朝食を抜くと太る?

朝食を抜くと太る?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え

成人の試験では、朝食を抜いても太りませんでした。体重は差がないか、平均0.66kg少なくなりました。

根拠

朝食を食べる群と抜く群を決めて比べた試験のまとめでは、体重に差がないか、抜いた人のほうが平均0.66kg少なくなりました [1] [2]。一方、人を追跡した観察研究では、朝食を抜く人ほど過体重・肥満が多いことと関連していました(リスク1.44倍) [3]。割れる理由は、観察研究では食事の質や運動などほかの要因が混ざるためです [4]。

この答えの範囲

成人が、朝食を食べるか抜くかを6日〜12週続けた試験で確かめた結果です。子ども・若者の観察研究は、本文にまとめています。

じゃあ、どうする?

体重が目的なら、朝食を抜くかどうかより1日に食べる量の合計が大事です。朝食を食べた人のほうが1日の摂取エネルギーが平均259.79kcal多かった試験のまとめもあります [5]。朝食を食べて調子がよい人は食べ、抜いて困らない人は抜いても、試験では体重は増えていません。血糖値の薬を使っている人は、主治医に相談を。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。限定的
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。9 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。結果は混在
判定の内訳を見る(スコア 39 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量14.220研究件数と参加人数
一致度11.725結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度25信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 77.9 点を、エビデンス強度 D の範囲(5〜39 点)に収めて、スコアは 39 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 2 本・観察研究 2 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

朝食を抜くとは

朝食を抜くとは、朝に食事をとらず、最初の食事を昼にすることです。ダイエットの方法として語られる一方で、「太る原因」とも言われます。ここでは体重への影響に絞って、研究が何を示しているかを整理します。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、アメリカのインディアナ大学などの研究チームが2020年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、似た研究の結果を集めて数字でまとめる方法です。朝食を食べるか抜くかだけを変えたランダム化比較試験が集められました。

研究の種類ランダム化比較試験のメタ解析
対象成人(12の比較・487人、期間は6日〜12週)
比べたもの朝食を食べる群と、抜く群
結果体重・BMI・体脂肪率・腹囲に、はっきりした差はなし
試験のまとめの結果朝食を食べても抜いても、体重にはっきりした差はありませんでした [1]。

2023年の別のメタ解析(試験11件)では、朝食を抜いた人のほうが体重が平均0.66kg少なくなりました [2]。

「太る」という向きの結果は、試験のまとめには出てきません。体重の差は、あっても1kgに届かない小さなものです。

観察研究では、肥満と関連している

人を追跡した研究を集めたメタ解析では、朝食をとる回数が少ない人は、多い人より過体重・肥満になるリスクが1.44倍と関連していました(コホート研究9件)[3]。成人の追跡研究9件のレビューでも、週3日以上朝食を抜く人は、過体重・肥満が11%多いことと関連していました。ただしBMIの変化には差がなく、著者は根拠は最小限としています [6]。

関連が見られた観察研究朝食をとる回数が少ない成人(コホート研究9件)

過体重・肥満のリスクは1.44倍と関連しましたが、食べる・抜くを割り当てた試験ではありません。

試験と観察研究で結果が違う理由

観察研究では、朝食を抜く人は食事の質が低い、運動が少ないなど、生活の違いが混ざります。66件の研究を整理したレビューも、関連は見られるが、食事の質・運動・経済状況などが混ざるため因果ははっきりしないとしています [4]。試験は朝食だけを変えられますが、期間が短く、長期の体重は分かりません。どちらの結果も、そのままの意味で読むのが正確です。

効くのはどんなとき? 結果が変わるのはどんなとき?

  • 成人の試験: 太らない。差なし、または平均0.66kg減 [2]
  • 成人の観察研究: 朝食を抜く人に過体重・肥満が多いことと関連 [3]
  • 子ども・若者(2〜20歳)の観察研究40件: 朝食を抜く子に過体重・肥満が多いことと関連(オッズ比1.59)。成人とは対象が違います [7]

よく言われていることは本当?

  • 朝食を抜くと太る試験では太りません。 差がないか、平均0.66kg少なくなりました [2]。観察研究の関連は、ほかの要因が混ざった結果です。
  • 朝食を抜くと昼に食べすぎて、結局たくさん食べる本当ではありません。 昼食は増えることがありますが、1日の合計は朝食を食べた人のほうが平均259.79kcal多い結果でした [5]。試験ごとのばらつきは大きく、質は多くが低めです。
  • 朝食を抜くと昼食後の血糖値が上がりやすい試験では本当です。 健康な若い男性9人で、朝食を抜いた日は同じ昼食の後の血糖値が大きく上がりました [8]。根拠の確かさは低めです。小さな短期の試験が3件だけのためです。
  • 朝食を抜くと代謝が落ちる試験では差がありませんでした。 男性8人の試験で、24時間のエネルギー消費に差はありませんでした [9]。
  • 朝食を抜くと断食時間が延びてやせる差はごく小さいです。 平均0.66kg少ない程度で、差なしとした解析もあります [2] [1]。
  • 朝食を抜くと脂質異常症になりやすい試験では、朝食を抜いた人はLDLコレステロールが上がりました [2]。 ただし期間が短く、脂質異常症になるかどうかまでは確かめられていません。
  • 朝食を抜くと集中力が落ちる・だるくなるこの記事では体重を調べたため、確かめていません。

