エナジードリンクで眠気や疲れは和らぐ?

エナジードリンクで眠気や疲れは和らぐ?
読了目安 5〜7分最終更新日 2026.11.06
答え効く

眠気と疲れた感じは、和らぎます。

根拠

カフェイン入りのエナジードリンクと偽の飲み物を比べた小さな比較試験9本の多くで、眠気やだるさの自己評価が低くなり、目がさえた感じが高まりました [1] [2]。前の晩の睡眠を3〜6時間に制限した94人の試験でも、覚醒度が高まりました [1]。一方、カフェインを抜いた版は223人の試験で差がありませんでした [3]。根拠の確かさは低めです。参加者が数十人の試験が中心のためです。

この答えの範囲

1 回飲んだ直後の話で、健康な若い成人の試験が中心です。子どもや持病のある人に当てはまるかは分かりません。疲れの原因そのものが回復するかも調べられていません。飲み続けた効果は 28 日間の 1 本だけです。

じゃあ、どうする?

眠気をしのぎたい場面なら、使えます。効いているのは主にカフェインなので、コーヒーなどほかのカフェイン飲料と合わせた量で考えましょう。夜に飲むと睡眠と関連する報告があるため、寝る前の時間は避けるのが無難です [4]。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。16 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 64 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン3640いちばん信頼できる研究の種類
研究の量12.720研究件数と参加人数
一致度22.325結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度05信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 81 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 9 本。 この上限により、強度を B から C に下げました。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

エナジードリンクとは

エナジードリンクは、カフェインを中心に、糖やタウリン(アミノ酸の一種)、ビタミンなどを加えた清涼飲料水です。眠気を覚まし、元気が出るとされ、缶や小さな「ショット」タイプがあります。注意点は、カフェインの量が製品で違うことと、夜に飲むと眠りに関連することです。ここは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

眠気と疲れた感じは和らぐ

答えの中心は、アメリカ、イギリス、オランダなどの研究チームが2000年から2025年に発表した、小さなランダム化比較試験9本です。ランダム化比較試験とは、くじ引きで飲み物を割り当て、効果を比べる方法です。どれも健康な若い成人が中心で、飲んだ直後の効果を調べています。

研究の種類偽の飲み物と比べた小さなランダム化比較試験 9本(248人)
対象健康な若い成人(寝不足や長時間の運転、夜の作業のあとを含む)
比べたものカフェイン入りのエナジードリンクと、偽の飲み物
結果9本のうち 8本で、眠気・だるさが減り、目がさえた感じが増えた
試験の結果運転シミュレーターで2時間運転した健康な24人は、市販のエナジードリンクを飲んだあとの3時間目と4時間目の眠気が、偽の飲み物より低くなりました [2]。

前の晩の睡眠を3〜6時間に制限した94人でも、覚醒度の自己評価が高まり、注意と記憶の4項目は6時間後も続きました [1]。

ゲームをする若い成人45人の試験では、疲れ・だるさの得点が下がり、活力の得点が上がりました [5]。28日間飲み続けた60人の試験でも、28日目に「集中している感じ」「元気な感じ」が高まりました [6]。効果の大きさを数値でそろえた解析はなく、「どれくらい」は言えません。根拠の確かさは低めです。研究の多くが数十人規模で、飲んだ直後の効果しか見ていないためです。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

朝食を抜きカフェインを断った20人の試験では、ブドウ糖とカフェイン入りの飲み物は、記憶と注意の速さ以外のテストと気分を変えませんでした [7]。医学生80人の試験では、三種類のエナジードリンクのうち、作業記憶が伸びたのはひとつだけでした [8]。

差が小さかった試験朝食を抜きカフェインを断った20人

記憶と注意の速さ以外の頭のテストと気分には、差がありませんでした。

効くのは中身か、カフェインか

カフェインを抜いたエナジードリンクは、18〜70歳の223人の試験で、気分・元気さ・頭のテストのどれも偽の飲み物と差がありませんでした [3]。成分を分けた48人の試験では、疲れた感じを減らしたのはカフェインで、タウリンやブドウ糖ではありませんでした [9]。女子大学生19人のカプセルの試験では、ある反応の課題でカフェイン80mgが反応を速め、タウリンを加えるとその効果がむしろ弱まる傾向がありました [10]。

一方、糖が全く無関係とは言えません。ある市販のエナジードリンクは、同じ製品の糖なし版やプラセボより記憶のテストの総合得点が良く、糖入りのほうが良い結果でした [11]。この試験は24人と小さく、企業所属の著者による論文です。2013年の94人の試験も、企業所属の著者の論文です [1]。

疲れは取れる?

研究で測っているのは、飲んだ直後の「疲れた感じ」「だるさ」の自己評価です。たとえば、体育学部の男子学生19人では、気分の質問票の疲労感が低くなりました [12]。ただ、体の疲れの原因が回復するかを調べた研究は見つかりませんでした。疲れた感じが軽くなることと、疲れが取れることは別のこととして読んでください。

頭の働きは?

