[1]筋トレ中のたんぱく質の飲む時間と種類を比べたネットワークメタ解析
- 発表年
- 2024年
- 研究機関
- 中国・華中科技大学
- 掲載誌
- International journal of sport nutrition and exercise metabolism
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 4,711人
- 結果の向き
- 良い方向
筋トレをする成人の試験116件・4,711人の解析で、夜に飲むと筋力が伸びた。

効きます。筋トレと合わせると、筋力が伸びます。
筋トレを続けている成人の話です。高齢男性では上乗せが見られなかった試験もあります。飲む時間の効果か、たんぱく質の総量の効果かは区別できません。
筋トレをしている日は、寝る前に飲む使い方で構いません。まず1日の総量が足りているかを見て、足りない分を寝る前に回す形が、研究の条件に近いです。腎臓の病気がある人は、医師に相談を。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 19.2 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 15.3 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 89.5 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 2 本・RCT のメタ解析 1 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「中程度」で、これを強度の上限にしています。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
寝る前のプロテインは、就寝の前にたんぱく質のサプリ(カゼインやホエイ)を飲む方法です。寝ている間は食事がとれないため、筋トレをする人の間で広く行われています。カゼインは体内でゆっくり吸収されるのが特徴です。注意点は、プロテインにもカロリーがあることです。
答えの中心は、華中科技大学(中国)などの研究チームが2024年に発表したネットワークメタ解析です [1]。ネットワークメタ解析とは、飲むタイミングや種類が違う試験をまとめて、同じ土俵で比べる方法です。
| 研究の種類 | 筋トレをする成人の比較試験のネットワークメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 筋トレをする成人(116件・4,711人) |
| 比べたもの | 飲むタイミング・種類ごとのプロテインと偽薬 |
| 結果 | 夜に飲むと、レッグプレスの最大重量と握力の伸びが最も大きかった |
確実性は中程度と評価されています [1]。
ただし、筋肉量そのものを最も増やしたのは運動後に飲むタイミングで、除脂肪量が平均0.54kg多く増えました [1]。夜は「筋力の伸び」で目立った、と読むのが正確です。116件・4,711人は解析全体の数で、夜に飲んだ群だけの人数ではありません。
若い男性44人の試験では、12週間の筋トレ中に毎晩寝る前にたんぱく質27.5gをとった群が、偽薬の群より筋力と太ももの筋肉の断面積が大きく増えました [3]。
夜の効果が「寝る前」という時間によるものか、たんぱく質を足した総量によるものかは、区別できていません。
9本の研究の系統的レビューは、寝る前のたんぱく質は若い男性では筋トレの効果を上げうるが、高齢男性では効果が見られず、群間のたんぱく質総量の違いもあるため慎重に解釈すべきとしています [5]。
12週間の筋トレに寝る前の40gを足しても、筋肉の厚さ・筋力の伸びは筋トレだけと差がありませんでした [6]。
高まります。ただし、これは筋肉のたんぱく質の合成速度を測った研究で、実際に筋肉が増えたかを見た研究とは別です。根拠の確かさは低めです。研究の数が少ないためです。
肥満の若い男性12人が寝る前にカゼイン(120kcal)を飲んだ試験では、寝ている間と翌朝のおなかの脂肪の分解・安静時の代謝・食欲は、偽薬と差がありませんでした [10]。11本の系統的レビューも、寝る30分前のカゼイン24〜48gは、代謝や食欲への影響がほとんど無いか限られているとまとめています(データは少ない) [11]。
数か月続けたときの体重や体脂肪を、プロテインなしと直接比べた研究はほとんどありません。ホルモン療法中の前立腺がんの人60人の試験では、運動後と毎晩寝る前にホエイ31gをとって筋トレをした群で体脂肪が増えました(偽薬の群では増えませんでした。対象者が特殊で、寝る前だけの影響とは言えません) [12]。カロリーの足し過ぎで太るかどうかは、1日の総摂取量で決まる話です。
研究で使われた量は、寝る前に20〜45gの試験が中心です。たとえば男子サッカー選手44人の試験では、寝る45分前にカゼイン20gを4週間とり、膝を伸ばす筋力の一部の指標だけが上がりました [13]。胃の不調が出ることがあるため、飲む量は控えめから始める人が多いです。腎臓の病気がある人、持病や服薬中の人は、医師や薬剤師に確認してください。
食事でたんぱく質が足りている人には、上乗せの効果が見られなかった試験があります。
運動の前後どちらがよいかは プロテインは筋トレの前と後どっちに飲むといい? で扱っています。
寝る前のプロテインは、筋トレと合わせると筋力の伸びに効きます。夜の脂肪の分解や代謝、食欲には差が見られていませんが、数か月の体重は確かめられていません。
夜の効果が時間によるのか総量によるのかは分かっておらず、すでに十分とっている人には上乗せが小さい場合があります。
筋トレの日に食事で足りない分を、寝る前に回す形から試しましょう。
寝ている間の合成速度を調べた試験では、カゼインとホエイの差はありませんでした [[36857005]]。続けやすいほうで構いません。
研究は筋トレと組み合わせた試験が中心です。筋トレをしない日の効果は、確かめられていません。
この疑問のために集めた研究では、睡眠への影響は確かめていません。
筋トレをする成人の試験116件・4,711人の解析で、夜に飲むと筋力が伸びた。
男性13人で、カゼイン35gを昼に飲んでも寝る前に飲んでも、10週間の筋トレによる筋肉と筋力の伸びに差はなかった (総たんぱく質量はそろえた)
若い男性44人で、12週間の筋トレ中に毎晩寝る前にたんぱく質27.5gをとると、偽薬より筋力と太ももの筋肉の断面積が大きく増えた (ネットワークメタ解析の検索期間内の研究)
若い成人のRCT23件・611人のメタ解析で、筋トレにプロテインを足すとスクワットの筋力が平均7.40kg多く伸び、効果は運動前後と寝る前の両方でとった研究で主に見られた (寝る前だけの効果ではない)
9本の研究の系統的レビューで、寝る前のプロテインは若い男性では筋トレの効果を上げうるが、高齢男性では効果が見られず、群間のたんぱく質総量の違いもあり慎重に解釈すべきとされた
たんぱく質を十分とっている高齢男性30人で、寝る前の40gを足しても差がなかった。
高齢男性48人で、寝る前にカゼイン40gを飲むと寝ている間の筋肉の合成速度が高くなった。
若い男性36人で、寝る前にカゼインかホエイ45gを飲むと合成速度が偽薬より高かった。
若い男性36人で、カゼイン30gでは寝ている間の筋肉の合成速度に差がなかった。
肥満の若い男性12人で、寝る前のカゼインは脂肪の分解や代謝に差がなかった。
11本の研究の系統的レビューで、寝る30分前にカゼイン24〜48gをとっても、代謝や食欲への影響はほとんど無いか限られていた (データは少ない)
ホルモン療法中の前立腺がんの人60人で、筋トレと寝る前のホエイを続けた群は体脂肪が増えた。
男子サッカー選手44人で、寝る前のカゼイン20gを4週間続けると、一部の筋力の指標が上がった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。