カフェインで集中力は上がる?

カフェインで集中力は上がる?
読了目安 6〜8分最終更新日 2026.11.06
答え効く

上がります。注意力のテストの正確さと反応の速さが、少し良くなります。

根拠

睡眠が足りている健康な大人1455人、ランダム化比較試験31件をまとめたメタ解析で、カフェインを1回とると、注意力のテストの正確さと反応の速さがプラセボ(偽薬)より少し良くなりました [1]。20歳以下でも、14件・250人のメタ解析で同じ向きの結果です [2]。効果は大きくありません。

この答えの範囲

純粋なカフェインを1回とった直後の、注意力のテストの話です。長く続けた効果や、仕事や勉強の成績そのものは、この答えの範囲外です。

じゃあ、どうする?

量は多いほど良いわけではありません。200mg以上で効果が大きかった一方、正確さは増やしすぎると下がり、体重あたり6mgでは神経の高ぶりも増えました [1] [3]。まずは少なめから試し、眠れなくなる時間帯は避けましょう。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。高い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。8 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 93 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量17.920研究件数と参加人数
一致度2525結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度05信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 92.9 点を、エビデンス強度 A の範囲(75〜100 点)に収めて、スコアは 93 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・RCT のメタ解析 1 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

カフェインとは

カフェインは、コーヒーや紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに含まれる成分です。眠気を覚まし、頭をはっきりさせるとされています。錠剤やカプセルの形で売られている純粋なカフェイン(無水カフェイン)もあります。注意点は、とりすぎると、そわそわしたり血圧が上がったりすることです。ここは一般的な説明で、この記事の研究で確かめたものではありません。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

仕事中にコーヒーを飲む場合の話は コーヒーを飲むと仕事に集中できる? にまとめています。この記事は、カフェインの量、20歳以下、L-テアニンとの組み合わせに絞って確かめます。

答えの中心は、デンマークのコペンハーゲン大学などの研究チームが2025年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、条件のそろった複数の研究の結果を、数字でまとめ直す方法です。ここでは、純粋なカフェインとプラセボを二重盲検(どちらをとったか本人にも評価者にも伏せる方法)で比べた試験が集められました。

研究の種類ランダム化比較試験のメタ解析(31件)
対象睡眠が足りている健康な大人(1455人)
比べたもの純粋なカフェインを1回とる場合と、プラセボ
結果注意力のテストの正確さと反応の速さが、どちらもプラセボより少し良くなった
まとめて分析した結果カフェインをとると、正確さ(g = 0.27)と反応の速さ(g = 0.28)がプラセボより少し良くなりました [1]。

g は効果の大きさの目安で、数字が大きいほど差が大きいことを示します。

「少し」というのは、研究者が使う効果の大きさの区分で小さいほうに当たる、という意味です。眠気が覚めて頭が冴える実感があっても、テストの点が大きく跳ね上がるわけではありません。根拠は、31件をまとめた結果で、正確さも反応の速さも、はっきりした差が出ていることです。

量が多いほど効く?

量が多いほど何でも良くなる、とは言えません。同じメタ解析では、200mg以上の量で反応の速さと正確さが、それより少ない量よりも大きく良くなりました。反応の速さは量が多いほど良くなり続けましたが、正確さは量を増やすとある所から下がる形でした [1]。ふだんのカフェインの摂取量と効果の大きさには、関連が見られませんでした。

量を直接比べた試験もあります。体を動かす習慣のある若い大人29人が、プラセボ、体重あたり3mg、6mgを全員試しました [3]。

  • 反応の速さが良くなったのは6mgのときだけで、プラセボより0.04秒速くなりました
  • 3mgでは差がありませんでした
  • 持続的な注意や記憶は、どちらの量でも変わりませんでした
  • 6mgでは神経の高ぶり(そわそわ)などの副作用が増えました

150mgをとった26人の試験では、矢印を見分ける課題の反応が速くなりました。その一方で、血圧が上がり、ネガティブな気分も強まりました [4]。効いた量でも、血圧の上昇や気分の変化といった副作用が報告されています。

20歳以下でも効く?

