[1]医療従事者の仕事のストレスへの身体的リラクセーション:ランダム化比較試験のネットワークメタ解析
- 発表年
- 2021年
- 研究機関
- アメリカ・サザンネバダ保健局
- 掲載誌
- Journal of occupational health
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 688人
- 結果の向き
- 良い方向
マッサージだけを受けた人は、何もしない人よりストレスの尺度が下がった。ヨガのほうが効果は大きかった。

減ります。仕事のストレスや、その場の不安が下がります。
人の手によるマッサージの話です。マッサージチェアなどの機械は含みません。根拠の中心は医療従事者などを対象にした研究です。
気持ちを楽にしたいときに、試す価値があります。休むだけでも同じくらい楽になる場面があるので、受けられないときは横になって休むことも選べます。ヨガのほうが効果が大きかった解析もあります [1]。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 17.1 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 17.8 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 89.9 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 4 本・RCT のメタ解析 2 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
マッサージは、手で体をなでる・もむ・押すなどして、筋肉や皮膚に刺激を与える方法です。リラックスや疲れの軽減に役立つとされ、全身・背中・手足・頭などの種類があります。日本の按摩(あんま)やタイ古式マッサージのように、国ごとの方法も研究されています。この記事で扱うのは人の手によるもので、機械は含みません。ここまでは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。
答えの中心は、アメリカのサザンネバダ保健局などの研究チームが2021年に発表したネットワークメタ解析です [1]。ネットワークメタ解析とは、複数の方法を同じ土台で比べられるように、ランダム化比較試験の結果をまとめる方法です。
| 研究の種類 | 医療従事者の仕事のストレスを調べたランダム化比較試験のネットワークメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 医療従事者(15件・688人) |
| 比べたもの | マッサージやヨガなどと、何もしない場合 |
| 結果 | マッサージだけを受けた人は、何もしない人よりストレスの尺度が下がった(標準化平均差 -0.43。標準化平均差とは、尺度が違う研究を比べるための差の表し方で、マイナスはストレスが下がったことを示します) |
ヨガのほうが効果は大きく、くわしくは[ヨガでストレスは減る?](/evidence/yoga-stress)にまとめています。
2004年のメタ解析では、ランダムに割り付けた研究37件をまとめると、一度のマッサージでその場の不安・血圧・心拍数が下がりました。続けて受けると、ふだんの不安の強さや気分の落ち込みも下がっています [2]。
研究で調べられたマッサージには、次のようなものがあります。
健康な人に短いストレスをかけた試験では、休むだけ・形だけのマッサージと差がない結果が複数あります。暗算でストレスをかけた健康な人30人では、タイ古式マッサージでもベッドで休むだけでもストレスは下がり、両者に差はありませんでした [3]。人前で話す課題でストレスをかけた健康な大人118人では、リズミカルマッサージを受けた人の気分・心地よさは、形だけのマッサージと差がありませんでした [4]。
タイ古式マッサージでもベッドで休むだけでも下がり、両者に差はありませんでした。
健康な男性14人の試験でも、20分のマッサージでも20分の読書でも不安の尺度は下がりました [7]。何もしない人と比べた研究では下がり、休む人と比べた研究では差がない、という違いがあります。
研究の多くは、一度のマッサージの直後の変化を測っています [2]。受けたあと何時間・何日続くかは、ここで確かめられていません。強く押しすぎて痛みが出る場合や、骨折・血栓・皮膚の炎症・妊娠中・持病や服薬中の人は、受ける前に医師に相談してください。
「ストレスホルモンが下がる」ことを期待して受けるより、気持ちを楽にする時間として考えるのが研究に近い使い方です。
マッサージは、仕事のストレスやその場の不安を小さめに下げます。
休むだけとの差がない試験もあり、コルチゾールが下がるとは言えません。
気持ちを休めたいときの選択肢の一つとして、無理のない強さで受けましょう。
健康な人に短いストレスをかけた試験では、タイ古式マッサージでもベッドで休むだけでもストレスは下がり、差はありませんでした [[26387408]]。一方、医療従事者のメタ解析では、何もしない人と比べるとマッサージを受けた人のほうが下がっています [[34235817]]。
自分で行う場合の研究は、今回は見つかっていません。認知症の家族にマッサージを「する側」の介護者で、ストレスの尺度が良かったという試験はあります [[37540911]]。受ける側の話ではありません。
研究では確かめられていません。一度の直後の変化と、続けて受けたあとの変化が別々に調べられています [[14717648]]。
マッサージだけを受けた人は、何もしない人よりストレスの尺度が下がった。ヨガのほうが効果は大きかった。
37件で、一度のマッサージでその場の不安が下がり、続けるとふだんの不安も下がった。
暗算でストレスをかけた健康な人30人で、マッサージでも休むだけでも下がり、差はなかった。
健康な大人118人で、気分・心地よさもコルチゾールも、形だけのマッサージと差がなかった。
家族44人で、その場の不安・コルチゾール・血圧・脈拍が下がり、睡眠の質が上がった。
首と肩のこりがある女性15人で、こりの感じ方とその場の不安が下がった。
健康な男性14人で、マッサージでも読書でも不安の尺度が下がった。
受けない群との差はほとんどが小さく、統計的に意味のある差ではなかった。
学生36人で、マッサージでも対照でもコルチゾールは下がり、差はなかった。
主に患者のRCT88件・5524人で、睡眠の質の尺度が平均4.06点良くなった。
更年期の女性で不安・疲労は改善したが、睡眠の質の尺度は改善しなかった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。