昼寝は何分がいい?

昼寝は何分がいい?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.05
答え効くが、差はごく小さい

昼寝で頭の働きは良くなります。差は小さく、目安は30分未満です。

根拠

午後の昼寝を調べたメタ解析 2 本が、昼寝のあとは頭の働きのテスト成績が良いと報告しています [1] [2]。効果の大きさは 0.379 と 0.18 で小さく、昼寝の長さで変わりませんでした。30分以上の昼寝の習慣は、病気との関連が追跡調査で見られ、30分未満では見られませんでした [3]。根拠の確かさは高いです。

この答えの範囲

主に若い大人から働く世代の、健康な人の話です。2 本のメタ解析は収録した研究が一部重なっている可能性があります。長さ別の「ベストな分数」は研究では決まっていません。

じゃあ、どうする?

昼寝は30分未満を目安にしましょう。30分を超えて寝たときは、起きてから30分ほどは大事な作業を避けると安心です [4]。昼寝が長い習慣がある人は、夜の睡眠の状態を見直し、気になる症状があれば医師に相談を。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。高い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。9 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 96 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量16.520研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 96.5 点を、エビデンス強度 A の範囲(75〜100 点)に収めて、スコアは 96 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・RCT のメタ解析 1 本・観察研究 1 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

昼寝とは

昼寝は、昼間に短く眠ることです。眠気をとり、午後の作業をしやすくするとされ、5分ほどの仮眠から1時間を超えるものまで長さはさまざまです。注意点は、長く眠ると起きた直後にぼんやりすること(睡眠慣性)です。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、シンガポール国立大学などの研究チームが2022年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、同じ疑問を調べた複数の研究の結果をまとめて計算する方法です。午後の昼寝を調べた54件の研究が集められました。

研究の種類午後の昼寝と頭の働きを調べた研究のメタ解析
対象午後に昼寝をした人としなかった人(54件の研究)
比べたもの昼寝をした場合と、しなかった場合
結果昼寝をした人は頭の働きのテスト全体の成績が良かった
まとめて分析した結果午後に昼寝をした人は、しなかった人より頭の働きのテスト成績が良く、効果の大きさは0.379でした [1]。

昼寝の長さ・始める時刻・年齢・前夜の睡眠不足の有無で、効果の大きさに差は見られませんでした。

フランスのクレルモン=フェラン大学病院などの研究チームによる2021年のメタ解析でも、働く世代381人・11件の研究で、昼寝のあとは成績が良く、効果の大きさは0.18と小さいものでした。特に注意力で差が大きく、昼寝の長さによる違いは見られませんでした [2]。

「何分がいいか」に直接答える研究は、見つかっていません。この2本は、長さを変えても効果が変わらないと報告しています。目安の30分未満は、次の3つを合わせて決めたものです。

  • 昼寝で頭の働きが良くなる(差は小さい)
  • 30分より長いと、起きた直後にぼんやりする
  • 30分以上の習慣は、病気との関連が見られる(観察研究)

30分前後より長いと、起きた直後はぼんやりする

シンガポール国立大学の2023年の試験では、ふだん睡眠が短い若い大人32人が、起きたまま・10分・30分・60分の昼寝を体験しました。30分と60分の昼寝のあとには、起きた直後のぼんやり(睡眠慣性)が見られましたが、起きてから30分以内に消えました [4]。10分から60分のどの長さでも、気分は明るくなり、眠気は減りました。記憶の取り込みが良くなったのは30分の昼寝だけでした。

フリンダース大学(オーストラリア)の2006年の実験では、前夜の睡眠を減らした若い大人24人で、5・10・20・30分を比べました。10分の昼寝が最も効果的で、30分では起きた直後に注意力と成績が落ちる時間がありました [5]。ただし24人の小さな実験で、長さの勝ち負けは研究によって食い違います。ラ・トローブ大学(オーストラリア)の2026年の試験では、25分と90分のどちらも起きてすぐは成績が落ち、90分のほうが落ち込みが大きく、回復に少なくとも1時間かかりました [6]。根拠の確かさは低めです。参加者が数十人以下の小さな実験が中心のためです。

長い昼寝の習慣と病気の関連

中国の新郷医学院第一附属医院などによる2024年のメタ解析では、44件の追跡調査(1,864,274人)をまとめ、昼寝が30分以上の人は、死亡・心臓や血管の病気・代謝の病気のリスクが高いことと関連していました。30分未満の人では有意な上昇はありませんでした [3]。糖尿病でも、毎日60分を超える昼寝の人は1.31倍でした [7]。

これは観察研究です。長い昼寝が病気の原因とは言えません。体調の悪さや夜の睡眠不足が、長い昼寝の理由になっている可能性もあります。

よく言われていることは本当?

