[1]乳製品と過体重・肥満などの関係を調べたコホート研究のまとめ
- 発表年
- 2022年
- 研究機関
- 中国・深圳大学
- 掲載誌
- Advances in nutrition (Bethesda, Md.)
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 研究42件を統合
- 結果の向き
- 良い方向
コホート研究42本をまとめ、ヨーグルトを毎日50g多く食べるごとに過体重・肥満のリスクが13%低かった。

毎日50g多く食べるごとに、過体重・肥満のリスクが13%低い関連があります。
食習慣を比べた観察研究が中心です。試験は牛乳やチーズを含む乳製品全体のもので、ヨーグルトだけの結果ではありません。
「太るから」と外す理由は、研究からは見つかっていません。足すだけで食事がほかに変わらなければ総カロリーは増えるので、甘いおやつや飲み物の代わりに取り入れる形が現実的です。減量中は、カロリーを控える食事の一部として組み込むと、試験の条件に近くなります。砂糖やはちみつは、足す量を自分で加減しましょう。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 24 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 10 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 69 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、観察研究 2 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
ヨーグルトは、牛乳などを乳酸菌で発酵させた食品です。腸内環境を整える、たんぱく質やカルシウムがとれるとされ、砂糖を加えていないプレーン、甘みのある加糖タイプ、水を切って濃くしたギリシャヨーグルト、飲むタイプなど種類があります。種類によって脂肪や砂糖の量が大きく違うのが特徴です。注意点は、乳製品でお腹をこわしやすい人や牛乳アレルギーの人は、合わないことがある点です。
ヨーグルトをよく食べる人ほど体重が増えにくい、という関連は、複数の研究で同じ向きに出ています。答えの中心は、中国の深圳大学などの研究チームが2022年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の研究の結果をまとめて、全体の傾向を調べる方法です。人を長く追いかけたコホート研究42本が集められました。
| 研究の種類 | コホート研究を集めたメタ解析(観察研究) |
|---|---|
| 対象 | 乳製品と過体重・肥満などの関係を調べた研究42本 |
| 比べたもの | ヨーグルトを多く食べる人 / 少ない人 |
| 結果 | 毎日50g多いごとに、過体重・肥満になるリスクが13%低い |
観察研究のため、ヨーグルトが体重を減らしたとまでは言えません。
ほかの研究も同じ向きです。ドイツ人間栄養研究所などの研究チームが2016年に発表したまとめでは、ひと皿分多く食べるごとに、体重の増え方が年に約41g少ない結果でした [2]。スペインの成人8516人を平均6.6年追った研究では、週7皿より多く(ほぼ毎日ひと皿以上)食べる人は、週0〜2皿の人より過体重・肥満になる割合が20%低い結果でした [5]。
腹囲(お腹まわり)では、研究によって結果が分かれます。
「太りにくい関連がある」ことと「食べると痩せる」ことは、別の問いです。食事を変えて比べた試験では、次の結果でした。
どちらもヨーグルトだけでなく、牛乳やチーズを含む乳製品全体の試験です。食べ物を一つ変えて痩せるかは、玄米や雑穀米は白米より痩せやすい?でも調べています。
子どもや青年を対象にしたメタ解析では、ヨーグルトと肥満の割合に、はっきりした関連は見られませんでした [16]。
乳製品を1日3皿、6週間とっても、体重や体脂肪は変わりませんでした [17]。
観察研究では、もともと食事や運動に気をつけている人がヨーグルトを食べている可能性が残ります。健康な成人の研究22件のまとめも、観察研究では体重が少ない傾向があるものの、試験は小規模で短期間なので、因果関係は確かめられていないと結論しています [18]。
「13%低い」は、過体重・肥満になる割合の差です。体重が13%減るという意味ではありません。乳製品でお腹をこわしやすい人、持病や食事制限がある人は、医師・管理栄養士に相談してください。
研究は、ヨーグルトの量を調べたものです。砂糖や、一緒に食べるものまでは含みません。
ヨーグルトは、太るどころか、太りにくさと関連しています。
足すだけで痩せるわけではなく、減量の効果が出たのは、カロリーを控える食事と組み合わせた試験でした。
甘いおやつや飲み物と置き換え、砂糖の足しすぎを避ける形で続けましょう。
置き換えを直接比べた研究ではありませんが、アメリカの成人120,877人を4年ごとに追った研究では、1日ひと皿増えるごとにポテトチップスで1.69ポンド、甘い飲み物で1.00ポンド体重が増えた一方、ヨーグルトでは0.82ポンド少ない結果でした [[21696306]]。
足した食べ方や食べる時間帯を体重で比べた研究は、見つかりませんでした。研究が調べたのはヨーグルトの量なので、足した分のカロリーは結果に含まれません。
全脂肪のヨーグルトでも、過体重・肥満になる割合が低い結果がスペインの成人8516人の研究で出ています [[25001921]]。低脂肪との優劣は、比べられていません。
体重で比べた研究は見つかりませんでした。満腹感の試験では、たんぱく質24gのギリシャヨーグルトは空腹感が減り [[23022602]]、14gでは普通のヨーグルトと差がありませんでした [[23742659]]。
コホート研究42本をまとめ、ヨーグルトを毎日50g多く食べるごとに過体重・肥満のリスクが13%低かった。
ヨーグルトをひと皿分多く食べるごとに、体重の増え方が年に40.99g少なかった。
成人の試験29件・2101人のまとめ。乳製品を増やしても体重ははっきりとは減りませんでした。
カロリーを減らす食事の試験27件・644人のまとめ。乳製品を増やした人は体重が平均1.16kg多く減りました。
スペインの成人8516人で、ヨーグルトを週7皿より多く食べる人は過体重・肥満の割合が低かった。
成人の観察研究9件のまとめで、ヨーグルトをよく食べる人はお腹の肥満の割合が21%低かった。
発酵乳製品とお腹の肥満の関連を調べたコホート研究5件のまとめで、全体では有意な関連はなかった。
成人の試験19件・1427人のまとめ。乳製品を多くとっても体格の指標に悪い影響はなかった。
過体重・肥満の成人の試験のメタ解析で、乳製品を増やした人はBMIが平均0.46小さくなりました。
若い成人32人の試験。ヨーグルトは果汁飲料より空腹感が少なく、昼食の量は変わりませんでした。
過体重の男性40人の試験。ヨーグルトは空腹感を最も抑えましたが、昼食の量は牛乳やチーズと変わりませんでした。
若い男性18人の試験。飲むヨーグルトはチョコレートバーより食べたい気持ちを抑え、夕食の量は変わりませんでした。
健康な女性15人の試験。たんぱく質24gのヨーグルトは空腹感が少なく、夕食を求めるのも遅くなりました。
健康な女性32人の試験。たんぱく質14gのヨーグルトと5gのヨーグルトで、空腹感も夕食の量も差がありませんでした。
カルシウムを増やすと、便に出る脂肪が1日およそ2g増えました。
子どもと青年の研究のまとめで、ヨーグルトの量と肥満の割合に有意な関連はなかった。
過体重・肥満の成人30人の試験で、乳製品を6週間増やしても体重や体脂肪は変わらなかった。
健康な成人の研究22件のまとめ。観察研究では体重が少ない傾向だが、試験は小規模で短期間だった。
判定「良い関連がある」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。