置き換えダイエットは痩せる?

置き換えダイエットは痩せる?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え効く

痩せます。ふつうの食事制限より体重が多く減りますが、差は小さめです。

根拠

置き換え食を使った減量とふつうの食事での減量を比べた試験70件のまとめで、体重は平均3.35kg多く減りました [1]。同じようにカロリーを控えた食事どうしの比較でも、置き換え食のほうがよく減っています [2]。1年後も平均1.44kg多く減っていました [3]。ただし、12週を超えると差がはっきりしない解析もあります [4]。

この答えの範囲

太りぎみ・肥満の大人の話です。

じゃあ、どうする?

置き換え食を取り入れる方法は、試す価値があります。研究で差が大きかったのは、毎日のエネルギーの60%以上を置き換え食でとる方法です [2]。減量後に続けると体重の維持にも役立ちました [5]。持病や服薬がある人は、始める前に医師に相談を。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。高い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。5 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 100 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量19.720研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 99.7 点を、エビデンス強度 A の範囲(75〜100 点)に収めて、スコアは 100 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 4 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

置き換えダイエットとは

置き換えダイエットは、食事の一部をシェイク・スープ・バー・ゼリーなどの置き換え食に替える方法です。エネルギー量が決まっているため、カロリーを控えやすいとされています。食事の全部を替える方法と、一食だけ替える方法があります。注意点は、栄養のとり方が偏りやすい食品もあることです。ここは研究で確かめたものではなく、一般的な説明です。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

70件のまとめでは、どれだけ減る?

答えの中心は、イランのシャヒード・ベヘシュティ医科大学などの研究チームが2025年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の試験の結果を統計でまとめる方法です。置き換え食の効果を調べたランダム化比較試験が70件集められました。

研究の種類ランダム化比較試験のメタ解析
対象太りぎみ・肥満の大人(70件)
比べたもの置き換え食を使った減量と、ふつうの食事での減量
結果体重・体脂肪・腹囲が、置き換え食のほうがより減った
まとめて分析した結果置き換え食を使った人は、体重が平均3.35kg多く減りました。[1]

体脂肪は平均2.77kg、腹囲は平均2.82cm多く減っています。

食事の全部を置き換える方法と一部を置き換える方法の両方を含み、全部を置き換えるほうが差は大きくなっていました。

同じカロリーでも差はある?

置き換え食を使うから減るのではなく、カロリーが減るから減るのでは、という疑問があります。そこでカロリーを控えた食事どうしを比べた、Minらの研究チームの2021年のメタ解析を見ます。22件・1982人のメタ解析では、置き換え食のほうが体重がよく減りました。差の大きさは小さい、と評価されています [2]。毎日のエネルギーの60%以上を置き換え食でとる方法で、差が大きくなりました。

1年後はどうなる?

イギリスのオックスフォード大学などの研究チームが2019年に発表したメタ解析では、23件・7884人で、1年後の体重が平均1.44kg多く減っていました [3]。支援を手厚くした置き換え食のグループでは、差が6.13kgでした。差の大きさは、食事の指導やサポートの有無で変わります。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

韓国の慶熙大学などの研究チームによる2022年のネットワークメタ解析(32件・3364人)では、置き換え食の効果がはっきりしたのは12週以内の短い期間だけで、それより長い期間では差がはっきりしませんでした [4]。1年後の差を示した解析と、期間が長いと差がはっきりしない解析が並んでいる状態です。なぜ結果が分かれたのかは、これらの要旨だけでは分かりません。

長い期間で差がはっきりしなかった解析太りぎみ・肥満の大人 3364人(32件)

置き換え食の効果がはっきりしたのは12週以内の短い期間でした。

よく言われていることは本当?

  • 食事を置き換えると、短期間で痩せる効きます。 ふつうの食事制限より体重が多く減りましたが、差は小さめです [1] [2]。
  • やめると元の食事に戻ってリバウンドしやすい研究と逆の結果です。 減量したあとに置き換え食を続けた322人では、体重の維持が対照より平均3.9kg良くなりました [5]。ただし、やめたあとを直接比べた研究は少なく、続けた場合の結果しか分かっていません。
  • 体脂肪が落ちる・お腹まわりが変わる効きます。 70件のまとめで、体脂肪は平均2.77kg、腹囲は平均2.82cm多く減りました [1]。体脂肪を数えた研究はこの1本のメタ解析だけなので、ほかの研究での確認はこれからです。
  • 不足しがちな栄養素を補える研究が足りません。 一般の太りぎみの大人で栄養摂取を比べた研究は見つかっていません。
  • 腹持ちが良く、間食や食べすぎが減る研究が足りません。 空腹感を比べた研究をまとめた解析は見つかっていません。
  • 一日一食だけ置き換えるのがよい研究が足りません。 回数そのものを比べた研究は無く、参考になるのは毎日のエネルギーの60%以上を置き換えた方法で差が大きかった結果です [2]。
  • プロテインで置き換えると筋肉を保ちながら痩せる研究が足りません。 置き換え食で筋肉量を比べたメタ解析は見つかっていません。プロテインそのものの話はダイエット中にプロテインを飲む意味はある?で扱っています。