02注意点

試験の多くは、期間が6日〜12週の短いものです [1]。朝食を抜いた人はLDLコレステロールが上がった、という結果もあります [2]。糖尿病や脂質異常症で治療中の人、妊娠中の人は、食事の時間を変える前に医師や管理栄養士に確認してください。

体重だけで決めない

朝食を抜いたときの血糖値やコレステロールの変化も、研究で報告されています。

03まとめ

朝食を抜いても、成人の試験では体重は増えていません。
観察研究の「抜く人に肥満が多い」は、生活の違いが混ざった関連です。
朝食の有無より、1日の食べる量の合計と、自分の体調で決めましょう。

関連する記事: 断食は痩せる?、置き換えダイエットは痩せる?

04よくある質問

Q朝食を抜くと代謝が落ちますか?

男性8人の試験では、24時間のエネルギー消費に差はありませんでした。人数が少なく、広く当てはまるかは確かめられていません。

Q子どもも朝食を抜いて大丈夫ですか?

この記事の試験は成人が対象です。子ども・若者の観察研究では、朝食を抜く子に過体重・肥満が多いことと関連していました。成長期の食事は学校や小児科で相談してください。

Q朝食を抜くなら何に気をつけますか?

昼食後の血糖値が上がりやすいという小さな試験があります。血糖値の薬を使っている人や持病のある人は、医師に相談してください。

05参照した論文

判定に使った主な論文(9本)

[1]朝食を食べるか抜くかで肥満に関わる体の指標は変わるかのメタ解析

発表年
2020年
研究機関
アメリカ・インディアナ大学
掲載誌
F1000Research
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
487人
結果の向き
差なし

朝食を食べるか抜くかだけを変えた試験をまとめ、体重などに差はなかった。

[2]朝食を抜くことが心血管リスク要因に与える影響のメタ解析

発表年
2023年
研究機関
中国・東南大学
掲載誌
Frontiers in endocrinology
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究11件を統合
結果の向き
良い方向

試験11件で、朝食を抜いた人は体重が平均0.66kg少なかった。

[3]朝食を抜くことと過体重・肥満の関連のメタ解析

発表年
2020年
研究機関
中国・西南医科大学附属病院
掲載誌
Obesity research & clinical practice
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究9件を統合
結果の向き
悪い方向

コホート研究9件で、朝食の回数が少ない人は過体重・肥満が1.44倍と関連した。

[4]朝食を抜くことの幅広い健康への影響の系統的レビュー

発表年
2025年
研究機関
ブラジル・サンパウロ連邦大学
掲載誌
Nutrition research (New York, N.Y.)
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
研究66件を統合
結果の向き
結果が割れている

66件の研究で関連は見られるが、ほかの要因が混ざり因果ははっきりしない。

[5]朝食が体重と摂取エネルギーに与える影響の系統的レビュー

発表年
2019年
研究機関
オーストラリア・モナシュ大学
掲載誌
BMJ (Clinical research ed.)
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究7件を統合
結果の向き
良い方向

試験10件で、朝食を食べた人は1日の摂取エネルギーが平均259.79kcal多かった。

[6]朝食を抜くことと体重の関連を追跡した観察研究のメタ解析

発表年
2021年
研究機関
ドイツ・ビーレフェルト大学
掲載誌
Nutrients
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究2件を統合
結果の向き
悪い方向

週3日以上朝食を抜く人は過体重・肥満が11%多いことと関連した。

[7]朝食と子どもの肥満の系統的レビュー

発表年
2023年
研究機関
中国・鄭州大学第一附属病院
掲載誌
Frontiers in nutrition
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
323,244人
結果の向き
悪い方向

子ども・若者の研究40件で、朝食を抜く子に過体重・肥満が多いことと関連した。

[8]朝食を抜くことと昼食後の高血糖の関連

発表年
2019年
研究機関
日本・広島大学
掲載誌
The British journal of nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
9人
結果の向き
悪い方向

健康な若い男性9人で、朝食を抜いた日は昼食後の血糖値が大きく上がった。

[9]朝食を抜くことが1日のエネルギー代謝と血糖に与える影響

発表年
2014年
研究機関
日本・筑波大学
掲載誌
Obesity research & clinical practice
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
8人
結果の向き
悪い方向

男性8人で、24時間のエネルギー消費に差はなく、平均血糖値は高かった。

ほかに参考にした論文(12本)

この記事のエビデンス強度は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。