[1]たんぱく質を飲む時間は運動の効果を変えるかのメタ解析
- 発表年
- 2025年
- 研究機関
- スペイン・ロヨラ・アンダルシア大学
- 掲載誌
- Nutrients
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 研究5件を統合
- 結果の向き
- 差なし
筋トレの前と後を直接比べた5件の研究で、除脂肪量の増え方に差はなかった。

前に飲んでも後に飲んでも、筋肉の増え方は同じです。寝る前に飲むと、飲まない場合より筋力が伸びます。
筋トレをしている大人の話です。測ったのは筋肉量と筋力で、直前に飲んだときの胃の重さは測られていません。寝る前の結果は偽薬との比較が中心で、日中との直接比較では差が出ていません。
筋肉の増え方は前でも後でも同じなので、大事なのは1日の総量です [4]。タイミングは生活に合わせて選べますが、直前は運動中に胃が重くなる人がいるため、前に飲むなら1〜2時間前、または終わってすぐから数時間以内が無理のない選び方です。直後でなければいけない、という結果はありません。寝る前に飲みたい人は、筋力が伸びる結果があるので、試してよい飲み方です。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 5.2 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 2 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 82.2 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 82 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
プロテインは、たんぱく質を手軽にとるための粉末状の食品です。筋肉の材料になるとされ、牛乳由来のホエイやカゼイン、大豆由来のソイなど種類があります。ホエイは体に吸収されるのが速く、カゼインはゆっくりなのが特徴とされています。注意点は、腎臓の病気がある人は、とる量を医師に確認することです。
答えの中心は、スペインのロヨラ・アンダルシア大学などが2025年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、条件の近い研究の結果を集めて、数字でまとめ直す方法です。前か後かをランダムに分けて、少なくとも4週間続けた研究だけが対象です。
| 研究の種類 | 前と後を直接比べたランダム化比較試験のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 筋トレをしている大人(5件の研究) |
| 比べたもの | 毎回の筋トレの前に飲む群と、後に飲む群 |
| 結果 | 除脂肪量の増え方に差なし |
脚の筋力(レッグプレス)は前に飲む方が上回りましたが、統計的にぎりぎり差が出た程度で、胸の筋力には差がありませんでした。
脚の筋力の違いは、脚と胸の差をあらためて検定するとはっきりせず、著者ももっと調べる必要があるとしています [1]。
除脂肪量は、筋肉や骨など脂肪以外の重さです。筋トレ経験のある男性21人が、25gのプロテインを直前に飲んでも直後に飲んでも、筋力と筋肉の変化は同じでした [5]。女性43人でも体組成の変化に差はありませんでした [6]。
ただし、比べたのは筋肉の増え方です。直前に飲んだときの胃の重さなど、飲んだ後の感じ方は測られていません。また、前の中で何時間前かを分けた比較ではありません。
2006年の試験では、直前と直後に飲んだ群の方が大きく増えました [9]。ただしサプリにクレアチンとブドウ糖が入っていました。
直前・直後の群の方が増えましたが、サプリはプロテインだけではありません。
飲む時間帯ごとに偽薬と比べた116件・4,711人のネットワークメタ解析(複数の飲み方をまとめて比べる方法)では、夜に飲んだ人は偽薬より筋力が伸びました。レッグプレスで平均12.12kg、握力で平均2.85kg多く、研究の確実性は中程度でした [3]。同じ解析で、筋肉量(除脂肪量)は運動後に飲んだとき偽薬より平均0.54kg多く増えていますが、前に飲む場合と直接比べた結果ではありません [3]。
若い男性44人の試験でも、寝る前に飲んだ群は偽薬の群より筋力が伸びました [10]。ただし総量はそろえておらず、寝る前だから効いたのかは分けられません。日中と直接比べた試験では、差が出ていません。
60歳以上を対象にした研究は少なく、5件・181人のメタ解析では、朝にたんぱく質をとっても、除脂肪量が増えたとは言えない結果でした。確実性は非常に低く、効かないとは言い切れません [8]。若い男性26人の12週間の試験では、朝食に多くとった群が除脂肪量で2.5kg、夕食に多くとった群が1.8kg増えましたが、はっきりした差ではありませんでした [13]。
研究で使われた量は、たとえば25gを週3回、筋トレの前後に飲む形でした [5]。高齢男性の試験は、もともとたんぱく質を十分とっている人が対象でした [14]。直前に飲んで胃が重くなるかどうかは、感じ方に個人差があります。腎臓の病気がある人や、持病・服薬中の人は、たんぱく質を増やす前に医師や管理栄養士に確認してください。たんぱく質と腎臓の関係は、高たんぱく食は腎臓に悪いって本当? にまとめています。
直前だけは胃の負担を考えて、1〜2時間前か、終わってから飲むことが一般に勧められています。
前に飲んでも後に飲んでも、筋肉の増え方は同じという結果です。
大事なのは1日の総量で、タイミングは生活に合わせて選べます。
前に飲むなら1〜2時間前、または終わってから飲み、直前は胃の負担に気をつけましょう。
平均60.9歳の閉経後の女性34人では、運動の直後と午後で、除脂肪量・筋力の増え方は同じでした [[30691866]]。筋トレを始めた高齢の男性30人でも、寝る前に飲んだ群は筋トレだけの群と変わりませんでした [[40539259]]。どちらも参加者が数十人の試験です。
タイミングを比べたこのページの研究では、必要な量までは調べていません。参考として、食事全体のたんぱく質を体重1kgあたり1.8gにそろえて比べた試験があります [[29764464]]。
このページの研究には、ホエイとカゼインを直接比べたものはありません。カゼインは寝る前でも日中でも同じ増え方で [[29764464]]、ホエイも寝る前と起きてからで同じでした [[35684089]]。種類より、続けやすい時間と総量で選べます。
筋トレの前と後を直接比べた5件の研究で、除脂肪量の増え方に差はなかった。
65件・2907人のまとめで、特定のタイミングが除脂肪量や筋力を増やすことはなかった。
116件・4,711人のまとめで、夜に飲むと偽薬よりレッグプレスの筋力が平均12.12kg多く伸びた。
23件・525人のまとめで、総量をそろえると前後すぐに飲んでも差はなかった。
筋トレ経験のある男性21人で、直前でも直後でも筋力・筋肉の変化は同じだった。
トレーニング経験のある女性43人で、運動前でも後でも体組成の変化に差はなかった。
高齢の男性48人で、寝る前に40gのカゼインを飲むと、寝ている間の筋肉の合成速度が偽薬より高かった。
60歳以上の5件・181人で、朝にとっても除脂肪量は増えなかった。確実性は非常に低い。
直前と直後に飲んだ群が増えたが、サプリにクレアチンとブドウ糖も含まれていた。
若い男性44人の12週間の筋トレで、寝る前に飲んだ群は偽薬の群より筋力が大きく伸びた。
男性13人の10週間の筋トレで、日中でも寝る前でも筋肉量・筋力の増え方に差はなかった。
若い男性42人の6週間の筋トレで、寝る前でも起床後でも結果に差はなかった。
若い男性26人で、朝食に多い群が2.5kg、夕食に多い群が1.8kg増えたが、はっきりした差ではなかった。
高齢の男性30人で、寝る前に40gを飲んでも筋肉の厚さ・筋力の伸びは変わらなかった。
判定「効かない」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。