をまとめると、乳酸菌などを使った人は息の硫黄化合物が対照より少なかった。

[2]プロバイオティクスの口臭への効果のメタ解析

発表年
2022年
研究機関
中国・四川大学
掲載誌
BMJ open
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究7件を統合
結果の向き
良い方向

7件のRCTをまとめると、4週間以内に、においの検査の点数がプラセボより下がった。舌苔の量には差がなかった。

[3]口の中が原因の口臭へのプロバイオティクスのメタ解析

発表年
2021年
研究機関
スペイン・サラマンカ大学
掲載誌
Frontiers in nutrition
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
283人
結果の向き
差なし

4件・283人をまとめた解析では、統計的な差は出なかった。

[4]舌みがきと乳酸菌で口臭を減らせるかを調べた試験

発表年
2026年
研究機関
ニュージーランド・オタゴ大学
掲載誌
Journal of breath research
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
80人
結果の向き
結果が割れている

80人を4つのグループに分け、乳酸菌だけでも息の硫黄化合物は減ったが、においの検査が良くなったのは舌みがきとの組み合わせだけだった。

[5]口の中が原因の口臭へのプロバイオティクスのRCTの系統的レビュー

発表年
2025年
研究機関
ギリシャ・テッサロニキ・アリストテレス大学
掲載誌
Journal of International Society of Preventive & Community Dentistry
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
360人
結果の向き
良い方向

6件・360人のRCTのうち、5件で息の硫黄化合物が減っていた。重い副作用の報告はなかった。

[6]プロバイオティクスと口臭の二重盲検試験の系統的レビュー

発表年
2022年
研究機関
シンガポール・シンガポール国立歯科センター
掲載誌
Clinical oral investigations
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
研究8件を統合
結果の向き
差なし

二重盲検の試験8件を調べ、はっきりした効果は確かめられなかった。偏りの少ない試験は2件だけだった。

[7]乳酸菌入りガムと息の硫黄化合物を調べた追加解析

発表年
2026年
研究機関
イタリア・ミラノ大学
掲載誌
Nutrients
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
52人
結果の向き
差なし

健康な成人52人が4週間ガムをかんでも、息の硫黄化合物はプラセボのガムと差がなかった。

[8]Weissella cibaria 錠剤を8週間とった口臭の試験

発表年
2026年
研究機関
韓国・朝鮮大学
掲載誌
BMC oral health
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
80人
結果の向き
良い方向

歯肉炎などがある成人80人で、タブレットを8週間なめたグループは、プラセボより息の硫黄化合物が大きく減った。

[9]口臭へのプロバイオティクスのRCT

発表年
2026年
研究機関
韓国・企業の研究部門
掲載誌
Probiotics and antimicrobial proteins
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
80人
結果の向き
良い方向

成人80人が12週間とると、プラセボより息の硫黄化合物が減った。悪い菌の量は変わらなかった。

[10]息をさわやかにする乳酸菌タブレットの口臭試験

発表年
2024年
研究機関
Huang Gほかの研究チーム
掲載誌
Oral health & preventive dentistry
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
差なし

比べ役の市販の乳酸菌製品2つは、使ってから2時間まで息の硫黄化合物が始める前と変わらなかった。

[11]原因がわからない口臭へのプロバイオティクスの観察研究

発表年
2024年
研究機関
中国・Li YKほかの研究チーム
掲載誌
Journal of breath research
研究の種類
コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

原因がわからない口臭の162人を振り返った観察研究。ビフィズス菌の製剤を2か月とったあと、口臭が改善した人が多かった。

ほかに参考にした論文(20本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。