  • 20分前後の短い昼寝で眠気がとれ、集中力が上がる本当です。 ただし差は小さいです。20分に限らず、長さで効果は変わらないと報告されています [1] [2]
  • 一番効くのは10分の昼寝まだ分かりません。 24人の実験では10分が最も効果的でしたが [5]、別の試験では10分から60分のどれも眠気を減らしました [4]
  • 30分以上寝ると、起きたあとぼんやりする本当です。 ただし多くは起きてから30分以内に消えます [4]
  • 1時間以上の昼寝の習慣は病気や死亡のリスクを高める関連はあります。 ただし観察研究で、原因とは言えません [3]
  • 1時間以上の昼寝は認知症のリスクが高い研究が見つかっていません。 長さ別に調べたメタ解析はなく、昼寝の習慣全体と認知機能の低下には関連がありませんでした [8]
  • 長い昼寝は夜の眠りを妨げる長さ別に調べた研究は見つかっていません。 高齢者の系統的レビューは、昼寝が夜の睡眠に悪いという根拠はほとんどないとしています [9]

02注意点

研究の昼寝は、多くが実験室で、若い大人から働く世代の健康な人が対象でした。メタ解析のうち1本は、昼寝の長さが平均55.4分でした [2]。長さ別のベストな分数は決まっていません。日中の眠気が強い、夜に眠れないなどの症状が続く場合は、昼寝で補わず、医師や薬剤師に相談してください。

30分以上の習慣は、病気との関連が見られています

原因かどうかは分かっていないので、不安なときは医師に相談してください。

03まとめ

昼寝は頭の働きを少し良くし、目安は30分未満です。
長く寝る習慣がある人は、起きた直後の作業と夜の眠りを見直してみましょう。
夜の睡眠を整える方法は睡眠の質を高める方法は?も参考になります。

04よくある質問

Q20分の昼寝がいちばん良いですか?

20分だけを比べた強い証拠はありません。メタ解析では、昼寝の長さで効果の大きさは変わりませんでした [[36041284]]。

Q30分を超えて寝てしまったらどうすればいいですか?

起きた直後のぼんやりは、30分と60分の昼寝では起きてから30分以内に消えました [[36775965]]。起きてしばらくは、大事な作業を避けるとよいでしょう。

Q長い昼寝は病気の原因になりますか?

30分以上の習慣は病気との関連が見られましたが、観察研究なので原因とは言えません [[39153335]]。

05参照した論文

判定に使った主な論文(9本)

[1]午後の昼寝が注意力と記憶に与える効果のメタ解析

発表年
2022年
研究機関
シンガポール・シンガポール国立大学
掲載誌
Sleep medicine reviews
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究54件を統合
結果の向き
良い方向

54件の研究をまとめると、午後に昼寝をした人は頭の働きのテスト全体の成績が良く、効果の大きさは0.379でした。

[2]昼寝が働く世代の頭の働きに与える効果のメタ解析

発表年
2021年
研究機関
フランス・クレルモン=フェラン大学病院
掲載誌
International journal of environmental research and public health
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
381人
結果の向き
良い方向

働く世代381人・11件の研究で、昼寝のあとは成績が良く、効果の大きさは0.18と小さいものでした。

[3]昼寝の習慣と健康リスクのメタ解析

発表年
2024年
研究機関
中国・新郷医学院第一附属医院
掲載誌
Sleep medicine reviews
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,864,274人
結果の向き
悪い方向

44件の追跡調査(1,864,274人)で、昼寝が30分以上の人は死亡や心臓・血管の病気のリスクが高いことと関連していました。

[4]10分・30分・60分の昼寝と記憶・眠気の実験

発表年
2023年
研究機関
シンガポール・シンガポール国立大学
掲載誌
Sleep
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
32人
結果の向き
良い方向

若い大人32人で、30分と60分の昼寝のあとのぼんやりは、起きてから30分以内に消えました。

[5]5分・10分・20分・30分の昼寝の効果を比べた実験

発表年
2006年
研究機関
オーストラリア・フリンダース大学
掲載誌
Sleep
研究の種類
その他の研究上のどれにも当てはまらない研究。
対象
24人
結果の向き
良い方向

前夜の睡眠を減らした若い大人24人で、10分の昼寝が最も効果的でした。

[6]25分と90分の昼寝のあとの眠気と成績

発表年
2026年
研究機関
オーストラリア・ラ・トローブ大学
掲載誌
Chronobiology international
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
17人
結果の向き
悪い方向

若い大人17人で、25分と90分のどちらも起きてすぐは成績が落ち、回復に少なくとも1時間かかりました。

[7]昼寝の時間と糖尿病リスクのメタ解析

発表年
2023年
研究機関
中国・徐州医科大学
掲載誌
BMJ open
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究40件を統合
結果の向き
悪い方向

40件の研究で、毎日60分を超える昼寝をする人は糖尿病のリスクが1.31倍でした。

[8]高齢者の昼寝の習慣と、認知機能・記憶力の衰えの関連のメタ解析

発表年
2022年
研究機関
スペイン・カスティーリャ・ラ・マンチャ大学
掲載誌
BMC geriatrics
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
95,719人
結果の向き
差なし

60歳以上の95,719人(25件の研究)で、昼寝の習慣と頭の働きの低下に関連は見られませんでした。

[9]高齢者の昼寝の効果と夜の睡眠への影響の系統的レビュー

発表年
2022年
研究機関
フランス・パリ・ナンテール大学
掲載誌
Frontiers in aging neuroscience
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
326人
結果の向き
良い方向

高齢者326人(15件の研究)で、昼寝が夜の睡眠に悪いという根拠はほとんどありませんでした。

ほかに参考にした論文(7本)

判定「効くが、差はごく小さい」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。