[1]ホワイトニング歯みがき粉の効果と副作用を他の製品と比べたメタ解析
- 発表年
- 2020年
- 研究機関
- Devila Aほかの研究チーム
- 掲載誌
- Operative dentistry
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 1,322人
- 結果の向き
- 良い方向
1322人の統合で、歯の色が平均1.80段階分白い方向に変わった。副作用のリスクは1.74倍だった。

白くなります。表面の着色汚れを落として、歯の色が白い方向に変わります。歯の内側は白くしません。
健康な歯の成人が、表面の着色を落とす話です。歯の内側の変色は対象外です。
着色汚れが気になるなら、試す価値があります。変化は少しずつで、続けて使うことが前提です。副作用が起きるリスクはふつうの歯みがき粉の1.74倍なので、しみる、歯ぐきがひりつくなどの症状が出たら使うのをやめ、歯科医師に相談してください [1]。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 15.7 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 17.4 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 88.1 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 3 本・RCT のメタ解析 2 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を B から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
ホワイトニング歯みがき粉は、歯の表面についたコーヒーやお茶などの着色汚れを落とすことを目的にした歯みがき粉です。研磨剤や、汚れを浮かせる成分、酵素などを配合したものがあり、炭入りの黒いタイプもあります。毎日の歯みがきで使う点は、ふつうの歯みがき粉と同じです。歯科医院で行うホワイトニングや、自宅でジェルを使うホームホワイトニングとは別のものです。この節の説明は一般的な内容で、研究で確かめたものではありません。
Devilaらの研究チームが2020年に発表したメタ解析が、答えの中心です [1]。メタ解析とは、決めた手順で集めた試験の結果を、数字でまとめ直す方法です。ここでは、ホワイトニング歯みがき粉とふつうの歯みがき粉をくじ引きで割り当てて比べた試験(RCT)が集められました。
| 研究の種類 | RCTをまとめたメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 健康な歯の成人(歯の色の解析は3件・1322人) |
| 比べたもの | ホワイトニング歯みがき粉とふつうの歯みがき粉 |
| 結果 | 色見本で測った歯の色が、平均1.80段階分、白い方向に変わった |
着色汚れの面積(11件・1962人)も、ホワイトニング歯みがき粉のほうが少なくなりました [1]。
イランのバキヤタッラー医科大学などの研究チームが2025年に発表した、RCT14件のメタ解析も同じ向きです。着色汚れの面積と濃さのどちらも減り、研究ごとの結果のばらつきは大きかったものの、どの研究もホワイトニング歯みがき粉に有利な方向でした [2]。
効果の中身は、歯そのものの色を変えることではなく、表面の着色汚れを落とすことです。フィジー国立大学などの研究チームによる市販のホワイトニング用品のレビューでも、歯みがき粉は「表面の着色を落とす」ことで歯の色を変え、ホワイトニングテープほどの効果はないとされています [4]。
クロアチアのザグレブ大学病院センターなどの研究チームによる161人のRCTでは、市販のホワイトニング歯みがき粉はどれも、使いはじめて30日と60日の時点でふつうの歯みがき粉より歯の色が白い方向に変わりました。一方、この白さは使うのをやめたあと長くは続きませんでした [3]。
すべての試験で白くなったわけではありません。ブラジルのパライバ連邦大学などの研究チームによる75人のRCTでは、ブルーコバリン入りの製品を2週間使っても、歯の色はふつうの歯みがき粉と差がありませんでした [8]。60人のRCTでも、ホワイトニング歯みがき粉2種類を4週間使った結果は、ふつうの歯みがき粉と同じくらいでした [9]。市販品3種類を15日使った60人のRCTでは、歯が明るくなったのは1種類だけで、見た目で分かる変化はどれにもありませんでした [10]。
試験ごとに製品の成分、使った期間、測り方が違い、試験も数十人規模で期間が短いため、結果が分かれた原因までは分かっていません。
歯の色は、ふつうの歯みがき粉と差がありませんでした。
過酸化物で漂白する方法のほうが、歯の色は大きく変わります。ホワイトニングテープは、ホワイトニング歯みがき粉より効果が高く(RCT2件・87人)、副作用は同じくらいでした。市販の塗るジェルは、歯みがき粉と効果に差がありませんでした(RCT2件・58人)[1]。10%過酸化尿素のホームホワイトニングも、2週と4週の時点で歯みがき粉より歯の色が大きく変わりましたが、歯のしみる感じと歯ぐきの刺激も多くなりました [8]。詳しくは ホームホワイトニングは何日で白くなる?しみるのは防げる? にまとめています。
副作用が起きるリスクは、ホワイトニング歯みがき粉のほうが、ふつうの歯みがき粉より1.74倍でした(RCT4件・1322人)。副作用の中身は要旨に書かれていません [1]。一方、75人のRCTでは、歯ぐきの刺激としみる感じはふつうの歯みがき粉と同じくらいで、ホームホワイトニングより少ない結果でした [8]。60人のRCTでも、4週間使ってしみる感じは目立ちませんでした [9]。抜いた歯を使った実験のまとめでは、歯の表面がざらつき、硬さが下がっていました [11]。人の口の中の研究ではないため、参考情報です。根拠の確かさは低めで、研究の数が少ないためです。持病や、しみやすい歯がある人、使い方に迷う人は、歯科医師や薬剤師に確認してください。
知覚過敏がある人は、使う前に歯科医師に相談してください。
ホワイトニング歯みがき粉は、歯の表面の着色汚れを落として、歯の色を白い方向に変えます。
歯の内側の変色や、歯科医院なみの白さは、この方法の守備範囲の外です。
続けて使うときは、しみる・ひりつくなどの症状が出ていないかを見ながら、無理のない範囲で試しましょう。
161人の試験では、30日と60日の時点でふつうの歯みがき粉より歯の色が白い方向に変わりました。何日で何段階白くなるかは、人や製品で違い、研究から一律には言えません。
白さは、やめたあと長くは続きませんでした [[34245356]]。なぜ続かないのかは、この研究では確かめられていません。
研究では、歯みがき粉は表面の着色を落とすものとされ、内側の変色に効くかは確かめられていません。気になる場合は歯科医院で相談してください。
1322人の統合で、歯の色が平均1.80段階分白い方向に変わった。副作用のリスクは1.74倍だった。
RCT14件の統合で、着色汚れの面積と濃さがふつうの歯みがき粉より減った。
161人のRCTで、30日と60日の時点で歯の色が白い方向に変わった。やめたあと長くは続かなかった。
歯みがき粉は表面の着色を落とすことで歯の色を変えるが、ホワイトニングテープほどの効果はなかった。
56人のRCTで、炭入りの製品を14日使っても、歯の色の変化はふつうの歯みがき粉と同じくらいだった。
ホワイトニング歯みがき粉3種類で12週間磨いても、エナメル質のすり減りはふつうの歯みがき粉と差がなかった。
ホワイトニング歯みがき粉で4・8・12週間磨いても、エナメル質のすり減りはふつうの歯みがき粉と差がなかった。
75人のRCTで、2週間使っても歯の色はふつうの歯みがき粉と差がなかった。
60人のRCTで、2種類を4週間使っても、歯の色の変化はふつうの歯みがき粉と同じくらいだった。
60人のRCTで、3種類を15日使っても、1種類を除いて歯は明るくならなかった。
抜いた歯を使った実験の統合で、歯の表面がざらつき、硬さが下がった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。