[1]精油入り洗口液の歯肉炎への効果のメタ解析
- 発表年
- 2016年
- 研究機関
- ブラジル・リオグランデ・ド・スル連邦大学
- 掲載誌
- Journal of dentistry
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 研究11件を統合
- 結果の向き
- 良い方向
RCT11件で、歯肉炎の指数がプラセボより0.52点低かった。

歯みがきに足すと歯ぐきの炎症が減ります。うがいだけでは歯垢が9.0%しか減らず、代わりにするのは注意が必要です。
毎日の歯みがきに足す使い方と、うがいだけの短い試験の話です。
歯みがきの代わりではなく、歯みがきに足すものとして使います。歯みがきができない日のうがいは、その場しのぎと考えてください。医療用のクロルヘキシジンは、歯の着色などの副作用があるため、歯科で相談してから使います [4]。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 34 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 9.4 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 17.2 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 3 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 63.6 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 3 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
マウスウォッシュ(洗口液)は、口に含んですすぐ液体で、日本では化粧品や医薬部外品として売られているものが多くあります。口の中の細菌を減らす、歯垢をつきにくくする、口臭を防ぐといった効果があるとされ、精油入り、CPC(塩化セチルピリジニウム)入り、フッ素入りなど種類があります。歯ブラシのように歯垢をこすり落とす道具ではなく、成分で働きかけるのが特徴です。注意点は、種類によって歯の着色や刺激が出ることです。
答えの中心は、Singhらの研究チームが1990年に発表したランダム化比較試験です [3]。ランダム化比較試験とは、くじ引きでグループを分けて結果を比べる方法です。24時間口のケアをやめた103人が、洗口液か有効成分のない液でうがいをして、歯垢の減り方を測りました。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験 |
|---|---|
| 対象 | 24時間口のケアをやめた103人 |
| 比べたもの | 洗口液でうがいだけ、有効成分のない液でうがいだけ、うがいのあとに歯みがき |
| 結果 | うがいだけでは歯垢が9.0%(洗口液)、10.7%(有効成分のない液)減った。歯みがきを続けると39.6%、36.3%減った |
有効成分のない液でも10.7%減っており、うがいだけの段階では洗口液の成分による差は見られませんでした。
12人の別の試験でも、みがく前に洗口液でうがいして落ちた歯垢は5%未満でした [5]。一方、48人の試験では、2分の歯みがきで平均55%を超える歯垢が落ちています [6]。
1977年の小さな実験では、うがいが歯みがきより早く効きました [9]。
医療用の殺菌成分クロルヘキシジンで毎日うがいすると、歯ぐきは4日で健康に戻り、歯みがきでは10日かかりました。
この実験は、歯の一部だけにわざと歯肉炎を起こし、その部分だけを手入れした条件です。ほかの歯はふだんどおりみがいていました。歯みがきをやめて、うがいだけで過ごした結果ではありません。
2007年の20人の試験は、反対の向きでした [10]。歯みがきなどを25日やめた20人が、クロルヘキシジンで21日うがいをすると、歯垢がついたままの歯では歯肉炎の指数が0.21から0.93に上がり、先に歯垢を落とした歯の0.52より悪くなりました。著者は、歯垢がついた面にはうがいの効果がほとんどなかったとしています。
精油入りの市販品でも、弱点があります。歯みがきをしない部分で21日使った試験では、歯肉炎が起こるほどの歯垢が残り、著者は臨床的な利点を疑わしいとしました [11]。別の試験では、アルコールだけの液と歯垢のつき方に差がありませんでした [12]。
うがいだけと歯みがきを直接比べた試験は、1977年から2007年の、20人から103人の小さな3本です。うち2本は、代わりにならない向きでした。長い期間の歯周病や虫歯まで調べたものではありません。歯みがきに足す効果を調べた12週間の試験2本は、企業の研究部門が行ったものです [13] [8]。
副作用にも差があります。クロルヘキシジンを4〜6週間使ったまとめでは、歯の着色が大きく増えました。味の変化や口の粘膜のひりつきも報告されています [4]。歯垢がついた面に使った試験では、歯石が26.19%の面にでき、先に歯垢を落とした面の4.52%より多くなりました [14]。持病や服薬のある人、子どもに使うときは、歯科医や薬剤師に確認してください。
歯みがきができない日のうがいは、歯垢を落とさず、つきにくくするだけです。
マウスウォッシュは、歯みがきに足すと効き、歯みがきの代わりにはなりません。
足す場合は、毎日の歯みがきを続けたうえでの話です。
うがいで済ませた日は次にみがけるときに歯みがきをし、みがき方を見直すなら電動歯ブラシの記事も参考になります。
一度のうがいで落ちる歯垢は、みがく前に使った試験で5%未満でした [[8463939]]。歯垢を落とす手段にはならないので、帰ったら歯みがきをしてください。
使う順番を比べた臨床試験は、この調査では見つかっていません。なお、みがく前に水でうがいしても、歯垢の落ち方は上乗せされませんでした [[27082845]]。製品ごとの使い方の表示に従ってください。
アルコール入りとなしを比べた12週間の試験では、歯肉炎は歯みがきだけより39.0%、36.9%少なく、数字はほぼ同じでした [[38310236]]。アルコールだけの液との差がなかった試験もあります [[23638764]]。
RCT11件で、歯肉炎の指数がプラセボより0.52点低かった。
182人で、精油入りは歯垢が36.5%、歯肉炎の指数が17.5%少なかった。
103人で、うがいだけでは歯垢は9.0%減り、歯みがきを続けると39.6%減った。
805人で、歯肉炎の指数が0.21点下がったが、歯の着色が大きく増えた。
12人で、みがく前のうがいで落ちた歯垢は5%未満だった。
48人で、2分の歯みがきで平均55%を超える歯垢が落ち、水でうがいしても上乗せはなかった。
RCT8件で、歯肉炎の指数がプラセボより0.38点多く下がった。
209人が完了し、歯肉炎が歯みがきだけより50.8%少なかった。
20人で、うがいでは4日、歯みがきでは10日で歯ぐきが健康に戻った。
20人で、歯垢がついたままの歯では歯肉炎の指数が0.21から0.93に上がった。
歯みがきをしない部分では、歯肉炎が起こるほどの歯垢が残った。
歯みがきをしない部分で、アルコールだけの液と歯垢のつき方に差がなかった。
270人で、歯と歯の間の歯肉炎が歯みがきだけより39.0%、36.9%少なかった。
20人で、歯垢がついた面の26.19%に歯石ができ、歯垢のない面は4.52%だった。
判定「注意が必要」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。