[1]午後の昼寝が注意力と記憶に与える効果のメタ解析
- 発表年
- 2022年
- 研究機関
- シンガポール・シンガポール国立大学
- 掲載誌
- Sleep medicine reviews
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 研究54件を統合
- 結果の向き
- 良い方向
54件の研究をまとめると、午後に昼寝をした人は頭の働きのテスト全体の成績が良く、効果の大きさは0.379でした。

昼寝で頭の働きは良くなります。差は小さく、目安は30分未満です。
主に若い大人から働く世代の、健康な人の話です。2 本のメタ解析は収録した研究が一部重なっている可能性があります。長さ別の「ベストな分数」は研究では決まっていません。
昼寝は30分未満を目安にしましょう。30分を超えて寝たときは、起きてから30分ほどは大事な作業を避けると安心です [4]。昼寝が長い習慣がある人は、夜の睡眠の状態を見直し、気になる症状があれば医師に相談を。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 16.5 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 96.5 点を、エビデンス強度 A の範囲(75〜100 点)に収めて、スコアは 96 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・RCT のメタ解析 1 本・観察研究 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
昼寝は、昼間に短く眠ることです。眠気をとり、午後の作業をしやすくするとされ、5分ほどの仮眠から1時間を超えるものまで長さはさまざまです。注意点は、長く眠ると起きた直後にぼんやりすること(睡眠慣性)です。
答えの中心は、シンガポール国立大学などの研究チームが2022年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、同じ疑問を調べた複数の研究の結果をまとめて計算する方法です。午後の昼寝を調べた54件の研究が集められました。
| 研究の種類 | 午後の昼寝と頭の働きを調べた研究のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 午後に昼寝をした人としなかった人(54件の研究) |
| 比べたもの | 昼寝をした場合と、しなかった場合 |
| 結果 | 昼寝をした人は頭の働きのテスト全体の成績が良かった |
昼寝の長さ・始める時刻・年齢・前夜の睡眠不足の有無で、効果の大きさに差は見られませんでした。
フランスのクレルモン=フェラン大学病院などの研究チームによる2021年のメタ解析でも、働く世代381人・11件の研究で、昼寝のあとは成績が良く、効果の大きさは0.18と小さいものでした。特に注意力で差が大きく、昼寝の長さによる違いは見られませんでした [2]。
「何分がいいか」に直接答える研究は、見つかっていません。この2本は、長さを変えても効果が変わらないと報告しています。目安の30分未満は、次の3つを合わせて決めたものです。
シンガポール国立大学の2023年の試験では、ふだん睡眠が短い若い大人32人が、起きたまま・10分・30分・60分の昼寝を体験しました。30分と60分の昼寝のあとには、起きた直後のぼんやり(睡眠慣性)が見られましたが、起きてから30分以内に消えました [4]。10分から60分のどの長さでも、気分は明るくなり、眠気は減りました。記憶の取り込みが良くなったのは30分の昼寝だけでした。
フリンダース大学(オーストラリア)の2006年の実験では、前夜の睡眠を減らした若い大人24人で、5・10・20・30分を比べました。10分の昼寝が最も効果的で、30分では起きた直後に注意力と成績が落ちる時間がありました [5]。ただし24人の小さな実験で、長さの勝ち負けは研究によって食い違います。ラ・トローブ大学(オーストラリア)の2026年の試験では、25分と90分のどちらも起きてすぐは成績が落ち、90分のほうが落ち込みが大きく、回復に少なくとも1時間かかりました [6]。根拠の確かさは低めです。参加者が数十人以下の小さな実験が中心のためです。
中国の新郷医学院第一附属医院などによる2024年のメタ解析では、44件の追跡調査(1,864,274人)をまとめ、昼寝が30分以上の人は、死亡・心臓や血管の病気・代謝の病気のリスクが高いことと関連していました。30分未満の人では有意な上昇はありませんでした [3]。糖尿病でも、毎日60分を超える昼寝の人は1.31倍でした [7]。
これは観察研究です。長い昼寝が病気の原因とは言えません。体調の悪さや夜の睡眠不足が、長い昼寝の理由になっている可能性もあります。
研究の昼寝は、多くが実験室で、若い大人から働く世代の健康な人が対象でした。メタ解析のうち1本は、昼寝の長さが平均55.4分でした [2]。長さ別のベストな分数は決まっていません。日中の眠気が強い、夜に眠れないなどの症状が続く場合は、昼寝で補わず、医師や薬剤師に相談してください。
原因かどうかは分かっていないので、不安なときは医師に相談してください。
昼寝は頭の働きを少し良くし、目安は30分未満です。
長く寝る習慣がある人は、起きた直後の作業と夜の眠りを見直してみましょう。
夜の睡眠を整える方法は睡眠の質を高める方法は?も参考になります。
20分だけを比べた強い証拠はありません。メタ解析では、昼寝の長さで効果の大きさは変わりませんでした [[36041284]]。
起きた直後のぼんやりは、30分と60分の昼寝では起きてから30分以内に消えました [[36775965]]。起きてしばらくは、大事な作業を避けるとよいでしょう。
30分以上の習慣は病気との関連が見られましたが、観察研究なので原因とは言えません [[39153335]]。
54件の研究をまとめると、午後に昼寝をした人は頭の働きのテスト全体の成績が良く、効果の大きさは0.379でした。
働く世代381人・11件の研究で、昼寝のあとは成績が良く、効果の大きさは0.18と小さいものでした。
44件の追跡調査(1,864,274人)で、昼寝が30分以上の人は死亡や心臓・血管の病気のリスクが高いことと関連していました。
若い大人32人で、30分と60分の昼寝のあとのぼんやりは、起きてから30分以内に消えました。
前夜の睡眠を減らした若い大人24人で、10分の昼寝が最も効果的でした。
若い大人17人で、25分と90分のどちらも起きてすぐは成績が落ち、回復に少なくとも1時間かかりました。
40件の研究で、毎日60分を超える昼寝をする人は糖尿病のリスクが1.31倍でした。
60歳以上の95,719人(25件の研究)で、昼寝の習慣と頭の働きの低下に関連は見られませんでした。
高齢者326人(15件の研究)で、昼寝が夜の睡眠に悪いという根拠はほとんどありませんでした。
判定「効くが、差はごく小さい」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。