[1]玄米と白米を比べた、体脂肪・脂質・血糖への影響のメタ解析
- 発表年
- 2022年
- 研究機関
- イラン・シャヒード・ベヘシュティ医科大学
- 掲載誌
- Critical reviews in food science and nutrition
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 研究6件を統合
- 結果の向き
- 良い方向
玄米は白米より体重が平均1.63kg、腹囲が平均2.56cm少なかった。ばらつきが大きく確実性は低い。

玄米は食後の血糖値が上がりにくく、満腹感も得やすいです。体重は平均1.63kg少なくなります。
成人が白米を玄米に置き換えた場合の話です。体重の減り幅は小さいです。
白米を玄米に置き換えるのは、試す価値があります。玄米だけで難しければ、白米に混ぜる形から始める人も多く、混ぜる比率を比べた試験は見つかっていません。置き換えだけで大きくは変わらないので、食事の量や運動もあわせて考えましょう。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 5.7 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 85.7 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 1 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を B から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
玄米は、もみ殻だけを取り除いた、ぬか層と胚芽が残るお米です。雑穀米は、白米や玄米にもち麦・黒米などを混ぜて炊いたごはんで、どちらも主食として食べます。食物繊維やビタミンが多く、血糖値の上昇を抑えたり、痩せやすくしたりするとされ、玄米には発芽玄米もあります。注意点は、腎臓の病気や糖尿病で食事療法中の人は、主食を変える前に医師や管理栄養士へ確認することです。
答えの中心は、イランのシャヒード・ベヘシュティ医科大学などの研究チームが2022年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の試験をまとめて計算する方法で、玄米と白米を比べた13件が集められました。
| 研究の種類 | 玄米と白米を比べたランダム化比較試験のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 成人(試験13件。体重は6件で計算) |
| 比べたもの | 玄米(発芽玄米を含む)のごはんと、白米のごはん |
| 結果 | 玄米のほうが体重・BMI・腹囲が小さかった |
発芽玄米だけで見ると、体重は1.75kg少なくなりました。
体重の減り幅の信頼区間(本当の値が入りそうな範囲)は1.11〜2.15kgです。試験ごとに結果の差が大きく、体重を計算できたのは6件だけなので、確実性は「低い〜非常に低い」と評価されています。向きはそろっていますが、減る量は小さいと読むのが正確です。
農林水産省がまとめた、玄米と精白米の、炊く前の米100gあたりの値です。
エネルギーはほぼ同じで、差が大きいのは食物繊維・ビタミン・ミネラルなどです。
理由は、研究ではまだ確かめられていません。エネルギーがほぼ同じなので、差は別のところにあると考えられています。しくみの候補は次の2つで、玄米の体重の試験ではなく、満腹感や血糖を別に調べた試験にもとづきます。
どちらも、体重が減った原因だと証明されたものではありません。
雑穀米全般を白米と比べて体重を調べた試験は見つかっていません。観察研究では、日本人437人を1年追うと、白米を多く食べる人だけ3kg以上太るリスクが高い関連が見られました [14]。
太り気味の韓国人女性40人が6週間、低カロリーの置き換え食を食べた試験では、玄米と黒米を混ぜたごはんのほうが体重・BMI・体脂肪率が低くなりました [15]。
BMI・腹囲を含むほとんどの指標に、玄米と白米の差はありませんでした [16]。
研究の多くは、白米を玄米に替えて数週間〜数か月続けたものです [16]。主食を大きく変えるときは、体調を見ながら少しずつ進めましょう。腎臓の病気や糖尿病で食事療法中の人、服薬中の人は、変える前に医師や管理栄養士に確認してください。
研究で見えたのは小さな差です。食事の量や運動と組み合わせて考えましょう。
玄米は食後の血糖値が上がりにくく満腹感も得やすいうえ、体重も減りますが、差は小さめで、根拠の確かさは低めです。
雑穀米は、もち麦ごはんの試験が2件で結果も分かれるので、玄米の結果を当てはめない方が安全です。
玄米は、無理なく続けられる割合で白米から置き換える使い方が、研究の条件に近いです。
混ぜる比率を比べた試験は見つかっていません。玄米と黒米を混ぜたごはんの試験は、低カロリーの置き換え食だけを6週間食べたもので、普段の食事に混ぜた場合ではありません [[19083390]]。
糖尿病やその予備群の成人417人(試験7件)のまとめでは、玄米食で体重が平均2.2kg少なくなりました。ただしHbA1cと空腹時血糖は白米と変わりませんでした [[34123581]]。
雑穀米全体の体重の試験はなく、あるのはもち麦ごはんの日本人の試験2件だけで、結果が分かれました。玄米の結果をそのまま当てはめない方が安全です [[18074229]] [[28870472]]。
紹介した試験の期間は、6週間 [[19083390]] や16週間 [[21795429]] などまちまちです。何週間続ければ何kg減る、という目安は研究から言えません。
玄米は白米より体重が平均1.63kg、腹囲が平均2.56cm少なかった。ばらつきが大きく確実性は低い。
白米と比べたRCTのメタ解析で、粒のままの米は食後の血糖曲線の面積が平均40.5 mmol/L・分小さかった。
成人のRCT32件のメタ解析で、全粒穀物の食品は満腹感が強く空腹感が弱かったが、その後に食べた量の減り方は小さかった。
日本人女性21人の試験で、大麦を混ぜたごはんの朝食は白米より昼までの空腹感が弱く、昼に食べた量と、昼・夜の合計が少なかった。
RCT20件のメタ解析で、βグルカンをとると体重が平均0.77kg減ったが、腹囲と摂取エネルギーには差がなかった。
健康な成人10人の試験で、玄米は白米より胃から出ていく速さが遅かった。
健康な中国人10人の試験で、雑穀ごはんは白米より食後の血糖値の上がり方が小さく、食後120分の満腹感は高かった。
糖尿病・その予備群の成人417人(試験7件)で、玄米食は白米食より体重が平均2.2kg少なかった。
同じ炊飯時間なら玄米は白米より血糖が上がりにくかったが、玄米をふつうの長めの時間で炊くと白米との差は小さかった。
便秘のある韓国の若い女性39人の試験で、4週間の玄米中心の食事は白米中心より便の回数が増え、腸を通る時間が短くなった。
ふだん全粒穀物を食べない健康な人の6週間の試験で、全粒の小麦・トウモロコシ・米を多く食べた人ほど便の回数が増えた。
コレステロールが高めの日本人男性44人が12週間食べた試験で、白米のごはんの人より内臓脂肪・BMI・腹囲が減った。
お腹まわりの大きい日本人100人が12週間食べた試験。体重とBMIはより減ったが、内臓脂肪と腹囲に群間差はなかった。
日本の工場で働く437人を1年追った観察研究。白米を多く食べる人は3kg以上太るリスクが高かった。
太り気味の韓国人女性40人が6週間食べた試験で、玄米と黒米を混ぜたごはんのほうが白米より体重・BMI・体脂肪率が低かった。
糖尿病または糖尿病になりやすい中年の中国人202人が16週間食べた試験で、BMI・腹囲を含むほとんどの指標に差はなかった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。