[1]呼吸法がストレスに与える効果のメタ解析
- 発表年
- 2023年
- 研究機関
- イギリス・サセックス大学
- 掲載誌
- Scientific reports
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 785人
- 結果の向き
- 良い方向
大人785人、12件の試験で、呼吸法をした人は対照よりストレスが低かった。

減ります。ただし、効果は小さめです。
健康な大人や学生の、自分で感じるストレスの話です。うつ病などの治療や、一度きりの深呼吸の長期効果は、この答えの範囲外です。
試す価値はあります。効果があった呼吸法は、5分以上のセッションで、速い呼吸だけにせず、続けることが共通点でした [4]。ゆっくり吸ってゆっくり吐く呼吸を、毎日の習慣にしましょう。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 16.4 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 14.2 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 85.6 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 4 本・RCT のメタ解析 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
深呼吸や呼吸法は、息の吸い方と吐き方を意識して整える方法です。ストレスや緊張を和らげるとされ、お腹を使う腹式呼吸や、ゆっくりした呼吸、吐く息を長くする呼吸などがあります。道具は要らず、どこでもできるのが特徴です。注意点は、速い呼吸と息止めを組み合わせる方法は、効果がはっきりしないことです。ここまでは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。
答えの中心は、サセックス大学(イギリス)などの研究チームが2023年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、似た試験の結果を統計でまとめる方法です。ここでは、呼吸法を調べたランダム化比較試験が集められました。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 大人(12件・785人) |
| 比べたもの | 呼吸法をした人と、しない対照 |
| 結果 | 呼吸法をした人のほうが、自分で感じるストレスが低かった |
効果が確認されたのは、質問票で測ったストレスの点数です。
根拠の確かさは低めです。試験ごとに呼吸法の種類や期間が違い、結果のばらつきが大きいためです。腹式呼吸の48件を調べた2026年の系統的レビューでも、不安などに一貫した効果が見られた一方、研究の質には大きな問題がありました [5]。
呼吸法の臨床試験58件を整理した系統的レビューでは、効果があった方法に共通点がありました [4]。
実際の試験でも、続ける形が目立ちます。救急救命士を目指す学生98人は、5秒吸って5秒吐く腹式呼吸を12週間続け、ストレス・不安・抑うつの点数が対照より低くなりました [6]。大学生139人の実験では、吐く息を長くしたゆっくり呼吸を1回しただけでも、直後のストレスは対照より低くなりました [7]。
偽の課題と比べると、差が出にくくなります。アプリで参加した3,277人の実験では、吐く息を長くする呼吸法も、手を握るだけの偽の課題も、どちらも気分が良くなりました [3]。呼吸そのもの以外の要素が、効果の一部を担っている可能性があります。
速い呼吸と長い息止めの呼吸法は、偽の呼吸法と比べて、ストレスの改善に差がありませんでした [2]。
ヴィム・ホフ・メソッド(冷水・呼吸法・瞑想の組み合わせ)を15日間毎日行った試験でも、感じるストレスに改善は見られませんでした [8]。
研究は、主に大学生や学生、健康な大人が対象です。呼吸法の期間は、1回きり [7] から12週間まで [6] 幅があります。呼吸法の系統的レビューでは、副作用の報告はありませんでした [9]。ただし、持病がある人や、息苦しさ・めまいが出る人、強いストレスが続く人は、医師や薬剤師に相談してください。
効果がはっきりしない方法なので、苦しくなるまで続けず、ゆっくりした呼吸から始めてください。
深呼吸などの呼吸法は、自分で感じるストレスを小〜中程度に下げます。
効果が見られたのは、ゆっくりした呼吸を5分以上、続けた場合です。
毎日の習慣にして、気分の変化を2〜3週間見てみましょう。
ストレスが続くときは、ヨガでストレスは減る?やツボ押しでストレスや緊張は和らぐ?も合わせて確かめられます。
大学生139人の実験では、吐く息を長くしたゆっくり呼吸を1回しただけで、直後のストレスが対照より低くなりました [[40392328]]。ただし、その後の課題中には両グループともストレスが上がっています。
健康な大人100人の試験では、吐く息を長くしても、吸う息と同じ長さでも、ストレスの下がり方に差はありませんでした [[36871835]]。やりやすい長さで構いません。
速い呼吸と息止めの方法は、偽の呼吸法と差がありませんでした [[39043650]]。ヴィム・ホフ・メソッドの15日間の試験でも、感じるストレスの改善は見られませんでした [[37845341]]。
大人785人、12件の試験で、呼吸法をした人は対照よりストレスが低かった。
健康な若い大人200人で、偽の呼吸法とストレスの改善に差がなかった。
3,277人の実験で、呼吸法も偽の課題も気分と対処できる感じが増えた。
呼吸法の臨床試験58件を整理し、効果があった方法の共通点を示した。
腹式呼吸のRCT48件で不安などに一貫した効果があったが、研究の質に問題があった。
学生98人が12週間呼吸法を続け、ストレスなどの点数が対照より低かった。
大学生139人で、ゆっくり呼吸を1回しただけで直後のストレスが低かった。
15日間毎日行い、感じるストレスや心拍変動に改善は見られなかった。
12件が不安の改善を報告し、副作用の報告はなかった。
ゆっくり呼吸の研究15件で、心拍変動の増加やリラックス感と関連していた。
健康な大人100人が12週間続け、ストレスは下がったが心拍変動は変わらなかった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。