効きます。20歳以下の健康な人250人、ランダム化試験14件のメタ解析で、カフェインをとると頭の働きのテストの成績がプラセボより小さく良くなりました(標準化平均差0.41)[2]。良くなったのは主に反応の速さと注意で、判断などの実行機能の伸びは小さい結果でした。量やふだんの摂取量で、効果の大きさに有意な違いは見られませんでした。ただし、ふだんの摂取量は一部の研究だけの分析で、差を見つける力が足りない可能性があると著者は述べています。

根拠の確かさは中程度です。14件の結果のばらつきは小さい一方、小規模な研究が多いためです。

なお、対象には中高生も含まれますが、成績そのものや長く続けたときの影響は確かめられていません。

L-テアニンと一緒だと?

L-テアニンは、お茶に含まれるアミノ酸の一種です。カフェインと組み合わせた研究は、結果が項目によって割れています。

  • 健康な人のランダム化比較試験15件を統合したメタ解析では、2時間目の注意の切り替えの正確さ(標準化平均差0.33)が良くなりました。1時間目の選択反応の速さは、はっきりした差になりませんでした [5]
  • 徹夜明けの37人では、テアニンとカフェインの組み合わせで、事故の場面を見つける正確さが良くなりました [6]
  • 激しい運動のあとのレスリング選手12人では、注意の作業の反応が速くなりました [7]
  • お茶の成分の研究11件のまとめでは、効果の大きさはテアニンの量よりカフェインの量と関係する傾向がありました [8]

カフェインだけと比べて組み合わせが上乗せになるかは、この結果からは分かりません。根拠の確かさは低めです。著者が、信頼区間が広く効果の向きや大きさにまだ不確かさが大きいとしているためです [5]。テアニンそのものの話は L-テアニンは睡眠に効く? をご覧ください。

よく言われていることは本当?

  • 集中力・注意力が上がる本当です。 注意力のテストの正確さと反応の速さが少し良くなります [1]。
  • 量が多いほど効く半分本当です。 200mg以上で効果が大きかった一方、正確さは増やしすぎると下がり、副作用も増えました [1] [3]。
  • 毎日飲んで慣れると効かなくなる研究では関連が見られませんでした。 ふだんの摂取量と効果の大きさに関連はありませんでした [1]。
  • 学生の勉強に役立つ20歳以下では、反応の速さと注意が小さく良くなります [2]。 ただし、勉強の成績そのものを測った結果ではありません。
  • 緑茶のテアニンと一緒だと落ち着いて集中できる研究が足りません。 結果は項目によって割れています [5]。
  • 記憶力が上がるこの記事では扱いません。 体重あたり3mgと6mgを比べた試験では、どちらの量でも記憶は変わりませんでした [3]。

02注意点

研究の対象は、睡眠が足りている健康な大人と20歳以下の健康な人です。睡眠不足の人や、持病・服薬中の人には、同じ結果が当てはまるとは限りません。副作用として、血圧の上昇、そわそわ、ネガティブな気分の強まりが、試験で報告されています [4] [3]。妊娠中の人、持病や服薬のある人は、医師や薬剤師に確認してください。

眠れなくなる時間帯は避ける

注意力が上がっても、夜の睡眠が削られると、翌日の注意力が下がる原因になります。

03まとめ

カフェインは、注意力のテストの正確さと反応の速さを少し良くします。
量は多いほど良いわけではなく、増やすと副作用が先に目立つことがあります。
まずは少なめの量から試し、20歳以下の人も同じ向きの結果ですが、体の様子を見ながら無理のない範囲で使いましょう。

04よくある質問

Q無水カフェインの錠剤のほうが、コーヒーより効きますか?