別の疑問として、注意・反応・記憶のテストを調べた小さな試験11本の多くで、成績は上がっています。夜勤明けの研修医26人では、反応が平均278.9ミリ秒対294.0ミリ秒とわずかに速くなりました [13]。ただし注意がとぎれる回数に差はありませんでした。同じカフェインの働きは カフェインで集中力は上がる? や コーヒーを飲むと仕事に集中できる? でも確かめています。

よく言われていることは本当?

  • 眠気が覚める・目がさえる効きます。 小さな試験9本の多くで眠気とだるさが減りました。根拠の確かさは低めです [1]。
  • 疲れが取れる(疲労回復)疲れた感じは軽くなります。 疲れの原因が回復するかは、研究が見つかりません [5]。
  • タウリンやビタミンB群などカフェイン以外の成分が効く眠気や疲れで、上乗せの効果を示す試験は見つかりません。 カフェイン抜きは差がなく、成分を分けた試験で効いたのは主にカフェインでした [3] [9]。タウリンとの併用で反応が速くなったとするまとめ解析もありますが、運動の研究が中心でばらつきが大きく、タウリンの効果とは言い切れません [14]。
  • 飲みすぎると眠れなくなる関連していました。 飲む人は飲まない人より不眠のオッズが5.02倍でした [4]。

02注意点

不眠との関連は、エナジードリンクを飲んだあとの副作用を報告した32件・96,549人のメタ解析で見られました。子どもでは不眠が35.4%、大人では不眠が24.7%、手のふるえやそわそわが29.8%と報告されています [4]。観察研究を含み、飲んだ結果そうなったとは言えません。夜勤を想定した15人の実験では、夜中に飲むと、そのあとの昼間の睡眠が29.1分短くなりました [15]。21歳までの若者では、よく飲む人ほど睡眠が短く質が悪いことと関連していました [16]。妊娠中の人、持病や服薬中の人は、医師や薬剤師に確認してください。

夜勤を想定した実験では、夜中に飲むと眠りが短くなった

眠気を覚ます目的でも、寝る前の時間帯は避けましょう。

03まとめ

エナジードリンクは、飲んだ直後の眠気と疲れた感じを和らげます。
効いているのは主にカフェインなので、ほかのカフェイン飲料との合計で考えてください。
使うなら昼の時間帯にして、夜は避けましょう。

04よくある質問

Qコーヒーでも同じ効果がありますか?

効いているのは主にカフェインなので、同じ働きが期待できます。ただし、エナジードリンクとコーヒーを直接比べた試験は今回の研究に含まれていません。

Q糖なしのほうが効きますか?

研究では逆でした。24人の試験で、糖入りのほうが記憶のテストの総合得点が良い結果でした [[28168925]]。ただし小さな試験なので、この1本だけでは決められません。

Q中高生が飲んでも眠気は取れますか?

15〜18歳の、くじ引きで分けていない試験では、注意・記憶・推論のテストに差がありませんでした [[23315697]]。眠気そのものを調べた試験は見つかりませんでした。

Q毎日飲み続けても効きますか?

28日間の試験が1本あり、28日目にも「集中している感じ」「元気な感じ」が高まりました [[41374082]]。それより長い期間の研究は、見つかりませんでした。

05参照した論文

判定に使った主な論文(19本)

[1]エナジーショットが6時間の認知機能と気分に与える効果

発表年
2013年
研究機関
イギリス・企業の研究部門
掲載誌
Appetite
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
94人
結果の向き
良い方向

前の晩の睡眠を短くした健康な94人で、エナジーショットは偽薬より自己評価の覚醒度と注意・記憶の得点を高めた。

[2]長時間運転中のレッドブルの運転成績への良い効果

発表年
2011年
研究機関
オランダ・ユトレヒト大学
掲載誌
Psychopharmacology
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
24人
結果の向き
良い方向

健康な24人の運転シミュレーターで、レッドブルは3時間目と4時間目の眠気の自己評価を下げた。

[3]カフェイン抜きエナジードリンクは精神的な元気に急性の効果なし

発表年
2020年
研究機関
アメリカ・ジョンズ・ホプキンス大学
掲載誌
The American journal of clinical nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
差なし

18〜70歳の223人で、カフェイン抜き版は気分・元気さ・頭のテストのどれも偽の飲み物と差がなかった。

[4]エナジードリンクの副作用のメタ解析

発表年
2021年
研究機関
カナダ・マクマスター大学
掲載誌
Sports health
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
96,549人
結果の向き
悪い方向

32件・96,549人のメタ解析で、飲む人は不眠のオッズが5.02倍で、不眠と関連していた。

[5]新しいエナジードリンクがゲーマーの認知と気分を改善

発表年
2024年
研究機関
アメリカ・アイオワ大学
掲載誌
Journal of the American Nutrition Association
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
45人
結果の向き
良い方向

