[1]マインドフルネスが怒りと攻撃性に与える影響のメタ解析
- 発表年
- 2025年
- 研究機関
- オーストラリア・シドニー大学
- 掲載誌
- Clinical psychology review
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 研究95件を統合
- 結果の向き
- 良い方向
マインドフルネスの訓練を受けた人は、対照群より怒りが中くらいの大きさで低かった。

抑えられます。マインドフルネスの訓練を受けた人は、怒りが下がります。
健康な大人・学生・患者・罪を犯した人など、幅広い人で調べた結果です。サンドバッグを叩く、走るといった発散は、怒りの減少と関連していませんでした。
怒りを感じたら、サンドバッグや運動で発散するより、深呼吸やマインドフルネス (瞑想) で体を落ち着かせるほうが、研究の結果に合います。日ごろから瞑想を練習しておくと、怒りっぽさを下げる助けになります。深呼吸の効き方は 深呼吸でストレスは減る? へ。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 10 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 85 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
マインドフルネスは、今の呼吸や体の感覚に注意を向け、浮かぶ考えを評価せずに眺める訓練です。瞑想の一種で、講座やアプリで練習します。ストレスや怒りを和らげるとされています。ここまでは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。
答えの中心は、オーストラリアのシドニー大学などの研究チームが2025年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、似た研究の結果を数字でまとめ直す方法です。マインドフルネスの訓練を調べた実験研究で、怒りの結果は95件ありました。
| 研究の種類 | マインドフルネスの訓練を調べた実験研究のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 健康な大人・学生・患者・罪を犯した人など |
| 比べたもの | 訓練を受けた人と対照群 |
| 結果 | 訓練を受けた人は怒りが中くらいの大きさで低かった |
健康な大人・学生・患者などで、効果の大きさはほぼ同じでした。
何もしない対照と比べた研究のほうが、別の活動をする対照と比べた研究より、効果は大きく出ています [1]。
アメリカのオハイオ州立大学などの研究チームが2024年に発表したメタ解析は、154件・10,189人をまとめました [2]。深呼吸・マインドフルネス・瞑想など体の興奮を静める方法は、怒りと攻撃的な言動が少ないことと関連していました (g = -0.63)。性別・年齢・文化を問わず、学生でも学生以外でも、アプリでも専門家からでも、集団でも個人でも同じ向きでした。
この研究は、静める方法を行った人と行わなかった人を、さまざまな研究から集めたものです。「関連していた」という言い方にとどめます。
同じメタ解析で、サンドバッグを叩く・ジョギング・自転車こぎなど体を興奮させる方法は、全体として怒りの減少と関連していませんでした (g = -0.02) [2]。結果は研究ごとにばらつき、著者は怒りを吐き出すことや走りに行くことを、対処法として支持しないとまとめています。
心拍を見ながらゆっくり呼吸する練習のメタ解析では、怒りは効果の大きい項目の一つでした。ただ、怒りを調べた研究は少なめです [3]。怒りっぽい7〜17歳の39人では、リラックスの技術をゲームで練習すると、2週間後の攻撃性が対照のゲームより大きく改善しました。3か月後には差がなくなっています [4]。企業の研究部門が関わる小さな試験です。
2週間後は改善が大きく、3か月後には対照と差がありませんでした。
研究には、幅広い人が参加しています。ただ、怒りの強さや頻度が日常生活に支障を出すほどの人は、自己判断せず医師や心理士に相談してください。怒りが暴力につながる心配があるときも同じです。
マインドフルネスは訓練の効果を調べた研究です。一度の深呼吸で十分とは限りません。
怒りは、マインドフルネスや深呼吸などで体を落ち着かせると、下がります。
発散は怒りを減らすことと関連しておらず、当てはまる人は、静める方法への切り替えが合っています。
まず呼吸を整える練習から始め、瞑想でストレスは減る? も読んでみてください。
6秒という時間を確かめた研究は、調べた範囲で見つかっていません。待つあいだに深呼吸をして体を落ち着かせる方法は、研究で怒りが少ないことと関連していました。
気分の感じ方は人それぞれですが、154件のまとめでは、体を興奮させる発散は怒りの減少と関連していませんでした。
続ける期間ごとの比べ方は、このまとめ研究からは分かりません。研究は訓練の効果を調べたもので、日ごろの練習を前提にしています。
マインドフルネスの訓練を受けた人は、対照群より怒りが中くらいの大きさで低かった。
154件・10,189人のまとめで、静める方法は怒りの減少と関連し、発散は関連しなかった。
怒りは効果の大きい項目の一つだったが、怒りを調べた研究は少なかった。
39人で、2週間後の攻撃性が対照より大きく改善し、3か月後には差がなくなった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。