[1]成人の自宅用ホワイトニングの効果と安全性を調べたコクランレビュー
- 発表年
- 2018年
- 研究機関
- マレーシア・メラカ・マニパル医科大学
- 掲載誌
- The Cochrane database of systematic reviews
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 1,398人
- 結果の向き
- 良い方向
プラセボと比べた26件・1398人で、2週間〜6か月の短い期間では歯が白くなった。

過酸化物入りのシートは、短期間で歯が白くなります。日本で売られる過酸化物なしのシートは別の話です。
結果は海外の過酸化水素入りのシートの研究です。
まず成分表示で、過酸化水素などの漂白成分が入っているかを見ましょう。研究の多くは毎日30分ほどを2週間前後使っています。しみる人はいますが軽く一時的です。歯ぐきや唇が痛むときは使うのをやめ、歯科医に相談してください [1]。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 17.8 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 92.8 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 2 本・観察研究 1 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を A から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
ホワイトニングシートは、歯に貼って使う薄いシートです。歯を白くするとされ、過酸化水素などの漂白成分を含む海外のストリップと、日本で化粧品として売られる過酸化物を含まないタイプがあります。研究のほとんどは前者の結果で、後者には当てはまると言えないのが注意点です。この節は一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。
答えの中心は、マレーシアのメラカ・マニパル医科大学などの研究チームが2018年に発表したコクランレビューです [1]。コクランレビューとは、決めた手順で質の高い試験を集めて整理する方法です。18歳以上の成人を対象に、プラセボと比べた試験26件・1398人が集められました。
| 研究の種類 | 家庭用ホワイトニング剤の比較試験のコクランレビュー |
|---|---|
| 対象 | 18歳以上の成人(プラセボと比べた試験26件・1398人) |
| 比べたもの | 過酸化水素のシート、マウスピースのジェル、塗るジェルなどとプラセボ |
| 結果 | 2週間〜6か月の短い期間では、プラセボより歯が白くなった |
根拠の確実性は低い〜非常に低いと評価されており、結果は短期間のものです。
市販品だけを比べた2024年の解析(ブラジルのUNIFAE大学センター)も、プラセボと比べて短期間で歯が白くなったとしています [2]。研究37件を調べて10件を統合し、全体で1932人です。色の変化は、6%過酸化水素のシートを14時間以上使ったグループで大きくなりました。
シートそのものの試験でも、同じ向きです。
これらはメーカーの研究を含みます。上の数値は、黄ばみの指標や色見本の段階で測ったものです。
過酸化物を含まないセット(植物油と死海の塩)を調べた、成人50人の試験があります。使い終わりまで黄ばみも明るさも有意には変わらず、過酸化水素のシートの群だけが白くなりました [7]。
過酸化物なしの群は変化が有意ではなく、過酸化水素のシートの群だけが白くなりました。
日本で売られる過酸化物なしのシートそのものを調べた臨床試験は、見つかっていません。この1件を日本のシート全体の結果とは言えません。
ホワイトニング歯みがき粉と比べた試験2件・87人では、シートのほうが白くする効果が高い結果でした [8]。
歯科医の指導で行うホームホワイトニング(マウスピースとジェル)との比較は、ランダム化比較試験20件の系統的レビューがあります [9]。測定器で測った色の変化はホームホワイトニングのほうが大きい一方、色見本で見た変化や満足度には差がなく、その差は肉眼では分からない程度でした。シートのほうが、しみる症状は少ない結果でした。医院でのホワイトニングとの比較は、データがなく統合できていません。
副作用は、歯がしみる症状と口の中の刺激が最も多く、薬の濃度が高いほど多い一方、症状は軽く一時的でした [1]。6%過酸化水素のシートを使った148人では、口の中の刺激が22%、歯のしみる症状が20%に出ましたが、使用をやめたのは1人でした。この試験には比べる群がありません [10]。9.5%のシートの試験では、軽いしみる症状がシートの群で12%、プラセボの群で11%とほぼ同じでした [5]。試験は大人が対象です。持病や服薬がある人、しみる症状が続く人は、歯科医や薬剤師に確認してください。
研究は過酸化水素入りのシートの結果なので、成分表示を確かめてから選びましょう。
過酸化水素入りのシートは、短期間で歯が白くなります。
日本の過酸化物なしのシートには、この結果が当てはまるとは言えません。
しみる症状が出たら使うのをやめ、続くときは歯科医に相談しましょう。
研究では確かめられていません。結果があるのは海外の過酸化水素入りのシートで、過酸化物を含まないセットは白くならなかった試験が1件あります [[37364193]]。
試験の多くは2週間前後の使用で評価しています。毎日朝晩30分ずつ使った試験もあります [[12074226]]。
試験2件・87人では、シートのほうが白くする効果が高い結果でした [[31738695]]。
続く期間を主な目的にした統合解析は見つかっていません。1件の試験で、6か月後も変化の大部分が残っていました [[12074226]]。
プラセボと比べた26件・1398人で、2週間〜6か月の短い期間では歯が白くなった。
10件・1932人の統合で、プラセボより短期間で歯が白くなった。
試験はすべてメーカーの資金によるものだった。
成人57人で、黄ばみがプラセボより1.95減り、6か月後も大部分が残った。
成人54人で、21日目の黄ばみの差はプラセボより-1.9だった。
各群33人で、色見本の段階でプラセボより2.85段階白くなった。
成人50人で、過酸化物なしのセットは黄ばみも明るさも有意に変わらなかった。
歯みがき粉とシートを比べた試験2件・87人で、シートのほうが効果が高かった。
測定器ではホームホワイトニングが大きい変化でしたが、肉眼では分からない程度だった。
148人のうち口の中の刺激は22%、しみる症状は20%で、中止は1人だった。
市販のホワイトニング剤の研究24件を調べた系統的レビューで、シートはプラセボやほかの市販品と比べて効果があったと報告された
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。