[1]慢性便秘の市販対策の有効性と安全性:系統的レビュー
- 発表年
- 2021年
- 研究機関
- アメリカ・オーガスタ大学
- 掲載誌
- The American journal of gastroenterology
- 研究の種類
- システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
- 対象
- 研究41件を統合
- 結果の向き
- 良い方向
市販の便秘の薬を調べた4週間以上のRCT41件のまとめで、マグネシウム塩とサイリウムは推奨度B(中くらいの根拠)でした。

薬の成分の酸化マグネシウム、サイリウムのサプリ、プルーン、食物繊維の多い食事と水が効きます。
慢性的な便秘のある大人の話です。水は、食物繊維の多い食事と合わせた試験の結果です。高齢者だけのまとめでは、食物繊維のサプリで排便の回数が増えませんでした [6]。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 10 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 90 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 3 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「中程度」で、これを強度の上限にしています。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
便秘は、便の回数が少ない、便がかたい、出しにくいといった状態です。対策には、食物繊維の多い食事、サイリウム(オオバコ)などの食物繊維のサプリ、乳酸菌のサプリ、薬の成分の酸化マグネシウムなどがあります。食物繊維は、水溶性はやわらかい便に、不溶性は便のかさを増やすとされています。注意点は、酸化マグネシウムは腎臓が弱い人や高齢の人に医師か薬剤師への相談が必要なこと、食物繊維のサプリでおならが増えることです。
選ぶ基準は3つです。研究で効いた成分を選ぶこと。研究と同じ量と期間で使うこと。酸化マグネシウムは、腎臓が弱い人や高齢の人は医師か薬剤師に先に相談することです。
日本人女性34人の試験でも、70.6%(プラセボは25.0%)でした [13]。
ライ麦パンは白いパンより排便が週0.43回多く[10]、植物性の食品の多い食事の人は便秘が20%少ない関連がありました [16]。食物繊維を減らして良くなった63人の報告もあります [17]。
食物繊維の量(食品成分表 八訂 増補2023年、100gあたり):
ひじきとプルーンは乾物の値なので、一度に食べる量は少なくなります。
プルーンは、日本のプラセボ対照試験でジュースが硬い便を減らし [9]、毎日100gを3週間の試験ではサイリウムより排便が多く(週3.5回 対 2.8回)[18]、2024年のまとめでは差がありませんでした [10]。キウイは、サイリウムより排便が週0.36回多い結果でした [10]。緑のキウイを毎日2個、4週間食べた試験では、機能性便秘の人ですっきり出る排便が週1.53回増えました [19]。水は、食物繊維25gの食事に1日2Lの水を足す指示をした2か月の試験で、自由に飲んだ組より排便が増え、下剤の使用も減りました [11]。
例の献立(上の食材を組み合わせた一例で、研究で試した献立ではありません):
水も一緒にとります。
食物繊維の目標量は、日本人の食事摂取基準(2025年版)で、成人男性が1日20〜22g以上、成人女性が17〜18g以上です。少なくとも25gが望ましいとされます。成分表(八訂)の値は高めに出るため、目標量ちょうどでは不十分なことがあります。
運動は、便秘の人9件・680人のまとめで、良くなった人が多い結果でした[7]。ただし研究の偏りとばらつきが大きく、効く程度は決めきれません。追跡調査13件・119,426人では、よく動く人ほど便秘が少ない関連もありました [20]。
酸化マグネシウムは、腎臓・心機能に障害のある人、下痢のある人、高マグネシウム血症の人、高齢の人は、使う前に医師か薬剤師に伝えるよう案内されています。便秘の人では、腎臓が正常な場合や通常量以下でも、重い経過をたどった例が報告されています。マグネシウムの試験4件・254人(こむら返りの人が対象)では、軽い副作用は主に下痢などで、はっきりした差はなく、根拠の確かさは低めです(試験が少ないため)[23]。
便に血が混じるときや便秘が続くときは、医師に相談してください。
