麦ごはん(もち麦)は白米より痩せやすい?

麦ごはん(もち麦)は白米より痩せやすい?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え効く

痩せやすいです。ただし、減る体重は1kg前後と小さな差です。

根拠

大麦・オーツ麦のβグルカンを食べたランダム化比較試験20件のまとめで、体重は平均0.77kg減りました [1]。太りぎみの韓国の成人30人が大麦のシリアルを6週間食べた試験でも、とうもろこしのシリアルの人より体重の変化が1.18kg小さくなりました [2]。一方、太りぎみの人の49件・3854人のまとめでは体重に差がありませんでした [3]。根拠の確かさは低めです。結果のばらつきが大きいためです。

この答えの範囲

大きなまとめ研究は、麦ごはんではなく、大麦・オーツ麦のβグルカン全般が対象です。

じゃあ、どうする?

白米を麦ごはんに替えるのは試す価値があります。ただし効いても1kg前後なので、これだけで大きく痩せるとは考えず、食事の量や運動と組み合わせる前提で。血糖値への効果は別の疑問で扱います。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。7 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。一部で結果が異なる
判定の内訳を見る(スコア 64 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量1920研究件数と参加人数
一致度13.325結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 87.3 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・RCT のメタ解析 1 本・観察研究 1 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

麦ごはん(もち麦)とは

もち麦は、大麦の仲間で、もちもちした食感の品種です。白米に混ぜて炊く麦ごはんにするのが一般的で、押し麦など形の違う麦もあります。食物繊維、とくにβグルカンが多いとされ、腹持ちや血糖値、体重によいと言われています。注意点は、エネルギー量が白米と大きくは変わらないことです。ここまでは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、イランのシャヒード・ベヘシュティ医科大学などの研究チームが2019年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、似た試験の結果を集めて数字で合算する方法です。ここで集められたのは、大麦やオーツ麦に含まれるβグルカンを食べたランダム化比較試験20件で、麦ごはんそのものではなく、βグルカンを含む食品やサプリの研究も含みます。

研究の種類ランダム化比較試験20件のメタ解析
対象大麦・オーツ麦のβグルカンを食べた人
比べたものβグルカンを食べた人と、食べなかった人
結果体重が平均0.77kg減った。腹囲と摂取エネルギーには差がなかった
まとめて分析した結果体重は平均0.77kg減りました(信頼区間は-1.49から-0.04)。

減った量は1kg前後で、小さな差です [1]。

信頼区間の上限が-0.04とゼロに近く、「減る向き」ははっきりしていますが、減る量は小さいと読むのが正確です。

白米に麦を混ぜたごはんの直接の研究

上のまとめは麦ごはん専用の研究ではありません。白米に麦を混ぜたごはんを12週間食べた日本人の試験は、2本あります。

  • 100人の試験: 白米にβグルカンの多い大麦を混ぜたごはんで、体重とBMIが、βグルカンを含まない大麦のごはんより多く減りました。ただし、βグルカンを含まない大麦のごはんの人も、体重は減っていました [4]。
  • 44人の試験: コレステロールが高めの日本人男性で、βグルカンの多い大麦を混ぜたごはんの人は、白米の人よりBMIが下がりました [5]。

人数が少なく、期間は12週間です。後者は企業の研究部門による試験です。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

太りぎみ・肥満の人に絞った2026年の49件のメタ解析では、穀物のβグルカンを食べても体重は減りませんでした(コレステロールは下がりました)[3]。2019年のまとめとは、対象者も集めた研究も違うため、結果が食い違っています。

差がなかったまとめ太りぎみ・肥満の人 3854人(49件の研究)

穀物のβグルカンを食べても、体重に差は見られませんでした。

よく言われていることは本当?

  • 痩せやすくなる効きますが、差は小さいです。 減る量は1kg前後で、太りぎみの人を対象にしたまとめでは差がありませんでした [1] [3]。
  • 内臓脂肪が減る結果が割れています。 44人の試験では白米より減りましたが、100人の試験ではβグルカンを含まない大麦のごはんと差がはっきりしませんでした [5] [4]。
  • 腹持ちがよく食べすぎを防ぐ条件によります。 女性21人の試験では、朝食に大麦を混ぜたごはんを食べると昼までの空腹感が弱く、昼に食べた量と、昼と夜を合わせた量が少なくなりました [6]。一方、穀物の食物繊維の48件の系統的レビューでは、大麦の食物繊維は空腹感や次の食事の量への効果が弱いと報告されました [7]。
  • 食後の血糖値を抑えるこの記事では扱いません。 別の疑問として確かめます。
  • カロリーは白米とほぼ同じ本当です。 食べる量を変えなければ、置き換えだけで大きくは減りません。

なぜ体重が減ると考えられている?