02注意点

研究の対象は、太りぎみ・肥満の大人です。1日800kcal未満の食事や食事を全部置き換える方法の研究を除いても、1年後に差が出ていました [3]。ただ、全部を置き換える方法は食事量が大きく減るので、体調の変化を見ながら進める必要があります。2型糖尿病や糖尿病予備群の人を対象にした研究は別にあり、参考にとどまります。持病や服薬がある人、妊娠中の人は、始める前に医師や管理栄養士に確認してください。

食事の指導やサポートが付くと、差が大きくなる傾向があります

置き換え食だけを渡された場合に同じ結果になるかは、研究では確かめられていません。

03まとめ

置き換え食を使うと、ふつうの食事制限より体重は多く減ります。
差は小さめで、期間が長いと差がはっきりしない解析もあるので、続けやすさで選ぶのが現実的です。
試すなら、食事の指導やサポートが付く形にして、持病がある人は先に医師に相談しましょう。

04よくある質問

Q夕食だけ置き換えれば十分ですか?

回数そのものを比べた研究はありません。差が大きかったのは、毎日のエネルギーの60%以上を置き換え食でとる方法でした [[34144920]]。

Q糖尿病予備群の人にも効きますか?

参考になる研究として、糖尿病予備群などの1254人(10件)の解析では、置き換え食を取り入れた減量のほうが体重が平均1.38kg多く減りました [[38693302]]。ただし、この解析は予備群などに限った研究で、確実性は低〜中程度と評価されています。

Q何週間くらいで差が出ますか?

効果がはっきりしたのは12週以内の短い期間だけとするメタ解析があります [[36093081]]。1年後にも差があるとする解析もあり、結果はそろっていません。

Qほかのダイエット法と比べてどうですか?

低カロリーの食事に加える方法を比べたメタ解析では、置き換え食の効果の大きさは中くらいと評価されました [[36093081]]。食物繊維の話は[食物繊維で体重は減る?](/evidence/fiber-weight)で扱っています。

05参照した論文

判定に使った主な論文(5本)

[1]置き換え食と肥満・レプチンを調べたメタ解析

発表年
2025年
研究機関
イラン・シャヒード・ベヘシュティ医科大学
掲載誌
Reviews in endocrine & metabolic disorders
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究70件を統合
結果の向き
良い方向

70件をまとめると、置き換え食を使った人は対照より体重が平均3.35kg多く減った。

[2]カロリー制限の型とエネルギーの割合ごとに置き換え食の減量効果を調べたメタ解析

発表年
2021年
研究機関
Min Jほかの研究チーム
掲載誌
Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,982人
結果の向き
良い方向

22件・1982人で、置き換え食を使うほうが体重がよく減った。

[3]置き換え食による減量の効果を調べたメタ解析

発表年
2019年
研究機関
イギリス・オックスフォード大学
掲載誌
Obesity reviews : an official journal of the International Association for the Study of Obesity
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
7,884人
結果の向き
良い方向

23件・7884人で、置き換え食を取り入れた食事は1年後の体重が平均1.44kg多く減っていた。

[4]低カロリー食に鍼・認知行動療法・置き換え食・運動を加えた効果を比べたネットワークメタ解析

発表年
2022年
研究機関
韓国・慶熙大学
掲載誌
Frontiers in endocrinology
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
3,364人
結果の向き
良い方向

置き換え食の効果がはっきりしたのは12週以内の短い期間だけだった。

[5]低カロリー食のあとの体重維持に薬・食事・運動が与える効果を調べたメタ解析

発表年
2014年
研究機関
スウェーデン・カロリンスカ研究所
掲載誌
The American journal of clinical nutrition
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
322人
結果の向き
良い方向

減量後に置き換え食を続けた322人は、体重の維持が平均3.9kg良かった。

ほかに参考にした論文(9本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。