瞑想(マインドフルネス)でストレスは減る?

瞑想(マインドフルネス)でストレスは減る?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え効く

減ります。何もしない人と比べて、ストレスも不安も下がります。

根拠

病気の診断のない大人を対象にした、マインドフルネスのランダム化試験136件・11,605人のまとめ解析で、何もしない群と比べてストレス(心理的な苦痛)が下がりました(27件)。不安も下がっています(8件)[1]。1日10分のアプリを8週間続けた1,458人の試験でも、順番待ちの人よりストレスの点数が改善しました [2]。根拠の確かさは低めです。ストレスでは、試験どうしの結果のばらつきが大きく、質に不安のある試験が多く、確かさが下がります。不安は、何もしない群との比較では確かさが中程度とされますが、ほかの研究では低めの評価です [1]。

この答えの範囲

最大の根拠136件は、専門家が対面で行うプログラムの試験で、アプリを直接調べたものではありません。対象は病気の診断のない大人です。1日10分の試験は、軽〜中程度のストレスがあり普段は瞑想しない大学病院の職員が対象です。

じゃあ、どうする?

試すなら、まず1日10分のアプリから。試験で改善が出たのが、この長さを8週間続けた場合です [2]。何分から効くかを直接比べた研究は見つかっていません。アプリの利用が勧められた時間よりかなり短かった試験では、差が出ていません。続けられる時間を決めることが大切です [3]。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。8 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 64 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量2020研究件数と参加人数
一致度20.925結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 95.9 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 3 本・RCT のメタ解析 4 本・観察研究 1 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を A から C に下げました。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

マインドフルネス瞑想とは

マインドフルネス瞑想は、呼吸や体の感覚に注意を向け、浮かんでくる考えを評価せずに眺める練習です。ストレスや不安を和らげるとされ、教室で行うプログラム、アプリ、音声ガイドなどの形があります。特別な道具は要りません。ここまでは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。結果は、効果の測り方や比べる相手で変わります。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、イギリスのケンブリッジ大学などの研究チームが2021年に発表したまとめ解析です [1]。まとめ解析とは、条件の合う試験の結果を集めて、全体として何が言えるかを計算する方法です。病気の診断のない大人を対象にしたマインドフルネスのプログラムの試験136件・11,605人が集められました。多くは専門家が対面で行うプログラムで、アプリを直接調べたものではありません。

研究の種類ランダム化試験のまとめ解析
対象病気の診断のない大人(136件・11,605人)
比べたものマインドフルネスのプログラムと、何もしない群・別の活動をする群
結果何もしない群と比べて、ストレスと不安が下がった
まとめ解析の結果何もしない群と比べて、心理的な苦痛(ストレスの感じ方)は27件の試験で小〜中程度下がりました。不安は8件の試験で中程度下がっています [1]。

確かさの評価は、ストレスは低め、何もしない群と比べた不安は中程度です。

職場の研究でも同じ向きです。職場で行ったマインドフルネスの試験91件のまとめ解析で、ストレスは改善しました。ただし13〜52週後の追跡では、効果は安定していませんでした [4]。

別の活動と比べると、差ははっきりしない

このまとめ解析は、別の活動をする群と比べた結果も出しています。その場合、不安や苦痛の差ははっきりしませんでした [1]。「何もしないよりは下がる」は言えますが、「瞑想でなければ下がらない」とは言えません。他の方法も同じくらい効く可能性が残ります。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

すべての試験で効果が出たわけではありません。差が出なかった試験が2本あります。

差がなかった試験(アプリ)オーストラリアの公務員211人。3か月後の知覚ストレスは、順番待ちの人と差がありませんでした [3]。

アプリの利用時間は、勧められた時間よりかなり短いものでした。

差がなかった試験(オンライン)オーストラリアの医学生114人。8週間のオンラインのマインドフルネスで、全文ではストレスの点数の変化に差はありませんでした [5]。

要旨にはストレスの結果が書かれておらず、差が出たのはマインドフルネスの点数などでした。

何分から効く?

直接答える研究は見つかっていません。材料になるのは、1日10分のアプリを8週間続けた、ストレスを感じている大学病院の職員1,458人の試験です。順番待ちの人よりストレスの点数が大きく改善し(Cohen d 0.85)、4か月後も改善が続いていました [2]。この試験は10分で効くことを示したのであって、10分より短い時間の効果は確かめていません。

よく言われていることは本当?

  • ストレスが減る効きます。 何もしない群と比べて下がります [1]。根拠の確かさは低めです。試験どうしの結果のばらつきが大きいためです。
  • 不安が和らぐ効きます。 何もしない群と比べて中程度下がります [1]。この比較での根拠の確かさは中程度ですが、別の活動との差ははっきりしません。
  • ストレスホルモン(コルチゾール)が減る効きます。 ただし見かけより弱い結果です。[6]

コルチゾールについて補足します。病気でない人を対象にしたストレス対策の試験58件のまとめ解析で、マインドフルネスと瞑想はコルチゾールを変える効果が最も大きい方法の一つでした。このまとめ解析は結果の確かさの評価をしていないため、評価の低さで割り引かれていないだけで、見かけより弱い結果と読むのが安全です [6]。唾液で測った21件では、効果は小さくはっきりしませんでした。血液で測った10件では下がりましたが、体の病気のある人だけに見られました。測り方や対象で結果が分かれます [7]。

02注意点

研究の多くは、数週間のプログラムやアプリを大人が続けた場合を見ています。1日10分を8週間という、1,458人の試験の条件が一つの目安です [2]。強いストレスや不眠、気分の落ち込みが続くときは、瞑想だけで対処せず、医師や専門家に相談してください。服薬中の人は、医師や薬剤師に確認してください。

瞑想は、医療の代わりではありません

不安やつらさが強い状態が続くときは、医師や心理の専門家に相談しましょう。

03まとめ

瞑想は、何もしないよりストレスと不安を下げます。根拠の確かさは低めで、別の活動との差ははっきりしません。
続けられる長さで始めるのが条件です。試験では1日10分を8週間続けて改善しています。
合わなければ、運動や睡眠など他のストレス対策に切り替えても構いません。

04よくある質問

Q瞑想は、ほかの活動より効きますか?

