[1]紅茶がストレス反応とストレス後の回復に与える影響
- 発表年
- 2007年
- 研究機関
- イギリス・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン
- 掲載誌
- Psychopharmacology
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- 75人
- 結果の向き
- 結果が割れている
健康な男性75人で、紅茶を6週間飲んだ人は、作業のあとのコルチゾールが低く、休憩中のリラックス感が高かった。

できます。お茶を飲むと、作業のあとのストレスの指標が下がり、リラックス感が高まります。
健康な大人や学生が、計算や人前での発表など軽いストレスを受けた場面の話です。作業中のストレスの感じ方は変わらなかった試験もあります。病気としての不安や不眠は分かりません。
ひと息つく時間に、紅茶か緑茶を1杯飲むのは試す価値があります。研究で差が出たのは、作業の最中よりも、作業のあとの回復です。夜はカフェインが気になる人も多く、カフェインを減らした緑茶を使った試験もあります [4]。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 34 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 9.2 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 15.8 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 6 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 65 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 3 本。 この上限により、強度を B から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
紅茶や緑茶、抹茶は、どれもチャノキの葉からつくるお茶です。リラックスや気分転換の飲み物とされ、カフェインのほか、うま味成分のテアニンを含むのが特徴です。注意点は、カフェインで眠りにくくなる人がいることです。
答えの中心は、イギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドンなどの研究チームが2007年に発表したランダム化比較試験です [1]。ランダム化比較試験とは、くじで二つの組に分けて結果を比べる方法です。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験(本物と偽物を比べる二重盲検) |
|---|---|
| 対象 | たばこを吸わない健康な男性75人 |
| 比べたもの | 紅茶(37人)と、味を合わせたカフェイン入りの偽物(38人)を6週間 |
| 結果 | 作業のあとのコルチゾールが低く、休憩中のリラックス感が高かった |
課題中の血圧や心拍の上がり方、ストレスの感じ方そのものは、偽物の紅茶と変わりませんでした。
「ストレスを感じなくなる」のではなく、「ストレスのあとに戻りやすくなる」と読むのが正確です。
日本の静岡県立大学などの研究チームは、緑茶についても小さな試験を行っています。
課題中のストレスの感じ方は、偽物の紅茶と変わりませんでした [1]。
試験によって、効いた場面(課題のあとの回復か、実習中の感じ方か)が違います。いずれも小さな試験で、確かさが低めなのはそのためです。
静岡県立大学などの研究チームが2018年に発表した実験が1件あります [5]。紅茶(ダージリンとアッサム)の香りをかいだ人は、水のにおいをかいだときより、30分の計算作業のあとの唾液のストレスの指標が低くなりました。人数は要旨に書かれておらず、実験は1件だけです。
水出しの低カフェイン緑茶に含まれるテアニンは、1日約15mgでした [2]。テアニンの試験で使われるのは、健康な大人が200mgを飲むような量です [6]。お茶で効いたからといって、成分のサプリで同じ結果になるとは限りません。
研究で使われた条件は、紅茶を6週間 [1]、水出し緑茶を1日500mL以上、実習の前後の10日間 [2]といったものです。調べたのは健康な大人と学生で、持病のある人や子どもは含まれていません。カフェインで眠りにくくなる、動悸がする人は、時間帯や量を調整してください。妊娠中や持病、服薬中の人は、医師や薬剤師に相談してください。
この記事で調べた研究のうち、眠りを測ったのは、カフェインを減らした緑茶の試験だけです。
お茶は、作業のあとの回復とリラックス感に効くという結果が、小さな試験で出ています。
当てはまるのは、健康な人が軽いストレスを受けた場面です。
気持ちを切り替えたい場面で1杯、夜はカフェインに気をつけて選びましょう。
杯数は研究では確かめられていません。試験では水出し緑茶を1日500mL以上飲んでいます [[28566632]]。
直後の落ち着きを測った研究は、ここでは見つかっていません。差が出たのは、作業のあとや休憩中の指標です。
紅茶や緑茶を夜に飲んだときの眠りは、研究では確かめられていません。カフェインを減らした緑茶の試験では、たくさん飲んだ人ほど睡眠の質が高い結果でしたが、夜に飲んだ影響を測ったものではありません [[28753943]]。
この記事の研究では、お茶とハーブティーの比較はありません。ハーブティーは別の記事で扱っています。[リラックスに効くハーブティーは?](/evidence/herbal-tea-relaxation)
健康な男性75人で、紅茶を6週間飲んだ人は、作業のあとのコルチゾールが低く、休憩中のリラックス感が高かった。
薬学生20人で、低カフェイン緑茶を飲んだ人は、実習中のストレスの感じ方が偽物のお茶より低かった。
学生18人で、緑茶を飲んでから作業をすると、お湯のときより唾液のストレスの指標の上がり方が小さかった。
中高年20人で、カフェインを減らした緑茶はふつうの緑茶より唾液のストレスの指標が低かった。
紅茶の香りをかぐと、計算作業のあとの唾液のストレスの指標が水より低かった。
31件・1168人のメタ解析で、テアニン直後のストレスの軽減は小さく、偏りの大きい研究の影響が強かった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。