[1]カフェインを1回とった直後の注意力へのはたらきを調べたメタ解析
- 発表年
- 2025年
- 研究機関
- デンマーク・コペンハーゲン大学
- 掲載誌
- Psychopharmacology
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 1,455人
- 結果の向き
- 良い方向
健康な大人1455人(RCT31件)で、カフェインをとると注意力のテストの正確さと反応の速さが少し良くなった。

上がります。注意力のテストの正確さと反応の速さが、少し良くなります。
純粋なカフェインを1回とった直後の、注意力のテストの話です。長く続けた効果や、仕事や勉強の成績そのものは、この答えの範囲外です。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 17.9 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 92.9 点を、エビデンス強度 A の範囲(75〜100 点)に収めて、スコアは 93 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・RCT のメタ解析 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
カフェインは、コーヒーや紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに含まれる成分です。眠気を覚まし、頭をはっきりさせるとされています。錠剤やカプセルの形で売られている純粋なカフェイン(無水カフェイン)もあります。注意点は、とりすぎると、そわそわしたり血圧が上がったりすることです。ここは一般的な説明で、この記事の研究で確かめたものではありません。
仕事中にコーヒーを飲む場合の話は コーヒーを飲むと仕事に集中できる? にまとめています。この記事は、カフェインの量、20歳以下、L-テアニンとの組み合わせに絞って確かめます。
答えの中心は、デンマークのコペンハーゲン大学などの研究チームが2025年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、条件のそろった複数の研究の結果を、数字でまとめ直す方法です。ここでは、純粋なカフェインとプラセボを二重盲検(どちらをとったか本人にも評価者にも伏せる方法)で比べた試験が集められました。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験のメタ解析(31件) |
|---|---|
| 対象 | 睡眠が足りている健康な大人(1455人) |
| 比べたもの | 純粋なカフェインを1回とる場合と、プラセボ |
| 結果 | 注意力のテストの正確さと反応の速さが、どちらもプラセボより少し良くなった |
g は効果の大きさの目安で、数字が大きいほど差が大きいことを示します。
「少し」というのは、研究者が使う効果の大きさの区分で小さいほうに当たる、という意味です。眠気が覚めて頭が冴える実感があっても、テストの点が大きく跳ね上がるわけではありません。根拠は、31件をまとめた結果で、正確さも反応の速さも、はっきりした差が出ていることです。
量が多いほど何でも良くなる、とは言えません。同じメタ解析では、200mg以上の量で反応の速さと正確さが、それより少ない量よりも大きく良くなりました。反応の速さは量が多いほど良くなり続けましたが、正確さは量を増やすとある所から下がる形でした [1]。ふだんのカフェインの摂取量と効果の大きさには、関連が見られませんでした。
量を直接比べた試験もあります。体を動かす習慣のある若い大人29人が、プラセボ、体重あたり3mg、6mgを全員試しました [3]。
150mgをとった26人の試験では、矢印を見分ける課題の反応が速くなりました。その一方で、血圧が上がり、ネガティブな気分も強まりました [4]。効いた量でも、血圧の上昇や気分の変化といった副作用が報告されています。
効きます。20歳以下の健康な人250人、ランダム化試験14件のメタ解析で、カフェインをとると頭の働きのテストの成績がプラセボより小さく良くなりました(標準化平均差0.41)[2]。良くなったのは主に反応の速さと注意で、判断などの実行機能の伸びは小さい結果でした。量やふだんの摂取量で、効果の大きさに有意な違いは見られませんでした。ただし、ふだんの摂取量は一部の研究だけの分析で、差を見つける力が足りない可能性があると著者は述べています。
根拠の確かさは中程度です。14件の結果のばらつきは小さい一方、小規模な研究が多いためです。
なお、対象には中高生も含まれますが、成績そのものや長く続けたときの影響は確かめられていません。
L-テアニンは、お茶に含まれるアミノ酸の一種です。カフェインと組み合わせた研究は、結果が項目によって割れています。
カフェインだけと比べて組み合わせが上乗せになるかは、この結果からは分かりません。根拠の確かさは低めです。著者が、信頼区間が広く効果の向きや大きさにまだ不確かさが大きいとしているためです [5]。テアニンそのものの話は L-テアニンは睡眠に効く? をご覧ください。
研究の対象は、睡眠が足りている健康な大人と20歳以下の健康な人です。睡眠不足の人や、持病・服薬中の人には、同じ結果が当てはまるとは限りません。副作用として、血圧の上昇、そわそわ、ネガティブな気分の強まりが、試験で報告されています [4] [3]。妊娠中の人、持病や服薬のある人は、医師や薬剤師に確認してください。
注意力が上がっても、夜の睡眠が削られると、翌日の注意力が下がる原因になります。
カフェインは、注意力のテストの正確さと反応の速さを少し良くします。
量は多いほど良いわけではなく、増やすと副作用が先に目立つことがあります。
まずは少なめの量から試し、20歳以下の人も同じ向きの結果ですが、体の様子を見ながら無理のない範囲で使いましょう。
研究では、純粋なカフェインとプラセボを比べています。コーヒーとの優劣は、この研究からは分かりません。コーヒーでの結果は、コーヒーを飲むと仕事に集中できる?(/evidence/coffee-work-focus)にあります。
メタ解析では、ふだんのカフェインの摂取量と効果の大きさに関連は見られませんでした [[40335666]]。ただし、慣れそのものを調べた研究ではないため、この記事では確かめていません。
20歳以下の研究では、反応の速さと注意が小さく良くなりました [[42851351]]。ただし、成績そのものや長く続けたときの影響は、この研究では確かめられていません。保護者や医師に相談してください。
レスリング選手12人の試験では、カフェインだけで不安が強まり、両方では不安や脈の速まりが少ない結果でした [[40977612]]。対象が少なく、一般の人に当てはまるかは確かめられていません。
健康な大人1455人(RCT31件)で、カフェインをとると注意力のテストの正確さと反応の速さが少し良くなった。
20歳以下の健康な人250人(研究14件)で、カフェインをとると頭の働きのテストの成績が小さく良くなった。
29人で、反応の速さが良くなったのは体重あたり6mgのときだけで、6mgでは神経の高ぶりも増えた。
26人で、カフェイン150mgをとると反応が速くなったが、血圧が上がりネガティブな気分も強まった。
テアニンとカフェインで、2時間目の注意の切り替えの正確さが良くなったが、効果の向きや大きさには不確かさが大きい。
徹夜明けの37人で、テアニンとカフェインを一緒にとると、事故の場面を見つける正確さが良くなった。
レスリング選手12人で、カフェインとテアニンを一緒にとると、運動後の注意の作業の反応が速くなった。
研究11件で、カフェインとテアニンを一緒にとると、2時間のうちに頭の冴えと注意の切り替えの正確さが中くらいに良くなった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。