研究では、純粋なカフェインとプラセボを比べています。コーヒーとの優劣は、この研究からは分かりません。コーヒーでの結果は、コーヒーを飲むと仕事に集中できる?(/evidence/coffee-work-focus)にあります。

Q毎日飲んでいると、効かなくなりますか?

メタ解析では、ふだんのカフェインの摂取量と効果の大きさに関連は見られませんでした [[40335666]]。ただし、慣れそのものを調べた研究ではないため、この記事では確かめていません。

Q中高生が試験前に飲んでも大丈夫ですか?

20歳以下の研究では、反応の速さと注意が小さく良くなりました [[42851351]]。ただし、成績そのものや長く続けたときの影響は、この研究では確かめられていません。保護者や医師に相談してください。

QL-テアニンを足すと、そわそわが減りますか?

レスリング選手12人の試験では、カフェインだけで不安が強まり、両方では不安や脈の速まりが少ない結果でした [[40977612]]。対象が少なく、一般の人に当てはまるかは確かめられていません。

05参照した論文

判定に使った主な論文(8本)

[1]カフェインを1回とった直後の注意力へのはたらきを調べたメタ解析

発表年
2025年
研究機関
デンマーク・コペンハーゲン大学
掲載誌
Psychopharmacology
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,455人
結果の向き
良い方向

健康な大人1455人(RCT31件)で、カフェインをとると注意力のテストの正確さと反応の速さが少し良くなった。

[2]20歳以下の人がカフェインを1回とったときの頭の働きを調べたメタ解析

発表年
2026年
研究機関
中国・北京体育大学
掲載誌
Frontiers in nutrition
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
250人
結果の向き
良い方向

20歳以下の健康な人250人(研究14件)で、カフェインをとると頭の働きのテストの成績が小さく良くなった。

[3]量の違うカフェインが頭の働きに与える影響を調べた試験

発表年
2024年
研究機関
スペイン・カスティーリャ・ラ・マンチャ大学
掲載誌
European journal of nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
29人
結果の向き
良い方向

29人で、反応の速さが良くなったのは体重あたり6mgのときだけで、6mgでは神経の高ぶりも増えた。

[4]カフェインと複数成分のサプリが注意力に与える影響を比べた試験

発表年
2026年
研究機関
イギリス・マンチェスター・メトロポリタン大学
掲載誌
European journal of nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
26人
結果の向き
良い方向

26人で、カフェイン150mgをとると反応が速くなったが、血圧が上がりネガティブな気分も強まった。

[5]お茶・L-テアニン・テアニンとカフェインの頭の働きへの影響を調べたメタ解析

発表年
2025年
研究機関
イギリス・アバディーン大学
掲載誌
Nutrition reviews
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究15件を統合
結果の向き
結果が割れている

テアニンとカフェインで、2時間目の注意の切り替えの正確さが良くなったが、効果の向きや大きさには不確かさが大きい。

[6]徹夜明けの若い大人でテアニンとカフェインの組み合わせを調べた試験

発表年
2025年
研究機関
スリランカ・ペラデニヤ大学
掲載誌
The British journal of nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
37人
結果の向き
良い方向

徹夜明けの37人で、テアニンとカフェインを一緒にとると、事故の場面を見つける正確さが良くなった。

[7]カフェインとテアニンの併用が運動選手の不安と体力に与える影響

発表年
2025年
研究機関
イラン・シラーズ大学
掲載誌
Journal of the International Society of Sports Nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
12人
結果の向き
良い方向

レスリング選手12人で、カフェインとテアニンを一緒にとると、運動後の注意の作業の反応が速くなった。

[8]お茶の成分が頭の働きと気分に与える影響を調べたメタ解析

発表年
2014年
研究機関
オーストラリア・スウィンバーン工科大学
掲載誌
Nutrition reviews
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究11件を統合
結果の向き
良い方向

研究11件で、カフェインとテアニンを一緒にとると、2時間のうちに頭の冴えと注意の切り替えの正確さが中くらいに良くなった。

ほかに参考にした論文(1本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。