[1]亜鉛とかぜの予防・治療(コクランレビュー)
- 発表年
- 2024年
- 研究機関
- アメリカ・メリーランド統合健康大学
- 掲載誌
- The Cochrane database of systematic reviews
- 研究の種類
- システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
- 対象
- 972人
- 結果の向き
- 良い方向
風邪をひいてから亜鉛をとると、風邪の日数が平均2.37日短くなった。研究の質は低い。

早く治ります。風邪の続く日数が、平均2.37日短くなります。
風邪をひいたあとに使う話です。ふだんからとっても、風邪をひく人の割合はほとんど変わりません。子どもは症状の重さの研究が中心です。
使うなら、風邪をひいてから。いやな味や吐き気が出る人が増えるので、合わなければやめて大丈夫です。持病や服薬中の人、子どもに使うときは、医師か薬剤師に相談を [1]。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 14.5 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 94.5 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 4 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を A から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
亜鉛のトローチは、口の中でゆっくり溶かして使う亜鉛の錠剤です。酢酸亜鉛やグルコン酸亜鉛などの種類があります。研究では、風邪をひいてから使った試験が中心です。注意点は、いやな味や吐き気が出やすいことです。この節の説明は、研究で確かめたものではありません。
答えの中心は、メリーランド統合健康大学などの研究チームが2024年に発表したコクランのレビューです [1]。コクランのレビューとは、決めた手順で試験を集め、結果をまとめる方法です。
| 研究の種類 | 無作為化比較試験のレビュー |
|---|---|
| 対象 | 風邪をひいた大人と子ども(8件・972人) |
| 比べたもの | 亜鉛とプラセボ(偽薬) |
| 結果 | 風邪の日数が平均2.37日短い |
このレビュー全体(34件)では、約半数の試験がトローチでした。グルコン酸亜鉛の量は一日45〜276mgと幅がありました [1]。
酢酸亜鉛のトローチ3件・199人の個人データを集めた解析では、平均2.73日短くなりました。3件の試験で風邪の平均の長さは7日でした [2]。健康な大人の試験をまとめた2020年のレビューも、亜鉛を単独でとると2.25日短くなる結果です [3]。
フィンランドの働く大人の試験では、酢酸亜鉛トローチ(亜鉛13mgを一日6回、最長5日)で、治るまでの速さにプラセボとの差がありませんでした [7]。試験ごとの結果の差は大きく、レビュー全体のばらつきも大きい(I²が97%)ため、根拠の確かさは低めです。理由として考えられるのは、亜鉛の種類・量・使い方の違いですが、研究では確かめられていません。
治るまでの速さに差は見られませんでした。
コクランのレビューでは、風邪の治療に亜鉛を使うと、重くない副作用がプラセボの1.34倍になりました(16件・2084人)。想定された副作用は、いやな味・においが分からなくなる・吐く・胃のけいれん・下痢などです。重い副作用を調べた治療の試験はありませんでした [1]。持病や服薬中の人、子どもに使うときは、医師や薬剤師に確認してください。
ふだんからの予防には、効果が確かめられていません。
亜鉛のトローチは、風邪をひいてから使うと日数が平均2日あまり短くなります。
効果は予防ではなく、ひいたあとの話で、いやな味や吐き気は出やすくなります。
風邪の予防には、乳酸菌で風邪をひきにくくなる?やビタミンCで風邪は防げるって本当?の研究も見てください。
子どもの風邪では、硫酸亜鉛を飲ませた試験で日数に差がありませんでした [[18045283]]。トローチを使うかどうかは、小児科の医師や薬剤師に相談してください。
研究で使われたグルコン酸亜鉛の量は一日45〜276mgと幅がありました [[38719213]]。どの量が最もよいかは、研究では確かめられていません。
開始のタイミング別に比べた結果は、確かめられていません。研究の対象は、風邪の症状が出てから使った人です。
予防の試験をまとめた結果では、風邪をひく人の割合はほとんど変わりませんでした [[38719213]]。
風邪をひいてから亜鉛をとると、風邪の日数が平均2.37日短くなった。研究の質は低い。
酢酸亜鉛のトローチ3件・199人で、風邪が平均2.73日短かった。
健康な大人で、亜鉛だけをとると風邪の期間が2.25日短くなる結果だった。
子どもの風邪の期間に差はなく、症状の重さは軽かった。
亜鉛の量が多い酢酸亜鉛トローチ3件で、風邪の期間が42%短かった。
症状が消えるまでの日数の中央値が4.4日で、プラセボは7.6日だった。
働く大人の試験で、治るまでの速さにプラセボとの差がなかった。
大人の呼吸器の感染症で、亜鉛をとると症状の続く期間が47%短かった
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。