[1]ラベンダーオイルのカプセルの不安への効果のメタ解析
- 発表年
- 2023年
- 研究機関
- オーストリア・ウィーン医科大学
- 掲載誌
- European archives of psychiatry and clinical neuroscience
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 1,213人
- 結果の向き
- 良い方向
ラベンダーオイルのカプセルを10週間飲むと、不安の点数がプラセボより下がった(5件・1213人)。

カモミールは睡眠の質に、ラベンダーとレモンバームは不安に効きます。研究の多くはお茶ではなくカプセルやエキスの結果です。
カモミールの結果は、リラックスそのものではなく睡眠の質の点数です。ラベンダーとレモンバームはカプセルやエキスが中心です。
眠りの質が気になる夜は、カモミールティーを試す価値があります。不安を和らげたいとき、研究で効果が確かめられているのはラベンダーオイルのカプセルです。強い不安や眠れない日が続くなら、医師に相談を。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 12.9 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 20.3 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 88.2 点を、エビデンス強度 A の範囲(75〜100 点)に収めて、スコアは 88 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 5 本・RCT のメタ解析 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
ハーブティーは、ハーブの花や葉に湯を注いで成分を出して飲むお茶で、多くは食品として売られています。気持ちを落ち着かせ、眠りを助けるとされ、カモミール・ラベンダー・レモンバームなどの種類があります。お茶のほか、カプセルやエキスの形でも使われ、研究ではそちらが多いのが特徴です。注意点は、妊娠中や持病・服薬中の人は、使う前に医師や薬剤師に確認することです。
答えの中心は、ウィーン医科大学(オーストリア)などの研究チームが2023年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の試験の結果をまとめて計算する方法です。ラベンダーオイルのカプセルをプラセボと比べた試験5件・1213人が集められました。
| 研究の種類 | ラベンダーオイルのカプセルのメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 診断に届かない程度の不安から全般性不安障害まで、外来の大人(5件・1213人) |
| 比べたもの | ラベンダーオイル80mgのカプセルとプラセボ(毎日1回、10週間) |
| 結果 | 不安の点数がプラセボより下がった |
これはお茶ではなくカプセルの結果で、お茶で同じ効果が出るかは確かめられていません。
飲み方が大きく違います。お茶で調べた試験は、ラベンダーのティーバッグ2gを朝と夜に2週間飲む形でした [6]。不安への効果が確かめられているのは、ラベンダーオイルを1日1回80mg、10週間飲むカプセルの形です [1]。量も期間も違うので、カプセルの結果をそのままお茶に当てはめることはできません。
カモミール・パッションフラワー・アニスのブレンドティーと偽のお茶で、不安の程度に差はありませんでした [13]。
研究で使われた量と期間は、ラベンダーのティーバッグ2gを2週間 [6] から、レモンバームのエキス700mgを12週間 [9] まで、さまざまです。結果の多くはカプセルやエキスのもので、お茶を同じ量・同じ期間飲んだ効果は確かめられていません。薬との飲み合わせも、研究では確かめられていません。持病や服薬がある人、妊娠中の人は、医師や薬剤師に確認してください。
ハーブティーで様子を見続けるより、続くようなら受診を考えてください。
カモミールは睡眠の質に、ラベンダーとレモンバームは不安に効くという結果があります。
ただし不安への結果は主にカプセルやエキスで、お茶では根拠の確かさは低めです。
眠りの質が気になる夜に、カモミールティーから試してみましょう。
高齢者60人の試験では、飲んだグループの不安の点数が下がりました。ただし比べた相手は何も飲まないグループで、偽のお茶ではありません。お茶で効くと言い切れる根拠は、まだありません [[32444033]]。
睡眠の質の点数は、カモミールのほうが良い結果でした。ただし睡眠時間は延びていません。眠るまでの時間は、4件中3件で良くなったと報告されていますが、まとめての計算はされていません [[39106912]]。
研究では確かめられていません。この記事で調べたのは、不安の点数と睡眠の質の点数です。
リンデンは、人の不安や睡眠を調べた試験が見つかりませんでした。レモングラスは、この記事では調べていません。研究が見つかっていないので、効くとも効かないとも言えません。
ラベンダーオイルのカプセルを10週間飲むと、不安の点数がプラセボより下がった(5件・1213人)。
臨床試験10件(772人)のレビュー。5件を統合すると、睡眠の質の点数が平均1.88点良かった。
不安の点数がプラセボより下がったが、研究の数が少なく、結果のばらつきも大きかった。
RCT12件のメタ解析。睡眠の質は改善し、不安は一時的な不安では差がなく、全般性不安障害では平均1.43点低かった。
RCT29件の解析で、カモミールとパッションフラワーは不安の点数にプラセボと統計的な差がなかった。
高齢者60人で、ラベンダーティーを飲んだグループは今の不安の点数が6.40点低かった。偽のお茶は使っていない。
女性60人で、ラベンダーオイルのカプセルを56日間飲むと、ストレスと抑うつの点数は下がったが、不安には差がなかった。
閉経後の女性72人で、ラベンダーオイルのカプセルを60日間飲んでも、不安を含む症状の減り方はプラセボと差がなかった。
うつ症状のある2型糖尿病の60人で、レモンバームのエキスを12週間飲むと、プラセボより不安の下がり方が大きかった。
睡眠の悩みの点数は下がったが、不安の程度には有意な変化がなかった。
親知らずを抜く54人で、パッションフラワーを飲んだ人はプラセボより不安の点数が下がった。
親知らずを抜く30人で、パッションフラワーとプラセボの間に不安の点数の差はなかった。
手術を受ける210人で、ブレンドハーブティーと偽のお茶の間で、不安の程度に差はなかった。
大学生14人で、ハーブティーは偽のお茶より不安が減る傾向はあったが、はっきりした差ではなかった。
ミソフォニアの60人で、ラベンダーティーを飲むと不安などの症状が和らいだ可能性がある。比べた相手は何もしないグループ。
歯の根の治療を受ける64人で、ラベンダーのエキスを飲むと、水だけのグループより治療前の不安の点数が大きく下がった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。