[1]健康な成人の筋肉量と機能のためのたんぱく質摂取量のメタ解析
- 発表年
- 2022年
- 研究機関
- カナダ・マクマスター大学
- 掲載誌
- Journal of cachexia, sarcopenia and muscle
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 研究62件を統合
- 結果の向き
- 良い方向
筋トレ中にタンパク質を増やすと、除脂肪量の増え方がわずかに大きかった。65歳未満は1.6g以上から。

体重1kgあたり1日1.6g前後が目安です。それを超えると、筋肉は増えにくくなります。
筋トレをしている健康な成人の話です。足りている人がさらに足しても増えにくく、筋トレをしない人の筋肉は増えません。腎臓の病気がある人は対象外です。
まず今の食事で、体重1kgあたり1.6g前後に届いているかを数えます。足りない分だけを食事かプロテインで補えば十分で、それを超えて足しても筋肉の増え方は変わりにくいです。腎臓の病気がある人は、医師に量を相談してください。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 10 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 90 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 1 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「中程度」で、これを強度の上限にしています。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
タンパク質は、筋肉や皮膚、髪などの材料になる栄養素です。肉・魚・卵・大豆・乳製品などの食品に含まれ、プロテインは食事で足りない分を補う粉末の食品です。必要な量は体重で決まるため、目安は「体重1kgあたり何g」で表されます。注意点は、腎臓の病気がある人は量の制限があることです。
答えの中心は、マクマスター大学などの研究チームが2022年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、同じ疑問を調べた複数の試験の結果をまとめて計算する方法です。結果に出てくる標準化平均差は、研究ごとに単位が違っても比べられるよう、差の大きさをそろえた指標です。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験を集めたメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 筋トレをしている健康で肥満でない成人 |
| 比べたもの | 一日のタンパク質を増やした人と、増やさなかった人 |
| 結果 | 除脂肪量(筋肉など)の増え方が、わずかに大きかった |
差は大きくありませんが、研究の確かさは中程度とされています。
このメタ解析で上乗せがはっきりしたのは、年齢によって次の量からでした [1]。
マクマスター大学の2018年のメタ解析では、筋トレ中にタンパク質を足すと除脂肪量が平均0.30kg多く増え、総摂取量が1.62gを超えるとそれ以上は増えませんでした [2]。2g以上でさらに上乗せがあるという研究は、今回の調べでは見つかりませんでした。
筋トレの有無を問わない研究ですが、企業の研究部門の研究チームによる2020年のメタ解析でも、0.1g増やすごとの増え方は、1.3g未満では0.39kg、1.3gを超えると0.12kgに小さくなりました [3]。
筋トレと合わせてタンパク質を増やすと、筋力の伸びは平均2.01%大きくなりました。企業の研究部門の研究チームが2022年に発表した、82本の論文を統合したメタ解析の結果です [4]。伸びは1.5gまでは量とともに大きくなり、それ以上は伸びませんでした。筋トレをしないときは差がありませんでした [4]。
2022年以降の小さな試験では、タンパク質を足しても筋トレだけの人と差が出ませんでした。このうち若い男性の試験は、参加者がもともと体重1kgあたり1.2g超のタンパク質をとっていて、足りている人が足しても増えにくいという頭打ちの結果と合っています。ほかの試験では、もともとの摂取量は分かりません。いずれも人数が少なく、メタ解析の結果とあわせて見る必要があります。
ホエイプロテインを足しても、除脂肪量と筋力の伸びは上乗せされませんでした [8]。
筋力の結果を出したメタ解析は、著者が企業の研究部門に所属しています [4]。除脂肪量の結果は、大学の研究チームによるものです [1]。量は、研究では総摂取量(食事とプロテインの合計)で測られています。腎臓の病気がある人、持病や服薬がある人は、医師や管理栄養士に確認してください。
足りている人がさらに足しても筋肉は増えにくいため、まず食事の量を数えるのがおすすめです。
筋トレ中のタンパク質は、体重1kgあたり1.6g前後までは筋肉の増え方に上乗せがあり、それ以上は増えにくいです。
65歳以上は1.2〜1.59gから上乗せが見られ、もともと足りている人の上乗せは小さくなります。
まず今の食事の量を数え、足りない分だけを補いましょう。
そうではありません。上乗せがはっきりしたのは1.6g以上からで、1.62gを超えるとそれ以上は増えませんでした [[28698222]]。2g以上で上乗せがあるという研究は見つかりませんでした。
65歳以上は1.2〜1.59gから上乗せが見られました [[35187864]]。女性だけの量の研究は、今回は見つかりませんでした。
研究で比べているのは総摂取量です。食事で届くなら、プロテインは必須ではありません。
腎臓の病気のない成人では、高タンパク食でろ過の力に差はありませんでした [[30383278]]。腎臓の病気がある人は対象外なので、医師に相談してください。
筋トレ中にタンパク質を増やすと、除脂肪量の増え方がわずかに大きかった。65歳未満は1.6g以上から。
健康な成人1863人(RCT49件)で、除脂肪量が平均0.30kg多く増えた。1.62gを超えると増えなかった。
5402人(105本)のRCTで、1.3g未満では0.1gごとに0.39kg、1.3gを超えると0.12kg増えた。
82本のRCTで、筋力の伸びが平均2.01%大きかった。筋トレなしでは差がなかった。
平均50歳以上の28件で、筋トレと組み合わせたときだけ手足の除脂肪量が多く増えた。
高齢男性30人で、運動後や寝る前に40gを足しても筋肉の厚みと筋力は変わらなかった。
腎臓の病気のない成人1358人(28件)で、ろ過の力の変化に差はなかった。
若い男性18人の8週間の試験で、ホエイプロテインは除脂肪量と筋力の伸びを上乗せしなかった。
健康な高齢男性36人の12週間の試験で、筋トレとの相乗効果は見られなかった。
健康な高齢者31人の12週間の試験で、筋力と筋肉量の伸びは上乗せされなかった。
閉経後の女性55人の12週間の試験で、体組成と筋力に筋トレだけとの差はなかった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。