ゲームをする若い成人45人で、疲れ・だるさの得点が下がり活力の得点が上がった。

[6]カフェイン入りエナジードリンクの消費エネルギーと認知への影響

発表年
2025年
研究機関
アメリカ・リンデンウッド大学
掲載誌
Nutrients
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

男性33人・女性27人が28日間飲み、28日目に集中している感じと元気な感じが高まった。

[7]エナジードリンク全体と成分ごとの認知・身体への効果

発表年
2004年
研究機関
イギリス・ノーサンブリア大学
掲載誌
Psychopharmacology
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
20人
結果の向き
差なし

朝食を抜きカフェインを断った20人で、記憶と注意の速さ以外のテストと気分に差はなかった。

[8]医学生におけるエナジードリンクと作業記憶

発表年
2017年
研究機関
コロンビア・ペレイラ工科大学
掲載誌
European journal of nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
80人
結果の向き
結果が割れている

医学生80人で、三種類の飲み物のうち作業記憶が伸びたのはひとつだけだった。

[9]エナジードリンクの成分(カフェイン・タウリン・ブドウ糖)が認知に与える違い

発表年
2012年
研究機関
アメリカ・タフツ大学
掲載誌
Pharmacology, biochemistry, and behavior
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

習慣的な摂取者48人で、疲れた感じを減らしたのはカフェインで、タウリンやブドウ糖ではなかった。

[10]カフェインとタウリンの反応の速さへの影響

発表年
2013年
研究機関
オーストラリア・タスマニア大学
掲載誌
Appetite
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
結果が割れている

女子大学生19人で、反応を上げたのはカフェインで、タウリンを加えると効果が弱まる傾向があった。

[11]レッドブルと糖なし版の認知機能への効果

発表年
2017年
研究機関
イギリス・企業の研究部門
掲載誌
Journal of psychopharmacology (Oxford, England)
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
24人
結果の向き
良い方向

健康な若い24人で、糖入りレッドブルは糖なし版とプラセボより記憶のテストの総合得点が良かった。

[12]エナジードリンクの短時間の運動成績・反応・心理への効果

発表年
2019年
研究機関
チュニジア・国立スポーツ観測所
掲載誌
Nutrients
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
19人
結果の向き
良い方向

体育学部の男子学生19人で、気分の質問票の疲労感がプラセボより低く、活力が高かった。

[13]夜勤明けの研修医におけるエナジードリンクと運転成績

発表年
2020年
研究機関
Huffmyer JLほかの研究チーム
掲載誌
Anesthesia and analgesia
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
26人
結果の向き
良い方向

夜勤明けの研修医26人で、カフェイン入りは反応がわずかに速く、注意がとぎれる回数には差がなかった。

[14]Effects of Caffeine-Taurine Co-Supplementation on Exercise Performance: A Systematic Review and Meta-Analysis.

発表年
2026年
研究機関
中国・He Bほかの研究チーム
掲載誌
Nutrients
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

カフェインとタウリンの組み合わせを調べた11件の試験 (234人) のメタ解析で、反応の速さはプラセボより良い方向だったが、研究ごとのばらつきがとても大きかった

[15]夜勤を想定した実験でのエナジードリンクと昼間の睡眠

発表年
2006年
研究機関
オーストラリア・南オーストラリア大学
掲載誌
Physiology & behavior
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
悪い方向

若い成人15人で、夜中にエナジードリンクを飲むとそのあとの昼間の睡眠が29.1分短くなった。

[16]若者のエナジードリンクの飲用に関する系統的レビュー

発表年
2024年
研究機関
イギリス・ティーズサイド大学
掲載誌
Public health
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
—
結果の向き
悪い方向

21歳までの57件の研究で、よく飲む人は睡眠が短く質が悪いことと関連していた。

A glucose-caffeine 'energy drink' ameliorates subjective and performance deficits during prolonged cognitive demand.

発表年
2004年
研究機関
イギリス・ノーサンブリア大学
掲載誌
Appetite
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

頭を使う作業を長く続ける2つの実験 (30人と26人) で、ブドウ糖とカフェインの入った飲み物は、プラセボより頭の疲れの自己評価が低かった (最初の実験ではカフェインの多いほうの飲み物だけ)

The effects of red bull energy drink on human performance and mood.

発表年
2001年
研究機関
イギリス・ウェスト・オブ・イングランド大学
掲載誌
Amino acids
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
36人
結果の向き
良い方向

3つの実験 (計36人) で、レッドブルは比較用の飲み物より、自分で感じる覚醒度を高め、反応の速さ・集中・記憶のテストの成績も良かった

A taurine and caffeine-containing drink stimulates cognitive performance and well-being.

発表年
2000年
研究機関
オーストリア・ウィーン大学
掲載誌
Amino acids
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
10人
結果の向き
良い方向

大学院生10人の夜の実験で、偽薬を飲んだ人は真夜中に活力などの気分の評価が下がったが、エナジードリンクの成分を飲んだ人は下がらなかった

ほかに参考にした論文(4本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。