研究では、別の活動をする群と比べると、不安や苦痛の差ははっきりしませんでした。優劣は言えず、続けやすいものを選ぶのが現実的です。

Q効果がない人もいますか?

います。公務員211人のアプリの試験では、ストレスに差がありませんでした。医学生114人のオンラインの試験も、全文ではストレスの点数の変化に差がありませんでした(要旨には結果の記載がありません)。

Qコルチゾールを測れば効果が分かりますか?

測り方で結果が分かれます。唾液で測った21件では効果ははっきりしませんでした。ストレスの感じ方は、質問票で測るのが一般的です。

Qほかのストレス対策も知りたいです。

[アシュワガンダでストレスは減る?](/evidence/ashwagandha-stress)で、サプリの研究をまとめています。

05参照した論文

判定に使った主な論文(10本)

[1]一般の大人のメンタルヘルスを高めるマインドフルネスのプログラム:ランダム化試験のまとめ解析

発表年
2021年
研究機関
イギリス・ケンブリッジ大学
掲載誌
PLoS medicine
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
11,605人
結果の向き
良い方向

病気の診断のない大人のランダム化試験136件・11,605人を集め、何もしない群と比べてストレスと不安が下がったことを示した。

[2]従業員のストレスに対するデジタル瞑想:ランダム化臨床試験

発表年
2025年
研究機関
アメリカ・カリフォルニア大学サンフランシスコ校
掲載誌
JAMA network open
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
1,458人
結果の向き
良い方向

ストレスを感じている職員1,458人が1日10分の瞑想アプリを8週間使い、順番待ちの人よりストレスが改善した。

[3]オーストラリアの公務員の職場ストレスに対するマインドフルネスアプリの効果

発表年
2022年
研究機関
オーストラリア・タスマニア大学
掲載誌
JMIR mHealth and uHealth
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
211人
結果の向き
差なし

公務員211人で、アプリを使った群と順番待ちの群のストレスに差はなかった。

[4]職場のマインドフルネス介入:ランダム化試験のメタ回帰分析

発表年
2023年
研究機関
ドイツ・ヴィッテン・ヘルデッケ大学
掲載誌
Mindfulness
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
研究91件を統合
結果の向き
良い方向

職場のランダム化試験91件で、ストレスが改善した。長期の追跡では効果が安定しなかった。

[5]西オーストラリアの医学部マインドフルネス計画:ランダム化試験

発表年
2024年
研究機関
オーストラリア・西オーストラリア大学
掲載誌
BMC medical education
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
114人
結果の向き
差なし

医学生114人で、オンラインのマインドフルネスは、ストレスの点数に差を示さなかった。

[6]コルチゾールを変えるストレス対策の効果:系統的レビューとメタ解析

発表年
2024年
研究機関
イギリス・リーズ大学
掲載誌
Psychoneuroendocrinology
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
3,508人
結果の向き
良い方向

ストレス対策の試験58件のうち、マインドフルネスと瞑想はコルチゾールを変える効果が大きい方法の一つだった。

[7]瞑想はリスクのある人のコルチゾールを下げる:メタ解析

発表年
2021年
研究機関
ハンガリー・エトヴェシュ・ロラーンド大学
掲載誌
Health psychology review
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究21件を統合
結果の向き
結果が割れている

唾液のコルチゾール21件では効果は小さくはっきりしなかった。血液では体の病気のある人だけで下がった。

大学生のメンタルヘルスに対するマインドフルネス介入の効果:系統的レビューとメタ解析

発表年
2023年
研究機関
中国・深セン大学
掲載誌
Frontiers in public health
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,824人
結果の向き
良い方向

大学生を対象にしたRCT11件・1,824人のメタ解析で、ストレスの点数が標準化平均差で0.39小さかった。対象の試験の一部は、対面式プログラムの大きなメタ解析と重なる可能性がある

一般の人のストレス対策としてのインターネットのマインドフルネス:メタ解析

発表年
2020年
研究機関
中国・四川大学華西基礎医学・法医学院
掲載誌
Medicine
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究16件を統合
結果の向き
良い方向

一般の人を対象にしたインターネットで行うマインドフルネスの研究16件のメタ解析で、ストレスに小〜中程度の効果があった(Hedges' g = -0.393)。アプリやウェブのマインドフルネスの別のメタ解析と対象の試験が一部重なる可能性がある

医療従事者のメンタルヘルスに対する一人で行うデジタルのマインドフルネスの効果:ランダム化試験のメタ解析

発表年
2026年
研究機関
日本・東京大学
掲載誌
JMIR mHealth and uHealth
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
3,088人
結果の向き
良い方向

医療従事者がアプリやウェブで一人で行うマインドフルネスのRCT9件・3,088人のメタ解析で、終了直後の知覚ストレスが標準化平均差で0.42小さかった。長期の効果は調べられていない。職場やインターネットのマインドフルネスの別のメタ解析と対象の試験が一部重なる可能性がある

ほかに参考にした論文(11本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。