[1]ライノウイルスを感染させた大人での、牛乳の摂取量と粘液の関係
- 発表年
- 1990年
- 研究機関
- オーストラリア・アデレード大学
- 掲載誌
- The American review of respiratory disease
- 研究の種類
- コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
- 対象
- 51人
- 結果の向き
- 差なし
風邪のウイルスに感染させた大人51人で、牛乳・乳製品を多く飲んでも鼻水の量や鼻づまりは増えなかった。

風邪のとき牛乳を飲んでも、痰や鼻水は増えません。
風邪をひいた大人の鼻水・鼻づまりの話です。粘液が続く人の自己評価では、乳製品を抜くと減った試験もあり、風邪の人での確認ではありません。
風邪のときも、牛乳を無理に避ける必要はありません。飲んで口やのどのねばつきが気になる人は、量を減らしても構いません。この感覚は豆乳でも同じように起こります [3]。痰が長引く、息苦しい、ゼーゼーするときは、受診してください。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 32 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 10.1 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 17.1 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 6 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 65.2 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 2 本・観察研究 1 本。 この上限により、強度を B から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
風邪のときに牛乳を飲むと、痰や鼻水が増えると言われてきました。飲んだあとに、口やのどに膜が張ったようなねばつきを感じる人がいるためです。この説が本当かどうかを、人を対象にした試験で確かめた研究があります。
答えの中心は、オーストラリアのアデレード大学などの研究チームが1990年に発表した研究です [1]。健康な大人60人に風邪のウイルス(ライノウイルス2型)を感染させ、10日間、毎日の牛乳・乳製品の量と症状を記録しました。鼻水の量は、使ったティッシュの重さで測っています。記録がそろったのは51人です。
| 研究の種類 | 風邪のウイルスを感染させた大人の観察 |
|---|---|
| 対象 | 健康な大人(記録がそろった51人) |
| 比べたもの | 毎日の牛乳・乳製品の量(多い人で最大11杯)と、症状の出方 |
| 結果 | 鼻水の量や鼻づまりなどの症状は、牛乳・乳製品の量が多くても増えなかった |
この結果は、風邪の症状を直接記録した研究のものです。
風邪の人を調べた研究は多くなく、根拠の確かさは低めです。ただ、ほかの研究も同じ方向を示しています。6〜18歳の96人に牛乳か豆乳を目隠しで一度飲ませた試験では、120分後まで症状や肺の働きに変化は見られませんでした [2]。
イギリスのリスター病院などの研究チームが2019年に発表した試験では、乳製品を抜くと粘液が減りました [4]。ただし対象は風邪の人ではなく、鼻やのどの粘液が多いと訴える大人です。粘液の量も、本人が1〜100の目盛りで答えた自己評価です。風邪のときの話に、そのまま当てはめることはできません。
6日間乳製品を抜いたあと、乳製品入りの補助食をとった群で、自己評価の粘液が増えました。
研究で使われたのは、風邪のウイルスを感染させた大人への10日間の記録(最大11杯)です [1]。牛乳アレルギーや乳糖不耐症のある人の話ではありません。飲んでおなかや皮膚の調子が悪くなる人は、牛乳を控えてください。痰が長引くときや、息苦しさがあるときは、医師に相談してください。
結果は同じ向きでそろっていますが、根拠の確かさは低めです。
風邪のときに牛乳を飲んでも、痰や鼻水が増えるという結果は出ていません。
口やのどのねばつきは牛乳に限らず起こるので、気になる人は量や飲み物を変えて様子を見られます。
食欲があるなら、いつもどおり飲んで構いません。ほかの風邪の疑問は乳酸菌で風邪をひきにくくなる?も見てください。
冷たい牛乳と咳を調べたヒトの研究は見つかっていません。研究では確かめられていません。
風邪の人では確かめられていません。口やのどのねばつきは、牛乳と口当たりを似せた豆乳でも同じように増えました [[8452378]]。
総説によると、そう信じる人は牛乳のあとに呼吸器の症状を多く訴えます [[16373954]]。ただし鼻水の量は変わりませんでした [[2154152]]。
風邪のウイルスに感染させた大人51人で、牛乳・乳製品を多く飲んでも鼻水の量や鼻づまりは増えなかった。
6〜18歳の96人に牛乳か豆乳を飲ませても、症状や肺の働きに変化は見られなかった。
膜が張る感じは牛乳でも豆乳でも同じように増え、牛乳だけで起こる感覚ではなかった。
粘液が多いと訴える大人108人で、乳製品を抜くと自己評価の粘液が減った。
牛乳と鼻水・咳・鼻づまりの関係は見られなかったが、信じる人は症状を多く訴える。
訴えは痰の増加より、飲み込みにくさやねばつきの感覚だった。
牛乳の成分が気道の粘液を増やすという仮説の論文。ヒトでは確かめられていない。
判定「効かない」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。