理由は研究ではまだ確かめられていません。考えられているしくみは、満腹感が続いて食べる量が減ることです。ただし上のとおり、20件のまとめでは摂取エネルギーに差がなく、体重が減った理由は説明できていません [1]。

02注意点

研究で使われた量と期間は様々です。たとえば韓国の試験では、太りぎみの30人が大麦のシリアルを牛乳と一緒に6週間毎日食べました [2]。日本の試験では、βグルカンを1日4.4g取る条件が使われました [4]。麦ごはんだけでこの量になるとは限りません。人数が少ない試験が中心で、結果のばらつきも大きいため、根拠の確かさは低めです。食物繊維を急に増やすと、おなかが張る人もいます。持病や服薬がある人、食事制限を受けている人は、医師や管理栄養士に確認してください。

減る量は小さな差

体重が減っても1kg前後なので、食事の総量や運動と合わせて考えてください。

03まとめ

麦ごはんは白米より体重を減らす方向に働きますが、減るのは1kg前後です。
白米に麦を混ぜた直接の研究は日本の2本だけで、結果が割れる点もあります。
白米の置き換えとして続けつつ、量や運動の見直しを組み合わせましょう。

04よくある質問

Qもち麦と押し麦のどちらが痩せやすいですか?

研究では比べられていません。日本の試験では、押し麦でも、βグルカンの多い大麦を混ぜたごはんでも調べられていますが、種類ごとの差は分かっていません [[18074229]]。

Q白米に何割くらい混ぜればよいですか?

研究では確かめられていません。試験は混ぜる割合ではなく、1日のβグルカンの量で条件を決めていました [[28870472]]。

Q麦ごはんに替えるだけで痩せますか?

それだけで大きくは痩せません。体重が減った量は1kg前後です [[30935520]]。エネルギー量も白米と大きくは変わりません。

05参照した論文

判定に使った主な論文(7本)

[1]穀物のβグルカンが体重と腹囲、摂取量に与える影響のメタ解析

発表年
2019年
研究機関
イラン・シャヒード・ベヘシュティ医科大学
掲載誌
Complementary therapies in medicine
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究20件を統合
結果の向き
良い方向

ランダム化比較試験20件のメタ解析で、体重が平均0.77kg減った。腹囲と摂取エネルギーに差はなかった。

[2]大麦シリアルが血糖の指標グリコアルブミンに与える影響の試験

発表年
2025年
研究機関
韓国・慶熙大学
掲載誌
Nutrients
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
30人
結果の向き
良い方向

太りぎみの成人30人が6週間大麦のシリアルを食べ、とうもろこしのシリアルの人より体重の変化が1.18kg小さかった。

[3]BMI 25以上の人への穀物β-グルカンの影響のメタ解析

発表年
2026年
研究機関
中国・江南大学
掲載誌
Food & function
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
3,854人
結果の向き
差なし

太りぎみ・肥満の人の49件・3854人のメタ解析で、体重は減らなかった。

[4]日本人の内臓脂肪型肥満での、高βグルカン大麦の影響の試験

発表年
2017年
研究機関
日本・大妻女子大学
掲載誌
Nutrition (Burbank, Los Angeles County, Calif.)
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
100人
結果の向き
良い方向

日本人100人が12週間食べ、体重とBMIはβグルカンの多い大麦で多く減ったが、内臓脂肪の差ははっきりしなかった。

[5]日本人男性での高βグルカン大麦の、コレステロールと内臓脂肪への影響の試験

発表年
2008年
研究機関
日本・企業の研究部門
掲載誌
Plant foods for human nutrition (Dordrecht, Netherlands)
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
44人
結果の向き
良い方向

日本人男性44人が12週間食べ、白米の人よりBMIが下がった。

[6]高βグルカン大麦を混ぜた白米が食欲と食べる量に与える影響の試験

発表年
2014年
研究機関
日本・大妻女子大学
掲載誌
Plant foods for human nutrition (Dordrecht, Netherlands)
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
21人
結果の向き
良い方向

日本人女性21人の試験で、朝食に大麦ごはんを食べると昼までの空腹感が弱く、昼と夜の食べた量が少なかった。

[7]穀物の食物繊維と満腹感の系統的レビュー

発表年
2026年
研究機関
オーストラリア・ウーロンゴン大学
掲載誌
Nutrition reviews
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
研究48件を統合
結果の向き
差なし

48件の試験のレビューで、大麦の食物繊維は空腹感や次の食事の量への効果が弱かった。

ほかに参考にした論文(9本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。