便秘には、酸化マグネシウム、サイリウム、プルーン、食物繊維と水の多い食事が効き、乳酸菌は研究が足りません。
腎臓が弱い人や高齢の人は、酸化マグネシウムの前に医師か薬剤師へ。
まず食事に食物繊維の多い食材と水を足し、サプリはその次に。
試験は28日間が中心で、それより長い使い方は確かめていません [[31587548]]。続けるときは医師か薬剤師に相談を。
多いほどよいとは、研究では確かめられていません。サイリウムは毎日10gを超える量で効果がはっきりしましたが、おならは増えました [[35816465]]。原因のはっきりしない便秘の63人の報告では、食物繊維を減らした人で症状が良くなりました [[22969234]]。上の目標量を目安に、水と一緒にとってください。
押麦のごはんは精白米のごはんより食物繊維が多い食べ物です。ただし、玄米や麦ごはんで便秘が良くなるかを確かめた試験は、この記事では確認していません。玄米は [玄米や雑穀米は白米より痩せやすい?](/evidence/brown-rice-weight-loss) も。
研究は大人が対象です。子どもは医師に相談を。
市販の便秘の薬を調べた4週間以上のRCT41件のまとめで、マグネシウム塩とサイリウムは推奨度B(中くらいの根拠)でした。
果物の抽出物・ビタミン・ミネラルなどのサプリを調べたRCT8件(787人)のまとめです。酸化マグネシウムの試験も含まれます。
慢性便秘の大人1251人(RCT16件)のまとめで、食物繊維のサプリで排便の回数が増えました。サイリウムとペクチンで効果がはっきりしました。
機能性便秘の大人229人の8週間の試験で、ビフィズス菌はプラセボと比べて、すっきり出る排便の回数を増やしませんでした。
フランスの機能性便秘の大人の8週間の試験で、ビフィズス菌はプラセボより良いとは言えませんでした。
便秘のある高齢者187人(RCT7件)のまとめで、食物繊維のサプリで排便の回数ははっきり増えませんでした。
便秘の人680人(RCT9件)のまとめで、運動をすると症状が改善した人が多い結果でした。研究の偏りのおそれは大きいです。
酸化マグネシウムを処方された高齢の患者で、腎臓の働きが低い人の27.0%が、血液中のマグネシウムが高くなりすぎていました。
日本人の慢性便秘の人を対象にした二重盲検のプラセボ対照試験で、プルーンジュースは硬い便を減らしました。
食べ物・飲み物・食事法の試験23件(1714人)のまとめで、ライ麦パンは白いパンより排便の回数が週0.43回多い結果でした。
機能性便秘の人を2か月追った試験で、食物繊維の多い食事に加えて水を1日2リットル飲むよう指示したグループは、排便の回数が増え、下剤の使用も減りました。
慢性便秘の大人のRCT30件のまとめで、プロバイオティクスで排便の回数が増えました。菌の種類で結果が違いました。
軽〜中くらいの便秘の日本人女性34人の試験で、酸化マグネシウムを28日間飲むと、全体的に良くなった人はプラセボの25.0%に対し70.6%でした。
慢性便秘の大人1423人(RCT17件)のまとめで、粘りのある水溶性の食物繊維は便の硬さと排便の回数を改善しました。確実性は中くらいです。
機能性便秘の大人1256人(17件)のまとめで、排便の回数が0.93回増えましたが、確実性は低い〜非常に低いです。
米国の中高年の3つの追跡調査で、植物性の食品の多い食事をよく守る人は、便秘になる人が20%少ない結果でした。
原因のはっきりしない便秘の63人で、食物繊維をやめた・減らした人は症状が良くなりました。くじ引きで分けた比較ではありません。
プルーンのRCT4件のまとめ。便秘の人の試験では、プルーンを毎日100g食べると、サイリウムより排便の回数と便の硬さが良くなりました。
緑のキウイを毎日2個、4週間食べる試験で、機能性便秘の人はすっきり出る排便が週1.53回増えました。
追跡調査13件のまとめで、国際的な身体活動の目安を満たす人は、便秘になるリスクが低い関連がありました。
食物繊維の少ない健康な大人120人で、プルーンを毎日80gか120g、4週間食べると、水だけのグループより便の量と回数が増えました。
米国の大人9963人の調査で、運動をしない人に便秘が多い関連は、年齢などをそろえるとはっきりしなくなりました。
こむら返りへのマグネシウムを調べたRCT11件・735人のレビュー。軽い副作用は主に下痢などのお腹の症状でした。
65歳以上の便秘の人のRCT23件のまとめで、水酸化マグネシウムなどは短期間ならプラセボより効きました。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。