[1]エナジーショットが6時間の認知機能と気分に与える効果
- 発表年
- 2013年
- 研究機関
- イギリス・企業の研究部門
- 掲載誌
- Appetite
- 研究の種類
- ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
- 対象
- 94人
- 結果の向き
- 良い方向
前の晩の睡眠を短くした健康な94人で、エナジーショットは偽薬より自己評価の覚醒度と注意・記憶の得点を高めた。

眠気と疲れた感じは、和らぎます。
1 回飲んだ直後の話で、健康な若い成人の試験が中心です。子どもや持病のある人に当てはまるかは分かりません。疲れの原因そのものが回復するかも調べられていません。飲み続けた効果は 28 日間の 1 本だけです。
眠気をしのぎたい場面なら、使えます。効いているのは主にカフェインなので、コーヒーなどほかのカフェイン飲料と合わせた量で考えましょう。夜に飲むと睡眠と関連する報告があるため、寝る前の時間は避けるのが無難です [4]。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 36 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 12.7 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 22.3 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 81 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 9 本。 この上限により、強度を B から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
エナジードリンクは、カフェインを中心に、糖やタウリン(アミノ酸の一種)、ビタミンなどを加えた清涼飲料水です。眠気を覚まし、元気が出るとされ、缶や小さな「ショット」タイプがあります。注意点は、カフェインの量が製品で違うことと、夜に飲むと眠りに関連することです。ここは一般的な説明で、研究で確かめたものではありません。
答えの中心は、アメリカ、イギリス、オランダなどの研究チームが2000年から2025年に発表した、小さなランダム化比較試験9本です。ランダム化比較試験とは、くじ引きで飲み物を割り当て、効果を比べる方法です。どれも健康な若い成人が中心で、飲んだ直後の効果を調べています。
| 研究の種類 | 偽の飲み物と比べた小さなランダム化比較試験 9本(248人) |
|---|---|
| 対象 | 健康な若い成人(寝不足や長時間の運転、夜の作業のあとを含む) |
| 比べたもの | カフェイン入りのエナジードリンクと、偽の飲み物 |
| 結果 | 9本のうち 8本で、眠気・だるさが減り、目がさえた感じが増えた |
前の晩の睡眠を3〜6時間に制限した94人でも、覚醒度の自己評価が高まり、注意と記憶の4項目は6時間後も続きました [1]。
ゲームをする若い成人45人の試験では、疲れ・だるさの得点が下がり、活力の得点が上がりました [5]。28日間飲み続けた60人の試験でも、28日目に「集中している感じ」「元気な感じ」が高まりました [6]。効果の大きさを数値でそろえた解析はなく、「どれくらい」は言えません。根拠の確かさは低めです。研究の多くが数十人規模で、飲んだ直後の効果しか見ていないためです。
朝食を抜きカフェインを断った20人の試験では、ブドウ糖とカフェイン入りの飲み物は、記憶と注意の速さ以外のテストと気分を変えませんでした [7]。医学生80人の試験では、三種類のエナジードリンクのうち、作業記憶が伸びたのはひとつだけでした [8]。
記憶と注意の速さ以外の頭のテストと気分には、差がありませんでした。
カフェインを抜いたエナジードリンクは、18〜70歳の223人の試験で、気分・元気さ・頭のテストのどれも偽の飲み物と差がありませんでした [3]。成分を分けた48人の試験では、疲れた感じを減らしたのはカフェインで、タウリンやブドウ糖ではありませんでした [9]。女子大学生19人のカプセルの試験では、ある反応の課題でカフェイン80mgが反応を速め、タウリンを加えるとその効果がむしろ弱まる傾向がありました [10]。
一方、糖が全く無関係とは言えません。ある市販のエナジードリンクは、同じ製品の糖なし版やプラセボより記憶のテストの総合得点が良く、糖入りのほうが良い結果でした [11]。この試験は24人と小さく、企業所属の著者による論文です。2013年の94人の試験も、企業所属の著者の論文です [1]。
