[1]プロバイオティクスの口臭への効果と安全性を調べたメタ解析
- 発表年
- 2025年
- 研究機関
- 中国・蘇州大学附属第三病院
- 掲載誌
- Journal of breath research
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 研究10件を統合
- 結果の向き
- 良い方向
10件の研究をまとめると、乳酸菌などを使った人は息の硫黄化合物が対照より少なかった。

口臭には効きます。舌苔は乳酸菌では減りません。
口臭が気になる成人の話です。商品や菌ごとの違いは分かりません。舌苔は、乳酸菌では減らず、舌みがきで減りました [4]。
試すなら、舌みがきと組み合わせるのが研究に近い使い方です。80人を調べた試験では、においの検査が良くなったのは組み合わせたグループだけでした [4]。研究では4週間前後の使用で測っています。続けても変わらないときは、歯科で原因を調べてもらうのが近道です。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 13.4 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 13.9 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 82.3 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 4 本・RCT のメタ解析 5 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
乳酸菌のサプリは、口や腸に住む菌の仲間を、タブレットやトローチ、ガムなどで摂るものです。口の中の菌のバランスを整えて、息のにおいを減らすとされています。注意点は、菌の種類や形で結果が違うことです。ここは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。
答えの中心は、中国の蘇州大学附属第三病院などの研究チームが2025年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、似た試験の結果を集めて、数字でまとめ直す方法です。乳酸菌などを使わない対照(プラセボなど)と比べた試験が集められました。
| 研究の種類 | プロバイオティクスの口臭への効果と安全性を調べたメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 口臭のある人(10件の研究) |
| 比べたもの | 乳酸菌などのプロバイオティクスと、対照(プラセボなど) |
| 結果 | 息の硫黄化合物(VSC)が、対照より少なかった(標準化平均差 -1.01) |
人がにおいをかぐ検査でも、改善した人が多くなっています。
マイナスの数字は、乳酸菌のほうが数値が低いことを表します。この解析は、歯科のふだんの治療と組み合わせたほうが、乳酸菌だけより効果が出やすい可能性にも触れています。研究の数が少なく、結果にばらつきがあります。
2022年のメタ解析(7件のRCT)も同じ向きです。使い始めて4週間以内では、人がにおいをかぐ検査の点数がプラセボより下がりました。4週間を超える期間でも、この点数の差は残りました [2]。体と歯ぐきが健康な成人を調べた2025年の系統的レビューでは、6件・360人のうち5件で、息の硫黄化合物が減っていました。重い副作用の報告はありませんでした [5]。
4件・283人をまとめた解析では、効果に統計的な差は出ませんでした [3]。二重盲検の試験8件を調べたレビューも、はっきりした効果は確かめられなかったと結論しています。偏りの少ない試験は2件だけでした [6]。違いが出る理由として、集めた試験や測り方(機械か、人がにおいをかぐか)の違いが考えられます。これらの解析は中身が重なっている可能性があり、研究の数を足し合わせることはできません。
息の硫黄化合物の量は、プラセボのガムと差がありませんでした [7]。
オタゴ大学(ニュージーランド)の研究チームが2026年に発表した試験では、80人を4つのグループに分けました。何もしない・乳酸菌・舌みがき・舌みがきと乳酸菌の組み合わせです。4週間後、息の硫黄化合物は乳酸菌だけのグループでも減りました。ただし、人がにおいをかぐ検査が良くなったのは、舌みがきと組み合わせたグループだけでした [4]。組み合わせのグループがいちばん効果が大きく、長く続きました。
どんな人で、どんな条件のときに差が出たのかを分けると、次のとおりです。
乳酸菌のサプリで、重い副作用の報告はありませんでした [5]。ただし、試験の対象は成人が中心で、使った菌・量・期間は試験ごとに違います。口臭は、舌苔や歯周病、胃腸の状態などが原因になることもあります。長く続く口臭や歯ぐきの出血があるときは、歯科で原因を調べてもらってください。持病や服薬中の人は、医師や薬剤師に確認してください。
舌みがきなど、原因に合わせたケアと組み合わせた試験で、においの検査でも改善が出ました [4]。
口臭には、乳酸菌が効くという研究が多くあります。
舌苔は乳酸菌では減らず、舌みがきと組み合わせたときに、においの検査でも改善が出ました。
試すなら舌みがきと組み合わせ、口臭の対策全体は口臭に効く対策は?で確かめてください。
多くの試験は4週間前後で測っています。8週間や12週間の試験もあります [[41782083]] [[40512445]]。何日で効くかは、研究から言えません。
研究からは、どの菌がいちばん効くかは言えません。菌の種類・量・形がばらばらで、差がなかった試験もあります [[35536439]]。
80人の試験では、舌みがきをしたグループでも息の硫黄化合物が減り、舌苔も減りました [[41604763]]。口臭の対策全体は[口臭に効く対策は?](/evidence/bad-breath-remedies)にまとめています。
10件の研究をまとめると、乳酸菌などを使った人は息の硫黄化合物が対照より少なかった。
7件のRCTをまとめると、4週間以内に、においの検査の点数がプラセボより下がった。舌苔の量には差がなかった。
4件・283人をまとめた解析では、統計的な差は出なかった。
80人を4つのグループに分け、乳酸菌だけでも息の硫黄化合物は減ったが、においの検査が良くなったのは舌みがきとの組み合わせだけだった。
6件・360人のRCTのうち、5件で息の硫黄化合物が減っていた。重い副作用の報告はなかった。
二重盲検の試験8件を調べ、はっきりした効果は確かめられなかった。偏りの少ない試験は2件だけだった。
健康な成人52人が4週間ガムをかんでも、息の硫黄化合物はプラセボのガムと差がなかった。
歯肉炎などがある成人80人で、タブレットを8週間なめたグループは、プラセボより息の硫黄化合物が大きく減った。
成人80人が12週間とると、プラセボより息の硫黄化合物が減った。悪い菌の量は変わらなかった。
比べ役の市販の乳酸菌製品2つは、使ってから2時間まで息の硫黄化合物が始める前と変わらなかった。
原因がわからない口臭の162人を振り返った観察研究。ビフィズス菌の製剤を2か月とったあと、口臭が改善した人が多かった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。