[1]朝食を食べるか抜くかで肥満に関わる体の指標は変わるかのメタ解析
- 発表年
- 2020年
- 研究機関
- アメリカ・インディアナ大学
- 掲載誌
- F1000Research
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 487人
- 結果の向き
- 差なし
朝食を食べるか抜くかだけを変えた試験をまとめ、体重などに差はなかった。

成人の試験では、朝食を抜いても太りませんでした。体重は差がないか、平均0.66kg少なくなりました。
成人が、朝食を食べるか抜くかを6日〜12週続けた試験で確かめた結果です。子ども・若者の観察研究は、本文にまとめています。
体重が目的なら、朝食を抜くかどうかより1日に食べる量の合計が大事です。朝食を食べた人のほうが1日の摂取エネルギーが平均259.79kcal多かった試験のまとめもあります [5]。朝食を食べて調子がよい人は食べ、抜いて困らない人は抜いても、試験では体重は増えていません。血糖値の薬を使っている人は、主治医に相談を。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 14.2 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 11.7 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 2 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 77.9 点を、エビデンス強度 D の範囲(5〜39 点)に収めて、スコアは 39 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 2 本・観察研究 2 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
朝食を抜くとは、朝に食事をとらず、最初の食事を昼にすることです。ダイエットの方法として語られる一方で、「太る原因」とも言われます。ここでは体重への影響に絞って、研究が何を示しているかを整理します。
答えの中心は、アメリカのインディアナ大学などの研究チームが2020年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、似た研究の結果を集めて数字でまとめる方法です。朝食を食べるか抜くかだけを変えたランダム化比較試験が集められました。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 成人(12の比較・487人、期間は6日〜12週) |
| 比べたもの | 朝食を食べる群と、抜く群 |
| 結果 | 体重・BMI・体脂肪率・腹囲に、はっきりした差はなし |
2023年の別のメタ解析(試験11件)では、朝食を抜いた人のほうが体重が平均0.66kg少なくなりました [2]。
「太る」という向きの結果は、試験のまとめには出てきません。体重の差は、あっても1kgに届かない小さなものです。
人を追跡した研究を集めたメタ解析では、朝食をとる回数が少ない人は、多い人より過体重・肥満になるリスクが1.44倍と関連していました(コホート研究9件)[3]。成人の追跡研究9件のレビューでも、週3日以上朝食を抜く人は、過体重・肥満が11%多いことと関連していました。ただしBMIの変化には差がなく、著者は根拠は最小限としています [6]。
過体重・肥満のリスクは1.44倍と関連しましたが、食べる・抜くを割り当てた試験ではありません。
観察研究では、朝食を抜く人は食事の質が低い、運動が少ないなど、生活の違いが混ざります。66件の研究を整理したレビューも、関連は見られるが、食事の質・運動・経済状況などが混ざるため因果ははっきりしないとしています [4]。試験は朝食だけを変えられますが、期間が短く、長期の体重は分かりません。どちらの結果も、そのままの意味で読むのが正確です。
試験の多くは、期間が6日〜12週の短いものです [1]。朝食を抜いた人はLDLコレステロールが上がった、という結果もあります [2]。糖尿病や脂質異常症で治療中の人、妊娠中の人は、食事の時間を変える前に医師や管理栄養士に確認してください。
朝食を抜いたときの血糖値やコレステロールの変化も、研究で報告されています。
朝食を抜いても、成人の試験では体重は増えていません。
観察研究の「抜く人に肥満が多い」は、生活の違いが混ざった関連です。
朝食の有無より、1日の食べる量の合計と、自分の体調で決めましょう。
関連する記事: 断食は痩せる?、置き換えダイエットは痩せる?
男性8人の試験では、24時間のエネルギー消費に差はありませんでした。人数が少なく、広く当てはまるかは確かめられていません。
この記事の試験は成人が対象です。子ども・若者の観察研究では、朝食を抜く子に過体重・肥満が多いことと関連していました。成長期の食事は学校や小児科で相談してください。
昼食後の血糖値が上がりやすいという小さな試験があります。血糖値の薬を使っている人や持病のある人は、医師に相談してください。
朝食を食べるか抜くかだけを変えた試験をまとめ、体重などに差はなかった。
試験11件で、朝食を抜いた人は体重が平均0.66kg少なかった。
コホート研究9件で、朝食の回数が少ない人は過体重・肥満が1.44倍と関連した。
66件の研究で関連は見られるが、ほかの要因が混ざり因果ははっきりしない。
試験10件で、朝食を食べた人は1日の摂取エネルギーが平均259.79kcal多かった。
週3日以上朝食を抜く人は過体重・肥満が11%多いことと関連した。
子ども・若者の研究40件で、朝食を抜く子に過体重・肥満が多いことと関連した。
健康な若い男性9人で、朝食を抜いた日は昼食後の血糖値が大きく上がった。
男性8人で、24時間のエネルギー消費に差はなく、平均血糖値は高かった。
この記事のエビデンス強度は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。