[1]穀物のβグルカンが体重と腹囲、摂取量に与える影響のメタ解析
- 発表年
- 2019年
- 研究機関
- イラン・シャヒード・ベヘシュティ医科大学
- 掲載誌
- Complementary therapies in medicine
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 研究20件を統合
- 結果の向き
- 良い方向
ランダム化比較試験20件のメタ解析で、体重が平均0.77kg減った。腹囲と摂取エネルギーに差はなかった。

痩せやすいです。ただし、減る体重は1kg前後と小さな差です。
大きなまとめ研究は、麦ごはんではなく、大麦・オーツ麦のβグルカン全般が対象です。
白米を麦ごはんに替えるのは試す価値があります。ただし効いても1kg前後なので、これだけで大きく痩せるとは考えず、食事の量や運動と組み合わせる前提で。血糖値への効果は別の疑問で扱います。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 19 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 13.3 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 87.3 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・RCT のメタ解析 1 本・観察研究 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
もち麦は、大麦の仲間で、もちもちした食感の品種です。白米に混ぜて炊く麦ごはんにするのが一般的で、押し麦など形の違う麦もあります。食物繊維、とくにβグルカンが多いとされ、腹持ちや血糖値、体重によいと言われています。注意点は、エネルギー量が白米と大きくは変わらないことです。ここまでは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。
答えの中心は、イランのシャヒード・ベヘシュティ医科大学などの研究チームが2019年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、似た試験の結果を集めて数字で合算する方法です。ここで集められたのは、大麦やオーツ麦に含まれるβグルカンを食べたランダム化比較試験20件で、麦ごはんそのものではなく、βグルカンを含む食品やサプリの研究も含みます。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験20件のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 大麦・オーツ麦のβグルカンを食べた人 |
| 比べたもの | βグルカンを食べた人と、食べなかった人 |
| 結果 | 体重が平均0.77kg減った。腹囲と摂取エネルギーには差がなかった |
減った量は1kg前後で、小さな差です [1]。
信頼区間の上限が-0.04とゼロに近く、「減る向き」ははっきりしていますが、減る量は小さいと読むのが正確です。
上のまとめは麦ごはん専用の研究ではありません。白米に麦を混ぜたごはんを12週間食べた日本人の試験は、2本あります。
人数が少なく、期間は12週間です。後者は企業の研究部門による試験です。
太りぎみ・肥満の人に絞った2026年の49件のメタ解析では、穀物のβグルカンを食べても体重は減りませんでした(コレステロールは下がりました)[3]。2019年のまとめとは、対象者も集めた研究も違うため、結果が食い違っています。
穀物のβグルカンを食べても、体重に差は見られませんでした。
理由は研究ではまだ確かめられていません。考えられているしくみは、満腹感が続いて食べる量が減ることです。ただし上のとおり、20件のまとめでは摂取エネルギーに差がなく、体重が減った理由は説明できていません [1]。
研究で使われた量と期間は様々です。たとえば韓国の試験では、太りぎみの30人が大麦のシリアルを牛乳と一緒に6週間毎日食べました [2]。日本の試験では、βグルカンを1日4.4g取る条件が使われました [4]。麦ごはんだけでこの量になるとは限りません。人数が少ない試験が中心で、結果のばらつきも大きいため、根拠の確かさは低めです。食物繊維を急に増やすと、おなかが張る人もいます。持病や服薬がある人、食事制限を受けている人は、医師や管理栄養士に確認してください。
体重が減っても1kg前後なので、食事の総量や運動と合わせて考えてください。
麦ごはんは白米より体重を減らす方向に働きますが、減るのは1kg前後です。
白米に麦を混ぜた直接の研究は日本の2本だけで、結果が割れる点もあります。
白米の置き換えとして続けつつ、量や運動の見直しを組み合わせましょう。
研究では比べられていません。日本の試験では、押し麦でも、βグルカンの多い大麦を混ぜたごはんでも調べられていますが、種類ごとの差は分かっていません [[18074229]]。
研究では確かめられていません。試験は混ぜる割合ではなく、1日のβグルカンの量で条件を決めていました [[28870472]]。
それだけで大きくは痩せません。体重が減った量は1kg前後です [[30935520]]。エネルギー量も白米と大きくは変わりません。
ランダム化比較試験20件のメタ解析で、体重が平均0.77kg減った。腹囲と摂取エネルギーに差はなかった。
太りぎみの成人30人が6週間大麦のシリアルを食べ、とうもろこしのシリアルの人より体重の変化が1.18kg小さかった。
太りぎみ・肥満の人の49件・3854人のメタ解析で、体重は減らなかった。
日本人100人が12週間食べ、体重とBMIはβグルカンの多い大麦で多く減ったが、内臓脂肪の差ははっきりしなかった。
日本人男性44人が12週間食べ、白米の人よりBMIが下がった。
日本人女性21人の試験で、朝食に大麦ごはんを食べると昼までの空腹感が弱く、昼と夜の食べた量が少なかった。
48件の試験のレビューで、大麦の食物繊維は空腹感や次の食事の量への効果が弱かった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。