[1]太りぎみ・肥満の人の水の量と体重:比較試験のメタ解析
- 発表年
- 2024年
- 研究機関
- 韓国・東国大学
- 掲載誌
- Nutrients
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 研究8件を統合
- 結果の向き
- 差なし
太りぎみ・肥満の人の比較試験8件で、水を増やしても体重の差は平均0.33kgで、はっきりしなかった。

甘い飲み物をノンカロリーの飲み物に置き換えると、体重は少し減ります。水を増やすだけでは効きません。
体重を減らしたい大人、とくに太りぎみ・肥満の人の研究です。
水を足すより、甘い飲み物を水や無糖の飲み物に替えるほうが、研究の条件に近い使い方です。食事の前に500mlの水を飲む方法は、減量中の人の一部の試験で体重が多く減っています [3]。持病で水分の制限がある人は、医師に確認してください。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 8.6 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 13.3 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 2 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 73.9 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 2 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
水を多く飲む方法は、食事の前や1日を通して水の量を増やし、体重を減らそうとするものです。食べすぎを防ぐ、代謝を上げるとされ、甘い飲み物を水に替える使い方もあります。注意点は、一度に大量に飲む必要はないことです。
答えの中心は、韓国の東国大学などの研究チームが2024年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、似た条件の比較試験の結果を集めて、数字でまとめる方法です。太りぎみ・肥満の人の比較試験8件が集められました。
| 研究の種類 | 比較試験のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 太りぎみ・肥満の人 |
| 比べたもの | 水を飲む量を増やす(ほかの飲み物を水に置き換えるものを含む)群と、対照群 |
| 結果 | 体重の差は平均0.33kgで、はっきりした差はなかった |
1日の水の量を変えた比較試験18件の系統的レビューでは、水を多く飲んだ群のほうが体重の減りが大きかった(対照群より44〜100%多い)と報告されましたが、研究の数と質は限られていると指摘されています [4]。
結果はそろっていません。12週以上追う比較試験を集めた2019年のレビューでは、どの研究も体重が減りました(-0.4kg〜-8.8kg)が、研究の質は低い〜中程度でした [5]。
ふだん飲む甘い飲み物を、水・無糖の飲み物・人工甘味料入りの飲み物に置き換えた比較試験6件(1729人)で、BMIが0.31下がりました [2]。置き換え先には水以外も含まれます。水への置き換えだけを見た解析では、体重は平均0.81kg減る方向でしたが、はっきりした差とまでは言えませんでした [1]。この置き換えの結果は、根拠の確かさが低めです。
研究で使われた水の量は、食事の前に500mlが中心で、期間は12週間の試験が多くなっています [3]。参加者は太りぎみ・肥満の人が中心で、体重が標準の人に当てはまるとは言えません。一度にたくさんの水を飲み続ける方法は、研究で安全性を確かめていません。腎臓や心臓の病気などで水分を制限されている人、服薬中の人は、医師や薬剤師に確認してください。
水を足すだけでは体重は変わりにくいため、飲み物の中身を見直すほうが研究の条件に近いです。
水をたくさん飲むだけでは、体重ははっきり変わりません。
甘い飲み物をノンカロリーの飲み物に置き換えるなら、体重は少し減ります。
水に替える習慣から始め、食事の見直しは食物繊維の記事やダイエット中のプロテインの記事でも扱っています。
減量中の人の一部の試験で体重が多く減りました [[19661958]]。ただし、まとめた解析では差がはっきりしません [[38612997]]。
室温の水では代謝は上がらず、3℃の冷たい水で4.5%と小さい上がり方でした [[16822824]]。白湯の研究は見つかりませんでした。
この記事の研究は、水と無糖の飲み物が中心です。個別の飲み物は[黒烏龍茶の記事](/evidence/oolong-tea-polyphenol-body-fat)で扱っています。
太りぎみ・肥満の人の比較試験8件で、水を増やしても体重の差は平均0.33kgで、はっきりしなかった。
甘い飲み物を水や無糖の飲み物などに置き換えた比較試験6件(1729人)で、BMIが0.31下がった。
太りぎみの48人で、毎食前に500mlの水を飲んだ群は12週間で体重の減りが約2kg大きかった。
1日の水を変えた比較試験18件を整理し、研究の数と質は限られていると報告した。
12週以上追った比較試験で、どの研究も体重が減ったが、研究の質は低い〜中程度だった。
肥満の大人84人で、食前の水500mlの群は12週後に1.3kg多く減ったが、調整後は差がはっきりしなかった。
標準体重の健康な14人で、500mlの水を飲むとエネルギー消費が30%上がった。
太りぎみ・肥満の人で、500mlの水を飲むと60分間のエネルギー消費が24%上がった。
室温の水ではエネルギー消費は上がらず、3℃の水でも60分間で4.5%の上昇だった。
318人で、飲み物の置き換え群は6か月で体重が平均2.03%減り、食事見直し群の1.76%と差はなかった。
大人の追跡研究3件・165579人で、水に置き換えた人は体重の増え方が1年あたり0.10kg少なかった。
中高生38人で、1日8杯の水をすすめても、6か月後の体格の変化に差はなかった。
判定「効かない」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。