[1]重曹と過酸化物入りホワイトニング歯みがき粉の着色予防
- 発表年
- 2001年
- 研究機関
- アメリカ・インディアナ大学
- 掲載誌
- The Journal of clinical dentistry
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- 672人
- 結果の向き
- 良い方向
クリーニングのあと672人を3か月追い、普通の歯みがき粉より着色がつきにくかった。

効きます。市販の重曹入り歯みがき粉は、着色と歯垢を減らします。
研究はすべて市販の重曹入り歯みがき粉で、多くはフッ素入りです。歯そのものを漂白する話でもありません。
着色や歯ぐきの出血が気になるなら、市販の重曹入り歯みがき粉を試す価値があります。粉の重曹や手作りペーストは研究が無く、削る力や安全性が分かっていないので、同じとは考えないでください。歯や歯ぐきの悩みが続くときは歯科医に相談を。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 36 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 14.6 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 21.2 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 6 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 77.8 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 9 本。 この上限により、強度を A から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
重曹(炭酸水素ナトリウム)を配合した、市販の歯みがき粉です。重曹は粒がやわらかく、汚れを落とす研磨剤の役目をするとされ、弱アルカリ性でもあります。フッ素や過酸化物を一緒に含む製品が多いのが特徴です。注意点は、研究で調べられたのが市販品だけで、台所用の粉の重曹や手作りペーストは調べられていないことです。この説明は研究で確かめたものではなく、一般的な解説です。
答えの中心は、カナダの総合歯科クリニックの研究チームが2002年に発表したランダム化試験です [4]。ランダム化試験とは、参加者をくじ引きのように分けて結果を比べる方法です。歯のクリーニングのあと126人が、3種類の歯みがき粉に分かれて8週間みがきました。
| 研究の種類 | ランダム化試験(着色を防ぐ効果を見た研究) |
|---|---|
| 対象 | 歯科医院でクリーニングを受けた126人 |
| 比べたもの | 重曹と過酸化物入りの歯みがき粉、普通のフッ素入り歯みがき粉など |
| 結果 | 重曹入りは新しい着色が29.6%少なかった |
672人を3か月追った試験も、重曹入りのホワイトニング歯みがき粉のほうが着色がつきにくいと報告しています [1]。
着色の試験は、ほかにもランダム化試験が9本あり、大半で重曹入りのほうが着色が少なくなりました。ただし、重曹だけの効果とは言い切れません。多くは過酸化物なども一緒に含む製品を使っています。メタ解析(試験をまとめて計算し直す方法)はまだありません。
歯垢と歯ぐきの出血は、着色より研究が厚くなっています。健康な成人のランダム化試験21本(43の比較)をまとめた2019年の系統的レビューでは、重曹入りは歯垢を減らし、歯ぐきの出血も少し減らしました [3]。歯肉炎のある人の試験7本をまとめた2022年のメタ解析でも、歯ぐきの炎症・出血・歯垢の点数が対照より良くなっています [2]。
長めの試験では、319人が6か月使い、重曹35%の歯みがき粉は重曹なしより歯ぐきの出血を46.9%、歯垢を18.3%減らしました [5]。159人の12週間の試験では、重曹20%で出血が44.2%減りました [6]。
着色しやすい洗口液を使う160人の試験では、重曹67%の歯みがき粉と重曹なしで、全体の着色に差はありませんでした [10]。278人の8週間の試験では、シリカ配合のホワイトニング歯みがき粉のほうが、市販の重曹の歯みがき粉より歯の色が明るくなりました [11]。重曹が常にいちばん白くするわけではありません。ホワイトニング全般はホワイトニング歯みがき粉で歯は白くなる?でも扱っています。
全体の着色に差はなく、表側の面だけ重曹のほうが少なくなりました。
研究の結果は、市販品を1日2回みがく使い方です。たとえば歯ぐきの出血の試験は、成人が12週間から24週間使っています [6] [8]。メーカーに所属する研究者が関わる試験が多い点は、割り引いて読んでください。口の中の装置に付けた牛の歯のかけらを30日みがいた研究では、過酸化物なども含む製品で表面のざらつきが増えました [12]。歯がしみる人、歯ぐきが腫れて痛む人は、自己判断で続けず歯科医に確認してください。
粉の重曹そのものの削る力や安全性を調べた研究は見つかっていません。
市販の重曹入り歯みがき粉は、着色と歯垢を減らし、歯ぐきの出血も減らします。
当てはまるのは市販品で、粉の重曹や手作りペーストは研究がありません。
着色や出血が気になる人は、市販品を毎日のみがきに使ってみましょう。
研究では確かめられていません。研究はすべて市販の重曹入り歯みがき粉です。削る力や安全性は分かっていないので、試すなら歯科医に相談してください。
研究では確かめられていません。試験の多くはフッ素入りの歯みがき粉です。虫歯を防ぐ働きは[フッ素入り歯みがき粉で虫歯は防げる?安全性は?](/evidence/fluoride-toothpaste-cavities)で扱っています。
歯ぐきの出血は減りますが、炎症の点数に差がなかったレビューもあります。歯周病の進行を調べた研究は見つかっていません。
研究が足りません。口臭の成分を調べた試験で、重曹なしとの差はありませんでした。
クリーニングのあと672人を3か月追い、普通の歯みがき粉より着色がつきにくかった。
歯肉炎のある人の試験7本で、歯ぐきの炎症・出血・歯垢の点数が対照より良かった。
健康な成人の試験21本で、歯垢が減り出血も少し減ったが、歯肉炎の点数に差はなかった。
歯のクリーニングのあと126人を8週間追い、普通のフッ素入り歯みがき粉より新しい着色が29.6%少なかった。
319人の6か月の試験で、重曹35%は出血を46.9%、歯垢を18.3%減らした。
159人の3か月の試験で、重曹なしより歯ぐきの出血を44.2%、歯垢を9.6%減らした。
64人の4週間の試験で、歯と歯ぐきの表面の変化は水だけでみがいた場合と差がなかった。
成人の24週間の試験で、歯みがき粉による副作用は重曹67%の群で2件、重曹なしの群で5件だった。
歯肉炎のある148人の6週間の試験で、重曹67%は歯ぐきの出血部位が25.4%少なかった。
着色しやすい洗口液を使う160人で、全体の着色に差はなかった。
長年の着色がある278人の8週間の試験で、シリカ配合のほうが歯の色が明るくなった。
牛の歯のかけらを15人が30日みがいた研究で、表面のざらつきが増え、硬さと色に差はなかった。
着色のある成人のランダム化試験で、重曹と過酸化物を配合した歯みがき粉を6週間使うと、重曹なしの普通の歯みがき粉より着色が減り、歯の色も白くなった
着色のある成人108人のランダム化試験で、重曹配合の歯みがき粉は6週間で、シリカ配合の市販の歯みがき粉より着色が少なくなった
成人180人のランダム化試験で、重曹と過酸化物を配合した歯みがき粉は6週間で、普通のフッ素入り歯みがき粉より着色の範囲と濃さが少なかった
115人を12週間追った試験で、重曹の歯みがき粉は、シリカ配合の普通の歯みがき粉より着色を減らし、歯を白くした
79人のランダム化試験で、重曹のホワイトニング歯みがき粉を5日使うと着色が13.2%減り、普通の歯みがき粉より多く落ちた
重曹5%と過酸化水素0.75%の歯みがき粉を6か月使った62人では、前歯の色に目で見てわかる変化はなかった
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。