[1]頭を使う作業によるストレス下でのGABA摂取と気分・脳活動
- 発表年
- 2012年
- 研究機関
- 日本・静岡県立大学
- 掲載誌
- Amino acids
- 研究の種類
- ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
- 対象
- 63人
- 結果の向き
- 良い方向
成人63人が計算などの課題をしたとき、GABA 100mgを飲んで30分後は、ストレスによる脳波の低下が偽薬より小さくなりました。

計算課題やeスポーツなど緊張する場面では、気分の乱れやストレスの指標が小さくなった試験があります。疲労感も減ります。
計算課題やeスポーツなど、一時的にストレスがかかる場面で、健康な成人を中心に確かめた結果です。使われた量は100mgや200mgです。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 10.3 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 9.6 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 69.9 点を、エビデンス強度 D の範囲(5〜39 点)に収めて、スコアは 39 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・RCT のメタ解析 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
GABA(ギャバ)は、アミノ酸の一種で、脳や体の中で神経の働きを調整する物質としても知られています。野菜や発酵食品にも含まれ、サプリや飲料、チョコレートなどに加えたものがあります。ストレスをやわらげる、睡眠の質を高める、血圧を下げるなどの効果があるとされ、機能性表示食品の成分にもなっています。注意点は、降圧薬を飲んでいる人は血圧が下がりすぎるおそれがあることと、妊娠中・授乳中のデータがないことです。
小さな試験では、短い緊張の場面で良い結果が出ています。
良い結果の試験の多くは、人数が少なく、企業の研究者によるものです。2015年の総説(研究をまとめて解説した論文)も、落ち着く効果の根拠の多くは利益相反の可能性がある研究者の報告だと述べています [8]。
試験を集めて整理したのは、イギリスの企業の研究部門の研究者らが2020年に発表した系統的レビューです [3]。系統的レビューとは、決めた手順で関連する研究を集め、結果を整理する方法です。この研究は数値を一つにまとめる解析はしていません。
| 研究の種類 | プラセボ対照のヒト試験を集めた系統的レビュー |
|---|---|
| 対象 | ストレスや睡眠を調べたヒト試験14件 |
| 比べたもの | 食品に元から含まれるGABAや、発酵でつくったGABAを口からとる / 偽薬 |
| 結果 | ストレスへの根拠は「限られている」、睡眠への根拠は「非常に限られている」 |
効果を否定したものではなく、さらに研究が必要という結論です。
2024年の試験では、運動習慣のない過体重・肥満の女性30人が、運動をしながらGABA 200mgを90日続け、抑うつの点数が偽薬より改善しました [9]。ただし1本の試験で、対象も限られます。
米国薬局方(USP)の2021年の評価では、重い副作用の報告は見つかっていません。一部の研究で血圧が少し下がったため、降圧薬を飲んでいる人は注意が必要とされています。妊娠中・授乳中のデータはありません [5]。持病や服薬のある人は、医師・薬剤師に確認してください。
若い健康な人の短い試験の結果を、服薬中の人や妊娠中・授乳中の人へそのまま当てはめないでください。
GABAは、計算課題やeスポーツなど短い緊張の場面で、気分の乱れやストレスの指標が小さくなった試験があります。
頭を使う作業のあとの疲れと、血圧が高めの人の上の血圧は、小さな試験で確かめられています。
気持ちが張りつめる場面の前に、研究の量の範囲で試し、降圧薬を飲んでいる人や妊娠中・授乳中の人は先に医師・薬剤師へ。
意味がないと決める根拠はありません。届くかどうかは、調べた研究どうしで結果が食い違っています [[26500584]]。計算などの課題でストレスをかけた63人の試験では、脳波の低下が偽薬より小さくなりました [[22203366]]。
GABAを加えたチョコレートで、計算課題のあとの心拍のゆらぎが早く戻ったという報告があります [[19462324]]。ただしサプリと同じ効果とは確かめられていません。
研究では確かめられていません。試験で測った時点は、飲んで30分後に脳波を測ったもの [[22203366]]、毎日90日続けて睡眠を測ったもの [[38321713]]、12週間後に血圧を測ったもの [[19811362]] などです。
研究では確かめられていません。このページの100mgや200mgは試験で使われた量で、適した量を示すものではありません [[22203366]] [[40507139]]。
成人63人が計算などの課題をしたとき、GABA 100mgを飲んで30分後は、ストレスによる脳波の低下が偽薬より小さくなりました。
男子大学生8人で、GABAを飲んだときは偽薬より「混乱・とまどい」と「疲労」の点数が低くなりました。
プラセボ対照のヒト試験14件を集め、ストレスへの根拠は「限られている」、睡眠は「非常に限られている」と結論しました。
30人が計算課題の前にGABA 50mg入りの飲み物を飲むと、心理的な疲労感が、GABAなしの飲み物のときより低くなりました。
重い副作用の報告は見つからず、降圧薬を飲んでいる人は注意が必要で、妊娠中・授乳中のデータは無いとされました。
GABA入りチョコレートを食べた人は、計算課題のあと心拍のゆらぎが早く元に戻りました。
健康な若い成人7人で、心拍数の上がり方は偽薬錠より小さかった一方、血圧など多くの指標には差がありませんでした。
飲んだGABAが脳に届くかは研究どうしで結果が食い違い、落ち着く効果の根拠の多くは利益相反の可能性がある報告だとしました。
運動に取り組む過体重・肥満の女性30人で、GABAを90日続けると抑うつの点数が改善し、睡眠効率も改善しました。
前糖尿病の人52人で、睡眠の質や血圧を含む副次的な項目に、GABAによる有意な差は見られませんでした。
血圧が高めの80人で、GABAを多く含むクロレラを12週間とったグループは、上の血圧が偽薬より有意に下がりました。
軽い高血圧の39人で、GABAを含む発酵乳を12週間とったグループは、上の血圧が偽薬と有意に違っていました。
運動トレーニングをした肥満の女性26人で、GABAを90日間とっても、血圧に偽薬との差は見られませんでした。
食べたGABAが、腸から迷走神経などを通じて脳に間接的に働く経路が考えられていると整理しました。
この記事のエビデンス強度は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。