研究で測っているのは、飲んだ直後の「疲れた感じ」「だるさ」の自己評価です。たとえば、体育学部の男子学生19人では、気分の質問票の疲労感が低くなりました [12]。ただ、体の疲れの原因が回復するかを調べた研究は見つかりませんでした。疲れた感じが軽くなることと、疲れが取れることは別のこととして読んでください。
別の疑問として、注意・反応・記憶のテストを調べた小さな試験11本の多くで、成績は上がっています。夜勤明けの研修医26人では、反応が平均278.9ミリ秒対294.0ミリ秒とわずかに速くなりました [13]。ただし注意がとぎれる回数に差はありませんでした。同じカフェインの働きは カフェインで集中力は上がる? や コーヒーを飲むと仕事に集中できる? でも確かめています。
不眠との関連は、エナジードリンクを飲んだあとの副作用を報告した32件・96,549人のメタ解析で見られました。子どもでは不眠が35.4%、大人では不眠が24.7%、手のふるえやそわそわが29.8%と報告されています [4]。観察研究を含み、飲んだ結果そうなったとは言えません。夜勤を想定した15人の実験では、夜中に飲むと、そのあとの昼間の睡眠が29.1分短くなりました [15]。21歳までの若者では、よく飲む人ほど睡眠が短く質が悪いことと関連していました [16]。妊娠中の人、持病や服薬中の人は、医師や薬剤師に確認してください。
眠気を覚ます目的でも、寝る前の時間帯は避けましょう。
エナジードリンクは、飲んだ直後の眠気と疲れた感じを和らげます。
効いているのは主にカフェインなので、ほかのカフェイン飲料との合計で考えてください。
使うなら昼の時間帯にして、夜は避けましょう。
効いているのは主にカフェインなので、同じ働きが期待できます。ただし、エナジードリンクとコーヒーを直接比べた試験は今回の研究に含まれていません。
研究では逆でした。24人の試験で、糖入りのほうが記憶のテストの総合得点が良い結果でした [[28168925]]。ただし小さな試験なので、この1本だけでは決められません。
15〜18歳の、くじ引きで分けていない試験では、注意・記憶・推論のテストに差がありませんでした [[23315697]]。眠気そのものを調べた試験は見つかりませんでした。
28日間の試験が1本あり、28日目にも「集中している感じ」「元気な感じ」が高まりました [[41374082]]。それより長い期間の研究は、見つかりませんでした。
前の晩の睡眠を短くした健康な94人で、エナジーショットは偽薬より自己評価の覚醒度と注意・記憶の得点を高めた。
健康な24人の運転シミュレーターで、レッドブルは3時間目と4時間目の眠気の自己評価を下げた。
18〜70歳の223人で、カフェイン抜き版は気分・元気さ・頭のテストのどれも偽の飲み物と差がなかった。
32件・96,549人のメタ解析で、飲む人は不眠のオッズが5.02倍で、不眠と関連していた。
ゲームをする若い成人45人で、疲れ・だるさの得点が下がり活力の得点が上がった。
男性33人・女性27人が28日間飲み、28日目に集中している感じと元気な感じが高まった。
朝食を抜きカフェインを断った20人で、記憶と注意の速さ以外のテストと気分に差はなかった。
医学生80人で、三種類の飲み物のうち作業記憶が伸びたのはひとつだけだった。
習慣的な摂取者48人で、疲れた感じを減らしたのはカフェインで、タウリンやブドウ糖ではなかった。
女子大学生19人で、反応を上げたのはカフェインで、タウリンを加えると効果が弱まる傾向があった。
健康な若い24人で、糖入りレッドブルは糖なし版とプラセボより記憶のテストの総合得点が良かった。
体育学部の男子学生19人で、気分の質問票の疲労感がプラセボより低く、活力が高かった。
夜勤明けの研修医26人で、カフェイン入りは反応がわずかに速く、注意がとぎれる回数には差がなかった。
カフェインとタウリンの組み合わせを調べた11件の試験 (234人) のメタ解析で、反応の速さはプラセボより良い方向だったが、研究ごとのばらつきがとても大きかった
若い成人15人で、夜中にエナジードリンクを飲むとそのあとの昼間の睡眠が29.1分短くなった。
21歳までの57件の研究で、よく飲む人は睡眠が短く質が悪いことと関連していた。
頭を使う作業を長く続ける2つの実験 (30人と26人) で、ブドウ糖とカフェインの入った飲み物は、プラセボより頭の疲れの自己評価が低かった (最初の実験ではカフェインの多いほうの飲み物だけ)
3つの実験 (計36人) で、レッドブルは比較用の飲み物より、自分で感じる覚醒度を高め、反応の速さ・集中・記憶のテストの成績も良かった
大学院生10人の夜の実験で、偽薬を飲んだ人は真夜中に活力などの気分の評価が下がったが、エナジードリンクの成分を飲んだ人は下がらなかった
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。